美しい祖国は、おほらかな益良夫を生み、おほらかな益良夫は、けだかい魂を祖国に残して、新しい世界へと飛翔し去る。
「現在の一点に最善をつくせ」
「只今ばかり我が生命は存するなり」
とは私の好きな格言です。
生れ出でゝより死ぬる迄、我等は己の一秒一刻に依つて創られる人生の彫刻を、悲喜善悪のしゅらざうをきざみつつあるのです。私は一刻が恐ろしかつた。一秒が重荷だつた。もう一歩も人生を進むには恐しく、ぶつ倒れさうに感じたこともあつた。しかしながら、私の二十三年間の人生は、それが善であらうと、悪であらうと、悲しみであらうと、喜びであらうとも、刻み刻まれて来たのです。私は、私の全精魂をうつて、最後の入魂に努力しなければならない。
私は誰にも知られずにそつと死にたい。無名の幾万の勇士が大陸に大洋に散つていつたことか。私は一兵士の死をこの上なく尊く思ふ
溝口幸次郎の遺書より
ネ級との訓練が始まってから2週間近くが経った。最初はかなり辛かったが人間、死ぬ気でやればどうにかなるみたいだ。
まず最初は単純に筋トレから始まった。深海棲艦の力を手に入れてたおかげで初めから500回ずつ出来たことに驚いた。
そしてその後はいきなりの組手が始まる。艤装を用いながら闘い、艤装に慣れるということで始まった組手だ。最初は見事にボコボコにされてしまった。
組手を終えたら次はネ級が撃つ弾をひたすら避ける訓練に変わる。練習弾なんてあるはずもないから実弾を避ける。当たるとかなり痛く、そして動かなくなった所を狙い撃ちしてくる。どうやら僕の身体の回復は他の奴らと違い再生能力が優れてるみたいで片手が吹き飛ばされたくらいじゃ治ってしまう。でも痛いことには変わらないから必死で避ける。ここでの訓練のお陰で少しずつ痛みへの耐性は着いたけどね、やっぱり弾が当たるのは嫌だ。そしてその後はご飯を食べて眠るの繰り返し。深海棲艦は人間を喰べると、だいたいの傷は治ってしまうらしいが、この島には人間は居ない、というか居たとしても喰べたくない。その事をネ級に尋ねたら
ネ級「なんだそんなことか、近くに泉のようなものがあるだろ?そこの水を被ると即死でない限り治るぞ?時間はかかるが。」
どうやらその泉の水に浸かると少しずつだが傷が治るようだ。人間も同じようなものを艦娘に使っていて「ドック」という名前で使われてるらしい。そして傷が全て治る高速修復剤というものがあるらしい。この世界の医療は僕にとっては魔法のようにしか聞こえないが人間にはこの水は効かないらしい。
そしてこの泉で夜は傷を治しながら眠る。また朝になったら訓練の始まり。
僕はこの生活のおかげでかなり強くなれたみたいだ。
まずは体幹。筋トレしながらやっていたおかげである程度の態勢での反撃が可能になった。次に動体視力。ネ級が撃ってくる弾を予測、そして避ける行動の精度が上がった。そして少し見せる癖を確認しながら弾を避けていく。癖を教えたらすぐに修正されそうだから絶対に教えない。主砲は本当に痛い!
最後に組手をしながらだんだんと見えてくる相手の攻撃の
☆☆☆
歩と出会ってから二週間近く経つ。最初の訓練中はブツブツ言っててうるさいなと感じていたが動きの復習を口で言いながら訓練しているところを見て印象が変わった。
☆訓練が終わった後の夜☆
今日の訓練は凄い接戦したな。私が蹴ってきた足を掴んで動きを止めようとしたら
痛がってはいたがすぐに治ってしまう。あの再生能力は本当に役に立つ。
訓練中みたいな攻撃も可能だし、痛みに慣れ、自分で腕を切り落とせたらかなり戦い方の幅が広がる。今回は私もダメージを受けたので泉に入る。
歩「そういえばネ級ってさ。ネ級と同じ奴らが沢山いるんだよね」
ネ級「いきなりどうした?…まー確かにそうだな。元々これは人間が作った名前でな。艦娘にネ級と呼ばれて、私はネ級なんだとわかった」
歩「それはさ人間に例えるとオーストラリア人とかアメリカ人、日本人やロシア人みたいな付け方みたいだよね。ネ級には…例えば僕には歩って名前があるけどネ級にはないでしょ?」
ネ級「ないな。そんなことに興味を持ったことないし」
歩「ならつけてみようよ。僕は親から貰ったけど、自分で考えてみたら?」
目を瞑って考えてみるが何も思い浮かばない。色々思い出してみても歩の顔くらいしか出てこない。
ネ級「ダメだ。全く出てこない」
歩「それならネ級が好きな物は何?そこから引っ張っていけば何かいいのが出来るんじゃない?」
私の好きなものか…私は歩の顔を見てから空を見上げて月を指差す。月はいい。毎日変化してるように見えて実は何も変わってない。見ていてとても落ち着く。
