誓約ってプレイヤーの人たちは
何にしてるんでしょうか。
自分は混沌の従者です。蜘蛛姫は可愛い。
「シッ!」
「はぁッ!」
刀を打ち合い、後ろへ下がり、
またぶつけ、下がる。
「まさか、ここまでやれるとはな」
「強い……っ」
朧が左上から斬り下ろし、
依姫が右下から斬り上げる。
依姫の刀が弾かれ、
朧は連続で剣撃を繰り出す。
斬り下ろした日蝕を返す刀で斬り上げ、
左から水平斬り、そして刀を返し、
右からの水平斬り、最後に斬り上げる。
「くっ……」
「驚いたな、まさか弾ききるとは」
(身体強化の神を降ろして
いるのに、弾くのがやっとなんて……っ)
依姫は既に全力だった。
"神霊の依代となる程度の能力"により、
神を降ろして戦っていて、
それで押されているのだ。
相手は世界創世から存在し、神を越える
竜種であるから当然と言えば当然なのだが。
朧はその竜種の中でも随一の強さである。
先ほどの連撃を1秒未満で放っている
という異次元の戦いだ。
「貴方は、何者なのですか」
「……今はもう滅んだ時代遅れの存在だよ」
「……?」
依姫は顔をしかめる。
これほど強いならば地上、否、
月も合わせて最強と言っても
おかしくはない筈だ。
時代遅れの存在とは
おそらく地上の者達のことではない。
ならば、目の前に有る存在はなんだ?
依姫はそれを考えた瞬間、
背筋が凍る程の怖気を感じた。
「はぁぁぁッ!!」
依姫は、その怖気を振り払う様に
朧に大上段から斬りつける。
朧はそれを受け止め、鍔迫り合いになる。
「刀が鈍っているぞ?
もっと集中することだ」
「くぅっ!?」
朧の刀に押しきられ、
依姫は大きく体勢を崩す。
だが、朧は攻撃をしなかった。
「はぁっ、はぁっ」
「何に怯えることがある」
朧は問い掛ける。
「そう、ですね……
貴方の様な、未知という存在に、です」
「成る程な、だが、
これで終わりではないだろう?」
まだ、戦いは終わっていない。
「……」
朧は、笑い、そして闇を纏う。
妖怪化が、解かれる。
「足掻いて見せよ、月の人間。
闇に触れ、己の強さを証明して見せよ」
強さを求める者ならば、
諦める選択肢などない。
依姫は刀を握り直す。
「それで良いんじゃないのか?」
軽い、朧の声が聞こえた。
「分かりました」
「クハハハッ」
依姫は、神を降ろし、それを発動する。
「"女神を閉じ込める祇園様の力"!!」
「これは……」
依姫が刀を船へ突き立てると、
無数の刃が船を突き破って
朧の動きを封じる。
「スサノヲの力か!」
「逃がしません!!"愛宕様の火"!!」
依姫の腕が炎を纏う。
「カグツチの力……!」
「燃え尽きなさい!!」
無論、火の神カグツチの炎を食らって
無事でいられる筈はない。
朧も龍人化し、最大火力を発動する。
「"全テヲ飲ミ込ム深淵ノ炎"」
赤い炎と漆黒の炎がぶつかり合い、
爆発する。
船の燃料に引火し、大爆発が起こる。
「船、が……!?」
「不味い!」
霊力が尽きた依姫は、船から投げ出される。
船と龍人の姿では間に合わない。
朧は完全龍化し、翼を広げて依姫を
背に乗せる。
「り、龍……!?」
(話は後だ、一隻
残ったようだからそこへ向かうぞ)
大爆発によってもう一隻が巻き込まれ、
大破していたが、残りの一隻は無事だった。
「依姫様!?ぶ、無事ですか!?」
「はい、私は無事です」
「良かった……
えっと、その、龍は……?」
(お前達と戦っていた者だ)
「「「えぇぇっ!?」」」
朧が船へ依姫を送ると、
船から一人の女性が出てくる。
「あら、もしかして朧じゃないかしら?」
(豊姫か?久しぶりだな)
「その姿も久しぶりに見たわ」
(この姿は18000年振りか?
お前を助けた時以来だと思うが)
「よく覚えてるわねぇ」
仲良く話す二人。
出てきた女性は綿月 豊姫。
依姫の姉であり、朧とも旧知である。
玉兎たちと依姫は唖然である。
「ね、姉さん、この人と知り合いなの?」
「あら?貴女覚えて無いの?」
「え?」
(月面戦争騒動は会ってない上に
18000年も昔の話でお前も
幼かったからな。無理もない)
「それもそうねぇ、
私は衝撃が大きすぎたから」
(所で、だ)
「どうしたの?」
(何故こんな大軍を引き連れて来た)
「永琳様を連れ戻しに来たのよ、500年前も
行ったらしいけど全滅したらしいから」
(絶滅させたの俺だ)
「あぁ……確かに貴方嫌いそうね」
輝夜を連れ戻しに来た月軍は、
嫌がっていた輝夜を無理矢理
連れて行こうとし、蓬莱の薬を飲んだと
分かった時点でなんと殺そうとした。
朧が永琳に輝夜を任せ、月軍を奇襲、
もはや戦闘ではなく蹂躙状態で全滅
させたのだった。
(帰る気はないと言っていた。
そして俺たちも帰らせる気もない)
「……残念だけど貴方がそう言うなら」
(ありがとう、命令したのはツクヨミか?)
「あー、えっと、そうね」
(翡翠の仕事を回してもらうぞ、
あいつ、大変なんだからな)
「……シスコンだねぇ」
(扇を壊されたいか?)
「あぁ、悪かったって!」
こうして、月の異変の舞台裏は、
終わったのだった。
久しぶりの完全龍化ですね。
ちなみに()は朧のテレパシーの様なものです。
脳内に直接声を送っています。
魔法の応用です。
月面戦争騒動は次回、番外編ですね。
ちなみに豊姫の扇も朧作です。
次回、番外編「月面戦争騒動」
カオスです。