黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

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神奈子さんカオス。



番外編 昔話 諏訪大戦 後編

「そらあっ!」

 

 

諏訪子は鉄の輪を駆使して

撃ち出される柱を切り裂いていく。

 

 

「ほう、中々やるじゃないか」

 

「ちっ、色葉!

  皆にこの場所から逃げるように伝えて!」

 

「諏訪子様!?

 諏訪子様はどうするんですか!?」

 

「コイツを倒す!」

 

 

諏訪子は一年の修行を経て、

敵………攻めてきた八坂 神奈子と互角に

渡り合えるくらいには強くなっていた。

 

 

「でぁっ!!」

 

「ふんっ!!」

 

 

二人の拳がぶつかり合う。

 

 

「ここは私の地だ!

 お前たちなんかに、この地を、

 民を渡すわけにはいかないんだ、よっ!!」

 

「素晴らしい信念だが、

  そういう訳にもいかないからな。

  こちらにも意地というものがあるんだ!」

 

 

二人はほぼ同時に後退し、

諏訪子は鉄の輪を、

神奈子はオンバシラを放つ。

 

 

「くっ、埒が明かない!」

 

「そらそらそらぁっ!!

  どうした、その程度かっ!?」

 

「諏訪子様っ!!」

 

 

色葉が叫ぶ。

 

 

「色葉ぁっ!!さっさと行きな!!本気が

 出せないんだ!巻き込まれたいのかい!?」

 

「………っ!」

 

「……くくっ」

 

 

色葉は息を詰める。

神奈子は──────

 

 

「そこの土地神は巻き込もうとしてないが、

 私は敵だということを忘れてくれるなよ?」

 

「っぐ!?」

 

「色葉!?」

 

 

色葉が先端の尖ったオンバシラに、

腹を貫かれ、倒れる。

 

 

「ぁ」

 

「これで私との戦いに集中出来るか?」

 

「………きさまぁぁぁぁぁあッ!!!」

 

 

諏訪子が怒り狂い、体にいくつもの鉄の輪を

作り出し、特攻する。

 

 

「ははははっ、そうだ、それでいい!」

 

「ふざけるなぁぁッ!!″諏訪清水″ぅっ!!」

 

 

諏訪子は水の力を操り、大地から

凄まじい勢いの水柱を神奈子へとぶつける。

 

 

「ぐっ!?……しまった、今ので見失った!?」

 

 

諏訪子は神奈子の上から掴んだオンバシラを

振り下ろす。

 

 

「ごはぁっ!?」

 

「″洩矢の鉄の輪″ぁっ!!」

 

 

諏訪子が鉄の輪を大量に叩き込む。

 

 

「っ、この!?

  行け、オンバシラァッ!!」

 

「邪魔だッ!!」

 

 

諏訪子は拳と蹴りで迫ってくるオンバシラを

次々と破壊していく。だが、

 

 

「ご、ふっ!?」

 

「最初の水柱……失敗だったか?」

 

 

神奈子のオンバシラは木で出来ている。

最初に諏訪子が放った水柱の水を

オンバシラが吸収し、一撃が重くなった。

 

 

「が、はっ……」

 

「とどめ、

 ″エクスパンデッド・オンバシラ″!!」

 

 

神力を纏った巨大なオンバシラが、

諏訪子を吹き飛ばし、大地へ落とした。

 

その、次の瞬間。

神奈子の背中から、血が吹き出した。

 

 

「ッがぁっ!?」

 

「悪く思うな、お前も十分に、

                外道だ」

 

 

血が滴る刀を手にした、

朧が背後から斬りつけたのだった。

 

 

「貴様は───!?」

 

「知る必要はない、ここで楽にしてやる」

 

 

朧は刀を持ち直し、切っ先を神奈子の首へ……

 

 

「はいはい、そこまでや」

 

「………」

 

 

刀は結界に阻まれ、弾かれた。

 

 

「落ち着きぃや、主はん」

 

「……あぁ、悪い」

 

 

朧は刀を納める。

狐───青い狐が、そこにいた。

神奈子の意識は、ここで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に、済まなかった」

 

「………けっ」

 

