東洋棲艦   作:アカサ0407

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人間は死ぬ。ならば何故生きるのか?種の繁栄の為?そんなものはあり得ない。人間には自分の家族を捨ててまで生きようとする者もいるのだから。
なんと哀れか死ぬならなんの為に生きる?何のために生きながらえる?何故自分を生かす為に他人を蹴落とすことが出来る?いつかは死ぬのに。
本当に神というものがいるのならなんと酷いことか。全ての生物が死ぬように造られ、そしてそのまま時は進んでいく。
神よ、本当にこの世界にいるなら出てこい。そして今の世界を見てみよ!浅ましい人間が蔓延るこの世界に!来れば殺してやる!そしてそんな悲しい世界を変えてやろう!


通りすがりの深海棲艦だ

あの化け物を倒してから少し落ち着いて僕は少し周りを散策してみた。そしてここが島だということが判明した。そんなに大きくはないが木などが生えているので生活は出来そうだ。

そして地面を掘って二人の遺体を埋めて木を焦がして供えた。

そして残りのバスに居た人達の死体は別のとこに埋めて置いた。埋めている時に母が昔作ってくれた甘いカレー(・・・・・・・・・・・)の様な匂いがした気がした。

だんだんとお腹が空いてきたので海辺で魚を捕ることにした。方法は少し実験を兼ねてやってみる。僕はあの化け物を食べてから少し奴ら側になったみたいなので、あの咆哮が出来るかやってみたかった。結果は予想通りで咆哮することが出来た。お陰で振動で気絶した魚がプカプカ浮いてきた。

その魚に木を刺して火をかける。小学校の理科の実験で火を起こす授業があって良かった…

食べてみると当たり前だが美味いとは言えない、だけど不味い味ではなかったのでそのまま三匹くらい食べた。しかしお腹の空腹はなくならない。お腹は確かに膨れたが、何かが足りない。そんなよく分からない状態は続いたがとりあえず周りも暗くなってきたし寝よう。そう思い近くの岩場でねっ転がってそのまま就寝した。

 

はぁ、なんか喰べたいなぁ…(・・・・・・)

 

 

☆☆☆

 

…また、来たよ。はぁ、戦いたくないんだけどなぁ、なんで戦わなくちゃいけないんだろ?私は平和に暮らしたいのに…

そう考えながら敵に眼をに向ける。相手はどうやら戦艦の榛名、重巡那智、空母の赤城と加賀、そして軽巡の龍田と駆逐艦の電。

一方で私達の編成は重巡リ級eliteが二体、軽巡ト級、イ級の二体だ。勝ち目は薄い…

リ級1「ネ級様?どうします?こちらの正気はかなり低いかと」

部下のリ級が私に報告してくる。わかっているそんなこと。

……ならば少し本気を見せても仕方ないよな。

那智 「な!flag shipだと!」

ネ級の目が青い瞳から黄色く変わる。深海棲艦の上位個体は強くなれば強くなるほど目の瞳が変わる。好戦的な奴であれば普段から黄色くさせているが、なるべく戦いたくない私は普段は青くして弱く見せている。

兎に角戦わないとな。

電「電の本気をみるのです!」

電の魚雷がこちらにくる。イ級がくらって一撃で轟沈した。魚雷の精度を考えて練度はかなり高いようだ。それならここは撤退するしかないな。私一人でなら勝てるかもしれないが部下がやられるのは嫌だ。私があまり戦いたくないのを知ってる部下だからなるべく殺したくない。

リ級1「ネ級様!ここは逃げて下さい!私達がここで食い止めるので!」

ネ級「何を言ってる!全員で逃げるぞ!ここで死ぬのはもったいない!」

リ級2「無理です!彼女達の練度が高い可能性があるなんてネ級様なら理解出来てるでしょう?全員で逃げれば確実に捕まります。そして私達の誰か一人ずつ残っても時間稼ぎも碌に出来ません」

ネ級「それなら私が残ればいいだろう!それなら運良くいけば返り討ちに出来るかもしれない!」

リ級2「無理です!相手には空母がいます。いくらネ級さまが重巡の中で最強でも不可能です。私達がネ級様の方へいかないように対空をします!逃げてください!」

ト級「我等はネ級様に助けられた身、貴方様に尽くせるならこの命捧げても本望です!…それに我等は貴方様の事が大好きなのです。貴方様の「戦いがない世界を作りたい」という目標が我等の目標!それなら貴方様はここで生き延びなければなりません!」

ネ級「そんな…!私を一人にしないでくれ!」

リ級1「ネ級様、申し訳ありません。しかしらどうか逃げてください!貴方だけでも生きて!」

リ級2「大丈夫ですよ?私達は少し頑張ったら少し眠るだけです。嗚呼でも貴方に仕えれた私達はなんて幸せなのでしょう…」

ト級「生き延びて下さい!我等の意志!貴方様に託します!」

馬鹿野郎達が!涙が止まらない。こんな悔しくて仕方ないのは初めてだ。基地にいる奴らを誘って戦わなくてもいいメンバーを作って皆で楽しくやっていたのに。こんな終わり方なんてないじゃないか!こんな世界間違っている!

