他の女の色に染まったーー!!
(本音)いいぞもっとやれ。
ありがとうこざいやすっ!!!
雄英高校某所内。巨大な校舎の中にある一つある大会議室にて…。
日々それぞれ個性的なコスチュームを身に纏い授業を行うヒーロー科教師陣が大きな円を作りながら空中に映し出される実技試験の結果とその録画を眺めていた。
「さて、今年もたくさん凄い子が揃ってきて嬉しい事だね」
「今年はめちゃくちゃ豊作じゃない?」
「あぁ平均のポイントも例年よりかなり高い」
「何より頭抜けてる人間が三人もいるから嬉しいものだ」
「三人とも総ポイント100超え…こんなこと僕が知りうる限りはこんな事は初めてですね……」
「俺こいつら好きだわ!何つたって不意打ちのスタート合図に三人とも!同時に反応したんだがらな!!YEAHHHH!!」
「うるさいぞマイク…まぁ確かに例年、周りは反応できないのがほとんだ。その点に関してはこの三人は優秀と言えるな……」
「お!イレイザーもこいつらのことお気に入りか!わかるぜなr「黙っとけマイク」シヴァーーー!!」
突然、興奮しだしたのか自慢するかのように三人の始まりについて話しだしたプレゼントマイクを無性髭を生やした全身真っ黒な服を着、白いマフラーの様な物を巻いた気怠げそうな男がそれを制し、三人のことを褒めると一瞬、意外そうな顔をしたプレゼントマイクがそれに同調しようとしたがヒーロー名イレイザーヘッド(本名、相澤消太)に一瞬で黙らされた。
映し出されていた映像が切り替わり爆豪が仮想敵を蹴散らしている画面と拳動を助けるシーンとさまざまな場面が映し出されると相澤が持っていた資料を読み始める。
「爆豪勝己…個性『爆破』掌からニトロのような汗をだし爆発させる…派手であり強力な個性だ…そして試験中ほとんどノンストップで動きながら近寄って攻撃してくる1、2P仮想敵達を蹴散らし遠距離からミサイルを放ってくる3P敵には自ら爆破の勢いで加速し近づき破壊する。
見る限りではありあまる体力で相対する敵を圧倒的火力で制圧する超持久型ですね」
「タフネスだな……」
「それに加え爆破の勢いで飛ぶこともでき、自らの汗を仮想敵に付着させ着火することで破壊するなど…極めて汎用性の高い個性と言えるでしょう」
「この子すごいわね下手したらプロ以上の実力持ってるわよ」
「純粋な戦闘力だけ見たら今年の三年で勝てるかどうか……」
「確かにそうですけどそれだけじゃないですね。ただ仮想敵を倒しているだけの様に見えますが、よく見ると危険な状態に陥っている受験生を通り過ぎ様に助け怪我をしているようなら的確な応急処置を。ひどい様ならゲートまで連れて行くなど、まだ中学生の身なのにここまでできるのはすごいですよ」
宇宙服の様なコスチュームを着た人物が空中に映し出されている爆豪を見ながら口早に言葉を並べ彼を褒めていく。
「つまり彼は戦闘だけではなく救助にも長けていると言うことか…」
「万能マンと言った方がいいでしょうか」
「しかし救助という点においては緑谷出久の方が優れていると言った方がいいんじゃないでしょうか?」
「お!あの坊主か、わかるぜ!あいつもいい動きしてたからなーーーー!!」
「うるさいぞマイク」
画面が切り替わり今度は髪が緑色で何故か上裸の受験生が映し出されていく。この映像を初めて見たらしい教員たちは長ズボン一枚でリュックを担ぎ会場をとんでもないスピードで疾走して行く。緑谷に少し動揺していた。
「……彼ハ何故上裸ナンダ?」
「どうやら試験開始前に一悶着あったらしく、たぶん露出狂の類ではないはずですよ」
「俺はその一悶着の内容について知りたいぜ!」
「まぁとりあえずその事は置いといて話に戻りましましょう合理的じゃない」
一部の教員は置いといていいのか…と思っていたが話が勝手に進んでいくので今はとりあえず置いておこうと考えたが頭の隅にある悶々としたものが残りながら話を聞く羽目になっていた。
