るんっとしたから書いた!!
「球技大会?」
「そう!まー君出るよね?」
「出ないよ?」
効果音をつけるとしたら『がーん!!』だろうか
そんな顔をしている。
ゴールデンウィークも過ぎ、ほんのり肌寒い季節は終わり
徐々に蒸し暑さが目立ってくる日が増えてきたある日
世間(羽丘)は球技大会で何出ようかという
話題で教室中が持ちきりであった
「マコト出ないの?」
「そりゃあ、男だし。スポーツは接触が多いし
1人とはいえ、体格差が出るし、不公平でしょ」
「えーっ!るんっ♪てこないなぁ…」
「まぁただの憶測だけどね」
「よし、ならっ!」
と言って氷川さんは僕の腕を掴む
嫌な予感しかしないのだが…
「先生に聞いてこよう!びゅーーん!!」
「え、ちょ、おいーーーー!!」
「アハハ…気をつけてねぇ」
今井さんの注意もすぐ聞こえなくなるくらいの速さで
腕を引っ張られ廊下を疾走する、いやさせられてる。
結論から言うと「一種目ぐらいならいいんじゃない?」という
先生の一言により出ることが決まってしまった。
「で、何に出させる気ですか…」
「んー、バスケ!」
よりによって男女で差が開きやすい種目を
選びやがったこの子は…
さて、
「で、ほかのメンバー決まってるの?」
「んーとね、リサちーとあと1人は今から会うよ!
だからもう1人欲しいんだけどなぁ…」
まぁあと1人くらい誰でもいいんじゃないかと
思ってた矢先、キャーキャー黄色い歓声が聞こえるので
目の前を見ていると、170cmは超えてるだろうか
高身長の子が女子たちに囲まれてた
「なぁ氷川さん、あれって…」
「あっ、薫くーん!」
「え、ちょっ、くん!?」
薫くん…ってほかに男っていたっけか
同じテスト生なら情報があってしかるべきでは…
ていうかもし男ならどんだけアンフェアな
勝負にしたいんだ…
「まー君紹介するね。薫くん!」
「君が日菜の友人の……。あぁ儚い…」
…この学校は変人奇人の集まりなのか
「神結誠、よろしく。」
「改めて瀬田薫だ。よろしく、誠」
この人もかー…
揃いも揃ってなんでこうもコミュ力の塊ばかりなんだ
「誠の噂話聞いてるよ、外部生で共学化に向けた
テスト生だと。あぁまるで
「…っ!」
「まー君?どうしたのー?」
「……なんでもない」
大丈夫、悪気はないはずなんだ。
まだ、会って数分。そんなところでボロが出るわけがない
「と、とりあえずよろしく、瀬田さん。
で、氷川さん。あと1人はどうするの?」
「んー、ユッキーでいいかなぁ」
でいいかなぁとは失礼だな…
湊さんが運動できないと限ったわけではないし……
──────────────────
限った…。この人、運動できなさすぎる。
逆に瀬田さんが出来すぎる。そりゃ女子から
黄色い歓声が浴びるのも納得できる
「瀬田さんと氷川さんがいるし、適当に流しても
問題はないかなぁ。今井さんもある程度動けるし
3人で2人分カバーぐらい出来るでしょ」
「まー君なにか言った?」
「いいや、何も」
せっかくチームが決まったから練習しよう!
という今井さんからの提案で放課後、体育館を借り
球技大会に向けての練習をしていた。
今は練習も終わり、女性陣を早く帰らせ
片付けをしていた。
「ていうか帰らなかったの?」
「うん。ちょっと試したいことがあって」
そう言って氷川さんはボールを1つ手に取り
ドリブルをしながらコートに入っていく
「まー君、
「……は?」
2人しかいない体育館でドリブルの音だけが響く
なにを言ってる?
「なにがしたいわけ?」
「えーっ!だって練習中のまー君、なんだか
るんっ♪てこなかったからさっ!」
ほかの3人はごまかせても、あたしはごまかせないよ
と言わんばかりにの臨戦態勢
氷川さんには隠しきれないだろうし
一回、黙らせた方がよさそうか……
「後悔するなよ。」
「いいね、その顔、なんだかるんっ♪てきたっ!
負けた方が勝った方の言うこと聞く罰ゲーム付きねっ!」
結果は僕の圧勝だった。
バスケットボールという競技は体格差が顕著に出る
「さて、罰ゲームだけど……ってなにしてんの!!」
罰ゲームはなににしようかと考えていると
氷川さんがおもむろに練習着を脱ごうとしていた
「え?罰ゲーム?」
「そんなこと言った覚えはない!脱ぐな!」
「なんだ、つまんないのーっ」
つまるつまらないの話ではない。
この子の行動が読めない……!
そして適度に引き締まってスタイルのいい…
ってなにを考えてるんだ!!
