とある部屋の雑談会。
「おじゃましまぁーす!!!」
「うおっなんかいっぱい来た!!」
「浮草の奴ら!?」
「はいはーい。お邪魔しますね〜。あ、手土産ありますので〜」
「ゲール?いや、なんか違う…?え、子供いっぱい来た!可愛い!」
「あら?重瞳のはここに居ないのかしら?」
「あ、彼ならあそこに映ってるよ。ゲール」
「カエサル……相変わらず禿げてますねぇ」
「んはぁ!極上の美人に罵倒されるのもなかなかいいものだな!どうだ、このカエサルとしっぽり「…あらあら、まさか彼はまだ懲りずに救済を試みているのですか……愚か、ですが…彼らしいと言えば彼らしいですね〜」
「…貴方は一体、誰でありますか?自分の知っているゲールと同じ容姿に口調…しかし、どうにもどこか沿わないであります」
「それは追々、話しましょう。不死の方。どうやら今からいいところになりそうですよ?」
「む!見ろお前ら!項羽が映ってるぞ!!」
「うっさいぞ!ゲッツ!!」
「本当に重瞳のだ…」
「あわわわわ……」
「なんか、一気に賑やかになったねー」
「増築した甲斐があったってもんだニャ!!」
「お前、なんもしてなかっただろ!」
「しかし、デカイの増えたから、いかんせん狭く感じるなあ」
「もう少し、広げますかぁ」
「悪だな!!!」
「ふふ…」
「デクっ!!」
強い衝撃が防御した腕ごと僕を吹き飛ばし、ドームの外壁に僕はめり込んだ。
重傷を負った相澤先生を連れて逃げていた梅雨ちゃんと峰田くんを脳みそ敵から、庇ったまでは良かったけど、かっちゃんを心配させちゃった。
こりゃ後で怒鳴られるな。
かっちゃんが脳みそ敵に、並の敵なら一発で倒れるぐらいの爆撃を浴びせ続けているが、脳みそ敵に応えた様子はない。
痛みすら感じてないのか、守る素振りすら見せずに何も思っていないロボットのような表情でかっちゃんに迫り攻撃をしている。スピード、パワー共にオールマイト級にあるせいで、あれじゃまるで、昔、見た殺人マシンみたいになってる。
身体中に手がついている敵が自慢するように笑う。
「無駄だ。脳無に打撃技は通用しない。ショック吸収と超再生の個性を持つ、最高のサンドバック人間だ。そうだな…肉をじっくり抉るとかがオススメだぞ。ピースサイン」
「なんで、その名前を…!」
「別にいいだろ。裏の世界じゃ…お前ら、そこそこ有名なんだぜ。ヒーロー」
敵に名前を知られてるなんて僕達も有名になったもんだ。
肉を抉るか…。
弾の種類を、かっちゃん由来のエキスが入った弾に変え、脳無の懐でドンパチと激しい闘いを繰り広げているかっちゃんに声をかける。
死ぬぞ、と。
「はぁ!?ちょっ待てデクゥ!!」
拳銃から乾いた音が鳴る。それと同時にかっちゃんが脳無のそばから全力で離れていくのを見て、脳無の腕に着弾したことを確認した。
僕は手元に握っていた、とあるスイッチを押す。
普段、かっちゃんが鳴らしているのとは少し違う。重たい爆発音が脳無に右腕を吹き飛ばした。
うーん…思ったより爆発の威力が弱いな。肩も吹き飛ばしたかったんだけど…まぁ、前腕に当たってたから場所が悪かったのかな。
そうこうしてる内に、かっちゃんに殴られた。
痛い。
「痛い、じゃねぇ!バカクソデクゥ!!俺も危うく消し飛ぶところだったわ!!」
「大丈夫だって!前の実験よりちゃんと威力落としたんだから!」
「その前の実験でクソでかい大岩、消し飛ばした大バカは何処のどいつだ!!あ"ぁ!!?」
「仕方ないじゃないか!実験に犠牲は付き物なんだよ!!」
「その犠牲ん中に俺も入れるつもりかテメェはヨ!!」
「な、なぁ。もしかして緑谷って結構ヤバい奴……?」
「知らねぇ、俺に聞くな」
なんだか少し離れたところで切島くんと轟くんが少し青ざめた顔して、引いてるような気がするんだけど。違うんだよ二人とも…ちょっと、目合ったぐらいで後ずさらないで!
