黒い龍は幻想で笑う   作:青い灰

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69話

 

 

ヴラドを連れてきた朧は、紅魔館の前に降り立つ。

そこには寝ている美鈴が立っていた。

器用なものである。

 

 

「Zzz's」

 

「おお、美鈴ではないか。ん?」

 

「クハハ……いつも通りだ。

  随分と美鈴も気楽になったよな」

 

「珍しい………目を疑ったぞ」

 

 

その時、美鈴の頭にナイフが突き刺さる。

突き刺さる、というより、突き刺さっていた、

が正しいのだろう。

 

死なない美鈴が不思議である。

きちんと流血もあるのだが。

 

 

「何だ!?」

 

「落ち着け、いつもの事だ」

 

「いらっしゃい、朧。隣の方は?」

 

「あー、そうだな………

  まあ、レミリアたちに会えば分かる」

 

「お客様ね。ようこそ、紅魔館に。

  本来なら丁重なもてなしをするのですけど。

  ───準備を致しましたので、どうぞ」

 

「………あ、あぁ。良くわからんが」

 

 

丁重なもてなし(物理)。

 

咲夜は時間停止を使って準備をしたのだろう、

朧、ヴラドを案内し始める。

 

レミリアの部屋前へと案内される。

 

 

「それでは、どうぞ」

 

「うむ」

 

 

ヴラドが前に進み出て扉を開く。

まぁそこにはレミリア、フランがいるわけで。

 

 

咲夜の能力を使うことなく、

朧、咲夜以外の時間が停止する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、5秒間の静寂を、

()()()()()()()()()()()ヴラドが破った。

 

 

「おお!我が娘が!

  ここまで美しく成長したのかぁぁぁぁ!!」

 

「「お父様ぁぁ!?」」

 

「え"っ」

 

「クハハ………」

 

 

アロハシャツの涙でぐちゃぐちゃ、

吸血鬼の父、ヴラド。

 

中々なカオスな状況だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へー、レミィの父方………」

 

「あぁ、確かにレミリア様と髪の色が同じですね」

 

「まさかお嬢様方の父様とは

   ………ご無礼、お許し下さい」

 

「いやいや、良い。

  余は愛娘に会えて満足である」

 

 

満足げなヴラドに対して

レミリア、フランは目を逸らしている。

 

その理由が。

 

 

「親バカ………」

 

「だね」

 

 

である。

紅魔館もヴラドが2人の為(だけ)に

設計、建築までしたものである。

 

紫がそれを幻想入りさせたことで現在に至る。

 

 

「と言うか、父様!!」

 

「うん?なんだ我が愛娘よ」

 

「父様がフランの育て方が悪かったせいで

 狂気に飲まれたのよ!どう責任とるつもり!?」

 

「なんだと!?」

 

 

レミリアが激昂する。

まぁレミリアが言うにはフランが狂気に

飲まれたのは100年ほど前であり、

それに悩まされたレミリアとしては当然の怒りだ。

 

 

「大丈夫だったのかフラン!?」

 

「うん、朧が助けてくれたよ。

  お父様、なんで助けてくれなかったの?」

 

「ぐはァ!!?」

 

 

明らかに悪意がある声で

フランも追い討ちをかける。

 

これには朧もどうかと思うので黙っている。

 

 

「地下室に監禁までしたのよ!?

  何が狂気なんてその内抜ける、よ!」

 

「待て、待つのだレミリア。

 まさか余もそんなことに

 なるとは思って「黙りなさい!」はい」

 

「弁明なんて聞く気は無いわ!

  今ここで朽ち果てなさい!!」

 

 

レミリアがグングニルを構え始める。

流石にそれには驚いたのか、

咲夜たちも目を丸くする。

 

 

「待てレミリア、ヴラドは──」

 

「″魔神槍『スピア・ザ・グングニル』″ッ!!」

 

「ぬぉ!?」

 

 

レミリアは強化されたグングニルまで用いている。

不死殺しの能力すら付与されているそれを

用いるということは、確実に殺しにきている。

 

朧は流石に止めに入る。

立ち上がり腰の刀を抜き、姿を変える。

 

槍の形のそれを、朧はグングニルに向ける。

 

 

「″天逆鉾(あまのさかほこ)″」

 

「!?」

 

 

それはレミリアのグングニルを

捉え、衝撃波を放って破壊する。

 

 

「朧っ、邪魔しないで!」

 

「流石に見逃せんよ、

 気持ちが分かる、とまでは言わんが。

 ケリをつけたいのなら弾幕ごっこがあるだろう」

 

「…………父様、幻想郷には弾幕ごっこ、

  って言うものがあるのよ。それで決着よ」

 

「………分かった」

 

 

ヴラドもそれを承諾し、咲夜からルールを聞く。

戦場は紅魔館の森の上空で行われることになった。

 






美鈴「あいたた………あれ、私は?」
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