王のヒーローアカデミア   作:ピーシャラ

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早く…早くオールマイトに会うところや試験を書きたい…
書きたいぞオオオオオォッッ!!

爆豪「うるせぇ」ボカン!

主「ラッディシュ!!」ドカーン!!


12/5再編済み


プロローグ③

「おーいお前ら着いたぞ、いい加減やめたらどうだ?」

 

 俺の言葉で、お互いの顔をつかみ合ったり、鼻の穴に指を入れていたりと割とマジっぽい喧嘩をしていた二人。だが、その顔は、まだだ。と言わんばかりの顔で此方を睨んだが、俺より先の光景を見て息を呑んでいた。

 いや、お前ら気づいてなかったのかよ。

 

 そこには、さっきいた広場よりも広い、倍以上の天井の高い異様な空間に出た。

 それよりも不思議なのが、この空間自体が明るいことだ。壁に近づけば直ぐに分かったが壁に付着している苔が発光しているので、多分そのおかげだろうご都合主義)。

 

 …やっぱりな。ほら穴がそっくりだったから、もしかしたら中身も同じかもしれないと思っていたが…ここまで同じだと、逆に怖くなってきたな…。

 

「ねぇ…。こうちゃん、なに……ここ」

 

「さぁーな」

 

 あまりの大きさに出久か呆けながら俺に聞いてくるが、俺は適当に返す。俺だって知らないのだ。前世も此処を偶然、見つけて隠れ家にしただけなのだから。

 勝己は大分、間抜けな顔をしたまま空間の中央に歩いて行く。出久もそれに倣っていた。俺は二人と離れ壁に近づき、万象儀を腕に纏いながら壁を叩き強度を確認する。

 

 …ふむ、弱くなった万象儀で叩いてもこれなら大丈夫そうだな。でも念のために補強しておくか。

 二人の方に振り向くと、二人して中央で大の字になって寝ている。

 …さっきまで喧嘩してなかったか?あいつら…。

 

 二人の側まで歩いてゆくと呆けたままの様子の勝己が声を掛けてくる。

 

「………おい、こうう」

 

「なんだ?」

 

「ここいいな、きにいった」

 

 そんな事を呟く勝己を微笑ましく思った。

 

「そうだな、出久はどうだ?」

 

「ぼくもきにいった。…すごいねここ」

 

 どうやら出久も満足らしい。此処を拠点にすると言うと二人とも頷き勝己が続けた。

 

「おまえら、ここにはしんらいできるやつしかつれてくるなよ」

 

「うん」

 

「おう」

 

 出久はなんでと言うと思ったのだが二人共、ちゃんと分かっているらしい。

 信頼できない奴を連れてくると組織の和に亀裂が生じる。

 亀裂が大きくなると、いつしか崩壊するなんてこともあるからな……偉人の杜の様に。

 あの時の戦いで、偉人格を信じすぎたんだ。だから、スパイであるカエサルの存在を直前まで気付けなかった。

 いや、もしかしたらノイマンは気付いていたかもな…。

「さて…お前ら起きてくれ、これからのことを決めよう」

 

 俺の声に、二人がむくりと起き上がり、座りながら此方に体を向けてくる。俺も胡座をかいて、二人の前に座る。

 

「まず、手短な目標を決めよう…確かこの街を平和な街にするだったか?」

 

「うん」

「おう」

 

「その為にはどうする?」

 

 俺が質問してみれば、出久が綺麗に手を挙げたので、ビシッと指をさした。

 

「このまえもいったけどゴミをひろおうよ」

 

「ああ、あれか!だが拾ったゴミはどうする?」

 

「それは………」

 

 

 

「…じつは、おれんちのババァにこのはなししたら…ババァのともだちがきょうりょくしてくれるらしい」

 

「ナイスだ勝己!これでゴミはいいな…じゃあ、次は困っている人を助けるだ」

 

「そこはいまのぼくたちができることをやろうよ。どうしてもだめだったらならまわりのひとたちにてつだってもらおう」

 

「いいぞ出久それで行こう。じゃあ最後、体を鍛えるこれは俺に任してくれないか、実際この中で一番喧嘩が強いのは俺だ」

 

「いいよ」

 

 出久はすぐに返してくれたが、前にボコボコにのされた勝己はどうだ…。

 

「……………わかった」

 

 勝己は何か決めた様な顔をし続けた。

 

「あのとき…いまのおれじゃあ、おまえにはかてない…。だから、おまえからまなんで……おまえをたおす」

 

 あの時とはきっと出会った時の喧嘩だろう……。頼もしいことを言ってくれるな、このガキんちょは。

 

「こうちゃん、かっちゃん、ぼくからもひとついわせて……。ぼくはこのなかでいちばん、よわい。……だけどいつか、ふたりにかってみせるよ。いつかぜったい……!」

 

 なんだよこいつら…本当に3歳か?

