GODZILLA Another stage   作:GZL

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第18話

「ガルグ!メカゴジラを起動するんだ‼︎」

 

急いで基地の中へと戻ったワタルはすぐにガルグにメカゴジラの出動を要請した。しかし、ガルグから帰ってきた言葉は…。

 

「ダメだ。まだ完全に整備しきれていない。もう少し待ってくれ!」

「クソ!すぐそこにまで迫っているのに…!」

 

モニター越しでもゴジラは再び熱線を発射しようと背びれに電気エネルギーを蓄えている。そして、正に発射されようとした時、ゴジラは突然バランスを崩して熱線を基地から離れた場所へと誤射した。

それでも樹海にはもう一本の焼けた線が浮かんで、破壊力を誇示する。

ゴジラがゆっくりと青い瞳を向けると、右足に赤いあの生物が鋭い足で突いていたのだ。

何故この巨大な化け物に攻撃を仕掛けたのかは分からないが、今のでゴジラの逆鱗に触れてしまったのか、ゴジラは咆哮を上げてその生物を難なく踏み潰した。

邪魔者が消えた…。これで心置きなく人類を抹殺出来る…そんなことを思いながら前を向くと…そこには体高300mを超えるゴジラの半分くらいの大きさのあの生物が何十体と現れていたのだ。

これにはゴジラだけでなく、ワタルたち人型種族も驚いた。

 

「あいつら…あんなに大きくなれたのか…」

「やはり…オキシジェンデストロイヤーの効力は凄まじい…」

 

マーティンは感心しているように言った。

彼らは隊列を作り、ゴジラに向かって口を向けて、薄桃色の光線を一斉に吐き出した。

ゴジラには非対称性透過シールドがあるため、誰も効かないと思っていた。しかし、あの光線が1つにまとまり、一直線の太い光線となるとゴジラは後ろに後退していき、最終的に光線で押し倒すにまで至ったのだ。更に熱線は枝分かれして、樹海が全て無くなるのではと言う程の威力で薙ぎ払っていった。

 

「すごい…」

「…破壊王だ」

 

マーティンは思わず口から漏れてしまった。

あの熱線の威力…あれは正しくゴジラの熱線とほぼ同格のものに見えたのだ。

 

「奴は…全てを破壊する王…デストロイアだ…」

「デストロイア…」

 

マーティンの言葉は本当に正しかった。

ゴジラが倒れてからも、デストロイアは光線の放出を止めるどころかずっと同じ威力で吐き続けている。

どこにそんな膨大なエネルギーがあるのかと思える程だった。

だが、ここでゴジラの反撃が始まる。

辺りが薄桃色に染まっている中で、青き光線が放たれて、デストロイアの頭を貫いた。ブシャアと緑色の体液が溢れ、デストロイアは身体を苦痛にくねらせる。

ゴジラも立ち上がり、更なる熱線を与える。

今度は腹を貫き、デストロイアの身体は周囲に飛散する。

あっという間に形勢を逆転したゴジラは勝利の雄叫びを上げる。

そして再び人類に攻撃を仕掛けようと思った、が…ここで薄桃色の気体が1つの場所に集まり始める。それは先程身体がバラバラになったところで、その気体は竜巻となる。

ゴジラが静かに見守っていると、そこからは…『破壊王』と呼ぶに相応しい姿の怪獣が現れた。

体高はゴジラよりも赤く、身体は赤黒い。

尻尾は鋏尾になっており、頭部からは長くはないが白い角が生えている。更には自分を大きく見せたいのか、巨大な翼を持っている。

それを閉じることなく、ゴジラに向けて広げている。

 

「あれが…デストロイアの最終形態……」

「凄まじい姿だ…」

 

今度はガルグからも感嘆たる声が漏れてしまう。

怪獣に向けて、凄いや素晴らしいなどと思ったことはないワタルだったが、今回ばかりは…その荘厳な姿に言葉を失った。

だがゴジラには関係ない。

小さかった的が大きくなっただけで、熱線を当てるのが簡単になった。

放たれた熱線はもう一度腹部を貫く。デストロイアの腹から緑色の体液が溢れる。

しかし、デストロイアの身体は間もなく再生をしていき、何とも無かったのようになる。

それからデストロイアは口から薄桃色の光線を吐き出した。

隊列を作って出した光線よりも強く、太く、威力が増した光線を見たゴジラは同じく青い熱線を放って対抗しようとする。

青と薄桃の光線は激しく衝突して、周囲の木々、そして地面をも抉る。ほんの数秒の衝突はすぐにデストロイアの勝ちで終わる。

ゴジラの熱線は徐々に押されてゆき、最後には口元で炸裂して顔面から光線を受けたゴジラは後方へと飛ばされる。

苦しそうな呻き声を上げたゴジラを追撃する形でデストロイアは翼を広げて近付くと、鋏の尾でゴジラの首元を捉えて、電撃を流し、有り余る力で小高い山にその巨体を叩きつけた。

