ウイングダイバーでも艦娘になれますか? 作:魚介(改)貧弱卿
そのストーム3=翼ちゃんサイドのストーリーとなります
今回は導入のみですが
次回からは思いっきり入りますのでどうぞ
「ぷはぁ……生き残った…のかな?」
幸い、四肢が欠損しているような感覚はない
一応だけど生き残っている事は確かなようだ
「よし、それならそれで良いや」
装備は…パワーランス以外全滅
実弾系は重いから、
どこかで落としてしまったのだろう
意識を失っても握力は絶やさない訓練は積んでたはずなんだけど
「まぁ仕方ないかね」
塩が目に入って痛い、
これは海水に呑まれたせいかな?
「まさかEDFの兵士が…海でながされるなんてね…これじゃEDF失格だよ」
体に力を込めて、
無理やり立ち上がろうとして
「まだ無理に起きないほうがいい」
群青色のトーガを纏った長身の男に止められた
「この展開は私のミスだが、君が甚大なダメージを受けている事には責任を取ろう」
落ち着いた声で、その男は語り出す
「私は『転移神』ヤリド、
本来は別の世界で勤めているものだ」
その内容はまったくもって突拍子も無いものだが、一応ながらに聞いて置いてやる事にした私は、寛大にもその先を促した
「こことは別の世界の神である私が
この世界に介入した理由はただ一つ
私が転移を司る世界のうち一つで、ひとりのEDF隊員が戦っている
そこに救援を要請する」
「…私以外にも、
別世界に飛んだEDF隊員がいるの?」
「無論だ、様々な場所、立場になって
彼らも活躍している…が、今回に限っては戦力差が強い、そこで、極めて似た世界線から応援を要請しているのさ」
「了解、それならそれでオーケー
同じEDFなら、流儀も通じるからね」
「いや」
微笑んだ私は、即座に入った否定で
無表情に戻る
「君にはわからないかもしれないが
並行世界は無数に分岐するが故に、『EDF』という組織の形態もまた違うのさ、だから少しずつ違う『EDF』の隊員達を呼ぶ事になる」
「なるほどねー…ダメじゃんそれ」
飛び起きる私は、流石に止められるような速度ではなかったらしく、そのまま立ち上がり
「いいったぁっ!」
悲鳴をあげる
「あぁ、だから動かない方が良いと言ったのに…左足に骨折が起きているのだから、まだゆっくりとしていたまえ」
「それは先に説明しようか…!」
プルプル震えながら、
それでも姿勢を固定して
「まぁ、大丈夫だよ…
たとえ世界が違っても私たちは『EDF』
ただ、地球を守るために、私たちは戦う、それが別の世界だろうと」
「了解した、それでは転移開始する」
男…ヤリドが片手を掲げると同時に
周囲が真っ白に漂白される
「…ここは世界と世界の間に位置するボイド空間、人が転生の間と呼ぶ場所だ…ここから世界と世界の境界線を越えていくぞ」
急に、体が動く
いや、足場が動かされる感覚
「世界に突入する」
それはなんとも不思議な感覚
柔らかな膜を通り抜けるような
実態のない霧を駆け抜けるような
奇妙な感覚だった
「…、ここだ、緊急転移に応じてくれた礼として、ホテルは用意してある
君の装備を喪失させた責任を取って、装備をグレードアップさせよう」
「え?」
キュウイィン!という音と共に
私のスーツに固定されていたパワーランスの柄ユニットが見覚えのある色に…ドラグーンランスに変化した
「基礎世界の認識の差の方は
君の記憶領域に入っているから
詳しくは『思い出して』くれたまえ
装備の方はプレゼントとして、スーツの装甲部に固定できるようにしたぞ」
「…うっわぁ〜、本当に神なんだ〜」
私は若干引きながら愛想笑いして
「でも、ありがとう♪そろそろ
基礎装備だと運用限界に来てたんだよ
更新できてよかった」
「喜んでくれて何よりだ…これを」
ヤリドから差し出されたのは
「ガラケー?」
今時見ないような古い型の携帯電話
第四世代の通信機器だ
「君の他に呼んだ2人と、この世界のEDF隊員『クローサー』との連絡用だ
傍聴の危険を鑑みて
軍用秘匿コードを用いているから
セキュリティは気にしなくていい」
「わかった、受け取るよ
連絡先ちょうだい」
私はさっさと携帯電話を受け取り
同時に連絡先に
それじゃ
この地球を守るために
「ウイング5DASH改め
ストーム3、出撃するよ」