エルフとヘルガスト兵   作:Casea

6 / 30
○ちょっと修正
食事代 銅貨 3枚⇒ 5枚
部屋代 銅貨10枚⇒20枚
風呂代 銅貨 1枚⇒ 3枚

見直して少しお値段変えておきました。

○前回のお買い物の書き損じのお値段
サイト  :銅貨50枚
マガジン :銅貨20枚×4
スリング :銅貨40枚
弾丸200発 :銀貨 2枚
マチェット:銀貨 6枚
 合計銀貨9枚銅貨70枚なり
どうでもいいことかもしれませんが念のため。
最初のお値段で考えたら8.50になり慌てて今のお値段にした。どうしてこうなった。



おかいもの!そのに!

 出掛ける前にPDAとマスクに搭載されたHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をリンクさせる。これでマスク越しに見た光景がPDAに記録され地形がデータ化され地図として表示出来る。昨日の分も反映させてあるので街歩きに役立てていきたい。返却する盆を持ち、フードを目深く被ったフェルを伴って街の地図でもないかと夫婦の許へと向かう。食器を返した後夫婦に呼びかけ、フェルの服、銭袋の順番に手で示し最後に外を示した指を軽く左右へ動かした。夫婦が顔を見合わせ話し合い、しばらくすると夫人の方が店の奥へと行ってしまった。上手く伝わらなかったかと思っていたら上着を羽織って戻ってきて入口まで行きこちらを手招きした。どうやら態々案内をしてくれるらしい。本当に良いのだろうかと旦那を見ると頷いて手を振ってくれた、問題ないようだ。夫人は夫人で自分の胸を叩き任せろと言わんばかりの表情。素直に任せる事にする。

 

(気を付けろよ。女の買い物は長いからな……)

 

 どういう事だろうか。

 

 フェルと共に夫人の後を付いて行き、その間あちらこちらを見渡す。周りからは御上り丸出しの田舎者のように映るだろうが、こうして街の光景を目視し記録して地図を作り上げているため仕方ない。飛行型の無人機でもあれば上空を飛ばして地形を把握するところだが如何せんそんな物は手元にないのでこのような手間をかける必要がある。そのおかげもあって少しずつ地図が出来上がってきているのをUI(ユーザインタフェース)で確認した。ちなみにPDAを腰の辺りに着けているので後方の光景もUI上に映し出されると同時に記録されている。これにより詳細に地形を記録出来ている。

 夫人は顔が広いのか色々な店に入ってこちらを紹介してくれているようだった。言葉が通じない事も伝えているのか皆話しかけてくるのではなく身振りで会話を試みようとしてくれていた。多種の食材が売っている市場や骨董品等の店には行く機会はないだろうが、鍛冶屋や装備を売っている店には場合によっては用があるかもしれない。

 色々な所を見て回りようやく服屋に辿り着いた。入ったらやはりまず最初にこちらを紹介してくれた。それから夫人はフェルに何か話しかけているが本人はおどおどし通しである。そしてサイズを測る為にマントを脱がせた際にその特徴的な長い耳を目にすると唖然とした表情になり、私を敵意と困惑の入り混じった瞳で見つめた。この世界的には珍しいエルフの、しかも年端もいかない少女を連れていたら当然か。夫人はフェルの両肩を掴み何かを話しかけた。フェルは最初は少し驚いていたが少しずつ言葉を発し始め、最終的には泣き出してしまった彼女を夫人は自身も目に涙を溜め優しく抱きしめた。

 

(自分の境遇を話している内に泣き出したようだ。あぁ、お主の事は特に悪く言ってないようだから安心せい。彼女自身もまだお主が善人か悪人か判断しかねているようだしな)

 

 状況説明には感謝しておく。言葉が分からないのは爺のせいなので僅かな感謝ではあるが。

 

 

 しばらくして泣き止んだフェルに夫人がまた何か話し、フェルがそれに答えると夫人はこちらを見て言葉で何かを訴えかけ頭を下げた。言葉は通じないが何となく言いたい事は伝わる。この子に酷い事をしないで欲しい、そういう事だろう。それに対し私もマスクを外してからしっかりと言葉で返しておく。

 

「何があっても彼女に辛い思いはさせない、そう誓おう」

 

 夫人は険しい表情でこちらの目をじっと見据えていたが、ただ一度だけ頷き顔の硬い表情を解いた。伝わったようで良かったと、心底ほっとした。夫人は服屋の女主人に何か話しかけた後、フェルの服を選び始めた。その後は夫人によるフェルのファッションショーが小1時間程続けられた。女の買い物は長いというのはこういう事か。結局フェルの服と下着それぞれ上下3着ずつと靴2足、フェルと私の新しいマント、その他ベルトや髪留め等の小物複数で合計銀貨23枚が飛んで行った。私の武装代とどっこいどっこいの金額。乾いた笑いが出てしまった。