「冗談だろ…。あの、もじゃもじゃ…躊躇いなく脳無の腕を吹き飛ばしやがったぞ。ホントにヒーロー志望か?」
「むしろ敵に向いてそうな思考回路してそうですね…」
敵側からもドン引きされてるような気がする。というか仲間だと思われてそうな気がする…。
そうこうしてる内に、かっちゃんが瞬く間に黒霧を取り押さえて、轟くんが脳無を凍らせて動きを封じてくれた。僕も身体中、手だらけの敵の上からスマッシュを打った時の衝撃波だけで気絶させようと拳を放つ。
手だらけ敵は、見えない巨大な何かに潰されたかのように地面に打ち付けられた。
狙い通りに、気絶してくれたことに僕はホッと息をつく。先の相澤先生との戦いで、触れた瞬間に先生の肘を崩していたから触れられないように風圧で倒そうとしたけど、まだ、力の調整が上手くできていないから、正直、肉塊にしてしまわないか心配だったんだよね。
「死柄木弔!」
「動くな、クソもや!!」
「轟くん。氷結で束縛してくれないかな?あ、念のために指の腹にテーピングを貼っておこう」
「…あ、あぁ。わかった」
「緑谷…顔に似合わず、えげちねぇな…!」
触れた瞬間に崩されるんだ。見たところ手で触れることで個性を使用してるらしかったから、手と崩させる対象物の間に膜を貼っておけば崩されることはない筈だ。もしかしたら、そんな事関係なしに崩すかもしれないけど、念を入れて損はないからな。
死柄木と呼ばれた敵の指の腹、一つずつにポーチから取り出したテーピングでぐるぐる巻きにし、仕上げに手、全体もぐるぐる巻きにして轟くんに受け渡す。
こうちゃんも来ると思っていたのに、この様子じゃ来ても全部、終わった後なんだろうなと頭以外、氷に覆われた死柄木を見てそう思った。
「よし、あとはこの出入り口だけだね」
「ワープしやがるからな…強めに眠らせるか」
「今日、麻酔持ってきてないからなぁ。頭部も実体無いみたいだし…やっぱり、鳩尾殴るしかないよね?」
「おい、デク。お前がやれ」
「イヤだよ!出力ミスったらこの人、肉塊になっちゃうじゃんか!」
「練習も兼ねてだ!早よやれ!!」
「待て待て、ヒーローがしていい会話じゃない」
僕が黒霧に馬乗りになったところで、後ろから死柄木が起きた気配がした。でも、拘束してあるからと、たかを括って黒霧にトドメを刺そうと拳を構えた時。
後ろから、ぽつりと小さく声が聞こえた。
「脳無」
次の瞬間には、僕の頭の横に、破壊した筈の脳無の右拳が迫っており、紙一重で防御することは出来たが、踏ん張りがきかず僕は火災ドームの塀をぶち当たって荒く息をしていた。
「ハァ、ハァ…ありがとう。かっちゃん」
「チッ!結構、強めに撃ったのによ!!」
直撃の寸前。かっちゃんが爆破で脳無のパンチをずらしてくれていたが、それでも腕に受けたダメージは無視できないほどだった。
死柄木が再度、脳無の名前を言う。今度は死柄木を拘束していた氷を一振りで砕き、彼を救い出していた。手の拘束も簡単に取られてしまっている。黒霧も抜け出し、状況は振り出しに戻ってしまった。
死柄木が癇癪を起こした子供のように叫ぶ。
「あぁクソ!ガキ相手にこんな目にあうなんて…敵連合……聞いて悲しくなる!不愉快だ…!!脳無!そいつら全員殺せ!!」
脳無がとてつもないスピードで地面を駆け、命令を遂行するために再び、感情の籠ってないビー玉のような目をしながら僕らを殺そうと大きな拳を握る。
狙いは一番前に出ていた切島くんだった。切島くんは脳無のスピードに反応できていないのか呆けた顔で棒立ちになっている。
