黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

44 / 105
  34話、宴会です。

  
  ダークソウルってホラゲーでしたかね。
  病み村といい小ロンド遺跡といい、
  怖いですよね。


34話

  「それでは皆さん、

   異変解決を祝してぇ、さん、はい!」

 

 

  「「「「かーんぱーい!!!!」」」」

 

 

  異変から1日後、

  解決祝いの宴会が開かれた。

 

  異変解決には、霊夢、魔理沙は当然、

  八雲一家、レミリアと咲夜、幽々子と妖夢、

  リアとアリスまでもが関わっていた。

 

  

  朧も月軍を追い払った(撃退した)という

  ことで宴会に招待され、

  今は文に絡まれていた。

 

 

  「朧さん!月の軍と戦ったんですよね!?

   取材させてください!」

 

  「何で文が知ってるんだ?」

 

  「え?永琳さんが偽物の月を

   解除したときから丸見えでしたよ」

 

  「あぁ……」

 

  「最後の辺り凄かったですよ、

   なんか赤黒い炎が上がって爆発してました」

 

  「あぁ、月軍とは結局戦闘になってな」

 

  「戦闘?蹂躙の間違いじゃないですか?」

 

  「………戦闘だ、最後の辺りは」

 

 

  依姫との戦いは確かに

  危なかったこともあった。

  その前の玉兎たちはともかく。

 

  とにかく、朧はあったことを文に説明する。

 

  

  「成る程、ありがとうございます。

    これは良い記事が書けますねぇ♪」

 

 

  文は満足したのか鈴仙の所へ向かった。

  今度は永琳がやって来る。

 

 

  「どうしたんだ?」

 

  「理由がなかったら来ちゃいけないかしら?」

 

  「クハハ、悪い悪い。酌しようか」

 

  「ありがとう、で、誰が来てたの?」

 

  「綿月の二人だよ、依姫と戦闘になった」

 

  

 

  朧は永琳の杯に酒を注ぎながら答える。

 

 

  「あぁ、そう言えばあの二人には

   何も言わずに出てきてしまったわ」

 

  「ツクヨミにも連絡を入れておいた、

   おそらくもう来ることはないだろうな」

 

  「助かるわ、いつもいつも」

 

  「そうでもないさ、

   やりたい事をやってるだけだ」

 

 

  朧は本気でそう言っている。

 

 

  「あら、貴方のやりたい事で命を助け

   られた人が何人いると思っているの?」

 

  「……人妖大戦の事か?」

 

  「それもあるわ、知ってる?

   貴方、月では英雄なんて言われてるのよ?」

 

  「大袈裟なんだよ」

 

 

  朧は笑っているが、永琳の目は本気である。

 

 

  「貴方がいなければ、私も姫様も、

   ここにはいなかったわ、確実にね」

 

  「……」

 

  「人妖大戦で死者は出なかったのも

   私と姫様が追いかけて来た月軍から

    逃げられたのも、貴方のお陰なのよ」

 

  「辞めてくれよ、俺はそんな大層な者じゃない」

 

  「それでも、言わせて貰うわ。

    ありがとう、朧。貴方のお陰よ」

 

  「……クハハ、調子が狂うな」

 

  「ふふ、今度は私が酌させて貰うわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「師匠、嬉しそうですね。輝夜様」

 

  「それもそうでしょうね、

   18000年、まともに話せてなかったし」

 

  「せっ、18000年!?」

 

  「そうよ、全く変わってないわね。

    ……いえ、ちょっと変わったかしら」

 

 

  輝夜は何か違和感を覚える。

  輝夜が朧に会ったのは、

  18000年前と500年前だ。

 

  500年前には感じなかった違和感。

  なんだろうか、なんといえば良いのか、

  何か、少し雰囲気が暗くなったような

  感じがした。

 

 

  「どうしました、輝夜様?」

 

  

  朧が暗くなるような大きな事が

  今と500年前に何かあっただろうか。

  確か……

 

 

  「大厄災?」

 

  「え?」

 

  「いや、まさかね……」

 

 

  300年前に世界を襲った大厄災。

  竜の世界があるとは聞いたことがあるが、

  まさかそこまで大厄災が襲ったとは

  考えにくい。

 

  輝夜は、考えるのを辞め、

  酒が入った杯を傾ける。

 

 

 

 

 

  この考えが、

  朧気になった罪に

  辿り着く秘密だと思いもせずに。

 




  読めなかった方へ

  朧気(おぼろげ)
  蹂躙(じゅうりん)

  
  次回、「リアと朧の魔法説明会」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。