どうも、お久しぶりぶりぶり大根です。
やらなきゃいけないことに専念するために書くのを一旦、やめていました。
それが最近終わったので久しぶりに筆を取ってます。『リンカーネーションに花束』のほうが難産すぎるので此方に逃げて来ました。
意思弱いです、どうも。
申し訳程度ではありますが思い付いた『リンカーネーションに花束』の小ネタ集を書いてみましたので見てね。
「死"ぃんねえェ!!!」
無謀に、挑発的に、それでいてシンプルに。
今は口の悪い幼馴染のお陰で汚い言葉を半強制的にインプットした甲斐があった。今だけは何も知らない敵達に、僕が無策に突っ込んでくる馬鹿な子供と見られるような演技ができる。
それと同時に全身に
…水の特性。もしも、水滴を水の上に一粒落としたのならば水滴のおちた場所を中心に水が広がり波紋が出来上がる。そして広がった水は再び中心に収束し、戻っていく…それの応用で水面の一点に強い衝撃を与えれば…。
「オイラだってやってやるさー!!」
蛙吹さんに抱えられた峰田くんが泣き叫びながら果敢に頭からもぎ取ってボールを敵たちの周りに向かって投げる。粘着性のあるもぎもぎは次々と敵達にくっついてゆき、敵達は正体の分からないもぎもぎに動揺しながら水流に流されていく。
もう一度言おう。水面に強い衝撃を与えれば広がり、衝撃に応じた力で中心に戻ろうと、収束する。
僕が蛙吹さんの舌で回収されている頃には、一つの球のように纏め上げられた敵達が強い波に当てられ宙を舞っているところだった。
「…取り敢えずは第一関門突破かな」
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「死"ぃんねえェ!!!」
俺が硬化した拳で敵を殴り倒した直後。
獣の咆哮にも似た叫び声に振り向いてみれば、爆豪が個性を使うまでもなく手榴弾を模した籠手で容赦なく殴り倒していた。
爆豪、スゲェ…。俺が数人倒す間に、残りの敵達を全部、一人で片付けやがった。
けど、まだいるかもしれないと辺りを見回すが、もう既に俺と爆豪以外に立っている人間はいなかった。
「っし!雑魚どもはコレで全部か!?」
「え、おお!早くみんなのこと助けに行くか!俺があんなことして先生が後手に回わらなかったら、こんなことにはならなかったんだ!漢として責任取らねぇと!」
「…贖罪なら後にしろ!俺はあの黒モヤをシバキ殺しに行く」
「な…!戦闘苦手な奴らだって居るんだぞ!助けに行かねぇのか!?」
「逆だ!お人好しバカもいるんだ!!デクならもう一人で、その辺走り回ってるかもしれねぇ。それに…」
そう言い、区切った爆豪は何を思ったか分からないが掌を何もない中空とその先にある天井を爆破をした。突然の行為に、なんだと思えば、カメレオンの頭をした、所々に焦げ跡がついている敵が叩き落とされたハエのように、ぼとりと落ちて来た。
「俺たちに充てられたのが、こんな個性持て余した三下なら自分らでどうにか出来るだろ」
「すっげぇ…!どうやって気づいたんだよ?」
「…気配と勘。んなことよりとっと行くぞ!もしかしたらアイツも来るかもしれねぇからな」
「アイツ…?あっもしかして!こうちゃんとか言う奴か!?」
「うっせぇ!来るんなら早く来い、置いてくぞ!!」
「お、ちょい!待てよ、爆豪!俺も行くぜ!!」
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「せんせー。お腹痛いのでトイレ行ってきます」
「え、お、おう」
先生の許可を得る前に、俺は足早に教室を出ていた。
久しぶりに感じる嫌な感触だった。腹の奥からくるような胸の奥から響くような胸焼けにも似たもどかしい感触。
同時に、出久と勝己の顔がチラチラと頭ん中に浮かび上がってくるたんびに、嫌な感触は増していった。
体の何処かが『早くしないと間に合わないぞ』と囁いて脚を急かす。
いつの間にか、走り出していても焦燥感は消えようとはしなかった。
…いつの日か、こんな状態になったのは一度しかない。
駆け上がるのさえ煩わしい階段をひとっ跳びで上り、二人のいるA組の教室へと走る。
道中、廊下側の窓から生徒や先生からの痛い視線を感じるが、無視して教室を目指す。壁から突き出た1ーAの看板がやけに遠く感じた。やっと教室に着き、ドアに力を込めて扉を引く。
だが、開かれた戸の先には誰も居なかった。嫌な感触が増長していき、冷や汗のように万象儀がジワジワと体から滲み出てくる。
…嫌だ、ダメだ!