殴られて分かったけど、あの力で殴られて彼が無事でいられるとは、僕は考えられなかった。かっちゃんも同じ考えだったのか、僕と同じように切島くんへと手を伸ばす。一拍、遅れて轟くんも氷で防ごうと動く。しかし、僕らが手を伸ばすよりも早く動く脳無の拳には追いつけず。
間に合わない…。そう思ったところで切島くんと脳無の間に、ちらりと黒霧のモヤよりも濃い。黒色の影が見えた気がした。
「万象儀…黒砲」
脳無が何かに押し出されたかのように、何回転もしながら吹き飛ぶ様を見て、きっと僕は、彼の登場に目を輝かせたと思う。
脳無の方に掌を向けていた彼は安心したのか軽く息を吐くと、向けていた手をぷらぷらさせながら意気揚々と口を開いた。
「探したぞ、お前ら。勝手にピンチになりやがって…項羽さんちょっと、肝が冷えたぞ…待たせたな!出久、勝己!世界最強の登場だ!!」
決め台詞が台無しになるほどの、紅葉形に腫れた頬を此方に見せながら。
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「おっせぇんだよ!!項羽!!お前はいつも……はぁ!?お前…その、顔…!!」
「こうちゃんの顔が腫れてる…!?いったい誰がこうちゃんにビンタを…あの、攻撃らしい攻撃を一度も受けたことのないこうちゃんが…えぇ!?」
勝己が俺に文句を言おうとしたのが吠えながらズカズカと指差して寄って、俺の顔を見た途端。稀に見ない、呆けた面を晒したかと思えば、心底驚いたのか空いた口が塞がらないようでいた。
出久も同じなのか、手形に真っ赤に染まった頬を見て、困惑というか恐ろしいものを見たかのように狼狽している。
どっちにしたって最近、こんなリアクションを見せてくれなかったので、なんだか嬉しくなった。
「…もしかしてじゃなくて、アンタがこうちゃん、て呼ばれてる人…ですか?」
何故に敬語?
助けてもらったにせよ改まりすぎだろ。あ、初対面だから普通か。
「おう!普通科の黒籍項羽だ。よろしく頼むぜ、切島」
「へ?なんで、名前を…」
「二人から聞いてるからなー。横にいるやつも分かるぞ。轟…だったか?」
「あぁ、轟焦凍だ。よろしく頼む」
仲間の二人が困惑に陥ってるところを放置して二人と握手を交わす。轟が不思議そうな顔して自身の頬を刺しながら疑問を口にした。
「その顔はどうしたんだ?」
「あぁ、ここに来るまでにちょっとしたハプニングがあってな。俺が悪いんだけど…そのせいで耳たぶがイヤホンジャックになってる耳郎って女子に見舞われた」
「耳たぶの女子ってことは耳郎か!アンタ、いったい何したんだよ…」
「いやな、その耳郎と八百万と、あと上鳴ってやつが、!」
「うおっ!」
そうだった。まだ、敵はいたんだった。
思わず、和やかに話していたところで体の至る所に手首を取り付けた敵が中々、素早い動きで俺の背後に迫って手を伸ばしていた。
「お前が黒籍項羽か!!」
伸びてくる手を掴み捻りあげると、苦悶な声をだしたながら今度は逆側の手を伸ばしてくる。しかし、意識が偏ってるせいか足を引っ掛けてやると簡単に倒れたので、素早く手を後ろに組ませ、組み伏した。
「学校に乗り込んでくる輩が俺の名前を知ってるとは光栄だな」
「黙れ…社会のゴミめ。殺す殺してやる…!!」
手だらけ男が血の走る、殺意のこもった目で俺を睨む。強く憎む憎悪の目。俺は何人もこんな目をしたやつにあって来たが、こいつの目は今まで会った。どの誰よりも危険だと感じた。これは、絶対に逃がしてはダメだと、また、直感が叫んだ。
