あたま抱えながら書きました
「あっいたいた、ヒナー?」
「……リサちー」
「保健室にいなかったからどこ行ったかと思ったよ」
「う、うん…」
マコトに頼まれてヒナの様子を見に
保健室まで行ったけど見当たらず
たまたま見かけた巴に聞いたら
屋上に向かってくのを見たって言うから
屋上に向かったら体育座りで考え事してるような
らしくないヒナを見てしまった
「どうしたのー、らしくないじゃん?」
「ねぇリサちー」
「ん?なんかあったー?
おねーさんにどーんと任せなさい!」
まさかヒナの口からあんな言葉が出るとは
思いもしなかったけどね。
「まー君の顔、ちゃんと見れないかもしれない…」
「はえ?」
おっと、華のJKがらしくない声を出しちゃった
これはおそらくあれだなぁ……
「と、とりあえず戻ろっか!マコトも心配してるし」
「う、うん……」
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「あ、戻ってきた。日菜、大丈夫?」
「う、うん!大丈夫!」
「リサ、ありがとう」
「いえいえー、文化祭で奢ってねっ?」
ヒナを連れてマコトのところに戻ると
作業は全て終わっていてマコトは帰る準備をしていた
「早く帰ろう。慣れないことするもんじゃないや。
すっごく疲れた……」
「ありがとう、マコト」
「こちらこそ。日菜、顔赤いけど本当に大丈夫?」
「えっ!あっ!うん!」
目線が合ってないし、顔も赤いし
こりゃ重症かなぁ…
「マコト、今日ヒナとガールズトークしながら帰るから!」
「ん?あー…わかった。じゃあ当日ね」
どうやら察してくれたようで。
ヒナを連れて先に帰る
「ちょっとヒナー?あれじゃマコトが困っちゃうよー?」
「えっ?あぁ、うん……」
「やっぱり、ちゃんと見れない?」
「うん……どうしたらいいんだろ、あたし」
うーん…こればっかりは自分で気づかせるしか
ないんだよなぁ……
「こればっかりは自分で考えよっ?
まぁおねーさんもそこまでワルじゃないから
ひとつだけヒント。今のままだと、マコトに嫌われちゃうよ?」
「それは…るんってしない」
「うん、なら頑張ろっ?」
ヒナは意外とこういうの知らなさそうだし
おねーさんが一肌脱いじゃいますかっ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
文化祭当日、2日間のうち1日目が時間合う
ということで日菜とリサと回る予定、だったのだが…
「急に文化祭のシフト代わって……なぁ」
「まぁ仕方ないよねー」
当日朝になって別のクラスメートから
シフトを代わってほしいとのことで
リサとは時間が合わなくなってしまった
「じゃあどこから行く?」
「えっ?」
「いや、仕方ないでしょ。2人で回ろう。
……楽しみにしてたんだから。友達とこういう
学校行事に参加するの、さ。」
やっとちゃんとできた普通の友達と
こうやって学校行事に参加する
昔から憧れていたことだ
1人減ったのはもったいないが
日菜となら十分楽しめると思う
「じゃあお化け屋敷!」
「却下、お腹空いた。」
「えーっ!?」
お化け屋敷に行きたい日菜は置いておいて
さっそくだけど薫のクラスの執事喫茶にお邪魔……
したかったのだが
「薫がここまで人気とは…」
「まぁ薫くんだしっ!」
まだ始まって間もないにも関わらず
教室前の廊下は長蛇の列。
そして、たまに薫がファンサービスで
廊下の列に声をかけると、これまた黄色い歓声が
……もはや執事喫茶ではなく薫喫茶である
「どうする、日菜?並んじゃったけど」
「せっかくだから待とうよー。薫くん見たいし!」
「やぁ子猫ちゃんたち。おや、2人かい?」
噂をすればなんとやら。
ちょうどファンサービスのタイミングだったのだろう
薫が教室から出てきた
瞬間、周りの黄色い歓声が湧き上がる
スターじゃないか。
「お疲れ様、薫。リサが急遽うちのクラスのシフト代わってね」
「なるほど…。そうだ、友人贔屓で
優先で案内しようじゃないか。」
後でファンから刺されないだろうか…
とはいえ願ってもない話なのでありがたく
受け取ることにする。
「意外とメニュー豊富だね。日菜、決めた?」
「薫くん!あたしパンケーキとミルクティー!」
「じゃあ僕もパンケーキと、コーヒーにしようかな」
「了解だ、少々待っていてくれたまえ」
しばらくして薫が注文したものを持ってくる
……なにやら変なドリンクと一緒に
「薫、これは?」
「なに、サービスだ。遠慮なく飲んでくれたまえ」
サービスと言われても、運ばれたドリンクは
着色料満載と言わんばかりのクリアな青色に
さくらんぼが2つ乗っていて、ストローが2本刺さっている
これ、テレビで見たことあるやつだ。
「か、薫くん!あたしたちそんなんじゃないからっ!」
「おや、そうだったかい?仲が良さそうだから、てっきり」
「そ、そうだよ!だから…ってまー君なにしてるの?」
「なにって飲もうとしてるんだけど?早く飲もう」
こういうのは恥ずかしがると相手の思うツボである