「あははは………

 諏訪子様、私は大丈夫ですから」

 

「諏訪子、気持ちは分かる。

  だが、俺からも頼むよ、神奈子を許してくれ」

 

 

数日後、朧は諏訪子の神社に神奈子を

止めたことを諏訪子に咎められたのだが、

現在は、神奈子の非道な戦闘について

論争が行われている。

 

 

「チッ、朧の言い分は聞いてあげる」

 

「諏訪子様……キャラが違います」

 

「色葉、仕方がないよこれは」

 

「あぁ、じゃあ説明するが……………」

 

 

朧が言うには、神奈子は大陸側の神によって

ほぼ無理矢理に攻め込むことになったそうだ。

 

彼女の存在すらも危険だったが、

彼女は生粋の戦闘好きだったため、

全力の戦闘による戦いが好きだった。

 

彼女はそれを利用され、

神の兵器として、この地に攻めいったのだとか。

彼女自身、非道とはいえ、

全力での勝負を望んだ。それが歪み切った結果、

あんな戦いをしたと言う。

 

朧もついカッとなった。

 

 

「………まぁ、分からんこともないね」

 

「じゃあ諏訪子様、許してやってください」

 

「無理」

 

「え」

 

「だって私も消えたくないし。

 勝ったの朧でしょ?なら私の勝ち」

 

「ぐっ………」

 

「待ってくれや、

 どちらによ、諏訪子が負けたのは事実やね?」

 

「う…………」

 

 

諏訪子陣営が結果的には勝利した。

神奈子が一対一には勝利した。

 

 

「だからと言って、

 神奈子にこの地を渡せん理由もある」

 

「ほぅ、それは何故だ、狐」

 

「殺すで?「おい瑠璃」………口に気ぃつけや」

 

 

神奈子のもの言いに瑠璃がキレる。

どうやら某狐と同じにされるのが本当に嫌らしい。

朧が宥める。

 

神奈子(と影で諏訪子)は凄まじい妖力に

震え上がる。

 

 

「………ま、怯えたんや。

 アンタ、諏訪子はんの力にな。

 

 大きな災害のように見えた人間からは

 他の神を信仰せぇなんて

 祟り神の諏訪子はんがいる地じゃ無理な話や」

 

「じ、じゃあどうすれば」

 

「表は、諏訪子。

 裏で神奈子を信仰してもらえばいい」

 

「「はぁ!?」」

 

 

朧の思惑はこうだ。

諏訪子と神奈子二人として、

架空の神を創り出して、同時に信仰を受けるのだ。

 

 

「えぇ、なんでよりによってコイツと」

 

「それはこちらのセリフだ!」

 

「仲良くせぇや」

 

「「はい」」

 

「クハハハハ…………」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「結果、朧の思惑通り、

 私たちは表と裏で信仰されたのさ」

 

「へぇー、お二人は仲が悪かったんですね」

 

「まぁ、朧がよく酒を持ってきてね。

 話してる内に、何か気が合うなってなった」

 

「そう言えばこの話に出てきた色葉さんって」

 

「早苗、お前の先祖だな」

 

「私の家系かなり凄かった!?」

 

 

 

 

 

「そう言えば朧さんは

 大陸に行って何をしたんですか?」

 

「ん?そうだな、確か………何だったか?」

 

「忘れたのか?朧、確かお前は大陸の神を

 全員半殺しまで追い込んだそうじゃないか」

 

「は、半殺し!?」

 

「………あぁ、確かそうだったね。

 私たち、朧の正体知ってから土下座したもんね」

 

「懐かしいな………不敬罪で死んだと思ったな」

 

「一回、家に来た神のね、神奈子の扱いに

 ぶちギレて斬りかかって怖かったの覚えてるよ」

 

「恥ずかしいな……翡翠が

『神はも人も竜も平等に』と言っていたからな。

 制裁を加えただけに過ぎないさ」

 

「ねぇ早苗、制裁って腕を落とすこと?」

 

「私たちは違うと信じたいのだが」

 

「怖い、朧さん怖い」

 

「早苗にトラウマを植え付けるのは止めて」

 

「俺のせいではなかろう………」

 

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