黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

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  ルーミア番外編です。
  

  あぁ、すっかり書く暇が無くなりました……
  学校だるいなぁ……

  お気に入り100突破ぁぁぁ!!
  皆様いつもありがとうございます!
  どうか皆様に太陽あれ!



番外編 昔話 常闇の妖と漆黒の龍

  これは、後に常闇の妖怪と呼ばれる妖怪と、

  漆黒の龍の昔話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「……ふぁぁっ」

 

 

  朧は大きな欠伸をする。

  眠い。

 

 

  「くそ、参ったな………」

 

 

  時を遡ること1500年前。

  名もない夜の山で朧は、

  いつものように道に迷っていた。

 

 

  「どうしたものかね……ん」

 

  

  そう呟いた時、朧に視界の隅に、

  黄色い髪が入った。

 

  西洋の服だろうか。

  服は黒と白、歳は16辺りに見える。

 

 

  「少女?こんな山の中に………」

 

  

  倒れている少女の口近くに手を立て、

  呼吸を確認する。

  少女は爪跡だらけだが、止まったのか

  血は流れていない。

 

  とりあえず息はあるし、安定している。

 

 

  「………運ぶか」

 

 

  朧は少女を担ぎ上げ、安全な場所、

  山の外まで運ぶことにした。

 

  少し前から自我の無い、

  問答無用で襲ってくる妖怪が増えた。

  この山ような場所は危険だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「…………んぅ」

 

 

  意識が戻り、そして気付く。

 

 

  「………あったかい」 

 

  「そりゃどうも」

 

  「っ!?」

 

 

  唐突に耳に入ってきた低めの声。

  敵───!

 

 

  「おい、暴れないでくれ!」

 

  「フーッ、フーッ!」

 

  「落ち着け!後ろ見てみろ!」

 

 

  私は後ろから迫る大量の殺気に気付き、

  振り替える。

 

 

  「───っ!!」

 

  「グルルァッ!!」

 

  

  唸り声が聞こえた。

  狼のような生物………妖気を感じる。

  妖怪だ。何十もいる!

 

  私は担がれて、追われている?

 

 

  「貴方何で?」

 

  「何が」

 

  「私を捨てれば、貴方は助か」

  「馬鹿が」

 

 

  言葉を強引に潰され、罵倒された。

  意味が分からない。

 

 

  「助けた筈の倒れてるような奴を

    囮として捨てるなんて出来ない」

 

  「…………」

 

 

  だが、このままでは死ぬ。

  やっぱり私が────

 

 

  「チッ、悪く思うなよ!!」

 

  「!」

 

 

  私を担いでいる奴が叫び、

  指揮棒のように狼たちへ手を振り下ろす。

  すると数々の闇の

  結晶が狼たちを穿っていた。

 

 

  「……ふぅ」

 

  「……凄い」 

 

 

  私は、見惚れてしまっていた。

 

  私を担いでいたのは男だった。

  長い黒髪のせいで性別が分からなかったが。

  弾幕を撃った所を見るに人間ではないだろう。

 

  男の弾幕は一つ一つが美しく、

  そして、残酷な程に狼たちの頭を穿ち、

  血の花を咲かせていた。

 

 

  「そうか?」

 

  「ええ、とても」

 

  「………」

 

 

  男は黙る。

  ……何か悪いことでも言っただろうか。

 

 

  「……お前、まさか妖怪か?」

 

  

  急に、そう聞かれた。

  命の恩人だ。私は正直に答えることにした。

 

 

  「……まぁそうね、妖術なんて使えないけど」

 

  「妖術が、使えない?」

 

  「ええ、私、妖力はあるみたい

   だけど何故か妖術が使えないの」

 

  「能力はあるのか?」

 

  「ないわ」

 

 

  男は少し考えるように再び黙り、

  そして朧、そう名乗り、危険だからと

  私は家に泊めてもらうことになった。

 

 

  

  

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「……家なんて人里以外にもあったのね」

 

  「まぁな、俺だって人間じゃない訳だからな」

 

 

  私が連れられて来たのは、

  山から出て、森の入り口の辺りにある

  小さな家だった。

 

 

  「そうだ、お前、名前はあるのか?」

 

  「無いわよ、名前なんて」

 

 

  人間の感情から生まれる妖怪にとって、

  名前とはとても重要なものだ。

 

  それが与えられれば、妖怪は

  大きな力を持つことが出来るからだ。

 

  だが、妖怪は名前を格下の生物に

  つけられる事を嫌がる。

  

  何故なら、名前のある妖怪の力は、

  名前を付けた者の力に依存するのだ。

 

