ウイングダイバーでも艦娘になれますか?   作:魚介(改)貧弱卿

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告げる言葉

「とりあえずカタは付いた…な」

 

ストーム1の声とともに

戦後処理(後片付け)は終わり…後は各々の世界に帰還する、という場面になった

 

「で、聞かせてもらうぞ

そいつの事を、キッチリとな」

 

「あぁ、わかっているよ、自分で話すさ」

 

ストーム2の声に応えるのは

グリムリーパー3

 

「いいの?貴方はあの島にいたんでしょ?つまりは…」

 

艦娘達を呼び出すこともなく、ただただ戦い続け、虚ろな瞳で全てを薙ぎ払い行く彼の姿は、未だに鮮烈に記憶に残っている

そして、彼はこうも言われていた

 

『貴様、裏切りおって』

そう、彼はあの島にいた深海棲艦と

協力関係にあった可能性が高い

なぜ翻意したかは知らないが、それでも、明確に敵だとわかっている

 

「いいんだよ、それに榛名は

僕の艦娘達は、もういない」

 

変わらない暗い瞳で

微笑んだ彼は

 

自分の境遇、過去、そして鎮守府にいた艦娘達のこと、様々な情報を語り始めた

 

「…最後は艦娘を人質に取られて、ここの戦いに駆り出された

これで終わりだよ」

 

「…そう」

 

つまり、私たちが蹂躙してきた艦娘は、敵の艦娘は、彼が指揮していた鎮守府にいた艦娘だった

という事だろう

 

「…わ」「悪かったなんて言わないでくれ」

 

「俺も、それは言うべきではないと思う」

 

口を開いた瞬間、グリムリーパー3自身とストーム2に止められた

 

「…うん、わかった、じゃあ…ありがとう」

 

腕を組んだストーム1と、私のそばに座っていたストーム2はそれだけを聞き届けて

 

「俺がいるべき場面じゃないな」

「俺もだ」

 

ストーム2の声かけに応えて

二人ともさっさと臨時司令部である鎮守府の方に帰ってしまった

 

「聞きたいことだけ聞いて帰っちゃうとか…ひどい人達」

 

「それは仕方ない、彼らは戦うために来たんだろ?なら戦後処理を終えた後にまで

現場に残る方がおかしいんだ」

 

ストーム4は倒れたままだし

ストーム1.2は帰ってしまった

 

艦娘達も撤収済み

後は私たちがテントとかを持って引き上げれば撤収完了だ…とはいえ

所属の明らかでない男と

うら若き乙女を一緒に置いていくとかちょっとないと思わないかな?!

 

「…はぁ…」

 

私がため息をついていると

「僕だってため息をつきたい所だよ」

 

テントのヒサシの影のところで、ポリ箱に座ったまま、軽く手を伸ばしながら

ニヒルに笑うグリムリーパー3

 

先ほど名乗られた本名は『諒弥』

 

「そりゃ、ちょっとの期間に色々なことが変わっちゃったし、変えられてしまったから、仕方ないと思う…でもひとつだけ言わせて?」

 

「なんだい?」

 

「貴方の艦娘達は、貴方との別れをこそ嘆いているけど、貴方と一緒に居続けている」

「っ!」

 

「私、いわゆる見えるタイプでね?

直接言うけど、貴方の艦娘達、結構いるわね、蒼龍とか長門とか、あとあったことない娘とか…榛名さんとか」

 

「榛名が!?」

 

ガタッ!と立ち上がって詰め寄ってくる諒弥さん

 

「ちょっ、押さないで…」

「あ、すまない、つい熱くなった」

 

そのあとは冷静になって再び着席した…のだけど、これは良いネタ掴めました

 

「…榛名さんが嫁艦だったんだ?」

 

「その通りだけど?」

「榛名さん喜んでるけど…蒼龍がちょっと妬いてるね、可愛いよ」

 

「……!」

 

諒弥さんは背後に凄まじい視線を向けてしばらく視線を漂わせて…

やがてがっくりと肩を落とした

 

「僕に霊感がないことをこれ程までに恨む日が来るなんて、思っても見なかったよ」

「…まぁ、気にしたら負けだよ」

 

その真正面で無い胸(まないた)を張って堅固極まる防御力を誇示している龍驤を華麗に無視して、諒弥さんに声をかける

 

「…あとさ、愛宕さんがさっきからずっとニコニコしてるんだけど」

「……ヒッ…」

 

私は諒弥さんが本気で怯えた時の表情を始めて見た気がするよ

 

「それじゃ私帰るね」

「待ってくれ!」

「ごめん待てないっ!あと背後霊連中みんな悪ノリ始めてるから気をつけてね!」

 

「そんなありがたく無い情報は初めてだよ!君は僕にどれだけのイレギュラーを発見させるつもりだ!?」

 

私が走り始めると

流石にフェンサーのアーマーもなしには追いつかないのか、追い掛けるのは諦めたのか、彼の姿は遠く消えていく

 

いや、私自身が消えていっている

 

「あ…早く無い?もうちょい感慨とか最後の一言とかさぁ…」

 

そんな残念丸出しなセリフとともに

私はこの世界線から完全に消滅した

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