12/1再編済み
プロローグ①
ここは何処だ…暗い何も見えない………確か、俺はダルモンの才能で死んだはずだ。…まさか失敗した?
いや、そんなはずはない。あの時、確実にダルモンの才能は執行された。
俺が、死んだことは間違いない。
…そうか、ここはあの世か…誰もいないな……まぁ、仲間を手にかけた俺には、お似合いか。
そういや、ダルモンはどうしているんだ。ダルモンには天国行ってあいつらと一緒になれたらいいな…。
……西耶、お前の自慢の弟は大丈夫だ。東耶なら世界を平和に導くことができそうだ。
…だから、いつものように見守っていてくれや。
さて、これからどうしようか。
と、言っても身動きが取りづらいし何も見えん。真っ暗だ。
まぁ、気長に待ちますか……。
…ん?なんだか、体が締め付けられる。苦しい……!
なんだ……進んでいる気がする…締め付けがさらに、きつくなってきた…どうなっていやがるんだ。明るくなってきた…眩しい!
「オギャー!!オギャー!!オギャー!!」
………………は?
〜4年後〜
よぉ、みんな。俺だ。世界最強だ。
いや〜あれから、色んなことがあった。
まさか、赤ん坊からやり直すことになるとはな…羞恥心やら、なんやらで死んじまうかと思ったぜ。
この歳で、自分のう○こを笑いながら処理されるのは恥ずかしくて死にそうになった。
そう言えば、この"世界"の話をしていなかったな。
驚いたよ。初めて親と散歩に出た時、周りの光景に唖然とした。
街を歩く奴らにツノが生えいたり、翼が生えていたり、はたまたそれは人間と言えるのか?と言えるような奴もいた。
間抜けにも、まさか、こいつら全員、廻り者かと警戒しちまったがどうやら違うらしい。
どうやら、この世界には"個性"と言う人口の約8割が持っている才能とは違う特殊能力があるらしい。
個性の発現は3〜4歳らしいが俺にはまだない。
因みに、両親の個性は…母親は触れたものを操る個性。父親が黒い霧を少量出す個性だ。
個性は両親のどちらかを継ぐか、どちらとも継いで混ざるケースがあるらしい。世界最強もちょっと楽しみだ。
さて…そんな、世界最強は絶賛、幼稚園に通っている。
そして、今、とあるうるさい"奴"に絡まr「お〜いなにぼーっとしてるんだよ」
こいつだ。幼稚園生に似つかわしくないトゲトゲの毬栗金髪頭を持つ爆豪勝己。
こいつは、俺が幼稚園で本を読んでいた時に、「なにスカしてんだてめー」とまるでチンピラのように喧嘩を売られ、俺がコテンパンにしたらその翌日から、何かと絡んでくるようになった。
「なんでむしすんだよー。やんのかー?このスカしやろー!」
「いやすまん、勝己。考え事してた」
「ふーんそうか。なぁ、テレビみようぜ!」
「おう、いいぜ」
テレビの置いてある部屋まで勝己と行くと、そこにはもう一人、ソファの上に座っている。見慣れた緑色の、もじゃもじゃとした頭と頰にそばかすがある、目をキラキラ輝かせながらテレビを見ている緑谷出久だ。
そんな出久はテレビに食い入ってこちらに気づいていない。
「じゃまだデク!テレビがみえないだろう!」
「あ、かっちゃん。こうちゃんもみてみて。おーるまいとだよ!」
勝己が目を釣り上がらせ、出久に退くように怒鳴る。
出久は慣れてしまったと言わんばかりにスルーし、俺たちにテレビを見るように促す。
勝己と出久は、家が近所らしく、昔から親同士の付き合いが多く、そのまま歳が近い事から幼馴染の関係になった。