「緑谷出久、個性『超パワー』…資料には身体能力を向上させることのできる個性と書かれていますが少し引っかかることがあります」
「どういうこと……?」
「こいつは試験終盤…0p敵を軽々粉砕する力を持っていながら敵pが少なすぎるんです。個性のデメリットかと考えていましたが試験中普通に個性を使いながら仮想敵を破壊していたことからデメリットではないと判断していました。しかしこいつは仮想敵を探しに行かず優先的に怪我をしたもしくは緊急事態の受験生を助けに行っています」
「………つまり相澤くんはこの受験生は元々この試験の構造に気付いていた、言いたいのかい?」
「はいそうでなかったら救助することを想定していたかの様な彼の所持していた医療用具の種類は説明がつきません」
「包帯から始まってついには電気ショック器具まで…どんなことを想定しているやら」
「それだけじゃないさね。わたしが行った時には殆どの子の治療が終わっていたんだけど、処置がほぼ完璧なのよどの子もね」
わたしが出る幕なかったわ……そう言いながらリカバリーガールは自分の席の背もたれに体重をかけながらため息をついた。
「映像を見る限り個性を使いながら会場を走り回って通りすがりに仮想敵に出会ったなら撃墜し主に怪我をした受験生に手を差し伸べ安全な場所まで運んだらまた会場を走り回る…これを繰り返してますね」
「しかも他の受験生と協力しながら仮想敵を倒しているな」
「ヒーロートシテ重要ナ避難活動ヤ救助活動、ソシテ即興デチームヲ作リ上ゲル協調力…プロ二必要ナ基礎能力ガ備ワッテイル。コノ子モ爆豪クンモ」
「……確か、緑谷くんと爆豪くんは同じ中学校だったよねもしかしたら二人のどちらかがこの試験の内容に気付いていたのでは」
「二人だけじゃねぇよ」
「黒籍項羽か……」
「この子はね〜〜あまり触れたく無かったと言うか…」
何故か歯切れの悪い教員たちをみて相澤は黒籍の資料に目をやったやった瞬間にため息をつきながらちょっと後悔したが気を無理やり取り直して読み上げるしかなかった。
「黒籍項羽…個性『万象儀』…はぁ……資料には万物を操ると書いてありますが試験映像を見る限りでは実際の能力は不明…規格外としか言いようがありません」
画面が切り替わり今度は項羽が高笑いしながら仮想敵を追いかけ回しながら次々に破壊していってる様子が映し出される。
「敵ポイント160P、救助ポイント130P、と数字が今挙げた二人より圧倒的に多いな……」
「この子の個性万物を操るよね?筋力強化とかじゃないわよね?何もない素手で仮想敵破壊しているんだけど…」
「パワーローダー先生…ロボに自我とかそう言うのつけましたか?心なしか仮想ロボが涙流しながら逃げているように見えるんですけど…」
「くけけけけ……本物のヴィラン再現しようと色々プログラムしてみたが泣くなんてモーションつけた覚えはねーな」
「しかも仮想敵には目的を捕捉したら見つけた瞬間襲い掛かるように設定したのにみんな逃げてやがる」
おかしな光景だぜと言いつけた雄英の技術担当であるパワーローダーは笑いながら言っていたが実際は打ち込まれたプログラムを忠実に実行するはずのロボ達が一目散に逃げて行く映像を見てどうなっているんだと頭を悩ましていたがそんな彼を尻目に会議は続いてゆく。
「しかし問題はこの場面です」
空中に映し出されていた全ての画面が切り替わる。そこに映っているのは少し離れた所から突如出現した0P仮想敵に背中を向けまるで濁流の逃げまどう受験生達の中にただ一人仮想敵に体を向けながらポケットに手を突っ込み悠然と立っている項羽を撮っている映像が流れ始めた。
やがて全ての受験生がこの場から離れるとビル群を破壊しながらただ一点、項羽を目指して進撃してくる仮想敵に項羽は掌を見せるように片腕を前に突き出した……瞬間、映し出されていた画面が全て電源が落ちたかのように真っ暗になった。
