コーヒー飲みたい。にっがいやつ。
19話
紅霧異変が終わり、数ヶ月が経過した。
この数ヶ月、色々な事があった気がする。
レミリアとフラン、咲夜が遊びに来たり、
リアに魔理沙がしごかれたり、
霊花と酒を飲んだりした。
紅魔館組が遊びに来た時は、
フランに何か言われた咲夜が
妙に近かったり、
リアの意外と辛い修行に
魔理沙がかなり頑張っていた。
霊花を博麗神社に連れて行った時は、
リアの真似事で嫌がる霊夢の修行を
霊花が始めていた。
「なんだかんだあったのにもう4月か…」
「春やったらこんな天気おかしいで!?」
積もった雪下ろしをしている朧と瑠璃。
数ヶ月の後半からずっと雪が続いていた。
「確かに……おそらく異変だろうな」
「うち、はよう花見がしたいわ」
「そのうち霊夢と魔理沙が動くだろ」
「……どうせまた勝手に出ていくんやろ?
行って来たらどうや?主はん」
流石は瑠璃、よくわかってらっしゃる。
朧は飛び上がる。
「それじゃ、お言葉に甘えて行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
朧を見送った瑠璃は、顔をしかめる。
「な~んか嫌な予感がすんねんなぁ?」
天狐の軽い予知能力が、警報をあげていた。
朧は、まず心当たり……雪女の
レティ・ホワイトロックの所へ向かった。
「あら、朧じゃない。300年ぶり」
「久しぶりだな、レティ。
何だ?やられたふりか?」
「あら、見られてたの?」
朧はレティとも知り合いである。
彼女は雪女であり、かなり古い大妖怪だ。
朧が見たのは、レティの戦い…
てっきり異変解決組と戦っているのかと
思えば、なんと戦っていたのは咲夜だった。
そしてレティはやられたふりをしたのだ。
「お前なら簡単に倒せる相手じゃないか?」
「別に簡単ではあるけど、
寝れないせいで死にそうなのよ」
「そうか、お前冬の間は寝れないのか」
なんとも難儀な性質である。
「ええ、正直きついわ」
「だろうな……。この異変の
犯人が誰か分かるか?」
「犯人は分からないわ、でも
この異常気象の原因なら分かる」
「原因、と言うと?」
「…春度が無くなっているわ」
春度とは、具現化した春の度合いの事であり、
冬の後半から増え始め、3月辺りから
春度が最大の数になり、春が訪れる。
だからたとえ春の気候でなくとも
春を告げる妖精、リリーホワイト
が訪れるのだが……
「なるほど、お前が寝れなかったり、
春告精が動かないのもその証拠か」
「ええ、その通り」
「春度が奪われているのか?」
「ええ、春度をちらつかせれば犯人から
来ると思っていたけど、もう遅いようね…」
空の一点から、凄まじい妖力が溢れていた。
そして朧はその妖力の異質さに気付く。
「この妖力…まさか!?」
「心当たりでもあるの?」
「ああ、レティ頼みがある」
「ええ、友人が聞いてあげるわ」
「誰1人として、あそこ
ーー冥界に近づけるな」
朧は半竜化し、背中から黒龍の翼を出す。
「不味いな……無事でいてくれよ、皆」
朧が脳裏に浮かべるのは異変解決組の
二人、おそらく居るであろうスキマ妖怪、
そして……冥界の姫の姿。
「持ちこたえてくれよ、霊夢、魔理沙……」
黒龍が、冥界へと飛翔した。
はい、春雪異変、始まりました。
次回、「死の桜と冥界の姫」です。