黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

12 / 105
  決着です。


11話

  「マジか、あいつ妖怪になりやがった!?」

 

  「今まで感じたのは確かに霊力だったはず、

   2つの力を使うなんて…」

 

  「耐えて見せろよ?

     ーー"火炎・陽炎"ッ!」

 

  

  朧は腰に刀を戻し、スペルを発動、

  十本の炎の柱が地面から立ち上り、霊夢達

  に迫って行く。

 

  

  「あちちっ!」

 

  「魔理沙、落ち着いて!!

    弾幕で火柱の動きを緩められるわ!」

 

  「それッ!……よし!消えたぜ!!」

 

  「…へぇ」

 

  

  朧は、驚いていた。追尾する十本の火柱を

  全て避けながら弾幕を散らせて破壊するなど

  簡単に出来る事ではない。

 

 

  「…」

 

  「弾幕が、止まった?」

 

  「…また何かあるかもしれないわ、

   気を付けないと」

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「…すごい」

 

 

  窓から朧の戦いを見るレミリアは、

  そう、感じていた。

 

 

  「ねぇ、レミィ。貴方、

     朧の事をどう見るかしら?」

 

  「…強い人、いや、人じゃないのかしら?

   この際どうでもいいけど、

   優しくて、心も、力も強い人、かしら」

 

  「そう…」

 

  「そういう貴方は、どうかしら?」

 

  「彼は、大きな力を持っているけど、

   力に飲まれたりしないのがすごいと思うわ。

   

   あれほどの力、竜だったとしても、

   調子に乗ったり、力に溺れたりするはず…

   なのに彼はそうなっていない」

 

  

  確かにその通りだ。生物は、力を

  持っていれば必ず、何かを求める。

  彼は、フランを助けてくれた時も、

  何も要求してこなかった。

 

  ただ、今に満足しているだけか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あるいは、彼の過去に何かがあった…?

 

  それこそ、心を失ってしまうような

  強い後悔や、絶望が…

 

  そこまで考えたレミリアは、朧から感じる

  魔力と妖力が大きくなったのに気づく。

 

  レミリアは、考えをやめ、今を見る。

  凄まじい力を持ちながら、優しく、

  強い彼を。

 

   

  「フフッ…」

 

  

  熱心に外を眺める親友の姿を見ながら、

  パチュリーは面白そうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  試してみるか、そう考え、朧は

  魔力と妖力を集中させる。

 

 

  「次で決着を着けようじゃないか」

 

  「…どういう意味かしら?」

 

  「次の攻撃、強めにいこう。

    止めることが出来たらお前達の勝ちだ」

 

  「おもしれーじゃねぇか、

      霊夢、やってやろうぜ!」

 

  「確かに、正攻法じゃ勝つのは

     難しいわね。乗ってあげるわ」

 

  

  クハハ、と朧は笑い、スペルカードを

  取り出す。

 

 

  「お前達の力、見せて貰おうか。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

       ーー"大魔法・星砕き"」

 

 

  空に、巨大な魔方陣が出現する。

  そして、紅魔館を越える大きさの

  巨大な隕石が、霊夢と魔理沙の頭上に、

  現れた。

 

  

  「ッ!!

    "霊符・夢想天生"!!!」

 

  「"恋符・ファイナルスパーク"ッ!!!」

 

 

  霊夢と魔理沙も、全力で力を解放し、

  隕石を迎え撃つ。

 

 

  「はぁぁぁぁぁッ!!!」

 

  「いっけえぇぇッ!!!」

 

 

  3つのスペルの衝突が、大爆発を

  引き起こし、周囲を白く染め上げた。

 

 




  ずっと戦闘シーンでしたね。
  あ、UA2000越えました。
  ありがとうございます。

  次回、その後のお話。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。