東洋棲艦   作:アカサ0407

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「この世界は間違っている」
嗚呼、なんと人間中心で考えているのだろうか。人間がいかに利己的で自分勝手なのかがよく理解る。人間の中でその意見を出せば様々な人間が意気投合するのだろう。だが世界の全生物の中で考えると少数意見にしかなり得ない。
故に私は思う。「この世界は間違っている」のではない。「この世界は歪んでいる」のだ。歪んでいる世界には正義などはない。自分の意見をぶつけ、相手を蹴落とし続け、そしてその頂点に君臨したのが世界の正義なのだ。なんと曖昧なものなんだ。こんな歪んだ世界ならアリが人間をも殺せるのが良く理解る。
そもそもビックバンはなぜ起こったのだ?とある場所で爆発が起きた?
では「とある場所」とはどこだ?まるでその爆発は人が考えた思いつきのようではないか。


俺!参上!

拝啓、お母さん

残暑がひときわ身に染む毎日ですがいかがお過ごしでしょうか?

私は元気にやっております。今年の夏は友人と伊豆へ行くことになりました。

あらぬ世の居心地は私は理解出来ませんが、快適にお過ごししていることをお祈りいたします。この前のことなのですが…

 

 

☆☆☆

 

手紙を仏壇の前にそっと置いて、お線香を焚いてから支度をする。父親は僕が物心つく前に、母親は僕が中学生の頃に過労死で亡くなっている。こんなご時世じゃよくあることだ。母が亡くなってしばらくして叔母さんの家に預かってもらっている。

いつからかは覚えていないが学校でやった母親への感謝の手紙を書こうという

授業で書いてからは月に一度仏壇に新しく書いた手紙を置いている。意味なんかない、ただの自己満足かもしれないけど何故か続けている。あの世というものがあるならきっと読んでくれている、ただそう信じて

「おーい!歩!なにしてんだよ、早く行こうぜ!」

「おい、あんまり大きな声出すなよ、子供じゃあるまいし」

外から明るい友人の声が聞こえる、どうやら待たせてしまったようだ。

二人は石山瀧と真田樹と言う小学生からの友人だ。母親が亡くなって落ち込んでいる僕を励ましたり一緒に居てくれた大切な存在だ。

「お待たせ!集合時間より早くない?まだ時間があると思ってたんだけど」

「おう!楽しみすぎて早めに呼びに来たぜ!」

「はぁ、これでもう19歳って言うんだから驚きだよな」

僕等は昨日から夏休み!今日から二泊三日の伊豆旅行に行く。伊豆に樹の従姉妹が住んでいるらしく、そこでお世話になるつもりだ。

「じゃあ!行くぞー!レッツ伊豆ー!」

「えっと…お、おー!」

「歩、わざわざやらなくていいぞ、てかダサいな笑」

三人で色々な話をしながら伊豆へ向かった。行き方はシンプルで修善寺まで電車で向かい、とりあえず伊豆市までバスだ。そこで樹の従姉妹の父親の車で家まで向かい荷物を置くという事になっている。

