GODZILLA Another stage   作:GZL

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月三話投稿とか言ってましたが、それは無くなりそうな予感…。


第2話

地球に戻ると決まった後、他にも眠っていた人たちを長い眠りから起こした。しかし、中にはそのまま目覚めることのない者たちもいた…。危惧されていなかった訳ではないが、それでもワタルたちのショックは大きかった。

亡くなった人たちは簡易なビニールに詰め、広大な宇宙へと放たれる。その姿を見ている人たちは涙を堪えて、その悲しみを抑えつけている様子があった。

ワタルが好きだったお菓子屋のおじいさんも…その亡くなった内の1人であった。彼らの死を無駄にしないためにも…ワタルはゴジラを倒すことを胸中で誓うのだった。

 

 

 

 

ー1年後ー

ワタルやリカ、中央委員会は何度目かになる太陽系帰還の論議を開始する。最初に今更ながらだが、地球には戻らず元の目的地『はくちょう座ケプラー425星に戻る』という案がビルサルド側から出された。

だは、その案は即座に否定された。

 

「今からはくちょう座ケプラー425星に向かうと、約45年かかると推測されます。それでは食糧も水も足りません」

 

と、いうことで否定され、元の目的地に戻るのは実質不可能だとカイルに言われた。他にも他の星に行けないかという案も出たが、それを見つけるのにいつまでかかるか分からず、結局何年も宇宙を彷徨(さまよ)う可能性が高いと言われ、これも否定された。

結局、このオラティオ号に乗る者たちに残された道は地球に戻る……ということだけだった。

だが、これを現実にするにはいくつかの問題があった。それはリカが説明する。

 

「これから地球に戻る方法は一気に亜空間航行をするしかないのですが、この艦の動力を通常の約2.4倍の出力を出さなければ…」

「それは計算上であり確実ではありませんが、それでも動力に相当な負担を与えるのは間違いありません」

 

補足説明をワタルが入れる。委員会の雰囲気は重くなり、誰も口を挟まなくなる。

すると、この雰囲気を察したか、カイルが新しいことを話す。

 

「で、ですが、もし地球に着ければ良いこともあると思われます!我々が長い間、宇宙を彷徨っている間に地球はかなりの時間が経過されていると思われ、ゴジラも……死んでいる可能性も…」

「それは希望的観測なだけで、確証は何もない」

 

論理的展開だけしか信じないビルサルド代表のベルドはそう言って、カイルを(さげす)んだ。その傲慢(ごうまん)な態度にイラついたのか、リカが反論した。

 

「そんなマイナスな発言ばかりしてるから、悪いことが重なるんですよ!」

「なんだと⁈」

「リカ‼︎」

 

ワタルはリカに叱責し、ベルドに謝罪する。

 

「すまない、ベルド。あとできちんと言わせておく」

 

フンと鼻を鳴らし、ベルドは背もたれに背を預けた。

 

「…とにかく、我々の選択肢は地球に戻るしかない…ということは明らかなようだな。ベルドとカイルは動力をフルパワーで出せるように整備をしてくれ。ワタル大佐は乗員に説明を頼む。リカ少尉もだ」

 

ワタルは頷き、それに(なら)ってリカも敬礼する。

これで今回の会議は終了した。

ワタルとリカは会議室に残り、リカの説教を開始し始めていた。

コツンと額を小突き、少しだけ怒鳴り声を上げる。

 

「ベルド代表に失礼な言葉を言うんじゃない!彼らはああいう論理的種族なんだから、そこは理解しておいてくれ」

「でも…あんなこと言われて悔しくないんですか?ワタル大佐は?」

「何とも思わないな。別のムカついたことも間違ったことも言っていない。正しいことを事実として言っている」

 

ワタルがそう断言してしまうと、リカは黙ってしまう。

ちょっと言い過ぎたかなと思ったワタルは…。

 

「まあ…ビルサルドの考えに感化する奴は少なくないから仕方ないのも分かる。でも代表の前では気をつけてくれ」

 

そう言ってワタルは1人先に会議室を出て行く。

リカは少しの間、その場で彼に怒られたことに滅入っていたが、両頬をパチンパチンと叩き、頑張らなくちゃと自らに言い聞かせる。すぐに出ようと思いと、後ろから声が聞こえた。