 もうヒーローの心が出来始めてやがる。

 本物だな…やっぱり本物だった。

 

 ……あの時見た”未来”は必ず為されるような気がした。

 …いや、まだだ。それ以上だ…それ以上のこいつらを見たくなった。

 

「ははは、言われたな……おいお前ら……俺は負けないよ絶対にな」

 

「「かつ……ぜったい!」」

 

 静かに、それでいて熱を感じさせる俺の意地を、二人は決意を胸に秘めながら返事をしてくれた。

 

 俺はにんまり笑って、二人の背後に素早く回り込んで、強く二人の背を叩いた。背中を叩かれた二人は衝撃で前のめりになったけどすぐに振り返ってきた。因みに出久は涙目だった。

 

「いってーなー!なにすんだよ!」

 

「いたいよ、こうちゃん!」

 

 俺は文句を言う二人の肩を組んで再び笑った。

 

「よろしくな!!お前ら!!!」

 

 二人は顔を見あわせた後。あの時の様に笑い。

 

「「おう!!!」」

 

 いい返事だよ全く。……………そうだいい事思い付いた。

 

「なぁ、チーム名決めようぜ」

 

「ばくごーヒーロー事務所!!」

 

「ないな」

 

「やだ」

 

「なんでだよ!!」

 

 即答というか条件反射に近い感じで答えた勝己に、俺と出久に呆気なく却下を食らう。勝己は怒り出し、俺と出久も何か出せと怒鳴ってくる。先に手を挙げたのは出久だった。

 

「じゃあピースサインっていうのはどう…かな……」

 

 最後の方はとてつもなく小声だったが、俺たちにはちゃんと聞こえた。

 

「「……いいなそれ!!」」

 

「平和の証を英語にしたのか…洒落てる!」

 

「デクのくせに、カッコいいなまえつけやがって!!」

 

 俺たち二人に大絶賛された出久はとても照れ臭そうな笑顔でありがとうと言った。

 

 その後は、何をいつやるか決めた後。

 他愛のない話をして元来た道を歩いて家時に帰った。その時に出久が蝙蝠を見つけてしまったことで、パニックになった出久に驚いた蝙蝠が、飛び回り始め。更にパニックになった。

 泣き叫びながら走って逃げる出久と、声こそ出さないが涙目になって走り出す勝己たちを、俺は笑いながら追いかけた。

 ほら穴を出た後にヘトヘトになった二人に、蝙蝠のことを知っていたとバラすと、二人とも面白いぐらいに泣きながら抗議し始め、怒られる羽目になった。

 

 しかし、二人の反応があまりに面白かったので、帰った後に爆豪宅でお茶していた母さん達に今日のことを話すと、とても笑っていた。

 ピースサインのことを話すと、なんと既に母さんは爆豪母経由で知っていたのだった。

 了承はしてくれたが、やる時は三人の親全員に了承を得ることと、母さんらの決めた約束を守ることを条件に俺たちは行動を許された。

 

 明日からピースサインとしての仕事が始まることを、改めて再認識した二人は夜になっても、なかなか眠れなかったらしい。

 

 

 

〜1年後〜

 

 俺たちは4歳になり周りの同級生達にも次々と個性が発現し始めた。

 そして今日、ついに勝己にも個性が発現した。

 

 昼ごろ、おやつを食べた終えた俺たちは、他のやつらと鬼ごっこしていたのだが、勝己が他のやつにタッチしようとしたその瞬間。

 勝己の掌が“爆ぜた”。文字通り勝己の手のひらから爆発が起きたのだ。

 幸い、怪我人は出なかったけど、こんなことが起こったので鬼ごっこ中止となり勝己は病院へ行って検査をするために帰っていった。

 