暗い思いを振り払うように、壁に貼ってあるヒーロー科の日程表を確認すれば、今の時間はヒーロー基礎学の時間らしい。前に出久から聞いた話によればそれは学校内の演習場で行う、俺たちが日頃、行ってる訓練に近いもの。
ならばと同じく掲載されている学校の地図を壁から剥ぎ取り、教壇の上に広げヒーロー科が使いそうな演習場を探す。
が、予想以上にその場所が多すぎた。
クソったれと思いながらも出久自作の無線を手に取り、出久にかける。
…しかし繋がらない。
ならば勝己は…繋がらない。
……これで確定した。アイツらはいま何かしら事件に巻き込まれている可能性が非常に高い。出久と勝己にはいつでも無線機を持たせている筈だが唯の授業で反応しないとなれば、ただならぬことが起きてることは間違いない。
「しらみ潰しに探すしかねぇのか…!?」
せめてA組がどこにいるか分かる教員が居れば…。
「………いるじゃねぇか!!」
急いで電話帳からお目当ての人物の名前をタップする。たった数コールの間隔でも急いでいる今だと長く感じる。早く出ろと目的の人物を急かしていれば少し時間の空いた後にやっと電話が繋がった。
『…黒籍少年?今、授業中じゃあ…』
「オールマイトっ!!出久達は…A組が今、どの演習場にいるか分かるか!?」
『へ?緑谷少年たちならUSJにいるけど、それが……まさか!?」
「そのまさかだ!出久と勝己に電話と無線にも掛けたがどっちとも反応がないんだ!!ついでに麗日と飯田にも掛けてみたが応答がねぇ!アンタも早く来い!嫌な予感がする!!じゃあな!!」
『え!あ、ちょっとぉ!?』
オールマイトの慌てる声を最後に電話を切ると、急いで地図から何処ぞのアミューズメントパークと同じ名前を探せば、校舎からかなり離れた位置にそれを見つけた。
ジワジワと広がっていた万象儀を体の中に戻し、今度は目の前にゲートを作り出すように一気に広げた。
「待ってろよお前ら…今、行く!」
呟きながら万象儀の中に足を踏み入れれば、暗闇が体を包み込んでいった。
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自分の頬に爪で切り傷をつけると、俺は辺りを見回した。
意気込んだまではよかった。
しかし、結局のところアイツらがUSJ内のどこにいるかわからないままだ。どうせ、出久が無線で通信なり電波なりバンバン飛ばしていることだろうからそこの発信源を辿れば済む話なんだが…。如何せん、電波が乱れているせいか繋がらないもんだからどうしようもねぇ。
とりあえず辺りを一望出来るところに出たいと思うと、ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになっている山岳らしき頂上にでた。どうやら、このエリアは出口から一番端にあるらしい。
中央をみれば噴水のすぐそばで出久達の担任が、覚えのある柄つきをしたチンピラ達と戦闘を繰り広げていた。見たところ周りに生徒らしき影もないことから、アレは訓練などではないことが容易に分かる。
…嫌な予感とは、これのことだったのだろうか。学校に有象無象のチンピラが入ってきたところで俺のセンサーが反応するはず無いのだが…。
もう一度、中央辺りを観察すると噴水のちょうどすぐ前に佇んでいる脳みそを剥き出しにした男と体の至る所に手をつけた男を見つけた。
俺はいつも勘で犯人を探す。出久と勝己には適当だと思われてしまうが、一度としてその勘が外れたことはない。当たるたびに二人が若干引いたような顔で俺を見るから少し落ち込むが…そんな勘があそこにいる二人が主犯と見做した。
そうと決まればあの二人をさっさと張り倒そうと飛び出そうと構えた瞬間、何やら下で声のようなものが聞こえた。
