絵画世界出られた。そしたら、
侯爵の書庫に閉じ込められました。
「あら、師匠じゃないですか」
「いつもご苦労だな、美鈴」
「そんなこと言って
くれるのは師匠だけですよ」
朧は、紅魔館へやって来ていた。
美鈴が笑いながら門をあける。
「どうぞ~」
「あぁ、ありがとう」
すると、紅魔館からレミリアと
咲夜が出て来る。
「いらっしゃい、朧」
「わざわざどうしたの?」
「少し頼みたいことがあってな、
運命を見てこうやって出てきた
レミリアなら分かるんじゃないか?」
「……まぁね、中国。貴女も来なさい」
「え?は、はい」
「良いんですか?」
美鈴がいなくなると門番がいなくなる。
そう思い咲夜が尋ねる。
「ええ、誰か来るような
運命は見えなかったわ」
「魔理沙とか大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、霊夢と魔理沙は丁度来ているわ」
「……何故霊夢がいるんだ?」
「見たら分かるわ」
あの霊夢が一体何をしに来たのだろうか。
霊夢と魔理沙にも用事がある朧は助かるが。
「朧じゃない、どうしたの?」
「どうしたはこっちの台詞なんだが」
霊夢は、メイド服を着て紅魔館の
掃除をしていた。
「お金がないのよ、お賽銭
入れてくれる人は朧と紫くらいよ」
「………」
そこまで金欠だったとは……
朧は霊花と神社にいた時期があったが、
ギリギリ生活が出来るくらいには
金はあった筈だ。
「霊夢、今度から生活費を出そうか?」
「え!?うそ、良いの!?」
「あ、あぁ、良いぞ」
霊夢が目を輝かせる。
朧も中々過保護である。
「魔理沙も働いてるのか?」
「魔理沙は図書館で魔導書盗みよ」
「盗んでるのか?」
「死ぬまで借りてるだけ、らしいわ」
「…………まぁ、後で言っておくか。
今から霊夢、大広間まで来てくれ」
「分かったわ」
「さて、全員集まってくれたか?」
朧は霊夢に声をかけた後、大広間へ来た。
そこには紅魔館組、
異変解決組が集まっていた。
霊夢以外はレミリアたちが集めてくれた。
「ええ、これで全員ね」
「よし、早速だが、
三週間後に異変が起こる」
「朧は何で分かるんだ?」
「それは内容に関係するんだ。
実は丁度三週間後に、俺が封印した
ある強大な妖怪達の封印が解ける」
「「「「!!」」」」
「ちょっと待って、達ってまさか……」
パチュリーが不安そうに聞く。
「そうだ、封印された妖怪は複数存在する」
「つまり、私たちは
そいつらを倒せば良いんだな?」
「あぁ、かなり危険な事だ。
自分は反対という者はいるか?」
反応なし。
「そうか、なら少し待ってくれ」
「え?どういうことですか?」
「紫に幽々子達とレンと天津を
連れて来るよう頼んでいるんだ。
もう少しで来る筈だが………」
その時、スキマが開かれ、
協力者たちが現れる。
「ごめん、待たせたわね」
「私達も協力させて貰うわ~」
「よろしくお願いします」
「よろしく頼むよ」
「私とレンも協力します」
朧は大広間の中央の大テーブルに
懐から取り出した幻想郷の地図を広げる。
「……凄いな、地図なんてあったのか」
「文に頼んでな、仕上げてもらった」
朧は全員を見回す。
「解き放たれる妖怪は、6体。
ここに来ていない連中は、
それぞれの場所の防衛を任せている」
「式たちがいないのもそれか?」
霊花、そして式たちは人里の防衛だ。
「あぁ、それで出現場所だが、
人里なんかが近いと流石に不味い」
「まずは場所を変えないといけないわね」
レミリアが眉を寄せる。
「そうだ、肝心な出現場所は、
一体は人里の北東の森の深部、
秘境と呼ばれる場所」
「そんな場所があるの?」
紅魔館がその場所に近いため
咲夜が聞く。
「かなり深い場所にな。
一体は無縁塚より北の骨の山」
「なんだかんだ言って
私たちって幻想郷を知らないんですね」
白玉楼が近い妖夢が苦笑いする。
「無縁塚より危険な場所だからな。
一体は魔法の森、奥地だ」
「あそこの奥はなんか結界があったぜ?」
キノコ採取で奥地まで行ったのか