 嬉しそうに燥ぐ勝己を見送った俺と出久は、勝己の個性の考察を始めていた。

 

「かっちゃんの手のひらがばくはつしたから、きっとお父さんの個性だと思うんだよね」

 

「ああ、でも勝己のお父さんは手を擦らなきゃ爆発しない。でも勝己は何もせずに爆発した」

 

「と言うことは自分で考えて、ばくはつさせるか、勝手にばくはつすかの二つだね」

 

「今わかるのはこのくらいか…結果は明日勝己から聞こう」

 

「うん……そうだね」

 

 返事をした出久の表情は明らかに沈んでいて、どこか影をおとしていた。

 

「……出久…お前、なんか焦ってないか」

 

「へっ……いやそんなわけないじゃん、あせる理由なんて…「本当か?」っ…!………うん…本当は焦っている。これで同級生に個性がないのは僕だけだから……どうしよう…。僕に個性がなかったらって、いつもそんな事ばかり考えちゃう」

 

 出久の両親の個性は、物を引きつける個性。火を吹く個性。どちらとも、今の出久には発現の兆しすらなかった。

 出久は今にも泣きそうになっている。確かに俺たちの中で個性が発現していないのは、出久だけだ。みんなは持ってるのに自分だけ持っていないと言うのは、5歳近くの子供には堪らないものだろう。

 

 

 個性が無ければヒーローになれない、これが世間一般の共通認識だ。出久も例に漏れず、こう思ってしまっている。

 出久はオールマイトのようなカッコいいヒーローに憧れた。ピースサインとして一番、頑張ってきたのも出久だ。

 それを個性がないからと、今までの行いが無為に帰ってしまうと考えたら、怖くて仕方のないことなのだろう。

 

 …だけど、俺はそうは思わなかった。

 

「……なぁ出久。ヒーローになるために個性ってそんなに必要か?」

 

「へっ?……ひつようだと思う…」

 

 俺の言葉に泣きべそをかきそうになった出久はぱっと顔を上げる。

 

「なんでだ?」

 

「それは……ヒーローは皆んな持っているから…」

 

 自分でそう答えたのに、勝手に絶望したような顔を浮かべる出久に俺は断言した。

 

「そうだな……確かにヒーローは皆んな個性を持っている…だか個性が無くたってヒーローにはなれる!

 

「……本当に?」

 

「ああ!そうだな……例えば、頭が良くなる個性を持ったヒーローがいるとする」

 

「…うん」

 

「だけど頭が良くなるだけだ。角は出ないし、翼は生えない、オールマイトみたいに力が強くなる訳じゃない。ただの人間だ…だが…それがどうした!角がないなら角を作ればいい!飛べないのなら、飛ぶことのできるサポートアイテムを作ればいい……!個性が無いのなら個性の代わりになる物を自分で作っちまえばいいじゃねぇーか!!」

 

 なんだか悩んでいる顔をしている出久にカマかけてみて正解だった。

「そうか……………そうだね!こうちゃんの言う通りだ!」

 

「そうだ!というかお前まだ個性が無いとは決まってないよな?何無いこと前提で話してんだよ。情けねぇこと言ってると、今日のメニュー倍にするか?」

 

「えっ〜!かんべんしてよー!!」

 

「あ、弱音吐いたから追加な」

 

「あーっ!ごめん!こうちゃん許して!」

 

「ちっ、仕方ねぇな」

 

「あっ!ありがとう〜〜!」

 

 俺は冗談で言ったつもりだったが、出久は本気で受け取ったのか泣きながら謝ってきた、そんなにきついか?俺の考えたメニュー…。

 

 その後はしれっとメニューを追加した俺に出久は泣きながら抗議するが、これ以上、言えばさらに追加すると脅した。

 その後、泣き叫びながら筋トレを始める出久を見て、周りからは項羽は鬼畜という噂が立った。

 出久以外の同級生達からさけられらようになった。

 勝己からは何してんだお前、みたいな目で見られた。

 解せない。

 

 

=====

 

 

 ある日、俺と勝己は、いつものほら穴の中に出久に呼び出された。

 しかし、呼び出した本人である出久が予定の時間になっても現れず、勝己は怒り始めた。

 俺も流石に心配になって事故にあったのではないかと思い始めた。

 