覗いてみれば、崖下にチンピラらしき連中が蹲っておりその中心では、ヒーロースーツらしきものを身に纏った学生らしき女子が二名。
どちらも焦るような表情をしながら両手を上げ、目の前にいる骸骨のような仮面の男を睨みつけていた。
男の手には非常にマヌケな面をした金髪の二人と同じぐらいの年齢の男を見せつけるように掲げており、その首には電気のほとばしる手が突きつけられていた。
女子二人とマヌケ面はこの前、入学式の最中に覗き見した時に見たことがある。三人とも出久と勝己のクラスメイトだったはずだ。
この状況を察するに周りで蹲っている連中を倒せて一息付いたところで残っていた骸骨仮面の男にマヌケ面を人質に取られたって感じだな。
そして状況は芳しくないらしい。男が何か言った瞬間、二人の顔から余裕が完全に消えたように感じた。
…さて、ここで無視して行きたいところだが、それじゃあの俺たちの掲げた思想に反してしまう。もしここで俺が見捨てたとなってしまえば二人を裏切ることになるし、なにより下にいる奴らの命も危ないだろう。
そんなことを考えているうちに、周りで蹲っていたチンピラ達が起き上がり始め、骸骨仮面の男がジリジリと二人に近づいていく。このままいけばロクでもない事になるのは目に見えている。
俺は上着を脱いで飛び降りた。
廻り者が才能を行使するとき、多大な体力と精神力を消費する。そこに例外はない。
そのせいで使用後には倦怠感がつきまとうわけだが、俺の場合は100ある内の10を使っても、さほど倦怠感は現れない。これは使う量によって違うものだと考えている。
しかし、決して疲れないと言うわけじゃない。
よって、俺は万象儀を使わずに連中を叩きのめした。
時間にして1分もたっていない。
しかし、最近、多勢を相手にしてなかったせいか少し無駄が多かった。骸骨仮面以外の奴らを倒すのはもう少しスムーズに出来た筈だ。
最後にマヌケ面を助ける時だって骸骨仮面の腕に拾ったナイフを突き刺すのも、もう少し早く…鍛錬不足だな。
腕を貫かれても、未だ暴れようとしている骸骨仮面の鼻頭に拳をめり込ませ、気絶したのを確認すると、首の横からするりと薙刀が伸びて俺の首に添えられる。
「ちょっヤオモモ!」
「刃物を向けた状態ですいません。…しかし貴方が敵である可能性もあるのでこの状態から失礼します。…貴方、何者ですの?この学校の制服を着てられるようですが、どうしてこの場にいるのですか?」
俺の首元に刃を向けて、いつでも殺れると圧をかけてくるヤオモモと呼ばれた声に、俺は少し感心していた。俺が、敵か味方かも分からない状況で適切な判断を出久と勝己以外が下せるものかと純粋に感じた。流石は雄英だ、倍率300は伊達じゃないってことか。
「…俺は普通科の黒籍項羽ってもんだ。証拠という証拠もないがとりあえず信用して欲しい。ここには来たのは友人に電話してみても留守電すらつかねぇ状態だから心配になって駆けつけたまでだ。そしたら、お前らが襲われてったわけだ」
「……その友人とは?」
「お前、A組だろ?なら緑谷出久と爆豪勝己の二人がいる筈だ。アイツら、いま何処にいる?」
「お二人の…?もしかして、貴方、緑谷さんに渾名で呼ばれてます?」
「おう、出久は俺のこと、こうちゃんって呼んでるな。え、なに?もしかして、俺のカッコいい話でも聞かされてる?」
「そういうわけではありませんが…しかし、そう言うことなら信用できますわね」
俺の言葉を信じたのか、首元に突き立てられてた刃が、どかされる。振り返って、三人の姿をよく認識してなかった俺は思わず叫んでしまった。
「あ"あ"あ"あ"あ"あぁっ!!ちじょだっーーー!!!」
「痴女っ!??」
「フンッ!」
その後、すぐに耳郎という女子に殴られた。
ミジンコみたいな更新速度で頑張ります。