黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

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  幽々子の番外編。

  昔話以外の番外編も書かないとなぁ…
  あと幽々子って入力が大変……


番外編 昔話 亡霊姫の涙

  これは、竜と、生前の亡霊の姫の

  昔話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「友達?紫の?」

 

  「そうよ、それも人間の友達!」

 

  「なぁ、お前は本当に紫の友達か?」

 

  

  そのやり取りに、つい、私は笑ってしまう。

 

 

  「フフッ、そうよ。本当よ」

 

  「ちょっ!?朧信じてくれて無かったの!?」

 

  「そりゃ信じない方がおかしいだろう?

   お前の友達だなんて」

 

  「酷い!?」

 

  「ぷっ、アハハハハハッ!確かにそうね!」

 

  「ちょっと!?幽々子酷いじゃない!」

 

  「クハハハハッ!」

 

  「もう~二人共~!」

 

 

  何故か、私はその

  朧さんにすぐ打ち解けられた。

 

  そしていつの間にか、私は彼が遊びに

  来るのを待つようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ねぇ朧さん?

   貴方、次は何時遊びに来てくれるの?」

 

  「そうだな、旅してる時以外はだいたい

   暇しているんだ、なぁ妖忌、

   俺は何時来ればいいと思う?」

 

  「そうですね…幽々子様も楽しそうでしたし、

   実を言うと、私も貴方との手合わせは

   心踊るものですから、お暇であれば、

   四日おきに来る、

   というのはどうでしょうか?」

 

  「よし、幽々子はそれでいいか?」

 

  「ええ、また来てね~」

 

  「私忘れられてる!?」

 

 

  妖忌の言う通り、彼といるのは楽しかった。

  四日おきに彼といられると分かると、

  実は、とても嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ご馳走様~」

 

  「幽々子はあまり食べないが…

   もしかして口に合わなかったか?」

 

  「いえいえ~とても美味しかったわよ~」

 

  「朧様、幽々子様は少食なのですよ。

    あと、とても美味しいですよ。

    儂も教えて欲しいほどです」

 

  「そうか、安心したよ。

   今度教えよう。幽々子も、

   食べたい物があったら言ってくれ」

 

  「ウフフッ、楽しみね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ねえ紫?今日は朧は来ないの?」

 

  「幽々子…貴女も完全に朧に夢中ね」

 

  「も、って…紫も朧が好きなの?」

 

  「う…ええと、そうよ///」

 

  「あら~私もよ~」

 

  「あぁ、どんどん恋敵が増えてる…」

 

  「ウフフ~、じゃあ紫、今度朧さんを

   家に泊めて一緒に襲っちゃいましょう?」

 

  「ええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  そんな、平和なある日の事だった。

  二人の話を私は、聞いた。

  聞いてしまった。

 

 

  「…紫、やはり、

   放って置けない事態になるぞ」

 

  「……でも」

 

  「だからこそ、俺は別の方法を探す」

 

  「…西行妖を、封印する方法」

 

  「あぁ、幽々子を、

     死なせる訳にはいかない」

 

 

  あぁ、なるほど。そういう事か。

 

  二人が話しているのは西行妖の封印に

  自分…西行寺家が関わっていること。

 

  そして封印するには、

  自分の命が必要だと言うことだ。

 

  西行妖は、通常の桜と違い、冬に活発になる。

 

  しかし、"死を誘う程度の能力"を持つ

  自分の命は、格好の餌。

  

  西行妖は、とてつもなく凶悪な妖怪だ。

  死を誘うその桜に触れただけでも、

  生物は死に至る。

 

  西行妖が自分に夢中になっている時が、

  封印する好機になる。

 

 

  「あの二人が危険に晒されるくらいなら……」

 

 

  私は、既にその瞬間には覚悟を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「くそぉぉぉぉッ!!!」

 

  「………!」

 

  「…なんで、幽々子?」

 

  

  朧と紫、妖忌の三人の目の前には、

  封印を終え佇む西行妖と、

  幽々子の死体があった。

 