 そして、とうとう勝己がもう待てないとズカズカ歩き始めたところで出久が現れた。

 

「おい!デク俺を待たせるのはどういことだ!なめてんのか!!」

 

 憤慨する勝己に出久は、顔をうつむかせたまま何も言わない。

 

「ッ!!無視すんな!」

 

 出久に無視され怒った勝己は出久の肩を掴み無理やり顔を上げさせる。

 

 …顔の上げた出久の顔を見て俺と勝己は絶句した。

 何時間も泣いたのであろう赤く腫れ上がった瞼と、今にも泣き出しそうな赤く充血し潤んだ目、口は泣き叫ぶのを我慢するかのように固く閉ざされプルプルと震えていた。

 出久は泣き虫だからこういうのは何回か目にしていた。しかし、今回のはいつも以上に酷かった。

 あまりの変わりように、俺たちが言葉を詰まらせていると、先に出久が震えた声でポツリポツリと話し出した。

 

 ……昨日、母親と病院へ行き検査したこと。

 

 ……その時、医師から足の小指の関節が二個あることを言われたこと。

 

 ……“無個性”と診断されたこと。

 

 ……その日、一晩中泣き続けたこと。

 

 一通り話してくれた出久は黙って聞いていた俺と勝己に、今にも泣き出しそうに、縋るような声で聞いてきた。

 

「僕は……なれる…かな……?どんなに困っている人でも……笑顔で助けちゃう……超かっこいいヒーローに……なれるかな?」

 

「なれる」

 

 断言したのは勝己だった。

 予想外なことに目を見開いて出久と驚いていたが、勝己はらしく無いくらいに優しく、そして、いつものように尊大な口調で続けた。

 

「いいかデク、実は俺はお前のことをすげぇやつと思っている」

 

 今までバカにされ続けられた奴からすごいやつと言われ出久はびっくりして、狼狽えるように胸を抑えた。

 

「お前、いつも休日は商店街に居るだろう。実は一回だけ、お前をつけた事があるんだ。そしたら、お前は困っている人や怪我している人を見つけたら誰よりも早く助けに行ってたよな。例え、それが老人やゴロツキでも、笑いかけながら声を掛に行くお前を見て、俺は何だが負けた気がした。その日はくやしくて走って逃げたんだ。なんだか体がムカムカして俺を殴りそうになった。その日から俺は体を強くしようとしてきたんだ。

 お前が、どんなに困っている人を助けるヒーローになるなら、俺はどんな敵でも倒してやるヒーローになるって決めたんだ!」

 

 恥ずかしいのか、すごい顔を赤らめながら勝己は自分の思っていたことを話し出し、そんな勝己を見た出久は今にも泣き叫びそうに胸を押さえつけて我慢していた。

 

「この俺を負けた気にさせたお前が個性が無いからヒーローになれないだぁ…ふざけんじゃねぇよ!!

……個性が無いからバカにしてくる奴は俺と項羽でボコボコにしてやる!だから、いいかデク。誰が、オールマイトだろうと、なんと言おうとも…!お前は………ヒーローになれる!!」

 

 そう力強く断言した勝己の言葉で出久はとうとう泣きだしてしまった…。胸を抑えて蹲りながら泣き叫ぶ出久の背中は、どこか喜んでるようにも見えた。

 

 泣いている出久を勝己は鳴き止むまで静かに見守っていた。俺は、そんな勝己の頭をよく言ったとガシガシと撫でてやった。すぐに爆破してきたけど。

 やがて落ち着いてきたのか、嗚咽を漏らしながらも此方に顔を見せる出久の顔は表情だけでも感謝していると分かったが、俺からもいう事がある。

 

「出久。勝己の言う通りだ。お前はヒーローになれるよ、それも最高のな。俺が保証してやるんだ間違いない。前にも言ったが…個性が無くてもお前が諦めない限り、俺はお前を強くしてやる。何回でも言うけど、出久、お前は…ヒーローになれる!!」

 

 俺が言い終わるとまた出久が泣き出してしまった。

 

 




プロローグは次回で終わりです。
ヒロインをそろそろ出したいと思いますがどう出していこうか考えています。お楽しみに!
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