共生の物語 ~屍人と響界種と守護竜と~ 作:フォルカー・シュッツェン
どこまでやれるか分かりませんが完結はさせます絶対です('ω')
第一話 プロローグ
「ん…?」
微かに差し込む朝日に意識が覚醒していくのを感じる
真っ白いシーツの敷かれたベッドから身を起こすと軽く伸びをする
カーテンを開け、たっぷりと朝日を浴びることで完全に目を覚ました
朝の支度をするため私は部屋を出て階段を降り、洗面所で顔を洗いに行く
着替えるため部屋へ戻ろうと洗面所を出ると、一人の少女と鉢合わせた
「おはよう、アウルさん。相変わらず朝早いね」
「おはようございます。貴女も早いではないですか」
「私はまぁ…慣れっこだからね」
少し憂いを帯びた顔をしながら少女はそう言った
彼女の名前はフェア
忘れじの面影亭という宿屋兼食事処を一人で切り盛りしている15歳の少女だ
私は現在この宿屋で厄介になっている
「私は着替えてきますね」
「うん、終わったら玄関に来てね。待ってるから」
「ええ、なるべく急ぎます」
私は自分に宛がわれた部屋へと戻りながら今の境遇について考える
今私がいるのは地球でもなければオラクルにある惑星のどれでもない
ここはリィンバウムという世界で、地球やオラクルとはまた別の宇宙であるようだ
なぜ私がこんなところにいるのか、それはアークスとして従事したとある作戦中に起きた事故による
火継の持つ具現武装「天叢雲」の能力を分析し、深遠なる闇を完全に消し去る算段のついたアークスは二人の守護輝士と私の三人で作戦を決行した
守護輝士の二人がフォトンを扱い深遠なる闇からDF【仮面】を切り離し救う
その前後で守護輝士に降りかかる火の粉を払い、切り離された深遠なる闇を二人と協力して消し去るのが私の役目だ
作戦は順調に進み、消耗した深遠なる闇から【仮面】を切り離そうと守護輝士の二人がフォトンを送り込んでいる最中に予想外のことが起こった
二人が送り込んでいるフォトンが強力な力により弾かれ、深遠なる闇が時空干渉を行い空間ごとどこかへ転移しようとしたのだ
その際深遠なる闇が守護輝士のマトイに襲い掛かったのを同じく守護輝士のミシャーが助けるが、その代わりに深遠なる闇に捕まってしまった
そして私がミシャーを助けようと跳躍し、彼女を捕まえた腕に攻撃をしようとした瞬間に空間転移が発動
私と、そしておそらくミシャーはその転移に巻き込まれて何処かへ飛ばされてしまった
私はここリィンバウムに飛ばされたが、どうやらミシャーはまた違う場所へと飛ばされたのか近くにはいなかった
リィンバウムへとたどり着いた私は中空に投げ出されており、そのまま落下して受け身も取れずに地面に激突してしまった
強引な転移による影響なのか平衡感覚が失われ、身体を自由に動かすことがままならなかったせいだ
流石に気を失ってしまった私は近くにあった宿屋、忘れじの面影亭の店長であるフェアによって発見されて保護された
そしてフェアと、その幼馴染のリシェルとルシアンという姉弟に事情を説明したところ召喚事故だろうと言われた
リィンバウムでは隣接する四つの異世界から異形の者を召喚し、使役する術が広く流布されている
しかし私はその四つの異世界の何処にも属さない「名もなき世界」と呼ばれる場所から召喚されたというのだ
名もなき世界は研究が進んでおらず、ほとんど何も分かっていないせいで事故によって召喚された者は元の世界へ還ることが出来ないようだ
つまり私は元の世界へ還れず、ここリィンバウムで生きる他はないとのこと
それでも私は諦めなかった
諦められるはずがなかった
せっかく妹と再会も出来てこれからも地球を守っていこうという矢先にこんなことがあったのだ
何が何でも還るつもりでいる
部屋へと戻り着替えた私はフェアの待つ玄関へと向かった
「お待たせしました」
「全然待ってないよ~、じゃあいこっか」
そうして私達は出発した
しようとした、のだが
「おーいっ!おっきろーー!!」
外からやかましい声が聞こえてきた
私達がまだ部屋にいると思っての大声なのか、玄関にいる私達には耳が痛いほどうるさい
「起きろ起きろーっ!フェア!アウル!朝だぞぉーーーー!!」
この大声はフェアの幼馴染のリシェルのものだ
とすれば弟のルシアンもいるだろう
二人はこの忘れじの面影亭のある町、トレイユで一番の名家であり実質的な取締役である召喚士ブロンクス家の姉弟だ
ルシアンが宥めようとしているが大して効果はなく、リシェルはさらに騒ぎ立てようとする
このまま放っておくわけにもいかないので私達は玄関を出た
「あら、二人とも起きてたんなら返事しなさいよね」
「あんまりにもうるさいからげんなりして返事する気にもならなかったのよ…」
「おはようございます、アウルさん。朝から姉さんがすいません」
「おはようございます。貴方の責任ではありませんし、気にしなくていいですよ」
私達はそれぞれ思い思いに挨拶をした
「さ、せっかく早くに起きたんだからさっさと仕入れに行っちゃいましょ」
「そうね、そうしましょうか」
フェアの言葉を切っ掛けに私達は出発した
私達がこんなにも朝早く家を出るのはとある家に野菜をもらいにいく為だ
ブロンクスの二人は子供ながら働くフェアを手伝う為に家を抜け出してまで来ているようだ
…まぁその後に出されるフェアの朝ご飯を食べることも目的なのだろうが
私はフェアの家に居候している以上何もしないわけにもいかず、こうして手伝っている
話に花を咲かせながら私達は目的に向けて歩いてく
そうしながらも私は頭の中では元の世界に戻る方法を模索している
彼女達とのんびり過ごすのも悪くはないのだがやはり私にはやるべきこともあるし戻りたい
そんなことを考えながら歩いている私はこの後とんでもない事件に巻き込まれることになるとは露とも知らなかったのである
リィンバウムや各キャラの紹介をするコーナーというか話を設けた方が良いですか?
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要らない