共生の物語 ~屍人と響界種と守護竜と~   作:フォルカー・シュッツェン

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今回短いです
たまにはこういうのもいいよね


第十二話 御使いと御子

天使の娘を店に連れ帰り、取り敢えず使われてない客室に寝かせておいた

私達は一階であの娘が目覚めるのを待ったがその兆しがないのでグラッド、ミント、ポムニットは各々の仕事へと戻っていった

暫くしてリシェルとルシアンが帰っても目を覚ますことはない

流石に心配になってきたが霊界の召喚術に知識のある者が身近にいないため何も出来ない

明日まで待っても起きないなら少し考えなければならないなと思っていると上の階から慌ただしい音がした

位置的にあの天使だろう

やっと起きたことにホッとしながら部屋へと向かう

因みにフェアは今入浴中なので軽く声をかけてから私一人で向かった

扉に手をかけて開ける

そこには落ち着きのない様子で部屋を見回している天使がいた

こちらの存在に気付いたので声をかけようとすると

 

「それ以上近づかないで!大方監禁したつもりなのでしようけれど甘すぎるわ。こんな結界も何もない部屋に閉じ込めるなんて随分と見下げてくれるじゃない?」

 

「…まぁそういう反応になっても仕方ないですよね」

 

一気に捲し立てて来た

大量のロボットに襲われ気を失い、目覚めると見知らぬ部屋に寝かされているのだから混乱もするだろう

好戦的な笑みを浮かべているがこれも恐怖を隠して自分を奮い立たせるためのものかもしれない

一先ず落ち着かせることが最重要だ

 

「落ち着いて下さい、私達は貴女をどうこうするつもりはありませんから」

 

「浅はかすぎる嘘をつくのね。そんなのに騙されると思っていて?」

 

「現状を見れば貴女を監禁していたわけじゃないのは分かりますよね?多少話は伺いますが、それが済んだらご自由にして下さって構いません。とにかく私達は敵ではないので警戒を解いて下さい」

 

両手を上げて敵意がないことをアピールする

いつも以上に穏やかに話すよう気を付けてもいるのだが、あまり効果がないようだ

天使は敵意を納めることなく顔を険しくさせていく

 

「私を懐柔するおつもり?お生憎様、そんな手には引っかかりませんわ。不肖リビエル、端くれとは言え御使いに名を連ねる者…敵の手に落ちるくらいならこの命諸共!」

 

そう言って召喚術を放とうとする

名前はリビエルで役職(?)は御使いというらしい

私を敵だと思っているのならそんな簡単に情報を渡しちゃいけないだろうに…なんて考えている場合ではない

湧き上がる魔力からそれなりの威力のものを撃とうとしている事が分かる

私はこれを受けても死ぬことはないが、フェアの店が損壊するのはいただけない

私がこの身で全て受けて店へのダメージを無くす…いや、広範囲に及んだ場合それでは護れない

ならばリビエルの詠唱を中断させて召喚術の発動を止めるか

上手くやれればそれでいいが、失敗すると召喚術の暴走を招きかねない

どうすれば良い…どうすればこの店を護ることが……なんてことを考えていたら急に竜の子が部屋に入ってきた

 

「ピィッ♪」

 

「え?そ、そんな…貴方様は……」

 

リビエルは顔を驚愕に染め、わなわなと震えている

そのお陰か召喚術は途中で消えてくれた

助かったが、これはどういう状況だ

おそらくは竜の子がリビエルにとって重要な存在なのだろうと思うが…

するとリビエルが泣きながら叫んだ

 

「ご無事でいらしたのですね、みこさまぁぁぁ!!」

 

…御子様?

となると竜の子は国の皇太子のような存在である可能性がある

ここで竜の子の関係者に出会えたのは運が良い、しっかりと話を聞く必要があるだろう

私はリビエルが落ち着くのを待つことにした

 

因みに入浴を終えたフェアがこちらに来た時、現状を見て「泣かせたの?アウルさん…」とジト目で言ってきた

慌てて弁解すると「うそうそ、冗談だよ!」ととても良い笑顔で言われた

どうやらからかわれたようだ、まったくこのお茶目さんめ

 

 

 

落ち着いたリビエルをフェアが一階に連れていこうとしたが、あんなことがあって疲れただろうしもう夜も更けて来ている

また明日皆が揃ってから話を聞いた方が良いだろうということになり、軽い自己紹介の後にご飯を食べて寝ることにした

 

余談だが、疲れてる時には糖分を摂るのが良いと私が言ったらフェアがデザートとして作り置きのプリンを持って来てくれた

それを見たリビエルの顔の輝きようは尋常ではなかったし、一口食べた時の幸せそうな顔は見ていて飽きなかった

余程甘い物が好きなのだろう

…好き過ぎるかもしれないが

 

リィンバウムや各キャラの紹介をするコーナーというか話を設けた方が良いですか?

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