ウイングダイバーでも艦娘になれますか? 作:魚介(改)貧弱卿
「ぼいぽい……っぽい」
静かにぽいぽい言ってたのも限界が来たか
っぽいが緩むぽいぬ
「って、よく寝言でまで言えるね」
「すゃ〜〜っぽい〜」
ゴロゴロと床を転がりながら
夕立が寝ている
あの後すぐに眠ってしまったのだった
どうやらゴタゴタで疲れていたらしい
「はぁ〜……みんなこんなに可愛ければ良いんだけどなぁ〜」
現実はそうもいかないと分かってはいるが、それでも理想は言わざるを得ない
「かぷっぽい」
きゃっ!
「手、噛まないでぇ」
寝ていた夕立が私の腕を捕まえて
噛んで来たのだった
「ハムハムハム…」
甘噛みでよかった
最後にねっとりと手を舐めてから離れる夕立
左手ベタベタ…洗わないと
「提督、失礼します」
静かな声とは裏腹に
ガチャバタンとばかりに乱暴にドアを開けて入って来たのは
「ずいずい………だっけ?」
「瑞鶴っ!間違えないで!」
「あぁごめん瑞鳳」「だから瑞鶴だって!」
手を噛まれた私は取り敢えず水道で手を洗うために部屋を出て、瑞鶴は執務室に残る
「ってなんで取り残されてるのよっ!」
追って来たようだ
廊下の反対角をチラッと見で、そこにいた人物と距離を確認しながら、突然のクイズ!
「加賀は?」「卑しい女ずい!」
「………へぇ……そんな風に見られていたんですか、瑞鶴」
柱の影って見え辛いけど
背後に気をつけてください瑞鶴さん
死んでしまいます
「ひっ!」
露骨に怯えた表情で振り返る瑞鶴
するとそこには
「……頭にきました」
「いやーっ!」
瑞鶴は悲鳴と共に転んで、お尻が地面に擦るのも構わずに必死な表情で後ずさるものの
加賀が無表情でゆっくり進んで来る方が僅かに早く、結果的に距離は徐々に縮まっていく
それでも逃げるしかない瑞鶴と
瑞鶴にプレッシャーをかけながらゆっくり近寄る加賀
瑞鶴視点ではホラーだ
「ふふふ…怖かろう!」
私は遥か後方の安全地帯からゆっくり実況させてもらう
アゴを強化したカロッゾなのか
それとも天龍なのかって?
アゴを強化した天龍に決まってるでしょ?
「ふふふ…オレの真似かっ!」
上から声が聞こえた瞬間、私は回避運動に移っていた
「また来たの?」「うるせえっ!」
飛び掛かってくる天龍に
スパークバインが輝きを放ち
「アババババ!!」
「大丈夫、死にゃしないよ」
少しばかり
「反抗的な子はっ…っぽ〜い!」
窓の外へ(三階)ほうり捨てる
大丈夫、死にゃしない死にゃしない
ビルから飛び降りてもレンジャーは平気だし、
ん?ダイバー?それこそ地面に飛び込むじゃん
夕立に舐められてベッタベタな左手でガッツリ制服掴んじゃったけどごめんね
「かっこ私は悪くないかっこ」
ん?なんか違う?
「『私は悪くない』」
うん、こうだな
さて、私は悪くないから私に責任はない
従って全て自業自得、瑞鶴も天龍も
みんな自業自得なんだ
さて、ひとしきり楽しんだ後は
口調を戻して……
「死んでくださいやめてしまいます」
爆撃機が突撃して来るのを回避
声の聞こえた方を見遣ればそこには
「提督を返して…提督を……」
ゾンビ、いや空母の…えっと、誰だっけ?
「この短時間で忘れないでよっ!瑞鶴っ!」
「あぁすいかくだったね」
「偽物みたいに言うのはやめて!瑞鶴!」
「瑞確…でいいのかな?」
「ずいかくなのはずいかくだけど
瑞雲確定って書いてない?」
「無い無い、瑞亀確認って書いてる」「こらーっ!」
首をつかんで振るのはやめましょう
今度こそやめてください死んでしまいます
「スパーク…」「させない」
瑞鶴は何を考えたか私にくっつき、密着して来る、ダメだ
「この距離なら!ビームは撃てないでしょ!」
「なんとなく面が割れそうな感じがするんだけど」
「クワガタじゃないっ!」
「そうだねガタガタいってるもんね」
「ムキーっ!」
「猿だったの?」
「クエーッ!」
「なんだ、チョコボールか」
「鶴よ!七面鳥じゃないわ!」
「いか………ずち?」
「だから違うってのー!」
「騒々しいですよ、瑞鶴、これだから五航戦は…」
「むうぅっ!先に沈んだくせにぃ」
「…はて、
加賀さんから怒りオーラが湧き上がる
「ひうっ」
また、瑞鶴の悲鳴が上がった
ちなみに私はもう離れてある、
ここの鎮守府はこれが日常らしいが
瑞鶴はずいぶん騒いでいるなぁ
「ですよね、我が妹ながら、あそこまで落ち着きがないと、少し不安になります」
「きゃっ!、翔鶴さんいつから
「……15.326秒前からです」
細かい!
「人型時計ですし、座標と方角もわかりますよ?」
「時刻方角座標って、航海に必要な数値やね
翔鶴さん全部わかるの?すごい」
「うふふ、これでも五航戦ですから」
ニコニコしてる翔鶴さん可愛い
「
あっダメだこれ、私のことが提督に見えてる
時刻だの座標だの言ってる場合じゃない
「これは危険だ………逃げなくては…」
「逃がしません、捕まえちゃいますよ?」
「あっ不味い」
瞬間移動並みのスピードで移動した翔鶴は
私の背後を取り、
さっきまで自分のいた壁の隙間に私を閉じ込める
「……提督…」
熱い瞳で
なんでゆっくり身を寄せてくるんですかね
だからその顎クイはやめ……
って絶対相手を壁に挟んで使うわけじゃないよね