「それにしても荷物置いてからどうするんだ?考えてあるんだろ?」

「ノープランに決まってんだろ!成り行きで行こうぜ!」

「流石に何観に行くかくらいは決めておこうよ…」

家を出てから数時間で修繕時につき今はバスに乗っている。なんだかんだで僕は誰かと一緒に旅行に行くのは初めてだ、学校行事なので行った事はあるけど

自分から行くことはなかった。だからすごいワクワクしている。

「お、トンネルを抜けたら伊豆みたいだぞ、もうすぐだな!」

「よっしあ!楽しみだぜ!」

暗いトンネル、初めてだらけの僕にとってこれほどワクワクするものはない。

トンネルを抜けるとそこは一面綺麗な海が広がってるのが見えた。

「すごい綺麗だね!家の前の海はゴミで汚れてるから感動ものだよ!」

僕等の家の近くも海があるけど皆ゴミを捨てていくせいでとても汚い。毎年学生が学校行事で綺麗にしてるのに汚い。

「確かにな!う〜、観光が楽しみだぜ!」

「おかしいな…」

瀧が少し不思議そうな顔をしていた。どうしたんだろうか。

「おかしいって、何がだ?」

樹が質問を無視して瀧は携帯で調べ始めた。

「変なんだよ…俺らが向かってたのは伊豆の中心、それなのに何で海が見えるんだ?」

そして調べてからすぐ後で瀧は焦ったように僕等に伝えたい。

「俺らの現在地が不明になってやがる……周りを見ろ、他の奴らも異変に気付き始めたぞ?」

どうやら乗車してる人達も異変に気付いたようだ。だんだんうるさくなって来たところで運転手からアナウンスがした。

「落ち着いて下さい、今本部との通信を確認しています。異常事態なので外には出ないで下さい!何が起こるか分からないので」

いよいよ不味い事になったと自覚し始めた。僕は現実から少し目を逸らしたかったので海の方を眺めた。そうしていると向こうから黒い何かが迫っているのが見えた。

「樹!瀧!なんだあれは⁈こっちに向かってきてるぞ!」

「気のせい…じゃないなアレは絶対こっちに向かってやってきてる、生物なのか?」

「お、おい!なんか顔見たいなのがあるぞ!」

黒い物体が海の中から顔を覗かせた。その瞬間その物体はいきなり雄叫びを始めた。周りもそれが聞こえない馬鹿ではないようで、すぐに混乱し始めた。

青く、淡く光る目の様なもの、口の部分でありそうなところは綺麗な歯が揃っていた。そこで気付く、アレは生物だ!こちらに来るということは僕等に攻撃する気か?…だけどどうやって?

雄叫びをした口からは黒い筒が出てきた、まるで大砲のように見える。

「ま、まさか!撃ってくる気か⁈」

「歩!、樹!バスから出るぞ!」

撃ってくると判断した僕等三人はすぐさま窓を割って外に出た。そしてその同時に黒い生物の方から何かを発射したような音が聞こえてきた。

そしてその数秒もかからない間にバスが爆発した。その爆風からは逃れられる事は出来ず僕等も吹き飛ばされた。そこで一度僕の意識は途切れた。

 

☆☆☆

意識が少しずつ覚醒していく。その中ですぐに二人の安否を心配するくらいまでには戻ってきた。

「二人は⁈」

すぐに起き上がると周りは炎に包まれていた。そして痛みも感じてきた。どうやら爆風で下に叩きつけられたようだ。バスの方を確認する、そうすると普通の日常を暮らす自分にとって信じられない光景を見た。

「う、そだろ?喰べてるのか?人間を?」

そこにはさっきの黒い生物が女性の体のような物を喰べている光景だった。

あれは何だ?大腸のような物をぐちゃぐちゃにしながら食べている。歯のような所に人間の血がべったりと付いている。そして嗅覚もだんだん回復してきた。焦げ臭いがそれ以上に血生臭い!気付けば僕は嘔吐していた。

「ゔっ!おえぇぇぇ!あぐっ!」

治らない吐き気、涙が止まらない。初めての感覚。頭では処理しきれない情報が次々と流れ込んでくる。アレはなんだ?何故人を喰べている?二人はどこだ?人間の中身ってああなってるのか?臭い!化け物が‼︎などが頭に押し寄せる。運が良いのか悪いのかまだ化け物には僕の存在はまだ気付かれてない、どうやら喰べる事に夢中なようだ。そっと移動するために近くで壊れているところへ隠れようと手を置こうとしたら倒れてしまった。何故倒れた?痛みが増していく。立ち上がらなければ!腕を上げて…

そこに自分の腕はなかった。

「っ〜〜〜!ーーー!」

声を出してはならない!出したらたぶん次に僕が喰べられる!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!だがまだ耐えられる!ここで堪えなくては!

二人を探さないと!

「樹…瀧…!何処にいる?」

ドクドクと腕があるはずのところから大量の血を垂れ流しながら二人を探す。

居た!見覚えのある服だ!どうやら倒れているようだ。アドレナリンが大量に出始めてたようで痛みは落ち着いてきた!急いで駆けつけないと!