  

  「また…また守れなかった……」

   

  「朧様……」

 

  「幽々子、私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  数ヶ月後、朧は地獄へ訪れ、

  閻魔に幽々子の復活を頼み込んだ。

 

  そのお陰で、幽々子は亡霊として、

  冥界の管理を任され、生前の記憶全てと

  引き換えに、現世への顕現ができた。

 

  

  「あら、あなた達は?」

 

  「やっぱり、記憶は無いのね…」

 

  「…悪い、俺の努力不足だ」

 

  「あら、もしかして

   あなた達は私を知ってるの?」

 

 

  「あぁ、俺は朧だ」

 

  「私は、八雲 紫よ」

 

  「あなた達は、私のなんだったのかしら?」

 

  「私達は、あなたの友達。

    改めて、よろしくね、幽々子」

 

  「ええ、よろしくね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「あ、」

 

  「…!良かった、

    目が覚めたか。おはよう、幽々子」

 

  「良かったです…

   幽々子様おはようございます」

 

  「朧、妖夢、紫…」

 

  

  私は布団に寝かされ、周りでは

  朧と従者である妖夢がいて、

  紫は隣で寝ていた。

 

 

  「ほら、紫起きろ」

 

  「んぅ?あ!幽々子起きたのね!良かった!」

 

  「私確か…」

 

  「西行妖に操られて

    いたんだ。体に不調はないか?」

 

  「ない、けど…」

 

  「どうしたの?」

  

  「ねぇ朧」

 

  「なんだ?」

 

  「確か、朧…家に

   四日おきに来る約束があったわよね」

 

  「なっ!?」

 

  「え?そんな約束あったんですか?」

 

  「…思い出したの!?」

 

  「そうみたい、

   多分西行妖から返されたのかしら」

 

  「……どうやらそのようだ、

   幽々子の生前の霊力が

   霊体の時の霊力に重なっている」

 

  「良かったです……良かったんですか?」

 

  「あぁ、元々幽々子の力だしな、

   特に異常も無いだろう」

 

  「ねぇ、朧もう一つ、良いかしら?」

 

  「別に良いが」

 

  「少し、二人にしてくれるかしら?」

 

 

  二人が部屋を出て行く。

 

 

  「まず、朧。ごめんなさい」

 

  「異変を起こした事か?」

 

  「えぇ」

 

  「なら、謝る必要はないよ。

   封印も、限界だったようだったからな」

 

  「…そう」

 

  

  彼は、優し過ぎる。私は、

  彼らを、幻想郷を崩壊させる所だった。

  ならば…

 

  

  「罰が必要…なんて思ってるんだろ?」

 

  「……そうよ、ッ!?」

 

 

  私は、抱きしめられていた。

 

 

  「お前、ふわふわしてると思ったら、

   変なところで律儀だよな、今も、昔も」

 

  「なんで……私は」

 

  「何も悪くないよ」

 

  「私を……許してくれるの?」

 

  「あぁ、俺以外が許さないと言うなら、

   今度こそ、俺がお前を守ろう」

 

  「私は……っ」

 

  「おもいっきり甘えてみろ、幽々子。

   俺がお前を肯定してやる」

 

  

  私は生前、その能力から忌み子として

  生を受けた。

 

  誰かに甘えるなんて、しなかった…

  甘えるという事を知らなかった。

  幸せなんて、知らなかった。

 

  なのに、彼は………

  私を、私の孤独を溶かしてくれる。

 

 

  涙が、溢れた。

 

 

  「ありがとう、朧。私、幸せーー」 

 

 

  亡霊の姫の涙が止まるまで、

  龍は優しく、彼女を抱きしめていた。

 




  UAが……5000を突破しました。

  いや、まだ20話ちょっとですよ?

  皆様、ありがとうございます!
 
  番外編は感動系とは限らないなんて言ってた
  自分はどこ行ったのだろうか。

  次回、「雪の被害」
  ある方がぶちギレてます。
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