ネ級「お前達……すまない…すまない…」

そう言い残し部下に背を向けて逃げる。こんな屈辱初めてだ。味方を捨てて逃げるなんて。

龍田「何逃げようとしてるのかしら〜?逃がさないからぁ〜」

龍田が砲撃をしたがリ級がそれを腕で弾く。無傷なわけがない、それなのに躊躇いもなく自分の腕を捨てた。

リ級1「ネ級様には近づかせない!ここで沈めぇ!」

私は振り返らずに前を見て進んだ。

 

☆☆☆

進んでいくと初めて見る島がある。こんな所に島があっただろうか?

…まぁいい、今は疲れた。ここで休もう。そう決めて私は島へと向かった。

海辺に上がり座った。今でも思い浮かべる奴等のこと。ほんとに良い部下だった。それなのに私は自分が生き延びる為にその命を使ったんだ。

???「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙僕が!僕が喰べあげないど!ダメだダメだダメだ!そんなごど許ざれな゙い゙ん゙だ゙!゙な゙ん゙で美゙味゙じぞゔな゙ん゙だ゙ろ゙ゔ?゙だからダ゙メ゙な゙ん゙だ゙よ゙!゙(喰゙べ゙であ゙げ゙な゙い゙ど)

やれやれこれじゃあ休めないな。仕方ないからその声がする方へと向かってみよう。この声だと人間の声だな。何故こんなに叫んでいるんだ?

 

こいつはなんだ?人間だが私達と同じ(深海棲艦の)匂いがする。

ネ級「お前は人間なのか?ならば何故そんな匂いをしている?」

歩 「誰だお前?俺の友達(食料)を奪るつもりか?」

口から大量の涎を垂れ流している。…そうか飢えか。私達は人間を食えば知性が少しずつ芽生える。だから最初は何も考えずに人間を喰べ始めるがある程度自我が芽生え始めれば喰べなくても何も問題がない。

ネ級「理解した。お前さては私達を喰べたな?しかも自我がない、生まれて間もない奴を喰らったか、正気じゃないな。私達の飢えは人間の知性さえあれば無くなるはずなんだが…どうやら戦うしかないみたいだな」

私の予想では喰べた奴に自我がなかったんだろう。こいつの意志に合わせるために暴走してるみたいた。人間が深海棲艦の飢えに耐えれるわけがない。

歩「邪魔するなよ!僕の邪魔をする奴は摘まなきゃ!お前を殺してやる!だから安心して喰われろ!」

ネ級「生きる為に…私達の同胞を喰らってまで生きたいのか。私は別に部下以外が喰われようが構わないが…もういないのか」

少し寂しく感じてきた。休む為にも早くこいつを倒そう。だが深海棲艦を喰らう人間か…少し興味深いな。もしかすると私の「夢」の架け橋になるかもな。

ネ級「喜べ人間。私は少しお前に興味がある。だから殺さずに倒してやる。

飢えは苦しいだろう?当たり前だ。人間で我等の飢えに耐えられるはずがない、だから今回だけは同情するよ(救ってやるよ)

艤装を展開する。眼のレベルは「蒼」のまでいいか。

歩「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙殺゙ず!゙」

人間の片目が蒼くなるそして歯も少し変形した。片手の爪は長くなっている。

形が中途半端なんだろう。

向かってくるか。まぁそうだろう。理性は削られている。それなら早く終わらせてやろう。

 

☆☆☆

僕は何をしていたんだ?思い出せない。眠ってから目が覚めて空腹が辛くなってきてそのまま二人の墓の方へ…

歩「二人は!二人の死体は!」

慌てて起き上がる。空腹は感じない。嫌な予感しか感じなかった。すると後ろから聞いたことない声がした。

ネ級「安心しろお前はその友人達やらを喰べていない」

すぐさま後ろを向いて警戒態勢を取る。足に銃みたいなのが沢山ついていて強そうだ。僕一人で倒せるのか?