「おい!樹!大丈夫か?しっかりしろ⁉︎」

「あ…歩?歩か?そこにいるのか?」

「よかった!無事か!あの化け物は喰べる事に夢中だ!今のうちに逃げれるぞ!」

「あゆ、む…ごめんな?ごめんな?瀧を守れなかった…」

隣を見ると瀧が着ていた服を着た肉片が置いてあった。頭は吹き飛ばされた後のようだった。また吐き気がする。それでもまだ樹は生きている!二人ででも逃げないと!

「樹!逃げるぞ!早く起きてくれ!」

急かすが樹は起き上がってくれない。なんで?早く逃げないといけないのに!

そこで樹は理解不能なことを言った。

「なんで返事してくれないんだ…?歩?そこにいるんだろ?」

頭が真っ白になる。でも口はなんとか動いてくれた。

「な…なに言ってるんだ?僕はここにいるぞ!早く逃げないと!」

「なにも見えない…さ、寒いんだ…。さっき歩の声が…ひ、一人にしないでれよ…」

「何言ってんだよ!ここにいる!だから早く起きろ!起こしてやるか…」

樹を起こそうと持ち上げた瞬間にわかった。…軽い。僕の筋力じゃ樹を持ち上げるなんて出来ない…それなのになんでこんな簡単に持ち上げることが出来るんだ?

答えは簡単だった。そこには下半身がついてなかった。

「何も見えないよ…どこにいるんだ。寒い寒い寒い寒い!嫌だ!誰か助けてくれ!俺を一人にしないでくれ!頼む!」

「ああああああああああ!うわぁぁぁぁぁ!」

絶望のあまり大声を上げてしまった。そしてついに化け物に気付かれてしまった。だが僕はもう諦めていた。生きることを…

僕は母親ご亡くなってから一度死のうとしたことがある。その時は二人に気付かれて怒られた。その時に言われたことがある。

「お前が母ちゃんが死んだ時に辛かったみたいにお前が死んだら俺達が悲しむぞ!それでもお前はいいのか?」

忘れもしない。忘れてはいけない言葉。二人が辛い、それだけは嫌だ!独りぼっちで泣いてた僕を助けた二人が僕みたいになることだけは寂しかった。

二人は僕にとって羅針盤だ。自分を照らしてくれる、導いてくれる光の羅針盤。その二人が醜い肉片になりながら死んでしまう。その光景を目の前にした僕に生きる目的なんてない…もう僕も二人の所へ…

「歩…助けてくれ!お願いだから!」

その声を聞いてハッとする。僕が死んだ後はどうなる?おそらく化け物はここの人間を喰べるつもりだ。僕が喰べられることはいい。だけどあの二人は?

僕の大切な存在があんな化け物に喰べられる?それだけは嫌だ!

殺してやる!何も喰べれないくらいズタズタにして殺してやる!二人は僕が助けない(守らない)と!

気付けば僕は近くに落ちてたバスの破片のパイプを掴んでいた。

持った感情は怒り、憎しみ、殺意。だけどなんでか冷静ではあった。

化け物が僕の所へ突っ込んできた。あの体でどうやって動いているんだ?

口が開いた!そのまま喰べようとしてる!僕は目にパイプを投げた。そして目だと思われるところを突いた。青い血が吹き出ている。魚臭い、そして先ほども人間を喰べてたから誰かの血が僕に付着した。汚い…

化け物が叫んでいる。あの皮膚?は硬いのか?わからないがもう一度突進してくる。単純な奴だ、それならこうしてやる!地形を利用する。ここは奥に崖のようなところがある。そこまで全力で走る。痛みはもう感じない。だからこそ思い切り走ることが出来た。そして崖へ到着し、振り向いたらもう化け物がすぐそこまで来ていた。一か八かの勝負だ!どうせダメなら死ぬだけ。もう今の僕に恐怖はなかった。

化け物の口からまた大砲のようなものが出てきた。筒の中は空洞だ。原理はわからないけどあそこから玉が出てくる!それなら!僕は激突寸前で筒へとパイプを投げた。奴は止まらない、だからこそ投げたパイプは筒の中へと吸い込まれていった。突進を右へ避けたら化け物はそのまま崖の方へ突き進んでいった。これでいい!大砲の玉というのは確か少しの衝撃で爆発するはず…

そして奴の口の中で大爆発が起きた。吹き飛んでるところにすごい血が流れてきた。化け物の青い血と人の血が混ざり合って黒紫色になっていた。化け物は爆発したくせにまだピクピクしてる。だけどもうじき死ぬだろう。これで二人の復讐は出来た。

 

☆☆☆

また痛み出した。フラフラする。そろそろ僕も死ぬのかな?死ぬなら二人の所へ行きたいな…まったく旅行のつもりがこんなことになるなんて。そしてこんな奴がいるせいで二人は死んでしまった。

…ふざけやがって。僕等はそんなに美味いか?殺すのが楽しいか?

