マテリアルズ・ストラトスDetonationIF 「双翼の撃槍 ーウィングビートー 」   作:荒潮提督

11 / 18
さあ、来ました。


全てのマテリアルズ好きに捧ぐこの時が。


全てはこの時のために。


GODの時以上に感動したこのシーンを!



暁の祈り〜ver. Trinity Heartsを聴きながらご覧ください!


「暁の祈り ー 3つの心が繋ぐヒカリ ー」

マクスウェルがなのはと対峙し、はやてとヴォルケンリッター達が機動外殻の撃破に動き、フェイトがユーリの足止めをしている頃、一夏は全速力でユーリの元に向かっていた。

身体が軋む、デバイスが、バリアジャケットが悲鳴を上げている。

当然だ、3人分のリンカーコアを取り込むこと自体無茶なのにレヴィともユニゾンしているのだ。

既に塞ぎ始めていた傷も開きバリアジャケットの下には血が滲んでいて骨も軋む音がする。

それでも一夏は前を向く。

痛みで顔が歪んでしまうが歯を強く噛み締める。

そんな一夏をレヴィは心配して声をかける。

 

 

『ねぇ、一夏。大丈夫?痛くない?』

「あ、ああ。大丈夫だよレヴィ。俺よりユーリの方がずっと痛くて苦しいだろうから」

『うん・・・だけど無茶だけはしないでね。ボク、イチカがいつも傷だらけだからいつか取り返しのつかない事にならないか心配で・・・』

「・・・ありがとなレヴィ、心配してくれて。けど今はまだ、もうちょっとだけ頑張らせてくれ」

『・・・もう。わかった、ボクも全力でサポートするよ』

「ありがとな・・・見えた!」

『アレって・・・へいと!?』

「多分足止めしてるんだろうな・・・。急ぐぞ!」

『合点承知!』

 

 

 

一夏はバルニフィカスをザンバーモードにしてフェイトとユーリの間に割り込み魄翼の腕をザンバーで受け止める。

突然現れた一夏にフェイトは驚く。

 

 

「い、一夏さん!?な、何でここに!?それに、その姿は・・・?」

「後は任せてくださいフェイトさん。ユーリは、俺とレヴィで止めます」

「け、けど貴方の身体は・・・」

「これくらいへいき、へっちゃらです。行くぞレヴィ、気合入れろよ!」

『うん!』

 

 

一夏はフェイトをなのはの元に行かせるためにユーリの前に立ち塞がり砲撃でユーリをビルに叩きつけた。

 

 

 

「フェイトさん、行ってください!なのはさんの所に!」

『行ってへいと!』

「・・・分かりました。・・・ご無事で!」

 

 

なのはの元に向かうフェイトを見て一夏は笑みを溢し、しかしその顔をキッと引き締めバルニフィカスを握り直す。

目の前には再生して巨大な要塞のようになった魄翼を纏うユーリ。

しかし、その顔は今にも泣きそうだ。

家族を傷付けたくない、けど身体が言う事を効かない。

ユーリは苦しんでいた。

そんなユーリを見た一夏とレヴィ。

心は既に決まっている、必ずユーリをアイツの呪縛から助け出す。

 

 

「ユーリと本気でやり合うのはいつ以来だったかな・・・」

『まだ一夏がミッドにいた頃くらいだったかな・・・ボクはトーナメントの時以来だけどね』

「・・・繋いだ手だけが紡ぐもの・・・繋ぐこの手が俺のガングニールだ。助けるぞ、レヴィ!俺たちの大切な家族を!」

『うん!ボクたちと王様たちと繋いだ力で!』

「『最速で、最短で!真っ直ぐに、一直線に!』」

 

 

<推奨bgm 暁の祈り〜ver Trinity Hearts>

 

 

 

 

叫ぶと同時にユーリが魄翼の腕で殴ってくる。

しかし、一夏はバルニフィカスでそれを斬り破壊する。

破壊された腕とは逆の腕で殴ってくるが一夏は左手で受け止めゼロ距離で砲撃して破壊し、バインドで拘束。

そのままバインドを掴み背負い投げで投げ飛ばす。

投げ飛ばされ地面に叩きつけられるユーリだが直ぐに再生し、再び向かってくる。

バルニフィカスをハーケンモードにして接近し斬りつける一夏だが再生し4本に増えた腕で受け止められ逆に弾き飛ばされる。

ビルに叩きつけられた一夏もすぐに反撃、ユーリの周りを大量の剣が取り囲む。

それが一斉にユーリに向かって発射される。

ディアーチェの魔法、「レギオン・オブ・ドゥームブリンガー」である。

しかし、それでも再生するユーリの魄翼。

体制を立て直した一夏はバルニフィカスを再びザンバーに戻し極光斬を叩き込んだ。

今度は左腕2本を斬り落としたが再び再生する。

 

 

『再生が早過ぎて攻撃が追い付かない!』

「諦めるな!絶対助け出すんだ!」

「もうやめて下さい!このままじゃ貴方たちが!マクスウェルは私が必ず止めます!だから、もうやめてぇ!」

『いやだ!諦めるものか!』

「目の前で泣いている子を放って置けるか!レヴィ!」

『ボクの魔力もイチカに回す!正真正銘本当の全力全開!』

「一夏さん!レヴィ!なんで・・・私は貴方達の世界の私じゃないんですよ!」

「それでも救う!あの日、俺がユーリに心を救われた様に!今度は俺が助ける番だ!」

 

 

