GODZILLA Another stage   作:GZL

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第22話

空がおかしい。

マイナは見てすぐに分かった。ゴジラが眠っている近くの雲が黒くうねり、雷雨が降り始める。黄色い稲光は何度も起き、それらが樹海へと落ちて山火事を起こしていく。

そして…その渦巻く黒雲から姿を現したのは…1年前にも地球を滅さんとやって来たギドラだった。

しかし、その容姿は前とは大分違う。以前は三つの首をワープホールから見せていただけのギドラは今回…黄金の翼と2つの足、更に2つの尾も揃えている。

なので、ギドラは今回…別の宇宙を介してやって来たのだが、地球環境に適応してやって来た…ということになる。

 

外の様子がおかしいと思ったマーティンやユリたちも外に出ると、夜の暗闇を一瞬にして、黄金一色に染め上げる怪物が目に入った。

 

「ギドラ⁈何故だ⁈どうして奴が…」

「博士、あの怪獣をご存知で?」

 

ユリが聴くと、マーティンは難しい表情をして答える。

 

「全ての星を喰らう…虚空の王だ。かつて私たち人形種族の1つ、エクシフの神だと崇める存在だ」

「神……それなら、ゴジラを…」

「馬鹿なこと言うな‼︎」

 

いつものマーティンからは考えられないような口ぶりが飛び出して来たため、ユリはビクッと身体を震わせた。

 

「あれは…アイツは、ゴジラを倒せる倒せないの次元の問題じゃない。地球が喰われるか喰われないかの問題に発展するほどの力を有しているんだ」

「地球が…喰われる?」

 

そのキーワードだけでも、マーティンが一年前、ギドラがどれだけの力を有しているかが予想出来た。

それを考えると…恐ろしい怪獣が登場してしまったと思っていると、リカもこちらに走って来てこんなことを…。

 

「大佐は……ワタル大佐がいない‼︎」

「…まさか!」

 

マーティンは何かを察したかのように言葉を漏らした。

それが何なのかは、フツアの民以外は誰も分からなかった。

 

 

 

「…くくく……。さあ、救済だ…」

 

ワタルの身体を手に入れた男は余裕綽綽と呟いた。

何故なら…今回のギドラこそ…究極の姿だからだった。

 

 

 

空が煩いと感じたのか、ゴジラはデストロイア戦からずっと眠っていた身体を数週間ぶりに起こした。目を開けて、天空を見ると雷豪雨が起きている。

しかも…その黒雲の下には…一度倒したはずのギドラが鎮座している。敵を確認した瞬間、ゴジラの体内の膨大な電撃が背びれに蓄積されていく。青い電撃はギドラの黄金の輝きに負けない程に発光する。

そして…身体をグルリと反転させて、再び遭い見えた敵に咆哮した。

ギドラも1年前にコテンパンにしてくれたゴジラを見て、大量にある赤い目を更に光らせて敵意を上げる。

互いが少しの間、出方を待っていくかと思いきや、間髪入れずに、ゴジラは背びれに電撃を溜めていき、口元から青い熱線を放出した。

ギドラに真っ直ぐ向かっていった熱線は間違いなくギドラの頭を1つ、吹き飛ばしたかのように思われた。だが熱線は重力を操れるギドラによってねじ曲げられて、遥か空の彼方へと飛んでいった。

