ウイングダイバーでも艦娘になれますか?   作:魚介(改)貧弱卿

30 / 36
インピンジメント

ビクンビクン!

と軽巡棲鬼の体が痙攣し始めたところで

とりあえず四肢に重りをつけておく

 

一個200キロの重りを両腕に合計4個

チェーンはギリギリ立てるかどうかの長さに固定、ごめんね深海那珂ちゃん

 

「おっはよー!那珂ちゃんなのー?」

強引に声をかけて叩き起こしてあげよう

 

「…オハヨウ…那珂チャ…ヒッ!」

 

周囲を見渡した深海那珂ちゃんは

薄暗い部屋を見渡し

そこら中に屹立するドラム缶や

なぜか4つセットの弾薬、そして

中途半端に積まれた鉄鋼材をみて悲鳴をあげる

 

そう、それは

 

ナカチャンダッタヨーと称される物体

そう、燃2弾4鋼11である

 

「イヤ…イヤァァッ!解体サレタクナイ

私ハマダ!友達モツクレテナイノニ!

マダ死ニタクナイノォ!」

 

泣き叫ぶ軽巡棲鬼

「……これは過去と未来のあなたの姿

あなたはかつて、ここから生まれ

あなたもいずれ、こうなるのよ」

 

優しく微笑みながら、声をかける

 

「イヤァァアッ!」

 

「いくら足掻いても…む、だ♡」

「イヤッ!イヤァァア!」

「でもね、そんな貴女を、私だけが救ってあげられる、私は貴女を助けてあげるわ」

そう、言い切った瞬間

私に後ろからスポットライトが当たる

 

いや、後ろにいる那珂ちゃんが

探照灯をつけただけなのだけど

 

「エ…」

「ほら、こっちよ、私が見えるかしら?」

「ミエル!ミエルヨ!タスケテエッ!」

「ええ、助けてあげるわ」

 

焦りや恐怖の浮かぶ表情でこちらに手を伸ばす軽巡棲鬼に優しく微笑みながら

その手を取り

 

「苦しみと(くろがね)に囚われし者に救いあれ」

 

鎖の鍵を軽巡棲鬼の視界外で開けて

さも私の言葉に反応して鎖が外れたかのように見せかけながら

軽巡棲鬼の手を引き

 

暗い部屋から明るい廊下へと連れ出す

もちろん探照灯で照らされているため

部屋から出る瞬間は視界が真っ白になるので、そのタイミングで那珂ちゃんは離脱

 

嫌なオブジェの置かれた暗い閉鎖空間から

明るく、空気の通った開放的な廊下へと移動した軽巡棲鬼は

「アァ…アリガトウ…」

 

私に縋り付いて泣き出してしまった

 

実はこれ、簡易化した洗脳の手順であるのだが

効果のほどはどうだろう

 

「さぁ、私は対価を支払った、

次は貴女の番よ、貴女の事を教えて?」

 

「ハイ、ワカリマシタ」

うん、ちゃんと言うことを聴いてくれた

 

ちなみに、そのあと聞き出した話によれば

艦隊はもともと六人揃っていたが

深海の別勢力による襲撃?でネ級とヘ級を失った状態だったらしい

 

まぁ他の三体も私たちに殺されたが

それを知るところでは無い彼女に

察しろ言うのは酷な話だ

 

情報を引きましたあとは一緒にご飯を食べて

一緒にお風呂に入った

 

ごく普通な事だけど

それもまた、彼女には強烈な記憶として

残ったことだろう

 

洗脳するのは最初だけで十分だ

むしろ後々に心理的な歪みが残る可能性を考えると邪魔にすらなる

 

「さて、軽巡棲鬼、貴女に個体名はある?」

「…私ノ…名前?」

 

「えぇ、それに類するものがあれば良いけど」

「…特二無イデス…軽巡棲鬼…カナ?」

「それはクラスでしょ、そうね

悪珂野はどうかしら?」

名前の由来?今適当に作った

嘘、前提督が残したノートに載ってた阿賀野って娘と服が若干似てたから

そこから名前を持ってきた

 

「アガノ?…ウン、私ノ名前ハ、アガノ」

若干の罪悪感すら感じるのは何故かなぁ

 

その瞬間、バチバチという音と共に

軽巡棲鬼の真っ白な肌に色味が生まれる

 

「キャッ!…-なに?」

おや、随分と発音がよろしくなったね

「提督、これ…どういうこと?」

 

自分の、色づいた肢体を見て

驚愕する

 

「それに、色がある…提督」

指に融合していた鋭い爪もきえて

人らしい指に戻っている手を電灯に翳し

 

「すごい…」

「…へぇ…じゃあ」

自分の体を見直している軽巡棲鬼に

ゆっくりと近づいて

 

「はむっ!」

指先を咥えてみる

 

「ぴゃぁあっ!」

ぱっ!と手を引く軽巡棲鬼

うん、美味しい、女の子の手の味

 

「ていとくっ!やめてよう」

涙目になるとは、こやつやりおる

 

「うん、やめよう

じゃあアガノちゃん、これから一緒に生活することになるから、みんなに挨拶行こっか」

 

そして驚異の企画

ドキドキ!鬼級の鎮守府訪問挨拶!

が始まるのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。