しかし、勝己は才能に溢れ、喧嘩ぱっやい活気盛んなガキ大将気質の奴だ。出久は、勝己と対照的に大人しく、気弱で泣き虫のいじめられっ子気質で、花に笑いかけながら話しかけるようなお人好しだ。
まるで、真反対の出久を、勝己は何もできないどんくさいデクと蔑称をつけてしまった。しかし出久は案外気が太いのか、そんなことを気にも止めていない風に勝己とは普通に接している。
出久の口から"おーるまいと"と言う単語が出た瞬間。
勝己の目も同じようにキラキラと輝き始め、出久の隣に座る。
俺はそのまま勝己の横に座った。
「なに!みせろ、デク!!」
「わわ、おさないでよ。かっちゃん」
「そうだぞ勝己。あんまり押すな、俺も見えん」
俺たち3人は、押し合うようにテレビを見ていた。
あぁ、そう言えば、まだ話していないことがあったな。
この世界には、個性という生まれながらの"才能"がある。
そんな強力な力を幼少の頃から保持していれば力に溺れ犯罪に手を染める人間が必然的に生まれた……それが
個性が世界に広まって間もない頃はかなり荒れていたらしい。
それもそうだ。廻り者のように異形の力を持った人間が街中で恐喝、強盗、暴行、殺人、ありとあらゆる犯罪行為を起こすんだ。
そりぁパニックにもなる。
おっと話がそれたなそんな敵にも対抗し始める人間が現れ始めたそれが…………。
「うお〜!やっぱり、かっけえよなぁ!ヒーローは!!」
「うん!あんなにいたヴィランをあっというまにやっつけて、ひとじちをたすけちゃった。すごいなー!ぼくも、オールマイトみたいなこせいがでたらあんなふうになれるかな〜」
「へんっ!どんくさいデクにはむりだな!」
「ひっひどいよ〜。かっちゃん〜」
「はいはい、勝己。そんなこと言うな。出久だってできるぞ、多分!」
「たぶんをきょうちょうしないでよ。こうちゃん〜!」
目を輝かせながら、テレビに食い込まんばかりにニュースで流れるオールマイトというヒーローの活躍を見つめる二人に、ただ単純に、思いついた質問を投げかけてみる。
「……なぁ、お前らヒーローになりたいのか?」
「「あったりまえだよ!!」」
二人して息ぴったりに即答してきた。
実は、仲良いだろお前ら。
「どんなピンチも、さいごにはぜったいかつのは…」
「どんなに、こまっているひとでもたすちゃうのは…」
「「すげぇ(すごく)かっけえ(かっこいい)から!!」」
二人の言葉が重なった。
そんな二人を見て、俺は、心の底から感心していた。
……こいつらには、もうすでに自分の据えるべき"未来"が見えてやがる。
「……フ、フフあーっはっはっはははは!!」
突然、笑い始めた俺に今度は二人が驚いた顔していたが、すぐに勝己が恥ずかしくなったのか、顔を赤くしながら怒鳴ってきた。
「なに、わらってんだ!こううテメェ!!」
「いやーすまん、すまん。思ったより、いい答えが出てきたからな驚いたんだよ」
「おまえ、ひとのことわらったんだから、おまえもいえ!!」
「そうだよ!」
顔を赤くしながらこちらに怒鳴り込んで、聞いてくる勝己と、少しぷんぷんと怒りながらこちらを見てくる出久を見て俺は考えた。
…ぶっちゃけ俺は、ヒーローになる気は無かった。
俺は一時の感情で西耶を殺してしまい。俺の大切な仲間を死に導いた。
そんな俺じゃ、ヒーローは務まらないだろう。なれないであろう。そう決めつけていた。
しかし…目の前で堂々と胸を張り、真っ直ぐな目をして声高に叫んだ二人を見て。
諦めて、消えかけた火が燻った。
…………西耶。もう一度、目指してみてもいいか?
俺たちじゃ為せなかった夢を…"世界平和"を。
今度は、こいつらと目指してもいいか?