俺がそれに対して口を開こうとした瞬間。ドームの入り口であるゲートが派手な音を立てながら吹き飛んである人物が現れた。
「もう、大丈夫!私が来た!!」
ネクタイを緩めながら力強くそう言い放つオールマイト。所々から歓喜の声が聞こえてくる。来るのが遅いんだよ、まったく。
「オールマイト…!」
手だらけ男の殺意が更に強くなる。
なるほど、狙いはオールマイトか。
…いや、真っ先に名前を呼んで攻撃して来たから…もしかしたら、俺のことも標的に入っているのかもしれないな。
「…万事休すってやつか、敵さん?」
「うるさい!お前も、オールマイトも、この世界の癌だ!!おい、黒霧!あれ持ってこい!!脳無!!」
指示が出たことにより脳無と呼ばれた脳みそ剥き出しの大男が動き始めるが、様子がおかしい。
俺の下にいる手だらけ男を助けるのでなく、オールマイトの相手どるのでもなく、何処か別の場所に走り出している。
その先を見てみると、遠くの方でそろり、そろりと入り口に向かって行ってる耳郎たちの元に向かっていた。
それに気付いたオールマイトも脳無を止めようと飛び出すが、飛び出した先には黒霧がおり、オールマイトを包めるぐらいの黒いモヤが発生していた。
「何だっ!?」
「あなたには一度遠くへ飛んでもらいます!!」
オールマイトを包み込んだ黒いモヤが晴れるとオールマイトの姿は跡形もなく消え、入り口から対角線上のところにオールマイトの気配を感じた。なるほどワープか。
「オールマイトっ!!」
「(今のうちに…!)」
「させるかよっ!」
いつの間に復活していた勝己が、再び黒いモヤを使って何処かにワープしようとしていた黒霧に爆破を行うがすでに本体は向こう側に行ったのか勝己の攻撃は空振りに終わった。
出久も脳無に追いつこうと走るがポテンシャルだけならオールマイト級の脳無は、まだまだ未熟な出久には…速かった。
「止まれ…止まれよ!!この野郎!!!」
出久の叫びと共に身体に迸っていた緑色の紫電がより一層勢いを増すと出久のスピードが飛躍的に上がる。
あの感じだと、60%以上を出してんな…。
あの野郎、相変わらず無理しやがる。
「出久!これ持ってけ!!」
爪先から頭の先まで出久の身体に真っ黒な重瞳が纏われる。その姿はまるで鎧のようだった。
「(これは…力がどんどん溢れてくる。なんでも出来るような全能感を感じる。
…いや違う。…守られている……こうちゃんに)」
脳無の前に飛び出した出久は脳無と取っ組み合い、乱打戦を始める。
「ふんっ!オオオオオオォ!!ハァッ!!!」
数十発打った所だろうか。
出久が脳無の太い腕を両手で掴み、身体全身を使いながら脳無をジャイアントスイングする。
流石の脳無も、強い遠心力の力には動けないのか、されるがままのようだった。
そのまま力任せに上空に投げ捨てると、出久も飛び出し、右腕に力が集中していくのを感じた。どうやら空中で勝負を決めるらしい。
「(今までコイツは死柄木の命令を聞いてから動いていた。命令を受けるまでは、まるで人形のように突っ立ってただけで何もしてこなかった。つまり、脳無は命令がないと動かない!なら、声の聞こえない所まで吹き飛ばしてやる!!)」
万象儀を通じて、出久の考えが流れ込んでくる。
だが、万象儀を纏っているとは言え、出久一人の力だけでショック吸収をもつ脳無を吹き飛ばすことは出来るのか?