その衝撃で大地は揺れ、メカゴジラ基地にもその震動が届いた。

圧倒されているゴジラを見たワタルたち人類の目はもっとやれ……ゴジラをそのまま殺してしまえと言いたげな表情を知らず知らずのうちに出してしまっていた。

その要求に答えるようにデストロイアは光線を連続して吐き続ける。

辺りが粉塵で見えなくなるまで、連続して光線を放ち終えた時には小高い山は崩れ落ち、その傍らでゴジラは弱ったように倒れていた。

それを見たガルグは、ここで…誰しも予想し得ない言葉を発した。

 

「メカゴジラ出動!目標は…デストロイアの抹殺‼︎」

 

それを聞いた者たちはもちろん驚いた。

今までゴジラを倒すことを目標にしていたガルグが、唐突にゴジラの味方をするのだから当然だろう。

ワタルは何故かは半分程分かっていたが、一応聞いてみた。

 

「ガルグ…どうしたんだ?」

「今回ばかりはゴジラに手を回さないとやられる。ゴジラは…今瀕死の状態だ。デストロイアはゴジラを唯一殺せる生物だとマーティンは言ったが、裏を返せばこれはゴジラを唯一『超える力を持つ』怪獣ということだ」

「…だからゴジラを助けるか…。ふん、スペースゴジラと同じで…まるでデジャブだな…」

「ワタルは反対か?」

「いいや。むしろ賛成だ。思いっきりやってくれ」

 

周囲は響めきと焦りが混じった声が聞こえているが、反対する者は誰もいなかった。

いや…次元の超えた話についていけていないというのが正しいだろう。

 

「ワタルがそう言うなら…遠慮無くやるぞ‼︎」

 

ガルグは1つの赤いボタンを押す。

すると、地面からドームがせり出てくる。

それが半分に割れ、中からスペースゴジラ戦より更に強化されたメカゴジラが姿を現した。

メカゴジラの赤い目がデストロイアを捉え、デストロイアも新たに現れた敵を認識する。デストロイアの咆哮が上がったと同時にメカゴジラは膝にある砲台からの砲撃を開始する。

砲撃はデストロイアに直撃するが、全く効きはしない。

それはメカゴジラも理解していたのか、今度は身体を低くさせて背中から刃を何個も射出させる。

鋭く砥がれた刃は高速で発射されて、デストロイアの身体に突き刺さる。それも大して効いてないように見えたが、ここでメカゴジラが足腰のエンジンをフルにしてデストロイアに近付くと腕からブレードを出して、傷付いた胸に振動させながら突き刺した。

デストロイアは苦痛の悲鳴を上げたが、長い尻尾でメカゴジラの腕を掴むと、力任せに地面に叩き伏せた。ブレードは腕から外れてしまい、突き刺さったままだが、デストロイアはそこから光線を放とうとする。

だが、その攻撃をメカゴジラは足腰のエンジンをフル稼働させることで避けた。

態勢を立て直し、再びデストロイアと会い見えるメカゴジラ。

その動向を見守るワタルたちを他所にベルドは、早く『あれ』が起動可能にならないのかと待っていた。

ガルグやベルベにもこの事を伝えて、こんな馬鹿げた戦いを止めさせたいと思っているのだが、ワタルやマーティンが近くにいるためそれも出来ずもどかしかった。

 

「くそ…。『あれ』さえ…『あれ』さえ起動出来れば我々の勝ちだというのに…」

 

隠れながらベルドがこんなことを呟いていたことを知っている者はいない。

そして…ベルドが言う『あれ』の起動可能時間まで、時間は少ない。




次回予告
メカゴジラも参加し、一期の形勢逆転を狙おうとしたワタルたちだったが、ここでゴジラも反撃に出る。
そしてベルドが仕掛けた計画が実行されかけた時、ワタルは止めようと奔走する…。

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