しかしこのことをリアルタイムで見ていたプロヒーロー達は少しも動じず静かに映像の続きを待った。
しばらくするとカメラから黒い霧が離れるように霧散していけばそこには未だ片腕を突き出し悠然と立っていた。変わっている点とすればさっきまであれほど存在感のあった仮想敵が
映像の続きを見てみれば項羽が突き出していた手をしまい先程まで仮想敵がいた場所から背を向けスタスタと歩き始めたが何を思い至ったのか振り返りまた片腕を突き出すと再び画面が真っ暗になり暫くするとまた元通りに映像を流し始めるが今度は壊れていたはずのビル群が何事もなかったかのように
そう言いたげに相澤は映っている映像をそれぞれ会場全体に配置されていたカメラの映像に切り替えると何処か不思議な点が多く見受けられた。
何もないのだ。厳密に言えば受験生に壊されたロボの残骸、戦闘によって破損し瓦礫や残骸などで荒れていたはずの市街地がキレイさっぱりチリひとつない状態になっているのだ。
再び映像を戻すとポケットに手を突っ込み鼻歌を歌いながら立ち去っていく項羽と立ち尽くしたまま唖然としている受験生達とプレゼントマイクによる試験終了の合図を最後に映像は終了した。
「付け加えますがこの後彼は負傷した受験生達をあの黒い霧で治療し始めています尚治療を受けた受験生達の怪我は完全に完治しています」
会議室に先程までの賑やかさはなくなり沈黙が会議室に流れ始めた。
「ヒュ〜〜〜まるでトリック映像だな」
「確かにそうだなそこに存在していた筈の仮想敵が突然姿を消したどういう事だ?」
「デマ映像とも考えにくいわよね」
「あぁこの後俺が確認しに行ったが確かに0P敵が作動した痕跡があった…ハッキングでもデマでもねぇーよ。クケケ…」
「ナラ……一体何ガ起コッタンダロウ…?」
「…………こいつの個性は一体何なんだ…」
最後の言葉はいったい誰が言ったのだろうかまた会議室に長い沈黙が流れ始める。いい大人が全員ある一人の個性の正体も分からず皆考え込んでしまっている。
「それは十中八九彼の個性なのさ」
沈黙を破ったのは周りより一際小さい椅子に座っているかくしてクマなのかイヌなのか果たしてその正体は謎に包まれている設定の雄英高校校長であり動物に個性『ハイスペック』が発現した珍しいネズミである根津校長だ。
そんな校長が席の上にあざとく立ち上がり手を上げている様子よりも相澤は彼の言った言葉が引っ掛かっていた。
「こいつの個性は万物を操る…まさか……!」
言いかけたところで相澤は何か閃いた顔しそれを皮切りに他の教員たちも頭の中でバラバラのパズルが全て綺麗にハマったかのようにスッキリしたような顔をし始めざわつき始める。
「うん。みんな気づき始めたみたいだね。そう彼の個性は万物の分子や原子を丸ごと操っているんだと思うのさ」
「もしもこの仮説が正しいのなら仮想敵が全て居なくなった理由も負傷した受験生が完治した理由も簡単に説明がつく筈さ」
「なるほど僕のブラックホールの様に粒子レベルで分解して仮想敵を消したと言う事ですか」
「それなら納得できるな」
「しかも市街地が元通りなったってことは彼は分解だけじゃ無く粒子のそのものを操って再構築したってわけね」
「末恐ろしい個性だ」
「まぁ実際のところはどんな個性なのか本人に聞いてみないと分からないわけどね」
ここで会議室が今度は先程とは違いなにか異様な空気に包まれ始めた。相澤が資料に目をやり呆れたものも言えんと言わんばかりに2度長いため息を吐くと仕方ないと資料を手に取った。
「はぁ……その事なんですが…………」
「彼、筆記試験落ちてます」
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「という訳で黒籍少年!君はヒーロー科試験、落第だってよ!」
「………どういう訳だよっ!!」
作者「ねぇどんな気持ち?落ちてどんな気持ち??」
項羽「( ˙-˙ )」
作者「し…死んでる……」