 

「な~に?また大佐に叱られてめげてたの?」

 

ギクッと肩を上げ、振り向くと肩を組んで偉そうに立っている女性が立っていた。

 

「別に…。ワタル大佐は間違ってないもの。…そういうユリは何しに来たの?」

 

ユリはベルド代表の秘書みたいなものではあるが、ビルサルド側ではなく人間側の人である。

 

「あなたと話したかったのよ、地球帰還について。本当にするの?」

 

ユリは今日、今回の会議に参加していなかったため、その事を聞きたかったのだ。リカは隠すことなく、全てを話す。

 

「まあ…可能性としては高いわね。不満?」

「不満ではないわ。でも……突然、目的地に着けないというのがどこか怪しく思わない?」

「…どういうこと?」

「だって、そこまで着けると結論付けたのはあの人工知能よ?それが今になって着けませんって……なんか胡散臭くない?」

 

リカも言われてみればそんな感じがした。

19年も経ってから着けないと概算するのなんて、おかしい…とも思ったが、人工知能も間違いを犯すこともある

 

「そういうこともあるんじゃない?」

「…そう思えれば気楽ね」

 

リカは何をあんなに疑っているんだろうと、思いつつユリと一緒に部屋を出た。

 

 

 

 

しかし、ユリの考えは正しかった。

これは仕組まれたことだったのだ。

ビルサルドが管轄している部屋で、ベルドとカイルは密談を始める。

 

「しかし…いくらビルサルドとはいえ、こんなことして良かったのか?本当ははくちょう座ケプラー425星には着けるんだろ?」

「いいのさ。『こいつ』が作動したのが分かったから、地球に戻れたら俺たちのやりたい放題さ」

 

ベルドが指差す先には、銀色に光り輝く金属が浮いていた。

 

「ナノメタルが地球で作動したって本当なのか?俺には信じられないが…」

 

そう…。カイルが覚えている限り、ナノメタルは対ゴジラ専用兵器『メカゴジラ』作成のための素材だ。だが、その自律思考型金属…簡単に言えば、生きた金属はゴジラは熱戦を何度も受け、基地ごと吹き飛んだはずなのだ。

 

「明らかさ…。俺らが作ったナノメタルは溶けることも吹き飛ぶこともなく、しっかりと生き続けていて、誰かの手によって作動した。恐らく…アラトラム号の乗組員が再起動させたんだ」

「アラトラム号?あいつらも地球に先に帰ったのか?」

「そいつは分からない。だが…わざわざ住めるかも全く不明の星に行くなら……地球に戻った方がマシだ」

「だから…人工知能をハックして、自分の意志で動かしたのか?論理的展開を第一とするビルサルドにしては、偉く希望的観測じゃないか?」

「ふん、メカゴジラは負けん。それは断言出来る」

「どうだか…」

 

カイルはコーヒーを(すす)る。まだ半信半疑なため、ベルドの話を信じ切ることは出来なかった。彼も幼い頃、メカゴジラがゴジラを倒すと信じていたが、結局は負ける始末…。

それ以来、何かを簡単には信じれなくなっていた。

 

「とにかく、我々は地球に戻る。そこで…また新たな繁栄を築こうじゃないか?」

 

ベルドはそう言って、ニヤッと不気味な笑いを浮かべた。

カイルは無表情のまま…ベルドを見詰めているのだった。

 

 

 

 

それから2日…。オラティオ号は、長距離亜空間航行の準備を開始した。動力室のパワーをフル回転させ、地球にまでワープするのだ。

当初は無理に作動させて、オラティオ号が停止する可能性が高かったが、ビルサルドの開発力の高さでそれをカバーした。

 

「亜空間航行、開始‼︎」

 

カール船長の一言で、オラティオ号は亜空間に突入した。

真っ暗な宇宙に捻じれた空間が生まれ、その中にオラティオ号が入っていく。

そして…亜空間航行を終えた途端、その艦の前に青く美しい星が見えるのだった。




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頑張れれば……ですが…。
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