そんな、身勝手な問いを、ここには居ない西耶に向けて呟いた。
すると、俺の後ろから、後ろで手を組んで、いつものような穏やかな笑みを浮かべている西耶がいた。きっと、幻覚に過ぎない西耶の姿を見て俺は泣きそうになった顔を下げた。
…そうか…ありがとう………。
「…俺が目指しているのは、みんなが手を取り合って…笑っていられる平和な世界を作ることだ。だけど、この夢を叶えるには色んな奴らが協力してくれなきゃいけない。…だからお前らにお願いがあるんだよ。俺と一緒にヒーローになってくれないか…?」
俺の話を聞いていた二人は、突然、夢を語り出した俺を見て呆然としていた。
すぐに勝己は、俺をバカにする顔で見てきたが、俺の真剣な顔を見ると、すぐに真顔になり顔をうつむかせた。
出久も、顔をうつむかせて。何かを考えるようなことをしていた。
しばらくの間。誰も声を出さないから、俺がダメかと諦めかけていると、二人とも同じタイミングで、何か決めたような笑みを浮かべながら顔を上げた。
「「いいぜ(よ)!!!」
…目尻が熱くなるのを感じる。なんだよ、こんなにも涙脆くなったのか、俺は?
こいつらには驚かされてばっかりだなぁ。ちくしょう。
「おいおい、なにないてんだよ。きもちわるいな」
「だいじょうぶ!?どうしたの?きゅうになきだして!」
「うっせぇ!泣いてねぇよ。嬉し涙だこれは!」
「こうちゃんてこんななきむしだっけ?」
「お前に言われたかねぇよ、出久!」
「ふん!おまえらが、なにめざそうと、かってだが!リーダーはおれだからな!!」
「ええ〜。かっちゃんがリーダーなの〜?」
「なんだもんくあんのか!デク!!」
「いや、お前じゃダメだろ勝己。みんな怖がっちまう」
勝己が、いつものようにガキ大将を始め、それに出久が口出しすると勝己はいつもの調子で怒鳴り始めたが、俺と出久は慣れていた。
「んだと!!スカしやろー!やんのかー!」
「ダメだよ、かっちゃん。せかいへいわだよ!」
「…いいか勝己。リーダーってのは他人の気持ちを理解して気遣うことができる奴のことを言うんだ。この中だと…出久かな?」
「なんで!デクなんだ、ゴラ!!」
「そうだよ!こうちゃん!なんで、ぼくなのさ」
俺の意見に二人して否定してくる。
「えー。だって、勝己は暴言と暴力ばっかりだしな〜。それに俺はリーダーって柄じゃないし。それにな出久。お前は優しい奴だ。人の心が理解できる、そんな人間がリーダーには相応しいんだよ!」
「ええーー!」
「おれは、はんたい、だ!!」
またしても二人して俺の意見に反対しくる。うーんどうしたものか…
「じゃあ!お前ら二人でリーダーだ!」
「なんでだよ!!」
「勝己は、どんな敵でも絶対勝つヒーローに。出久は、どんなに困っている人でも助けるヒーローに。二人合わせたら最強だな!俺ほどじゃあ無いけどな!」
「ふざけんな!おれだけでもできるわ!」
「うーん。ぼくはむりかな…」
「そこは、じしんもてよデク!」
何故か、自信満々に啖呵をきったはずの勝己が自信のない出久を怒鳴りながらフォローする。
「あーでもな。いきなり世界平和とか言っても何したらいいか分かんねぇな」
「わかんねーのかよ!」
「じゃあ、さいしょはこのまちから、はじめようよ」
出久がソファの上に立ち上がり両手を手一杯広げ俺たちに提案する。
「おれを、むしすんじゃねー!」
「なんだよ勝己。お前なんか案あるのか?」
「ありまくるわ!いいか!まず、まちでごみひろいをするんだ!それでひろったごみは、ごみすてーしょんってところへもってけばかいけつする。あと、こまっているやつは、おれたちがてだすけすること、けんかとかも、おれたちでかいけつする」
「意外とまともだな」
「んだと!」
「で、でもかっちゃんヴィランはどうするの?」
「ヴィランもおれたちでやっつけるんだよ!」