魔理沙が朧に尋ねる。
「封印した時に張ったものだ。
一体は妖怪の山の彼岸側の麓」
「……成る程、奴ですか」
「あいつかぁ」
妖怪の山の管理者であり、
封印に関係した天津とレンが頷く。
「二人はソイツを頼む。
一体は地獄の三途の川上流の地獄野原。
ここは俺が向かう」
「私と魔理沙が朧と戦った場所じゃない!?」
訪れた事のある霊夢が驚く。
「そうだ、最後の一体は、
太陽の丘近くの名無しの丘だ」
「幽香は大丈夫かしら……」
幽香の友達の紫が心配する。
「紅魔館組だが、紅魔館も危険になる
可能性がある。レミリアとフラン、咲夜に
戦闘を頼むから、それ以外は防衛を頼む」
「了解よ」
「レミリアとフランは、秘境を頼みたい」
「分かったわ」
「頑張ろうね!お姉様!」
フランとレミリアが笑い合う。
「骨の山は、霊夢と魔理沙、行けるか?」
「任せて、さっさと終わらせるわ」
「やってやるぜ!」
霊夢と魔理沙が気合いを入れる。
「魔法の森奥地は、咲夜と妖夢でいいか?」
「分かったわ、妖夢、よろしくね」
「はい、よろしくお願いしますね」
咲夜と妖夢が握手を交わす。
「妖怪の山は、レン、天津に頼む」
「はい、奴にはもう負けません」
「そうだねぇ、ちゃんとやり返さないとね」
天津、レンが闘志を燃やす。
「名無しの丘は、紫と幽々子だ」
「頑張りましょうね」
「ええ~」
紫と幽々子が頷く。
「地獄野原は俺が行く。
次は、敵についての情報だ」
「どんな妖怪なのか聞いておかないとね」
朧が頷く。
「あぁ、秘境にいるのは、
吸血鬼の敵、人狼、白毛のウェアウルフ」
「また嫌いな奴ね」
レミリアが嫌そうな顔をする。
白毛のウェアウルフは昔から吸血鬼と
敵対関係にあり、実力的にはほぼ互角、
強靭な肉体には生半可な攻撃が効かない。
「骨の山にいるのは、
怨念と怨嗟の集合体、がしゃどくろ」
「どくろって……骨じゃない」
「骨だな」
霊夢と魔理沙が断言する。
骨の妖怪ではあるのだが、問題は、
その巨大さだ。山のようなその巨体の
攻撃はかなり危険である。
「魔法の森奥地にいるのは、
魔法使いの負の遺物、魔法合成生物キメラ」
「合成生物?」
「聞いたことありませんね……」
咲夜と妖夢が顔を傾ける。
キメラは獅子の頭部に蛇の尻尾、
山羊の胴体を持つ明らかに異常な生物。
素早い動きに、さらに口からは火を吐く。
「妖怪の山は、
俺達が一度戦った化物、びしゃがつく」
「復讐してやらないとねぇ」
「はい、次こそは……」
レンと天津が険しい目つきになる。
びしゃがつくは、白く、丸い体に
目は無く、おびただしい数の触手が蠢く
かなり強く、気持ち悪い妖怪だ。
「名無しの丘は、
空を泳ぎ魂を喰らう、化け鯨」
「確か化け鯨も骨よね~」
「昔は魂を食べて体を構成してた筈よ」
遭遇した事のある紫が説明する。
化け鯨は紫と幽々子が言ったように
元の骨に、喰らった魂で肉と皮を作る。
大きさはがしゃどくろと同じくらいだ。
「一応言っておくか。
地獄野原では死んだ武士の王、亡霊武者」
「朧は一人で大丈夫なのか?」
「多分な」
戦場で死んだ戦士達の亡霊を束ねる王、
亡霊武者は、唯一人が封印した存在だ。
怨嗟の叫びは呪いとなって生物を蝕む。
「言っておくが、
まずは敵を人里に行かせるな」
「離れていれば大丈夫じゃないかしら」
かなり離れた骨の山で戦う霊夢が尋ねる。
「いや、封印された妖怪達は腹を
空かせている。必ず力の弱い人間達を
喰らうために人里へ向かうだろうな」
「面倒ね」
「戦いが終われば、戦えればで良い。
近くの戦場へ向かって援護してくれ」
「戦えればですね……」
「あぁ、最後に言っておく。
絶対に死ぬな。誰か一人でも欠ける
ことがないようにしろ、最悪逃げても良い」
「「「「………」」」」
「戦いは三週間後だ。修行は無し。
各自、体調を整えておくようにしてくれ。
---------幻想郷の力、見せてやるぞ!!」
「「「「おおーっ!!!!!」」」」
なんか戦争始めるみたいになりましたね……
日常編だよね、これ。
次回、「霊花の団子屋」