ネ級「そうだな……私は月が好きだ。夜空をこんなにも明るく照らしてくれる。そして陽が出始めると少しずつ儚く消えてゆく、まるで夢のような時間を感じれるからな」
歩「夢か…」
そう呟くと歩は考え始める。私はその顔をじっと見つめていると、歩は何か閃いたように私に言った。
歩「そうだ。"ハク"っていうのはどう?」
ネ級「"ハク"?どこからそうなったのだ?」
歩「寝ていないのに夢を見ているような状態…つまり白昼夢の白からとってハク。簡単で覚えやすいなら?」
そう言いながら嬉しそうに私に笑顔を向けてきた。…!やめろ!そんな嬉しいそうに私の目を見つめるな!何故か照れるだろう⁉︎
歩「どうしたの?急に顔を背けてさ」
ハク「なんでもない!ハクか…気に入ったぞ!これからは私をハクと呼べ」
歩「気に入って貰えて何よりだよ!改めてよろしくね?ハク!」
……私、こんな単純な奴なのかな?名前を付けて貰えてから歩の顔が見れん…
☆☆☆
朝になり、レーダーに反応があった。歩はまだ寝てるようだし一人で行こう。
敵じゃ無ければいいが。
そう考えながらレーダーの反応がある所に行く。そうすると目の前には空母ヲ級の姿があった。
ヲ級「ネ級様。お久しぶりでございます。本日は少しお願いがあって参りました」
ハク「手短に頼む。…それと私のことをネ級ではなくハクと呼べ」
そう言うとヲ級は頭を傾げながら了承した。
ヲ級「はぁ、畏まりました。ハク様」
ハク「それで要件は?」
ヲ級「はい。率直に言わさせていただきます。ハク様、この島からお逃げください」
ハク「海軍の奴らが動き出したか?私が考えてるより早いな…」
ヲ級「御名答です。海軍がそろそろ偵察隊を編成してこの島を調査するという情報が来ました」
ハク「編成はもう割れているのか?私としてはあそこは居心地がかなり良いのだが」
ヲ級「情報だと、旗艦を天龍とした駆逐艦の水雷戦隊のようです。今、この海域での激しい戦いなどがないですからね。緊急時はすぐに撤退出来る編成のようです」
ハク「そうか…むしろその編成ならありがたいな。歩に実践させる良い相手ではないか。ヲ級、すまないが私の部下を連れてきてはくれまいか?万が一にも備えておきたい」
そういうとヲ級はニコニコしながら了承してきた。
ヲ級「畏まりました。っふふ」
ハク「なんだ?何かおかしいか?」
ヲ級「いえ、随分とあの人間に肩入れしているようでしたので…この二週間、ハク様を観察させていただきましたが、それはもう嬉しそうにしてたので」
ハク「っな‼︎」
顔が熱くなってるのを感じる!私はそんなに顔に出てたか⁈
ヲ級「ええ、偵察機で確認していましたが、あんな笑顔は初めて拝見しました」
急にヲ級が真剣な表情に変わった。
ヲ級「我々はハク様のことを慕い、貴女様に忠誠を誓った身、ハク様が幸せなら我等の喜びです。我ら一同歩様を守りましょう」
私の生き方は間違っていなかったようだ。良い部下に巡り会えて、そして大切な人を見つけれて、私は私の為に散っていった奴ら為にも生きねばならない!
☆☆☆
ーーー横須賀海軍基地ーーー
???提督「例の島への偵察隊は以上のメンバーと……」
横須賀基地の作戦室、今回の話し合いは突如浮かんできた島への艦隊の編成だ。ここの提督である、この女性も艦娘達に今回の編成についての発表を…
???提督「いうのを大本営への報告する!何か意見がある者はいるか⁉︎」
天龍「報告ってことは他のメンツで行くってことか?」
???提督「その通りよ。あの島は謎が多すぎる。姫級の深海棲艦は自分で海域を作ったり、島の形を変えたりするけど島が出来たなんて事例は今までには聞いたことないもの。それに上の連中は信用出来ないからね、あとで始末書なんていくらでも書いてやるわ!」
自信満々に言うこの提督は過去類を見ない天才と言われる女性提督だ。横須賀基地の提督になるというのは最低でも中将の階級が必要である。
この女性提督はわずが24というか年齢で中将にまで成り上がった。
???提督「天龍達には悪いけど、あとでちゃんと出撃させてあげるから今回は許してね?そして改めて極秘の偵察隊を伝える!旗艦を大和!そして赤城 加賀 金剛 北上 神通とする!予定は3日後!各自偵察機はちゃんと装備すること!会議はこれにて終了!」
ーー世界は人のことなど気にせずに動き出す。止まることなんて知らずにーー
全文は私が好きな言葉、お話、私が普段考えてることを書きたいなと考えてます。今週はちゃんともう一話出す予定です!(投稿するとは言ってない)