それと短いです。
それと今更なんですが、これからは次回予告を入れて行こうと考えています。
ミアナは見張り台から噴き上がる炎の柱を見ていた。
彼女たちはあんなものを見たことがないため、ただ眺めているだけであった。しかし、何故あんなことが起きているのか、それは理解している。
結晶を纏ったゴジラのせいであると…。
もし…アレもゴジラと同属か
あらかたの説明を受けたワタルたちは、では、どうやってスペースゴジラを倒すのか聞いてみた。
「で、奴を倒す手段はないのか?」
「我々が記録した限り、奴の体表はゴジラ程硬くもないし、再生もしない。だが、その代わり非対称性透過シールドだけは健在だ。どこかにシールドを増幅させる場所があるはず。しかしその部位は分からん」
「では…最初のゴジラを倒した時と同じ作戦で行けるかも…ってことですか?」
「理論上だ。1年前もそう思ってやったら無様にやられたからな。なあ、マーティン?」
「………」
マーティンはこの瞬間僅かな苛立ちを感じた。
あの時、ゴジラが分子運動によって超高熱を放出し出した途端にビルサルドが本性を現したことを今でも忘れない。無理やり隊員を強制ナノメタル化し、逃げれば助かるはずの命を消したのだ。
その犠牲にハルオが一番気にかけていたユウコもいたことも…。
「スペースゴジラがいる場所はどうやって調べる?」
「簡単な話だ。奴もゴジラ同様放射能を出している。ナノメタルで探査機を作ってその足跡を辿ればいい」
「だが、準備は他にもあるだろ?」
「もちろん。スペースゴジラ…ゴジラ共々倒せるようなメカゴジラを作成する。まあ、もう入っているがな」
「何だって⁈」
「作成期間は?」
「2日ってとこだ。同時に揚陸艇もコンバートする。そうすれば如何に遠い場所にいたとしても、即座に着ける」
ナノメタルがここまで凄い金属物質なのかとワタルもリカも驚いた。しかし、この金属でさえ勝てなかったゴジラはどれほどの力なのか…想像もつかなかった。
「とにかく今は休め。来たる時に身体が動かなかったら意味がないぞ?」
それを聞いて、リカは徐々にワタルの身体が重力に従ってずり落ちていくのが分かった。これ以上立たせるのは無理だと思ったリカは即座に先程ワタルが出てきた部屋に入って、彼を横にさせた。
「ふっ、ワタルもハルオと同じようにいいパートナーがいるではないか」
「…そうだな」
こんな会話をしていることにリカは気付いていない。
「大佐、無理せず安静にしてください。これから私が食事もしますから」
「俺を介護するってのか?いいよ、俺は……」
上体を起こそうとしたが、未だに身体に鈍い痛みが残る。
「ほら、寝た寝た!」
リカに上半身を押されて金属質のベッドに横たわるワタル。口からは「はあ」と溜息を吐き、大人しくする。
リカはワタルの傍に座り、遠い昔の本を機械で読み出した。
題名はゴジラとの戦いで消失してしまったが、これがなかなか面白くて読み出したらハマってしまった。
そんな感じで数時間、静かな時間が流れると、不意にワタルが口を開いた。
「なあ…リカ」
「何ですか?」
「俺は……正しいのかな?」
その問いに、リカは即座に答えられなかった。
「ゴジラを倒す…それが俺の生涯の目標だ。だけど…みんなをここに導いて戦うことは、本当に正しかったのか…。今となっては、『負け』も1つの手だと思うんだ」
「…ゴジラと共存する……ということですか?」
「違う。あいつと共存なんか…」
「でもフツアの民は共存……というのか分かりませんが、ゴジラとは敵対関係ではありません」
そう言われて、ワタルは黙ってしまう。
「双子の片割れが言ってました。『戦うの、負け。負けるの、勝ち』と…」
「負けるのが…勝ち…」
ワタルにはその双子の片割れの言葉を理解出来なかった。
負けたら虚無感が残るだけで、勝利の余韻もあったものではない…と。しかし、あのゴジラの圧倒的な力の前で、自分たちは立ち向かうことが出来るのか……。
そんなことを考えていると、再び疲れか傷が癒えていないのか、寝入ってしまうのだった。
その頃…ゴジラ・アースはスペースゴジラの居城に乗り込んでいた。
至るところに水晶が蟻地獄のように連なり、セルヴァムや植物…果てにはその場にある空気をも吸収していた。
その真ん中で、スペースゴジラは待っていましたと言いたげに鎮座していた。
その姿に怒りしか覚えなかったゴジラは、すぐ様背びれに電撃を蓄積して、熱線を放出した。だが、熱線はスペースゴジラの少し前でバリアみたいなもので反射し、一本だった熱線を数本に分裂させ、ゴジラに一部命中させた。
ゴジラは自らの熱線を受けて、足を後ろに後退させた。
そこに追い撃ちをかけるように奴は湾曲した黄色の熱線を吐き、ゴジラの身体に命中させていく。非対称性透過シールドを展開しているのにも関わらず、スペースゴジラの熱線は意図も簡単に突き抜けていく。
とうとう耐えられなくなったゴジラは足の力が抜けて、地面に倒れた。倒れるだけでも天災を起こすのではないかと思うほどの地震を作り、周りの結晶を破壊していく。
スペースゴジラは配置した結晶からエネルギーを得て、肩に付いている巨大な結晶に更なるエネルギーを蓄える。
そして、肩の結晶から重力場を操るエネルギーを出し、10万トンもの質量を持つゴジラの巨体を難なく持ち上げると、そのまま結晶で作られた蟻地獄に閉じ込めた。
ゴジラは出ようと熱線を吐き、身体を暴れさせるが、忽ちエネルギーを奪われ、徐々に大人しくなっていく。
これにより、勝ちを確証したスペースゴジラは天に向かって咆哮し、電撃熱線を至る場所に降り注がせるのだった。
卵の前で祈りをしているマイナに、何か…大きなものが消え失せようとしているのが感じ取れた。ここから遠く離れた場所であるが、それが何なのかは分かる。
ゴジラだ。
結晶を纏ったゴジラにやられたのか、それとも…何か別のことが起きているのか…。
何にせよ、このままではフツアの民も…ハルオたちと同じようにやって来たワタリガラスも皆死に行く運命だけは変わらない。
そうならないためにはどうしたら良いか…。
ハルオと命を繋いだこの子のためにも…マイナはまだ死ぬわけにはいかなかった。彼の命も無駄にしないために…。
ミアナは卵に手を当て、再び祈りを捧げるのだった。
次回、遂にメカゴジラ完成。
その圧倒的な力でスペースゴジラを圧倒するが…。
そして、ワタルはとんでもない行動に出る。
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