 

 昼時になったのでそこいらの屋台で昼食をとった。粉物の皮で肉と野菜を挟んだモノで、料理屋の夫人が勧めるだけあって中々に美味かった。おまけに1人分で銅貨2枚と安価だったので、案内のお礼に夫人の分も払っておいた。

 食事後に訪れた建物は他とは打って変わって殺伐とした雰囲気を漂わせており、厳つい男達や武装した連中が何人も居た。壁にはたくさんの羊皮紙が貼り付けられていたり、魔法で書かれたと思われる文字が一面に広がっていた。一体どういう建物なのだろうか。

 

(簡単に言えば冒険者ギルドだ。壁に貼られているのは市民の依頼や国からの依頼で達成すれば報酬が支払われる。例えばどこどこの魔物を倒してこいだとか、これを探して持って来てくれだとかだな。ここで金を稼ぐと良い)

 

 なるほどな。だが文字の読めない私は依頼内容が理解出来ないから受けられないのだが。

 

(貼り出されている依頼とは別に、常に魔物の討伐には報酬が払われるから心配いらん。ただその場合は魔物から特定の部位を取ってくる必要がある。どの街のギルドでも大体魔物の絵が描かれた台帳があるはずだから字が読めなくても問題はないはずだ)

 

 探してみるとカウンターに本が置いてあった。夫人がギルドの人物と話しをしている間に台帳を確認すると、魔物の絵と特定の部位の絵が描いてあった。この部位を切り取って持って来れば魔物を狩って出る金とは別に報酬が貰えるというわけだ。私が金を稼ぐには非常に良さそうだ。しかしこれだけの冒険者やらが居ては魔物はすぐ居なくなりそうなものだが。

 

(それがそうでもないのだよ。この世界に満ちている魔力を媒体に生まれてくる魔物もいるからな。その魔力も無尽蔵にあるからどんどん湧いて出てくる。だから土地に定着して常に狩り続ける冒険者というものも居るわけだ)

 

 そうすると冒険者に支払う褒賞金は足りるのだろうか。無尽蔵に出てくるのであれば尚更だ。

 

(その為に魔物の部位を持ってこさせるのだ。その部位を加工して売る……要は素材として買い取っているわけだ。多く湧く魔物の部位は消耗品として売ったりな)

 

 消耗品ならいくらあっても誰かが消費する、というわけか。まさかとは思うが食っている何かわからない肉も――。

 

(おーっとそういえばやる事があったんだった。ちょいと席を外させてもらおうかな~)

 

 止めよう、どうせこの世界で生きる以上避けては通れない道だ。

 

 ギルドの男と顔合わせを終えたら次に向かう。その後は雑貨屋でこの世界の地図と生物の革で出来た水筒を2つとショルダーバッグを自分とフェル用1つずつ買い、最後に魔道具屋へとやってきた。ここでは魔法に関係する物品を扱っているらしく、何に使うかわからない品物や杖やら宝石が並んでいた。そんな中夫人が30㎝程の杖と腕輪を持ってきた。これをフェルに買ってやれという事らしいが。

 

(どちらも魔法を使う為の媒体だ。杖があれば問題ないが、腕輪は杖が使えない状況の時用だな。ただ杖に比べて出力が弱いから注意が必要だが)

 

 事情はわかったがそもそもフェルが魔法を使えるという事自体初めて知った。やはり言葉が通じないというのは情報を得難くなり不便で仕方がない。買う事を承諾し、店を見回っていると眼鏡を見かけた。2人を呼び眼鏡が必要か確認するとやはり目が悪いのか控えめに頷いた。爺によるとこれも魔道具らしく、視力に合わせて調節されるようになっているらしい。便利なものであるが故に高いが買ってやらねばなるまい。結局今日だけで合計銀貨94枚銅貨37枚消費した。

 眼鏡をかけ少し嬉しそうに見えるフェルを尻目に明日からは魔物狩りだな、と重量は変わらないが軽くなったように感じる銭袋を見て溜息をつきつつ宿へと帰路を辿った。




フェルの服装や眼鏡については各自妄想で補っておいてください。
だってファンタジー系の服装って言葉で説明し辛いですし……ただ動きやすい服装ってイメージ。

ちなみに今回のお買い物の各値段は出しません。
PDA武装のみ出していく予定です。決して面倒なわけではないです、はい。

残金 銀貨7枚 銅貨64枚

※2014/02/14 計算ミス等一部修正しときました。
 2015/10/05 HUD → HMD 多分これが正しい?
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