ネ級「全く酷い話だ。せっかく飢えから助けてやったのにそんな警戒されてしまうとは。見ろこれを、お前のせいで私の艤装が壊れた。お前の歯は丈夫だな、まさかこの私の艤装を喰べてしまうとはな…お陰でお前に艤装が形成されたから飢えがなくなったようだな。自分の尻を見てみろ」

そう言われて僕は自分のお尻を確認する。

……なんか銃見たいのが見える。しかも尻尾みたいだ。え、自分の意志で動かせる。

歩「えっと、助けてくれてありがとうございます?おかげで二人を喰べずに済みました」

どうやら僕を助けてくれたみたいだからお礼をいう。そうするとよくわからない奴は笑い出した。

ネ級「あっはっは!お前面白いな!まさか深海棲艦()に感謝するとは!

気に入ったぞ人間!お前の名前を教えろ」

嬉しそうに僕に言ってきた。まだ状況がよくわかってないけどとりあえず自己紹介はするか

歩「僕の名前は歩、壊磨 歩です。えーーと貴方のお名前は?僕はこの世界の事はよくわからなくて…出来れば名前を教えて欲しいんですけど」

ネ級「敬語はいらん。私の名前はお前ら人間はネ級と言う。…そうかお前はこの世界の人間ではないのか。だから私を見ても立ち向かってきたのか」

歩「わかり…った。そんな簡単に納得出来るものなの?僕がこの世界の人間じゃないって」

ネ級「そうゆうものだと割り切るしかないだろう。なにせ私達も何故生まれたのかは分からん。最初は海の中で突然生まれ、人を喰い自我を持ってから随分と時が経つ」

歩「僕の空腹がなくなってのはなんでなのかな?」

ネ級「おそらくだがお前が喰らった奴に自我が出たのだろう。自我がない時は私たちは自分をコントロール出来ない。だから人を喰べてしまうのだ。己の中にある憎しみに流されるまま。自我が作られると食べなくてもよくなる。

私も味自体は好きだが酷いからあまり好かん。だが普通に好戦的な奴らは人間を喰べるから気をつけろ?私みたいなのは稀だ」

それだと少し困るな。僕はその深海棲艦とやらを根絶やしにしたいこと、こうゆう人がいると少し困る。

歩「僕は人間を殺そうとする奴を殺したい。二人の復讐をしたい!それが僕が今この世界を生きる理由なんです」

そういう時ネ級さんは僕を見てニヤリとしながら言った。

ネ級「ほう、面白い。それなら私が教えてやろうか?深海棲艦(我等)を殺す方法を」

歩「え?いいんですか?僕は貴女の同胞を殺すと言ってるんですよ?」

ネ級「別に気にせん。私には「夢」があるんだ。我等が人間と争わない世界、

私みたいな人を殺したくない深海棲艦がゆっくり出来る世界を作りたいんだ。

夢物語かもしれんが。私の部下は私の夢を私に託して死んだ。だからタダでは死なん!やれる事をやってから死ぬ覚悟だ」

なるほど。この人の眼を見たら分かる。この人は本気だ。僕は人間を殺す奴らを殺したいんだ。それなら道はそれしかない。

歩「ではネ級さん、よろしくお願いします。もしかすると人間と深海棲艦の力を持つ僕なら何か手伝えるかもしれません」

ネ級「無論手伝って貰うつもりだ。私はお前を助けたんだからな。それぐらいは協力してもらうぞ」

これなら僕の野望が果たせるかもしない。やってやる!

ネ級「それなら私は歩と呼ばさせてもらう。歩は今私の艤装を喰べたからな、私と同じ艤装のはずだ。それなら私が稽古をつけてやる」

歩「本当ですか⁈それは助かります。でも同じ武器なら意外とすぐ越えれるかも」

ネ級「それはない、お前はまだ「蒼」しかないようだが、強い奴はなその上に

「緋」「鬼」と目の色が変わる」

そう言うとネ級さんの眼が深海のように全てを飲み込みそうな青色から全てを滅したそうに優しく光る黄色へと変化した」

ネ級「つまりお前はまだまだだ。だが安心しろ?この重巡最強と言われるネ級がお前に稽古をつけてやる!」

どうやら僕はすごい敵が味方になったようだ。でもいいさ、強くなるなら

歩「よろしくお願いします!……それにしてもその眼の変化はどうするんですか?」

ネ級「お前はまずこの世界の知識がないからな、まずはそれから教えてやる!」

 

こうして僕の島での特訓が始まった。

 

 

 




毎週一話投稿出来る様に努力はします。
深海棲艦は艦娘や人間からしたらカタカナで聞こえます。
ですが主人公は半分深海棲艦なので普通に聞こえます。そしてあくまで主人公がメインなので深海棲艦は全部普通に喋ります。
手抜きだと思ったそこのお前!違うからな!

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