GODZILLA Another stage   作:GZL

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第三章、終結。


第19話

デストロイアはメカゴジラをきちんと目視していると、突然身体からガスを放出して視界を悪くさせた。メカゴジラがゆっくり歩いていると、不意にメカゴジラはバランスを崩した。

原因は足に鋭く尖った足を突き刺していた小さなデストロイアがいたからだった。しかも1匹ではない。何匹という小型のデストロイアがメカゴジラを包囲し、攻撃を始めたのだ。

流石のメカゴジラも複数体を相手にするのは酷で、背中や足…胸といった部分が小型デストロイア軍によって破壊されていく。もちろんナノメタルだから完全に破壊され尽くされることはないのだが、再生が追いつかない可能性が出てくる。

なので、メカゴジラは身体中に小さな高射砲を作り上げ、周りにいる小型デストロイアを一閃した。

やったのは良いもののメカゴジラの身体は大破し、完全に再生しきるまでには時間がかかりそうだった。その間にもデストロイアは先程の形態に戻りつつあった。

このままではメカゴジラがやられると思われた時、突然メカゴジラの目が青く光り、動きを止めた。

 

「⁈何だ⁈」

 

ガルグが何をしてもメカゴジラは動かない。

それどころかメカゴジラのナノメタルが周囲に増殖を開始する。

それを見たマーティンは1年前の恐怖が頭に過った。

 

「ガルグ中佐!こいつは…また…‼︎」

「違う!マーティン、今回は俺たちじゃない‼︎」

「じゃあ誰が…!」

 

ここでワタルは思い当たる人物を呟いた。

 

「ベルド…」

 

それからすぐにワタルはベルドがいる部屋に向かったすでにもぬけの殻だった。ではどこに行ったのか…。

 

「マーティン!揚陸艇でここにいる隊員をフツアの洞窟に避難するんだ‼︎」

「しかし…我々は追い出されて…」

「そんなこと言ってる場合か‼︎あの金属に飲まれたいか‼︎」

「でも、ワタル大佐はどうするんですか⁈」

「…ベルドを探す。1発殴らねえと気が済まない」

 

リカが呼び止めようとしたが、ワタルはすぐに基地の奥へと走っていった。それを追おうとしたリカだったが、侵食を開始したナノメタルがこちらにゆっくりと向かってきたのだ。

 

「逃げろ!飲まれたら終わりだ!」

 

全員マーティンの後ろについて行く形で逃げて行く。

 

「大佐…御無事で…!」

 

リカも痛む足を堪えながら必死に走って行くのだった。

 

 

メカゴジラが停止したことでデストロイアはチャンスだと思い、薄桃色の光線を発射する。動きを止め、ナノメタルを増殖させる苗床となったメカゴジラは退避も防御も出来ずに粉々に吹き飛んだ。

デストロイアは大きな雄叫びを上げて、勝利を確信したかのようだったが、足元にまで迫っていたナノメタルに気付けず、それに蝕まれて行く。暴れて何度となく引き剥がして行くが、それでも完全に引き剥がせない。

堪らなくなったデストロイアは大きな翼を広げて空中へと逃げ出す。

と、その時青い斬撃がデストロイアの翼を斬り落として、デストロイアを自然に落下させた。

それを行ったのはもちろんゴジラだった。

しかし…様子が違う。

身体の至るところに赤い光が漏れ、周囲の森は自然と燃えて溶けていく。デストロイアとゴジラはかなり離れているのにも関わらず、その熱は届いていた。

ゴジラの閉じていた目が開かれる。

金色に近い黄色に変わった眼色にデストロイアは凄まじい恐怖を感じたのか、一歩…足を後退させた。しかし翼を失ったデストロイアは動きを早く出来ない。

ゴジラからすれば格好の的でしかない。

ゴジラはデストロイアに背中を向け、巨大な尾を天に高々と上げた。

尾に電撃を溜めていき、勢いよく縦に振り下げた。

そして薄紫色の斬撃が形成され、デストロイアの身体を真っ二つに斬り裂いた。

デストロイアは口から緑色の体液を溢して、視界の焦点を失っていく。

だがゴジラの猛攻は止まらない。

更にその尾を横に振り、デストロイアの上半身と下半身を分裂させた。

十字に斬られたデストロイアは4つの肉片となって、地面に転がり落ちていく。

そして最後の止めにゴジラは口先からではなく、口元から薄紫色の熱線を放出した。これによりデストロイアはおろか、その周囲は激しく爆発と炎上を繰り返して、地獄絵図としたのだった。