  認められる事がない限り、

  名前は受け取れない。

 

 

  「そうか、なんて呼べば良い?」

 

  「……お前で良いわ」

 

 

  私は、朧に連れられ

  家の中へ入って行った。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「ちょっと待っててくれ、

   外には出るなよ?危ないからな」

 

 

  そう言われ、私は居間から

  奥へ進む朧を見送る。

 

 

  「………」

 

 

  何故だろうか。

  私は、まだ消えていなかった

  朧の温もりを確かめてしまう。

 

 

  「……あったかかったなぁ」

 

 

  つい、口に出てしまう程に、

  恋しかった。愛おしかった。温もりが。

 

  ずっと、一人だった。

 

 

  気付いた時には、山の中にいた。

 

  時には、狼に、熊に、猪に、人に襲われた。

 

  逃げた。逃げて逃げて逃げて、

  

 

  狼に休んでいた時の不意を突かれ、

  傷を負った。

 

 

  死ぬ、ここで終わりか。

 

 

  そう思った時、恐怖だろうか、

  意識が刈り取られた。

 

  気付けば、朧に助けられ、今に至る。

  いや、本当に助けられたのかは、

  まだわからない。

 

  騙され、連れてこられただけかも知れない。

 

  信用はまだ出来ない。

  してはいけない。

 

 

 

  「………」

 

 

  寝転がり、天上を見上げる。

  すると、扉が開き朧がやって来る。

 

 

  「…………」

 

  「大丈夫か?」 

 

  「……ええ、一体何をして………え?」

 

 

  朧は二人分の料理を

  盆に乗せて持ってきていた。

 

 

  「飯を作ってきたが、食えるか?」

 

  「え、何で?」

 

  「夜食の時間だから」

 

  「……いや、確かにそうだけど」

 

 

  てっきりその夜食にされるのか、

  などと考えたのだが。

 

 

  「食えるのなら食べていいぞ?

   そのために作ったんだからな」

 

  「え?…………私の、為?」

 

  「あぁ、口に合うと良いが」

 

 

  自分の為だなんて、言われたこともない。

  されたことも、なかった。

 

  目頭が熱くなる。

  それを隠すように私は飯を口に入れる。

 

 

  「んぐっんぐっ」

 

  「………ゆっくり食っていいからな?」

 

  「ん、んくっ」

 

 

  美味しい。食べたことのないほどに。

  だけど、それ以上に───

 

 

  「あった、かい………っ」

 

 

  涙が、零れた。溢れて、止まらなくなる。

 

 

  「………そうか」

 

 

  朧は、それだけ言って、

  優しく、私を抱きしめてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1ヶ月が経過した。

 

  私は、自分の身を守れるようにと、朧から

  "闇を操る程度の能力"を受け取った。

 

  朧は、私に力を分けたせいで神格化するか

  龍の姿にならないと闇を使えなくなった。

 

  その事で私が朧に遠慮すると、

  朧は

 

  「別にいいんだよ、

   俺には刀もあるしな」

 

  と言って笑ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  そして、更にその一年後。

 

 

  「お前と会ってもう一年か……」

 

  「そうね…………ねぇ、話があるの」

 

  「ん?」

 

 

  私は、貴方に───

 

 

  「私と、契約を結んで、

    名前を………下さい」

 

 

  私は、膝をつき、頭を下げる。

 

 

  「………後悔はしないな?

   一生涯、共にいてもらうことになるが」

 

  「ふふ、貴方となら、

   いつまでも一緒にいられるわ」

 

  「………クハハ、分かった。

   では、お前に名を与える」

 

 

  朧が私の頭に手の平を向ける。

 

 

  「名は……"ルーミア"。

   竜の国での意味は、闇」

 

  「………」

 

  「闇は、安寧を与えるもの。

   だが、同時に強大であるもの」

 

  「……」

 

  「力の使い方を見誤る

   ことのないよう心掛けよ」

 

  「分かったわ、主」

 

 

  「これからも、

   よろしく頼む、ルーミア」

 

  「こちらこそよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  これは、朧の式の中でも

  一番の忠誠を尽くしている、

  とある常闇の妖怪の昔話。

 

 

  「ルーミア、飯だぞー」

 

  「そーなのかー♪」

 




  ルーミア編でした。

  ルーミアの名前の元ネタは
  違うので注意してくださいね。


  次回、番外編終幕「一つの終焉」

  本来、緋想天に入る予定でしたが、
  ちょっとイラついていまして……

  番外編です。(観覧注意!)
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