友人に「病んでる」
と言われたことがあります。
まぁ今までの前書きで
気付いた人が居るかもですが。
永久に連載停止することも
あり得るかもしれません。
お気をつけ下さいね。
これは、一人の死神と呼ばれた女性と、
一匹の龍の話。
「~♪」
朧は上機嫌で団子を頬張る。
今日は良い団子屋を見つけてしまった。
「おおっ、そこの兄ちゃん
旨そうな顔で団子を食べるねぇ!
一本おまけしておくよ!」
団子を出してくれた恰幅の良い男が
朧を見てそう言う。
「何!?良いのか!?」
「おうよ!じゃんじゃん食ってくれよ!」
「ありがたい、本当に旨い団子だよ」
「はははっ、明日も来てくれよ?」
「勿論だ」
号外~!号外~!
そんな声が店の外から聞こえてきた。
「………はぁ、またか?全く怖いねぇ」
「どうした、何かあったのか?」
店主は頭を抱える。
朧は不思議に思い、聞いてみることにした。
「死神だよ、兄ちゃん知らねえのか?」
「死神?俺は旅の者でな、
昨日この町に着いたんだよ」
「そうかい、死神ってのはな、
いわゆる辻斬りだよ。もう10人目だ」
それは怖い。
朧は真剣な顔つきになる。
「武士さんが次々に斬られてなぁ、
まるで歯が立たないってよ、全く怖い怖い」
「ふむ、武士のみが斬られているのか?」
「そうだよ………刀持ってるが
まさか兄ちゃんじゃねぇよな?」
「まさか、俺は人は殺さん」
店主は驚いた顔をする。
「へぇ………珍しいな」
「は?何故だ?」
朧は目を丸くする。
この店主、
まさか人を殺すのが普通と言うのか。
「だって兄ちゃん…………人外だろう?」
「……気付かれていたか」
朧は苦笑いをする。
この店主は人間だ。確実に。何者だよ。
「妖怪でも神さんでもねぇな、
全く珍しい客が来たもんだよ」
「クハハハ、店主よ。
本当に明日も来て良いのか?」
「うちの団子をあんな
旨そうな顔で食う奴に悪い奴はいねぇよ」
「クハハハッ、ならば明日も来よう」
「それで、店主よ。
死神について聞いても?」
「ん?なんだい、人間の事情だぜ?」
「だからこそ、だ」
店主はニヤリと笑う。
「んじゃ、情報提供だな。
追加で団子買ってくれよ?」
「クハハ、たくましいな。分かった」
「なんでもな、辻斬りは女らしい」
「女だと?」
少し驚きだ。男だと思っていたが。
「あぁ、大太刀を背負っていてな?
しかも水面を走っているって噂も聞いた」
「水面を?」
「そうだ、能力持ちは確実だな」
「ほぅ」
「んで、武士3人を相手して、
全員が一太刀で殺られてやがる」
「へぇ、凄いな」
「出没したのは夜だ、そのせいで姿は
分からん、長い髪ってだけでな」
「まぁ、兄ちゃんも休みもらった
武士みたいな見た目だ。気を付けな」
「おう、明日も頼むな」
朧は団子を持って店を出る。
「~♪」
夕日が沈み、既に空は暗い。
「~♪」
「おや、もう遅い時間。
外を歩くのは危険ですよ?」
背後から、声をかけられたが
朧は振り替えらない。
「そりゃお前みたいなのが居るからか?」
「そうですね、貴方、知ってますか?」
「なんだ?」
「愛情という物を、知ってますか?」
これは中々難しい問だ。
朧は少し考え、答える。
「知ってる、のかな?」
「そうですか、疑問系なのは何故?」
「愛を知らんからかな?」
「愛とは何ですか?」
「さぁな、俺には分からん」
問答は繰り返される。
「では、何故、こちらを見ないのですか?」
「振り向けば、戦闘になるだろう?」
「こちらから斬るのは簡単ですよ?」
「お前は正面からしか斬らないって聞いてな」
「そうですか、もう一度問います。何故、
刀にも手をかけず、こちらを見ないのですか」
「お前が話をしたいからじゃないか?」
背後から女性の笑い声が聞こえる。
「フフフッ、そうかもしれません。
では、こちらを向いて頂きたいのですが」
「そうか」
朧は振り向く。
紫色の髪の美しい女が立っていた。
「戦って頂けますか?」
「元よりそのつもりだ。俺はお前を止める」
朧は刀を抜き、対峙する。
そこから、女は記憶がない。
「………此処は」
「んあ?起きたんか?」
「………貴女は?」
女は、寝かされていた。
布団を持ち上げ、上半身を起こす。
すると目の前には青い妖狐がいた。
どうやら家のようだが、何処だろうか。
「主はーん?起きたで~!」
「?」
妖狐がそう言うと、奥の扉が開き、
昨日の黒い服の男がやって来た。
そして、思い出す。
確か、戦闘をした筈だ。
「そうか、私は負けたのですね……」
「まぁそうだな、どうだ、傷は?」
腕と腹を斬られた筈だ。
だが、痛みはない。
「痛みはありませんが………何故?」
「何が?」
「私を何故助けたのですか」
何故、生きているのか。
「そりゃ、お前が寂しそうだったから」
「は?」
寂しそう?