一度戦ったことでゴジラも学習している。

二度も同じ攻撃はせず、足を動かして肉弾戦に持ち込もうとする。

だがギドラはゴジラが近付く前に、黄金色の光線を放つ。

真正面から受けたゴジラはこの光線に耐えようとするが、他の二体からも光線が発射され、威力が3倍になった瞬間、耐えられずに吹き飛ばされる。

ギドラもゴジラに隙を与えないように、大きな黄金の翼を広げて、そこに光線を流してエネルギーを蓄える。

ゴジラが立ち上がり、ギドラを直視した途端、大きな翼から数多の電撃が溢れ出し、それらはゴジラを巻き込んで至るところに降り注ぐ。

森を塵と化し、セルヴァムは骨も残らない程に焼かれ、ゴジラも透過性シールドを展開するも一瞬で破壊されて、連続して電撃を受け続けた。

ゴジラは踏ん張って立っているが、もう限界だろう。

それを分かってかギドラは素早い動きでゴジラに近付き、両肩と首に牙を食い込ませ、地面に叩きつけた。

10万トンもの巨体が地面にぶつかるだけで、地形は隆起し、大地震のような震動が広がる。

ゴジラも抵抗しようと、熱線を撃とうとしたが、噛まれている部位からエネルギーを奪われ、即座に熱線を撃てずにいる。

ギドラの目は更に爛々と輝きを増していき、ゴジラを咥え上げ、近くの山に放り投げるのだった。

 

 

子高い丘の上にやって来た人物を見て、男は驚いた。

 

「ほお……まさか君が来るとはね…」

「…あなた…ワタル先輩をどうする気?」

 

リカは隊員に渡されている銃を構えて、ワタルに聞く。いや…ワタルの身体を借りた『誰か』に…だ。

男はそのままギドラに視線を移し、リカに話し始めた。

 

「自己紹介が必要だね。私はメトフィエス。地球に逃れて来たエクシフの一人だ」

「エクシフ…あのよく分からない宗教のことね」

「よく分からないは酷いね。これでもアラトラム号では、結構人気だったんだよ?」

 

アラトラムの名を聞き、リカは少し混乱する。

 

「アラトラムって…あなた…幽霊?」

「幽霊ではない。私たちエクシフはずっと誰かの心の中で生き続けている。それが…」

「ワタル先輩…」

「その通りだ。そして…彼のゴジラへの激しい憎しみを増大させて、ギドラ…我らが神をここに降臨させた。一度呼んだことがあるから、意外に容易かったよ」

「ワタル先輩を解放しなさい!さもないと…‼︎」

 

リカは拳銃を強く握る。だが、メトフィエスは余裕綽綽だ。

 

「いいのかな?この身体はワタル大佐のものだ。今ここで撃てば、ワタル大佐は死ぬ」

「えっ…」

「私がここにいる理由はワタルが心からゴジラを倒したいと思っているからだ。それが無くならない限り、私は永遠に存在する」

「そんな…」

「さあ…君も……ギドラに飲まれるといい…」

 

ワタルの身体を借りたメトフィエスが身体をグルリとリカに向けると、その目には七芒星が輝いていた。

見てはいけない!そう直感したリカだったが、時は遅く、ちょっと見た瞬間に力が抜け、意識が持っていかれそうになる。

 

「…どこまで耐えられるか…見ものだ」

 

 

マイナとミアナは地下の卵の部屋で祈りを呟いていた。

つい先日、卵にヒビが入ったのは、この事態をフツアの神が予測していたから…と思ったのだ。

もし…巫女である双子が強く祈れば…神は応えてくれるのではないか…。そんな根拠もない希望に双子は賭けていた。

ゴジラだけでは勝てない。

彼らの神はゴジラとは遥か昔、海の上で戦い、お互いに傷を負って退いた。ゴジラは生き、神は息絶えてしまったが…。

その神が残してくれた卵…。

 

「…お願いです…。我らの願いを聞いてください…」

「我らフツアの民が全て、食い尽くされるかされないかの瀬戸際…。仮に全てを救えなくても…命を繋ぐ者たちに…救済を…!」

 

手を合わせて必死に祈る。

だが、卵からに返事はない。やはり…ずっと目覚めぬまま…地球と共にするのかと思った時、卵から音が…。

 

「ああ……」

 

パキパキと大きな音を奏でて、卵が割れていく。

繭から太い足が出て、邪魔な殻を壊していく。

 

「フツアの…神…」

 

そして…卵の部屋全体を覆う程の翅を広げ、神は天井から出て行った。

綺麗で…優雅な虹色の翅を羽ばたかせて…。




次回予告
ゴジラを圧倒するギドラ。
その戦いの中、フツアの神モスラが現れる。
フツアの民はモスラが勝つことを願って、祈りを歌う。

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  • ゴジラ・アース
  • ギドラ
  • モスラ
  • メカゴジラ
  • デストロイア
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