僕等がそんなに美味しいか?

お前はどうなんだ?美味いのか?僕等のことは美味しそうに夢中に食べてたからな!まだピクピクしているからな、死んではないんだろ?なら僕がお前を喰べて(殺して)やるよ。

そのまま化け物へとガブリつく。

……不味いまるで腐った魚の腑みたいな味だ。はっきりいって食えたもんじゃない。だけど僕はお前を喰ってやる。喰べてから少しずつ痛みも引いたし、血も止まってきた。そして今の僕は今まで自分に感じたことなかったものを感じた。憎い。人間が憎い。頭の中で何かが囁いている。人間は殺すもの。喰べるもの。そして憎むものだと。ひたすら僕に語りかける。

そしてその幻聴はこう言ってきた。強さとは憎しみだ。相手を憎めば憎むほど強くなる。だから恨め!人間を!そうすればひたすらに強くなれると。

…そうか何かを憎めば強くなるか…なら簡単じゃないか…人間を恨むなんて。

僕は今を生きたい。何故ならおそらくだがここは自分のいた場所ではない。

つまりさっきみたいな化け物が沢山いるということ。あの二人を殺したような奴がわんさかいる。僕はそいつらを血祭りにしたい。殺したい殺しい殺したい!八つ当たり?当たり前だ!これは僕からの一方的な八つ当たりだ!他の化け物は二人を殺してない?そんなこと知ってるさ!だけどもう止まれる気はしない!全て殺して(喰べて)やる。そしてなんだお前は?憎めば憎むほど強くなるとか…それなら答えは出ている。僕はお前らを憎んでやる!お前らを殺せるなら僕はお前らと同じ化け物にでもなってやる!だから僕に力を寄越せ!奪わせろ!お前らを強くする憎しみとやらは俺はお前らを殺す殺意で補ってやる!

そんな事を頭の中で考えてるうちに自分の姿が変わっていくのを感じた。まずなくなったはずの片手が生えていた。そしてバスの窓ガラスを見たら今の髪は白髪になっていた。そして一番変化したのは自分の左目だ。さっきの化け物みたいな瞳…青く、淡く、まるで深い憎しみを抱いた海のような色をし、発光していた。その光は全てを海に引きずり込むような怪しい光を放っていた。

 

 

 

☆☆☆

 

この男はどこにでもいる普通の青年のはずだった。どこにでもいるありきたりな小説が好きな青年…

しかしなんの因果か彼は平凡とはかけ離れた存在になってしまった。

それはどんな話へと向かおうとも結末は必ずその青年にとっては"悲劇"としか言えないものであろう。

 

とある海軍の男の手帳にはこう書かれていたらしい。

 

○月✖️日天気晴れ

部下の艦娘からおかしな情報がきた。曰く、新しい島が出来たと。深海棲艦の中には自分の力で海流やテリトリーを作る奴はいたが島を作った奴はおそらく今回が初めてだろう。そしてそこにいる深海棲艦も例にみず他の深海棲艦などを従えてるもよう。そして今までの個体と違うところは他の姫や鬼などが持っている武装を同時に使えるということ。そして何より艦娘の力も使えるという

歪な存在である。こちらから攻撃しなければ何もしてこないので今は監視だけということになった。

 

追記

やつは東の海を支配する深海棲艦ということで対象の名を"東洋棲艦"ということにする。

 

 

 

 

 

 




なんだよあの前文!恥ずかしすぎるわ!でも話には大事な部分なんだよなー
あ!新しいお話の始まり始まり!
次回もポ○モン、ゲットじゃぞ!
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