「私は……寂しくなど」
「嘘だな」
言葉を遮られる。
「なら、あんな事を聞いたりしない」
「問答のことですか?」
「そうだな、まぁ深く考えるなよ?
まだお前は病み上がりなんだからな」
男はそう言って、家を出ていった。
「ははは、あんた、見事に
主はんに目ぇつけられよったな」
妖狐は笑う。
どういうことか今一納得がいかない。
「一体、どういう………?」
「そのままの意味や、
あんた、もう逃げられんで?」
「え?」
「まぁ寝てることや、傷が開くで?」
そう言って、妖狐は茶を啜る。
「茶なら枕元にあるで?」
「あ、ありがとうございます?」
「はよう慣れることや、
主はんが帰ったら色々聞けるやろ」
少したつと、主と呼ばれた男が帰ってきた。
「お、お帰り」
「ただいま。あぁ、まだ居てくれたか」
「無理して逃げないなんて珍しいんやで?」
話をしていた妖狐がそう言う。
逃げられるのか………
「お前は、自分が
妖怪だと言う事に気付いてるか?」
「ええ、一応」
私は元人間だ。
人間から妖怪になる者の中には
気付かない者もいる。
「なら、お前の処遇が決まった」
「決定やろ、逃げん時点で」
「は、はい」
私は、どうなってしまうのだろうか。
「お前、今日から俺の式な」
「………え?」
「まぁそうなる訳やな」
式?
私が刃を向けた者に仕える?
「強引やろ、主はん」
「いや、決まりだ」
「……まぁ、悪い様にはされんよ。
あんた、今日からうちの同士や。
よろしゅう頼むわ」
いや、なぜ話が進んでいるのか。
「私は」
「俺に仕える」
「いやいや」
強引すぎではないか。
体を求めているのか?
「あー、大丈夫や、あんた。
貞操ならうちも無事やし」
「俺はそんな風に思われたのか」
「強引過ぎるせいや」
「…………まぁ、いいですよ」
男がその言葉を聞いて、
こちらを向く。
「そうか、なら契約をしよう」
「はい」
こうして、私は朧と名乗る男に
仕えることになった。
「もう、何年前になるのでしょうか」
「ん?どうしたお影」
「いえ、主」
「何だ?」
「私、幸せです」
私は、もしかしたら本当に
寂しかったのかも知れない。
「そうか、なら良いんだが。
どうしたんだ、急に?」
「いえ、今夜、
私と寝てもらっていいですか?」
「あ、ちょっ、それうちの特権やで!?」
「嫌です。私も一緒に寝たいです」
「お前ら二人で寝れば?」
そんなこんなで、幸せな日々が
もう1000年も続いている。
はい。
不思議店主の能力は、
"正体を見抜く程度の能力"ですかね。
本当にただの人間です。
愛って何でしょうね?
次回、番外編「霧雨の秘密」
魔理沙編と書いてましたが、
霖之助編になりました。
すいません。今度、魔理沙編書きます。