個人的にすごい好きです。
狐の耳とか尻尾モフモフしたいなぁ……
とか思いません?
狐がいないんですよ、地元……
これは、ある竜と、その式である、
珍しく、美しい瑠璃色の狐の物語。
自分など、生まれてこなければ良かった。
そんな事をよく思う。
自分は、青い毛の狐だ。
そのせいで周りの狐達から疎まれ、
親にも、兄妹達にも捨てられた。
しかも、自分は妖狐らしく
妖力まであるため、
あらゆる生物に避けられていた。
ある、冬の寒い日だった。
食糧も無くさまよっていた自分は、
遂に倒れてしまう。
死ぬのだろう、そう思い、意識を手放す…
その瞬間、
「! この妖力…妖狐か?なら言葉は
分かるだろう?少し失礼するぞ!」
自分、うちは、運命の出会いをした。
暖かい何かに包まれ、うちは目を覚ました。
「ん、目が覚めたか。
酷く弱っていたからな、良かったよ」
黒い。それが、第一印象やった。
黒い和服に長く黒い髪、そして、
黄金色の見透かすような瞳の男。
「キューン」
「……お前、喋れないのか?」
「キュン」
「キュンてお前……クッ、クハハハハハッ!」
「キュ?」
なにがなんだか、分からない。
何故、笑われているのに、
不快に感じないんやろか?
むしろ、なんだか安心するようなーーー
「喋れない妖怪にこの美しい青毛と来たか!」
ーーー今、うちの毛はなんて言われた?
疎まれ嫌われてきたこの青毛が、美しい?
「……お前、今何で綺麗な毛と
言われたか分からなかっただろ」
「!」
図星やった。
「図星みたいだな、安心しろ。俺も妖怪に
なってなんとなく分かるだけだからな」
妖怪に、なった?
!! 確かに、妖気が……
「これでやっと喋れるな?
お前、名前はなんだ?」
…名前は、無いねん。
親に、捨てられたんよ。
「…そうか、なら俺が名前をつけようか」
ええの?
「ああ、お前の名前はーーー
その美しい毛の色、瑠璃だ」
る、り。瑠璃。
「そうだ。あと、
これからは俺と共に暮らそう」
で、でも……
「そうしたら、これからは
独りじゃないもんな?」
うちは、初めて、嬉しくて泣いた。
朧と名乗ったその人は、
優しく、暖かい手で、頭を撫でてくれた。
「こんな感じでええか?」
「おお、大分喋れるようになったな!」
「えへへ、うち、ご褒美が欲しいわ!///」
「そうか、なら稲荷寿司、食べて見るか?」
「!! 旨い! これ朧はんが作ったん!?」
「朧はん、いつの間にか
尻尾増えとるんやけど」
「お、尻尾が3本か!
そろそろ人化もできるんじゃないか?」
「それってどうやるん?」
「今から教えるよ、落ち着こうな」
「なぁ瑠璃、お前もしかしたら
妖狐じゃないかもしれないぞ」
「じゃあうちって何なん?」
「知り合いに聞いたんだが、
おそらく天狐ってやつだ」
「天狐?」
「ああ、幻獣ってよばれる類の存在だな」
「じゃあうちの毛が青いのも……」
「それだな。むしろ誇るべき物だよ」
「朧はん、話があんねやけど……」
「ん?どうした?」
「うちを朧はんの式にしてくれへん?」
「……願ってもない言葉だな。
これからもよろしく頼むよ、瑠璃」
「! こちらこそよろしく頼むわ、主はん」
「瑠璃、ほれ」
そう言い、主が何かを渡してきた。
「なんやこれ、勾玉?」
主が渡したのは、深い青、瑠璃色の勾玉。
「西洋の宝石でな、
ラピスラズリ、って言ってな?
この国の言葉で、瑠璃、って言うんだ」
「!」
「そして宝石には、石言葉ってのがある。
ラピスラズリの石言葉は……
"永遠の誓い"」
「永遠の…誓い」
「遅くなったが、お前を正式に式にし、
これを渡す。
受け取ってくれるか?」
それは、式という、
永遠に解消することの出来ない誓い。
受け取れば、後には引くことの出来ない、
誓いだった。
だが、瑠璃は…
「当たり前や、ここに誓うで。
一生、主はんに仕える、ってな」
朧は、嬉しそうに笑い、瑠璃の首飾り
を彼女の首にかけた。
「……なんか、告白みたいやったな…///」
「? 何か言ったか?」
「何でもないで?ふふっ///」
何百年が経過した今でも、瑠璃色の狐は、
その首飾りを大切につけているーーー
「ふふっ、大好きやで、主はん///」
「急にどうした?」
「何でもないで~?///」
ミスって投稿してしまいました。
次回、「奪われた春」