しかし、俺の考えは出久とは逆の方向から飛び出て来た奴によって杞憂だったと理解した。
「よくやった少年!!私も一緒にやるぞ!!」
「オールマイト!!はいっ!!!」
「「
二人の拳が脳無に深々と突き刺さり、砲弾のような速度で一直線に吹き飛んで行く。その勢いはドームの屋根を突き破っても尚、衰えることはなかった。
はは、スゲェ。ショック吸収がなかったことになっちまった…乾いた笑いしか出てこんわ。
「油断したな化け物!」
「してねぇよ」
隙をついて手だらけ男が手首を捻り、拘束していた俺の腕に自身の五指を触れさせようとしてくる。勿論、それに気付いていた俺は自分の腕を分解する。手だらけ男の攻撃は虚しくも虚空をきった。
手だらけ男が忌々しげに舌打ちをする。
「チート共がぁ…!!」
「そうだなー。つくづく俺もそう思う」
「また、凍らせておくか?」
「いや、良い。少しコイツと話がしたいからな」
「…敵の言葉なんざ聞かないほうがいいと思うぞ」
「…そうかもな。でも、俺の夢なんだ。その為にもコイツとは話がしたい」
「…?」
冷たい瞳をしている轟と何のこっちゃと小首を傾げる切島から、憎たらしい、忌々しいと俺を睨みつける手だらけ男に向き直る。
「なぁ、なんでオールマイトを殺したいんだ?」
「…決まってるだろ。ムカつくからさ!救えなかった人間なんていなかったかのようにヘラヘラ笑っているんだぜ!腹が立って仕方がない!!」
「…イカれてんなぁ。聞かない方がいいぜ」
「…お前こそどうなんだ。まだ『廻り者』の共存なんか目指してるのか?」
「ッ!?なんでお前がその名を…!!!」
手だらけ男の唐突な発言に、俺は動揺を隠せなかった。そんな俺を見て、気分を良くしたのか小馬鹿にするように話を続けた。
「ハハッ!やっぱりそうか!花弁はないけど、お前も、やっぱりそっち側なんだなぁ化け物…いや、世界最強?」
「テメェ!!!」
何故、コイツが廻り者のことについて知っている?
花弁についても知っている。と言うことは廻り者についてある程度の知識を誰かに教えられたってことだ…。
まさか…俺ら以外にもいるのか、廻り者が…それも敵に、俺の前世のことも知っている奴が。
そんな思考に耽っていると背後からとてつもない悪寒を感じ、手だらけ男の拘束すら放棄し、慌てて横に飛び退いた。
満月のように変質した頭は血管が浮き出ていて、口は顔の半分ぐらいまで、はっきりと裂けていた。体格は脳無とほぼ同格…いや、それよりも大きく、筋肉が隆起しているのがはっきりと確認できる。左腕には黒いベルトが幾十にも巻かれ、まるで黒い腕のようだった。
これだけでも、完全にヤバいと思わせるようなルックスだが、俺が何より注目し、目を疑ったのは、そいつの首から
飛びのいたら先で、俺は思わず固まってしまう。
首から流れる赤い花弁は、前世から才能を引き出した者の証。それは、俺がこの世界に生まれ落ちてから探して来た存在。久方ぶりに見る同胞…それが今、敵として目の前にいる。
そいつは、俺が先ほどまでいた位置に噛み付いた後のような姿勢でいた。
後ろにいた轟と切島も、たった今、気づいたようで、轟が後退しながら氷結を放つがベルトの巻かれた腕の一振りの余波だけで粉々に砕かれている。
自由の身となった手だらけ男が愉悦の混ざった笑顔で俺を嘲るように口を開く。
「俺が何のために喋らなくてもいいことを長々と話したと思うんだクズ共め!!…紹介しておいてやるよ。『エンドレス』の改造制作過程における失敗作、アルバート=ハミルトン=フィッシュの廻り者の脳無!!せいぜい仲良くしてくれよ?黒籍項羽…」
…エンドレス?改造?失敗作?
耳障りな声をしている男の声を聞いて、俺は久しぶりに頭の中が真っ白になった。
「…………は?」
・
…空気を圧縮して放つ技☆
指向性を持たせられるよ☆
最悪、相手の体に穴が開くよ☆
良い子のみんなは気をつけて嫌いな奴にぶちかまそう☆
キラッ!ミ☆
ミッナイ先生が死んだのはキツすぎるんじゃあ…(単行本勢)