「まぁ…、僕に出来ないことはないからね。
こういうことも挑戦しないとさ」
「むぅ…よく言うよ。」
「日菜だからこそだよ」
日菜はそんなこと無いのか、顔を赤くして
目を合わせてくれない。
あと、シャッター音が聞こえたけど
気のせいということにする。
ちなみにパンケーキはめちゃくちゃ美味しかった
今度自分で作ってみよう。
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「……ありがとね、薫」
「子猫ちゃんの頼みなら断れないさ。
しかし、あの2人は難しいよ特に…」
「うん、ヒナがあの調子だとねぇ」
「いや、無自覚とはいえ日菜はじきに気付くだろう
問題は誠。彼の方だ」
薫の言うことも一理ある
マコトはあくまでもヒナやアタシたちのことを
一番、
断片的に聞いた、昔のことも関係してくるのだろうが
きっとそこから脱するなんて思ってないだろう
……こりゃおねーさん骨が折れるぞー
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「お、おかえりなさいませ……にゃん」
「ユ、ユッキー…」
なんだこの可愛い生き物は。
いや、目の前には猫耳つけてメイド服をつけた
あの例の孤高の歌姫、湊友希那が立っていた
「今すぐ記憶から消しなさい」
「ご、ごめん。無理。写真撮ってリサに送っ……る…」
「やめなさい」
あのクールでツンツンした友希那が……
猫耳つけて、メイド服って…
どうしたらこうなるんだ……
「私のクラスには絶対こないこと、いいわね!」
そう言い残し、友希那は去っていく
「…日菜、撮れた?」
「バッチリっ!」
可愛らしい写真に免じてクラスに行くことは
止めておいてあげよう。
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「そういえばこのAfterglowって…」
「つぐちゃんたちのバンドだねっ!」
「……行きたいんだけどいいかな?」
あれからいろんなところ(お化け屋敷以外)を回り
1日目も終盤、受け取ったチラシ書いてあった
Afterglowというバンドがステージでライブをするらしい
「有名なの?」
「うちじゃ結構有名だよ!
最近流行ってるからねガールズバンド。」
どうやら昨今ガールズバンドというのがブームらしく
最近は女子高生中心に活動しているグループが多いらしい
…友希那もそういうことなのだろうか
「ていうか、人多いね。このステージ」
「まぁメインステージだからねー。
1日目の目玉でもあるしさっ!」
「…Afterglowです」
ボーカルであろう真ん中の子の声が
ざわざわしていた空気を一瞬にして静けさに変える
カバーを一曲、そしてオリジナルを一曲
日菜曰く、まだ中学生で来年高校生らしい
羽丘は基本エスカレーター式なので
もしかしたらどこかで会うこともあるのだろうか
「すごっ…」
「えへへー、すごいでしょっ?」
すごいとしか言えなかった
まだまだ自分の世界は狭いと感じた
こんなにすごいものがあるなんて。
いままでの自分だったら見つけられなかっただろう
「ありがとう、日菜」
「えっ、まー君どうしたの?」
「日菜たちと会わなかったら、こういう風に
文化祭回ったり、こんなすごいバンドも
知らずにいただろうからさ。だからお礼。」
日菜たちと友達でよかった。
これは本心である
「これからも友達としてよろしく、日菜」
「…っ‼︎う、うん!よろしくね!まー君!」
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文化祭の1日目も無事終わって
まー君と一緒に帰って、とってもるるるん♪ってした
「…いつまで覗いてるの、リサちー?」
「ありゃ、いつから気づいてたの?」
「薫くんのクラスから出たあたりかな?
リサちーと薫くんが話してるの見えちゃったから
…ありがとう」
お礼を言われるとは思ってなかったのか
リサちーは驚いた顔をしている。
「…どうだった?」
「楽しかったよ。でもねまー君に
胸の奥がきゅーってぶわーってなったんだ。
リサちー、なんだかわかる?」
まー君と2人で文化祭を回ってるとき
薫くんの喫茶店で2人で同じドリンクを飲んだとき
まー君と協力してユッキーの可愛い写真を撮ったとき
Afterglowのライブを見たとき
とってもるるるん♪ってした。でもまー君の
急に胸の奥がきゅーってなった。
こんな感情、あたしは知らない…
「んー、じゃあおねーさんから大ヒント。
マコトのこと好き?」
「うん!好きだよ!まー君といると
るるるん♪ってするから!」
「じゃあ、その『好き』についてよく考えてみなよ
おねーさんからの宿題ねっ」
提出期限は無期限だからねっ!と言って
リサちーは走って帰っていく
好き…好きについて?
んー、よくわかんない!るんってしないー!
友希那にはべったべた甘いけど
ほかは厳しいうちのおか…おねーさん
うちの日菜ちゃんはぴゅあぴゅあでお送りします
よろしければ色々お待ちしております