黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

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風神録編、突入です。


ダークソウルでは
イザリスの混沌、墓王ニート(笑)、
騎士アルトリウス、深淵の主マヌスを倒しました。
残るは大王グウィン、1人です。
クリア間近。



風神録
65話


「霊花のお団子ってこんなに美味しかったかしら」

 

「急に旨くなった感じはしますね」

 

「確かにな」

 

 

ある夏の日の昼下がり。

セミが鳴くほどの時期の話。

 

朧とシンギョク、美鈴は紅魔館の門で

霊花の団子を頬張っていた。

 

この組み合わせだが、美鈴、

実はシンギョクや霊花と面識があったのだ。

 

 

『幻想郷が出来る前ですけどね。

  神様と手合わせしたことなかったので。

  霊花さんに武術を教えたりしましたね』

 

『そうなのよ、武術面では

 私といい勝負なんて、びっくりしましたわ』

 

 

との事。

たまたまレミリアに着いていって博麗神社で

再開したそうで、朧が紅魔館に行ったとき、

団子と茶を持って喋っていたのだ。

 

朧も団子を貰い、喋っていると。

 

 

「あら、珍しく中国が起きてると思ったら

 朧にシンギョクじゃない」

 

「こんにちはー」

 

 

パチュリーと小悪魔が、紅魔館へ来た。

この2人が外へ出るのは珍しい。

 

 

「2人とも、外出か?珍しいな」

 

「少し運動不足だったのよ。

  魔理沙が盗みに来ないから。

  少し鈴奈庵に行ってたのよ」

 

「いいことなんですけどねぇ」

 

「後、私いつも寝てる訳じゃないですからね!?」

 

 

パチュリーの言う鈴奈庵とは、

人里にある本屋である。

 

 

「そうそう、朧さん」

 

「ん、どうした?」

 

「何か人里であったみたいですよ?

  確か………守矢神社?の宣伝でしたか?」

 

「えぇ、最近活発みたいね。

 何だか物騒なことも言ってたけど」

 

「そうなのか?」

 

「なんでも博麗神社の信仰を奪」

「ちょっと話を詳しく聞かせてもらえる?」

 

 

パチュリーの胸ぐらを掴み、

シンギョクがハイライトの消えた目で笑いかける。

 

仮にも博麗の祭神。

パチュリーはシンギョクの

溢れ出した神力に足を震わせる。

 

 

「え、えっと、確か、み、

  3日後に宣戦布告にい、行くとか……

  そ、そうよね、こぁ?」

 

「そ、そうでしたね………」

 

「そう、ありがと。

  さて朧、元凶は守矢神社ですわね?」

 

「………まぁ、少し待ったらどうだ?」

 

「はぁっ!?」

 

 

シンギョクが激昂し、朧を睨む。

朧は彼女を宥め、言葉を続ける。

 

 

「守矢は宣戦布告をした。

 なら、こちらも正面から受けて立て」

 

「く………だけど」

 

「取り敢えず落ちつきましょう、

  はい、お茶ありますから飲んで下さい」

 

「む………んくっ」

 

 

シンギョクは美鈴から渡された

お茶を飲み干し、落ち着いたのか、腕をくむ。

 

 

「………ちっ、わかりましたわ。

  私も正面から打って出ることにしましょう」

 

「そうしてくれ、

 守矢も守矢の悩みがあるのだろう」

 

「そうなの?」

 

「だったら博麗神社に喧嘩を

 売るようなことはしないだろう?

 始めから、大量の信仰を得ることが目的か」

 

 

朧は団子を食べ尽くし、茶を飲み干す。

 

 

 

 

 

そして、美鈴が気付いた。

 

 

「師匠、もうお団子

 全部食べたんですか!?」

 

 

話が始まる前には10本はあった筈の団子が、

全て串だけに変わっていた。

 


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