まだ一夏がレヴィと付き合い始める前ひたすらに力を求め続けていた一夏。

毎日無茶な特訓を続け、今にも壊れてしまいそうになっていた。

そんな彼に手を差し出したのはユーリだった。

その日、偶々陸士隊のトレーニングスペースを通りかかったユーリは倒れていた一夏を見つけて急いで医務室に運び込んだ。

ベッドの上で目覚めた一夏、再びトレーニングスペースに向かおうとする彼をユーリは抱きしめた。

その時に言われた事を今でも一夏は覚えている。

 

 

ー 貴方が頑張っている事は皆が知っています。貴方の過去に何があったのかは私は知りません。けど、それでも貴方の努力を否定させません、誰であろうと否定は出来ません。だってそれが貴方が頑張ってきた結晶なんですから。ですから、今は休んでいて下さい。もし貴方が良ければ私達も協力します。だって、家族ですから。 ー

 

 

それを聞いた一夏は泣き崩れユーリの腕の中で泣きじゃくった。

誰からも自分の努力を認められなかった、けど今、たった今、認められたのだ。

自分の頑張りは無駄じゃなかった。

認めてくれる人がいるんだって。

その日から一夏は無茶な特訓はやめ、なのはやフェイト、はやてやヴォルケンリッターにフォワードチームに旧機動六科メンバー、そして紫天一家と共に新たに特訓メニューを考えただひたすらに努力した。

なのはに一撃を入れた時なんかは皆が祝福した。

あの時に昔の自分は消え、今の自分が生まれたのだ。

 

 

「決めたんだ、ユーリが、俺の大切な人達が助けを求めているときはその手を握って助け出すって!」

「一夏さん・・・!」

「だからユーリ!手を伸ばせ!お前が本当に、心の底で望む事を言ってくれ!俺が絶対にその手を掴んで離さない!絶対に助け出す!」

「私は・・・私は・・・!」

 

 

ユーリは大粒の涙を流し精一杯手を伸ばす。

一夏の姿がディアーチェと重なって見えた。

自分の知っているディアーチェとは違う姿、けど自分を助けようとする暖かい手を掴むために。

 

 

「助けて下さい・・・!一夏さん!」

「ああ、お前の願い、受け取った!」

 

 

ユーリの意思とは反対に魄翼が一夏を掴もうとしてくる。

その腕を一夏はバルニフィカスで斬り落とし、左腕のブラストクローで破壊する。

さらに同時にバインドで動きを封じる。

そのバインドは紫、紅、蒼の3色でまるでディアーチェ、シュテル、レヴィが押さえ込んでいるみたいだ。

バインドで拘束している間に一夏はありったけの魔力を集束する。

さらに周りに漂う魔力も集束する。

しかし、あまりにも無茶なその行動により右腕のバリアジャケットは弾け飛び腕が露出、左腕のバリアジャケットもブラストクローを残し消失。

ヘッドギアも吹っ飛びブラストクローもヒビが入り始める。

痛みで全身が悲鳴を上げる。

口からも血を吐いている。

それでも一夏は前を向く。

涙は決して見せない様に。

レヴィはそんな一夏を身体の中から見て目を背けたくなる。

 

 

「俺の身体がどうなっても構うものか・・・!ユーリを救えるなら!」

「一夏さん!」

「ディアーチェ達から受け取った渾身の恩返しだ!受け取れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!ユーリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」

 

 

まるで3つの星。

この夜空に一際強く光る希望。

ブレイカー3発分に相当する集束砲撃魔法「トリニティ・ブレイザー」。

それをユーリに向かって放つ。

発射直前に一夏はレヴィとのユニゾンを解除した。

レヴィを巻き込まない為に。

残る僅かな魔力でレヴィにプロテクションを張る。

レヴィは一夏に向かって手を伸ばすが瞬間、一夏の姿は光に飲み込まれる。

再生を繰り返していた魄翼もこれには耐えきれず自壊。

周辺一帯は光に包まれた。

プロテクションが解除され動ける様になったレヴィは辺りの惨状を見て絶句する。

辺り全ての建物が吹き飛び巨大なクレーターが出来ていた。

その中心部にはユーリが倒れている。

その少し離れた場所には一夏が倒れていた。

一夏はデバイスが解除され元の姿に戻っていた。

ユーリも意識を取り戻したのか起き上がる。

そして一夏に駆け寄る。

レヴィも一夏に駆け寄り抱き抱える。

 

 

「イチカ・・・」

「一夏さん・・・」

「・・・泣くなよ。レヴィ、ユーリ」

「イチカ!」

「泣いてる顔は似合わないぜ・・・。笑っていてくれ・・・」

「バカ!イチカのバカ!無茶はダメだって言ったじゃないか!」

「ごめん・・・。これしか思いつかなかった・・・」

「一夏さん・・・ありがとうございます・・・。こんなボロボロになってまで私を助けてくれて・・・」

「へへっ・・・言ったろ?絶対助けるって」

「イチカ、今はゆっくり休んで。医療班呼んだから」

「ああ・・・。なあ、レヴィ?寝てても・・・いいかな?」

「うん、おやすみ。イチカ」

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、マテリアルズ・ストラトス IF

 

 

 

 

「カルマ、再び」

 

 

 

 

「これがボクの!「撃槍・ガングニール」だ!」




如何だったでしょうか。
映画でのディアーチェvsユーリは今でも最高のシーンだと思います。
自分はGODを昔クリアした時の事を思い出しました。



さて、次回はついにカルマノイズとの戦いです。














ところでシンフォギアXDのIF翼がレヴィにしか聞こえないの自分だけ?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。