 

 

基地の屋上へと駆け上がったワタルの前にはメカゴジラも破壊され、デストロイアをも倒したゴジラをジッと見ていたベルドの姿があった。

 

「ベルド‼︎貴様…初めからこれが目的だったのか!」

「…そうだ。我々ビルサルドの目的はこの地球を第二のビルサルディアにすることだった。そして…それももうじき叶う」

 

ベルドの言う通りで、森は銀色のナノメタルに染め上げられていく。

このままでは地球がナノメタルに飲み込まれてしまうのも時間の問題だった。

 

「ゴジラを倒すっていう言葉も…嘘だったのか?」

「…それは本当だ。ゴジラを倒さねば、我々の計画は遂行できなかった。だからナノメタルで作られたゴジラで倒そうとしたが…結局この有り様か…」

 

ワタルは気付いた。

ベルドの言葉に力がないことに…。

その原因は今もなお熱線を森に放ち続けるゴジラだった。

ナノメタルの侵食が進み切る前にゴジラはこの基地を破壊しようと向かって来ていた。

 

「ここまでだ、ベルド。もう終わったんだ。一緒に…」

「いや…最後まで見送る。ビルサルドの絶滅を…」

 

ベルドの意志は固い。

もしかしたらワタルがゴジラを倒すという信念よりも固いかもしれない。しかもワタルにはそんなベルドを説得する手立てがない。

彼をこの場から動かすのは不可能だった。

かといって、自分もここから逃げ出すことも出来ない。すぐ後ろにはナノメタルの侵食、そして燃え上がる森林。

誰かが迎えにでも来てくれれば……。

そう思っていると、ヒュウ…と風が変わる音がした。

それはヴァルチャーだった。そして…乗っていたのは…。

 

『大佐!捕まってください!』

「リカ⁈」

『早くしてください!時間がありません‼︎』

 

ゴジラも迫りつつある今、いつまでもここにいる訳にはいかない。

ワタルはヴァルチャーの腕に乗り、最後にベルドに向かって叫んだ。

 

「大将!今までありがとうございました‼︎」

 

敬礼して、感謝を述べた。

そして燃え上がる基地からヴァルチャーは即時退去した。

 

 

ベルドはゆっくりと歩いてくるゴジラを見続けた。

ビルサルドの悲願はナノメタルで新たな母星を作ることだったが…今考えれば我々は本当はゴジラを倒したかっただけなのかもしれないと…。

望みは叶えられず残念だが、悔いはなかった。

と、そこにガルグがやって来た。

 

「…ガルグ」

「大将…我々は結局…何しにこの星に来たんでしょうか?」

「…それは永久に分からない」

「ビルサルドらしくない。全てを論理で片付けて来たのに…」

「良いじゃないか…どうせ…もうその思考も消え………」

 

2人の視界が青くなる。

鼓膜が砕けそうな轟音が辺りを轟かせる。

メカゴジラ基地はゴジラの熱線を直撃し、全てが破壊し尽くされた。

ゴジラの高々な咆哮が、炎上する樹海中に響いた。

こうして…メカゴジラは三度…ゴジラに負け、どんな生物だろうと…機械だろうとゴジラには決して敵わないということが判明するのだった。

 

 




次章予告
メカゴジラも失い、ゴジラに対抗するための全てを失ったワタルたちは諦めてフツアとの生活を共にする。
しかし、日が経つにつれ、ワタルの右目の痛みが増していく。
そして夢の中にあの男が…。


次で最終章!

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