「まー君、どうしたの?」
「なんでもない……。で罰ゲームだけど…」
──────────────────
迎えた球技大会当日
あれ以来、氷川さんはふっかけてくることはなかった
─────普通でいさせてくれ
それがあの時の罰ゲーム。
それだけ言えばあの天才は分かってくれるだろう
「さぁて適度に頑張りますかねぇ」
「あぁまさしく決戦の日にふさわしい天気だ。…儚い」
とりあえず儚い言っとけばいいと
思ってるのかこの人は
しかも体育館内だから天気関係ないし
「マコトはいいよねぇ、一種目だけで」
「文句があるなら先生に言ってよ」
「私は一種目も出たくなかったのだけれど」
「それも先生に言ってくれ…」
ちなみに湊さんの出る種目は僕と同じく
バスケットのみである
まぁあの運動神経なら出ても仕方ないか…
「誠、あなた失礼なこと考えてたわね?」
「……考えてないよ」
心でも読めるのか、この子は…
さすがにそんな人外じみたこと、僕には出来ないぞ…
「まぁまぁマコトも友希那も、このバスケットで
終わりなんだから、頑張ろっ?ねっ、ヒナ?」
「…あっ、う、うん」
「氷川さん、疲れてる?瀬田さんも今井さんも
休めるときはちゃんと休んで?」
瀬田さんはひっきりなしに出場していて
氷川さんも瀬田さんほどではないが、多く出場している
今井さんも所属しているダンス部からの
誘いで、ある程度出てる。
よく頑張るよ、まったく…
だからこそ、ぶっ続けで出るのが少し
心配なのである。
迎えた一回戦、二回戦は、瀬田さんを中心にパスを回し
瀬田さんが決めるたびに黄色い歓声が上がって
それに応えるように瀬田さんがファンサービスをして、で
体育館中がすごかった。
瀬田さん自身もすごかった。普通にワンハンドで
3P決めてくるしダブルチームも余裕で抜き去るし
体の構造どうなってるんだ、本当に女子か
迎えた準決勝、館内に響く
ホイッスルの音とともに事件は起きた
「氷川さん!」
「ヒナ!」
「あっははー、やられちゃった…」
確実にファールを取られるようなラフプレイ
その勢いで足を挫いてしまったのだ。
「…残り時間、点に余裕はあるからなんとかする
瀬田さん、協力して」
「わかった」
「今井さんも、湊さんも、ボール回すから」
もともと5人でしか組んでなかったため
変えの要員はいなかった
準決勝はもともとあった点差が縮められたものの
なんとか勝てた。問題は決勝だが…
「んー、無理っぽいね」
「てことは4人か…」
氷川さんの足が思ったより悪く、決勝は
出ることは難しいとのこと
変えの要員もいないので、やる場合は
4人でやらないといけないが…
「ちょっと…しんどいかなぁ…」
「さすがの私も、体力の限界だよ…。あぁ…儚い」
「もう……ダメ……、動けない……」
もともと体力のない湊さんまで散々走ってたのだ
一回戦から出ずっぱりの瀬田さんと今井さんの
体力は限界を迎えている…
しかも決勝はバスケ部が3人もいるらしい
所属している部活の種目の参加禁止とか
ルールは作らなかったのか…
「仕方ない、ここはもう諦めて……」
「ダメっ!!」
「氷川さん?」
諦めようとしたその時、氷川さんの叫び声がこだまする
「……まー君、学校楽しい?」
「は?こんな時に一体なにを…」
「いいから、楽しい?」
…仕方ないので約1ヶ月の普通を求めた学校生活を振り返る
氷川さんに会って、今井さんに会って
湊さんに会って、まさかのお昼も一緒に食べたり
瀬田さんと会って一緒にスポーツしたり
普通を演じた結果、普通に友人ができた。
「楽しい、よ」
だから楽しかった。
普通に話すことが、笑いあえることが
今までを塗り替えるかのように、充実していた。
「そっか…だったらさ」
「…??」
──────────────────
「
意味が含まれてるような声だった
そのあとも耳打ちで
「勝算はあるのかい?」
「運」
「えーっ、それって大丈夫なの!?」
たぶん、大丈夫じゃない
「だって、僕、バスケほとんどやったことないんだよ
人数も4人、頼りの瀬田さんは疲労困憊。
その状態でバスケ部3人いるチームに勝つなんて
天地がひっくり返らないとありえない
……
普通がダメなら普通じゃなければいい
まったく、嫌悪してるのに、気味が悪いのに
あんな顔されたら聞くしかないじゃないか
普通でいたかったのに、あの子のせいで
調子が狂わされる。
「今井さん、湊さん、瀬田さん。ボールを持ったら
僕にすぐパスちょうだい。攻めるのは
同じ
たとえ、
タイトル考えるセンスください