"天才は1%のひらめきと99%の努力"だなんて
某有名発明家はいうけれども、そんなわけない。
才能のある人をギフテッドと呼ばれたりする
要するに"贈り物"なのだ。
『あなたはなんでもできる』と言わんばかりに
さすがに約1京のスキルを持つ人外ではないので
人の届く範囲ではあるがなんでもできた。
勉強もスポーツも、手の届く範囲でやったことは
なんでもすぐ出来たし、経験者を追い抜いた
だから周りは気味悪がった
────なんでも出来てしまうから
だから、日常はつまらなかった
────なんでも出来てしまうから
だから、普通でいたかった
────こんな才能いらなかった
─────ねぇ、なんだかるんっ♪てするね!
この学校で君と会うまでは
◇◆◇◆◇◆
私立羽丘女子学園、僕、
男子なのに女子校?となるかもしれないが
来年再来年を見越して共学化を図っているらしく
テスト生を募集していて、受けてはどうかとの
当時の担任からの推薦だった。
知り合いが誰もいないところに行けるということで
受けることにした。
進学校かつ、テスト生ということである程度の
学力が求められたが問題はなかった
今はクラスでの自己紹介の時間
名前とテスト生であることを端的に話し、席に着く
自己紹介の時間も、学校の説明も終わり
お昼の時間、どこか1人でゆっくりできる場所を
探そうと思ってたのだが……
「ねぇねぇ!」
「……誰?」
水色のショートカットの女の子と
茶髪で後ろに髪をまとめてるギャルの女の子が
話しかけてきた
「誰ってひどいなー、自己紹介したじゃん♪」
「ごめん、ぼーっとしてて聞いてなかった」
どうやら同じクラスらしい。
ショートカットの子は氷川日菜
ギャルは今井リサという名前らしい
まったく聞いてなかった。
「で、僕に何か用?今からゆっくりご飯を
食べれる場所を探しに行くんだけど」
「んーとねっ!お昼一緒に食べよう!」
「なぜ?」
「るんっ♪てきたから!」
……ちょっとなに言ってるかわからない
る、るんっ?なんだこの子は
それになんだか
「お断りするよ。1人でいたいから」
「えーっ!」
「まぁまぁヒナ、今日はやめとこ?」
気味の悪さから逃げるようにそこから立ち去る
今まで味わったことない感覚だった
結論から言うとその日だけではなく1週間毎日
時間になると誘いが来た。それだけではなく
休み時間にまで話し掛けてくるようになった
まー君なんてあだ名もつけられた
「どうしてそんなに執拗に誘ってくるのさ」
「だからるんっ♪てくるから?」
「だから、そのるんってなんなのさ」
「えー、るんっ♪はるんっ♪だよ!」
全くもってわからない。
しかし、その後聞いた言葉は衝撃的だった
「だってまー君、
初めて会ったときの感覚に合点がいった
────同族嫌悪だ
この子は僕と同じ天才なんだ
天才でありたくない自分の目の前に
天才が現れた。まるで漫画のように
「あたしと同じだから、るんっ♪てきたんだ!」
「そう…」
だから嘘をつくことにした
ほんとは仲良くなんてなれない。
が、自分の身を隠すには十分だった。
「僕はそんなんじゃないよ。
でもまぁ、いいよ。一緒に食べようか」
「やったー!リサちーも呼んでくるね!」
「えっ、ちょっと……」
人の話を最後まで聞かず駆けていく
天才となんとかは紙一重というが…
あ、それだと自分も入ってしまう。ダメだ。
◇◆◇◆◇◆
「今井さん?この人は?」
氷川さんと今井さんとお昼を食べ始めてから
何度目かの昼、1人、銀髪の女の子が増えていた
「あー、マコトは会うの初めてだっけ?
アタシの幼馴染の湊友希那、クラスは別だけどね
ほら、友希那、無愛想だから、さ」
友達が出来てなさそうだから…か
人のこと言えた試しはないが、確かに無愛想だ
「失礼ね、リサ。友達の1人や2人くらい…」
「1人や2人くらい?」
「1人や……2人、くらい……」
…いないのか。まったく、さすがの僕にも
ほかに友人の1人や2人くらい……
「まー君、どうしたの?そんなしょげた顔して?」
「…なんでもない放っておいて。」
いなかった。こうやってただ学校生活を共にするだけで
友人なんて呼んでいいのかわからないが(形式上はそうだが)
ほかに話をするクラスメートがいない
「そういえばさ、マコト?」
「ん?」
「いつになったら苗字で呼ぶのやめてくれるのかな?」
「えー…」
「あと、さすがに携帯、治ってるでしょ?」
実は出会って当初から下の名前で呼んでほしいと
せがまれている。理由を聞くと「え?友達じゃん!」
らしいのだが…。思い切れてない。
連絡先も携帯が壊れた、と言って誤魔化しているが
さすがにこっちはもう誤魔化し切れないか…
「わかった、連絡先は交換する。だから名前呼びは
もうしばらく待ってくれ…」
「よろしく、誠」
「あなたもいきなり名前呼びですか…」
今井さんといい、氷川さんといい、湊さんといい
ここにはコミュ力高い人たちしかいないのか
いや、湊さんはほかに友人がいないから
そうでもないのか?
「なにか失礼なこと考えたかしら」
「いいえ、なんでも…」
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「ただいま…」
「お帰り、まっくん。ご飯もうすぐできるわよ」
「わかった、出来たら呼んで」
学校も終わって特にすることもなかったのですぐに帰宅。
母曰く、もうすぐご飯の時間だそうで
「ふぅ……」
鞄を無造作に投げ捨て制服はシワが出ないように
しっかりとハンガーにかけ、ベッドにダイブ
そのまま羽丘に入ってからを振り返る
よく話すようになったのは氷川さん、今井さん
今日会った湊さんとは、どうなるかはわからない
3人とも下の名前で呼んでくれた
友達だって言ってくれた
「(でもきっと、
お互いが傷つかないように…)」
願わくばこれ以上近づかないように
近づけられないように。
出来る、出来る。大丈夫。
利用できるものはなんでも利用する
普通に憧れた天才少年
矛盾だらけの物語
ノリで書いたから続きがいつかは未定
メインはもう1つのバンドリ小説
いつも通りの日常に青薔薇の彩りを
よろしくお願いします