出久の疑問と不安を混ぜたような弱々しい声が俺たちの間に響き渡る。勝己がファインディングポーズを取りながら意気揚々と息巻いているが出久はとても不安そうな顔をしている。
「いや、勝己それは危ない。俺たちはまだ子供だ。ヴィランは"まだ"ヒーローに任せよう」
「…ちっ!しかたねーな」
「そうだな…ついでに体鍛えるか」
「え!トレーニング!やったあ!ヒーローみたいだ!!」
「いいな、それ!おれもやるぞ!」
さっきまで、不安そうな顔をしていた出久とヴィラン退治が出来ないと知り、不貞くれる勝己だったが。
トレーニングというなんだがヒーローっぽい響きを聞いた瞬間。喜色満面な笑みを浮かべ、喜びを全身で表すかのように手を上げていた。
「あと、あれだな。拠点が欲しいな」
「ひみつきちなら、おれしってるぜ!」
「本当か勝己!」
「おお!きんじょのやまにほらあなみたいのがあるぜ!」
「あーあそこね、たしかにあそこなら、だいじょうぶそうだね!」
「そんなにすごいのか?」
「うん!じゃあ、こんどいってみようよ!」
「おう!」
「おれもつれてけ!」
「うん!みんなで行こう!」
世界平和のために、何をするか一通り決めた俺たちは、テレビに映っている髪の毛がVの形をしている筋肉モリモリがまた事件を解決した速報を見ていた。二人は、また目を輝かせながらオールマイトを讃え始める。
さっきも事件解決したよな。どんだけ迅速なんだよ。
しかし、テレビに夢中になっていた二人に、幼稚園では神にも等しい声がかかってきた。
「おやつよー!!」
バッ!!
「「おやつ!!」」
おおう。二人同時に振り向いた。ほんと仲良いなお前ら。
そんなことを考えていた俺を置いて二人はもう先生の所へ走っていた。
いやー。本当、お菓子の力ってすげーよな。普段、大人しい出久が勝己を押し退けてお菓子をもらっていやがる。あーダメだ二人が喧嘩し始めた…やべ先生怒ってね。
あの先生怒ると怖いんだy
「こら二人ともいい加減にしなさい!おやつ抜きにするわよ!!」
先生の名前は、鬼顔よし子。名前を見れば分かると思うが、個性は鬼顔。怒るとまるで般若のような顔をするので俺も最初の頃。勝己をボコボコにしてその場を去ろうと後ろをを振り向いた時に鬼顔先生がすぐ後ろに立っていて、背後から紫色のオーラが見えそうなほどすごい顔をしていた。あの時は本当冷や汗が止まらなかった。
世界最強なのに、あの時は流石にびびっちまった。
あいつらに笑われちまうな。
特にノイマンは多分「どうした世界最強(笑)」と言ってバカにしてきそうだ…。やばい、本当に聞こえてきそうだ。
そうこうしてら内に、二人が先生に菓子を取り上げられていた。
出久は大泣きしていたいたが、勝己は涙目になりながらも必死に堪えるように自分の服の袖を俯きながら引っ張っていた。なんだ、お前ら可愛いな。
「項羽くんもこっち来なさい。お菓子なくなるよ〜」
俺も呼ばれてしまった。参った。身体は子供でも、精神はバリバリ大人なんだよ。それで子供用のお菓子もらうのはまだ抵抗あるんだよな。察してくよ先生ェ。
そんなことを考えても通じるはずがなく。鬼顔先生からお菓子を貰うと、隣から羨ましそうな視線を感じる。
あーそんな顔すんな、後で分けてやるから。
その後。先生がいなくなった後に、二人にお菓子を分けてあげると出久は花が咲き誇った笑みで嬉しそうに「ありがとう!」と言って受け取った。なに、コイツすげぇ可愛い。
勝己は嬉しさ3割と俺からもらう屈辱で悔しいという顔7割しながらいらない言ったが。視線が明らかにお菓子に向いているから、痩せ我慢だと簡単に分かった。俺が貢物だと言って差しだすと、嬉々として受け取った。ちょろい奴だ。
もしかしたら、色んなキャラが、キャラ崩壊するかもしれません。
許してください。