Parallel Worid of ZI-O -仮面ライダーピリオド-   作:楓/雪那

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強者ならヘルヘイムの森で5年間サバイバルくらい余裕。
強者の中の人なら一週間足らずで全身複雑骨折。


衝撃!主君が二人!?/2013

「ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

 

2013年、一人の男が吠えていた。

彼の名はアスラ。沢芽市で活動するダンスユニット・チームバロンのメンバー『だった』。

チームリーダーの座を狙って他のメンバーを懐柔しようとした結果、リーダーである駆紋戒斗と副リーダーのザックにバレて追放されたのだ。

 

自身のプライドを傷つけられた彼の前に一人の男-アトラ-が現れる。

 

「随分な様子だなぁ、お前。」

 

アスラは自分のことを鼻で笑う男を睨むが、その男は特段気にせず懐からあるものを取り出す。

 

「これには凄まじい力がある。お前を追放した駆紋戒斗たちを始末できるほどにな。ただ今までのより扱いは難しいが…使うか?」

「何でもいい!そいつを俺にくれ!」

 

アトラの忠告など耳に入らない。ただ駆紋戒斗を消せるなら。

もっともアトラはこいつが望もうが望むまいがやることは変わらなかった。

 

「それじゃあ」

『黒影ェ…』

 

アナザーウォッチをアスラの身体に埋め込む。

その力が解放され、アスラの身体は真っ黒な足柄の落ち武者のような姿、槍を持ったアナザー黒影になる。

 

自分の変化に困惑するもアスラは歓喜した。

しかしすぐに異変が生じる。アナザー黒影の身体に再び黒いオーラが発生し、胸部からツタ植物が生え始めて全身を覆い、

 

『鎧武ゥ…』

 

やがて全身のツタが黒澄んだ橙色の液体と共に弾けとんだ。

その姿はアナザー黒影のものよりランクが上がった、しかしそれでもやはり落ち武者の印象を与える姿、槍も刀に変わった、アナザー鎧武になる。

 

アナザー黒影からアナザー鎧武への変化を見て、アトラはほくそえむ。

 

「いいね、予想以上に早い成長じゃないか。」

 

 


 

 

 

「さぁ!さっさと正体を現しなさい!このワーム!」

「だから何痛い痛い痛い!!」

 

2018年、クジゴジ堂内では混乱が起きていた。

 

時計の修理を依頼しに来たエミはここに来る前にソウゴと出くわした。

彼はクジゴジ堂から出て行ったゲイツを探しているところで、「見かけたら連絡する。」とだけ伝えた。

しかしクジゴジ堂に着くと先程会ったはずのソウゴがツクヨミといる。

しかもツクヨミもソウゴがゲイツを探しに行くといったのに、すぐに戻って来てアナザーライダーの情報を掴んだとか言う。

 

故にエミは目の前のソウゴをソウゴに擬態した怪人、きっとワームだと疑い頬を引っ張っていた。

 

「あくまでも違うというなら、証拠は?」

「証拠もなにも俺はソウゴだし…」

「ちっ、話にならないわね。このまま殺すか。」

 

デルタフォンを向けたエミにソウゴは焦り、必死に弁明する。

 

「ちょちょちょ待ってエミさん、本当に違うから!」

「証拠もない、服装も違う、これでよく騙せると思ったわね。」

「とりあえず待って!まずはアナザーライダーの方!」

「はっ!それこそ私たちを罠にはめる魂胆でしょ?」

「だーかーら!」

「違うならそのアナザーライダーの名前、関係者を言ってみなさい。」

「えぇ…、名前はアナザー鎧武、契約者はアスラって人で有名なダンスチーム・チームバロンの現リーダー、襲う相手もチームバロンのメンバー。今度チームバロンのイベントがあってそのリハーサル会場にきっと現れるはず。」

「…ここまではっきり言うと、余計怪しいね。」

 

もっともアナザーライダーの情報が今の今まで全く入ってこなかった以上、行ってみる価値はある。

 

「怪しい素振りを見せたら殺すから。」

「違うって言ってるのに…」

 

 

 


 

 

 

ソウゴの予言通り、現場にはアナザー鎧武がいた。

エミ達が到着して最初に見たのは、アナザー鎧武がジッパーのように空間を開いてゲイツを放り込む光景だった。

 

「あのアナザーライダー、クラックを開けるのね…」

「クラック?」

「鎧武の時代の怪物、インベスが生息する別次元とこの世界を繋ぐゲートよ。」

 

ツクヨミの質問にエミが答える。

エミは変身しようとするが何故かソウゴは何もせず、アナザー鎧武も再びクラックを開き、ヘルヘイムの森に消えて行った。

 

その後もソウゴの不審な行動は続いた。

何故か次にすべきことを知り、何故か鎧武のライドウォッチを所持している。怪我人を病院に連れて行くと言って二人の疑念の眼から逃げたソウゴ。

しかしエミとツクヨミがクジゴジ堂に帰ってくるとすでにソウゴがいた。

エミがクジゴジ堂の外で会ったときの服装のソウゴは、やはりアナザー鎧武のこともゲイツのことも知らず、もう一度探してくると言って出て行った。

と思ったらすぐに二人目のソウゴが戻ってきて、次の出没場所を言ってきた。

二人が言及しようとしてもソウゴは何も応えずにまた出て行き、再び別のソウゴが入ってくる。

 

疑惑が限界まで高まった二人は今来たソウゴを拘束し、先のソウゴが言ったライブステージに連行していった。

何が狙いか分からなくても、もう一人のソウゴもきっと来る。

そこでどちらが本物か確かめればいい。

 

アナザー鎧武のことが全く分かってないソウゴも二人に強制され、会場の最前列に行きジオウに変身する。

ジオウを敵と認識したアスラもまたアナザー鎧武へ変身する。

しかしそれだけではない。

アスラの背後に控えていた二人のチームメンバーがアナザー黒影に変身したのだ。

ヒーローと怪人の出現、観客達も残りのダンサー達も蜘蛛の子を散らすようにステージから逃げる流れに逆らって、エミも変身する。

 

「手下二人は私がやる!ソウゴ君はアナザー鎧武を!」

「わかった!」

 

アナザー鎧武の刀をジオウはジカンギレードで受け止める。

しかしステージ上から攻撃を仕掛けてきたアナザー鎧武の刀には同じ高さでの攻撃より重く、ジオウは押され気味となる。

さらに隙だらけの横からアナザー黒影達が槍を突き出す。

ピリオドは右側のアナザー黒影をボウガンモードで手元を撃ち、素早くジカンサーベルをツインセイバーモードに変えてもう一人のアナザー黒影を右へと薙ぐ。

二体をジオウ達から引き離すように戦うピリオド。

彼女は戦闘中にアナザー黒影達の力量を図る。

 

(元となった黒影がそこまで強くないからね…あまり手はかからない…というより二体いるってことは黒影トルーパーの方が正しいのかしら?もっといたりしないわよね、これ?)

『仮にいたとしたらアナザー鎧武を倒さない限り増殖は止まらないんじゃないか?』

(やっぱそうだよねぇ…)

 

脳内で数の多さを想定してため息をつきながらもアナザー黒影達を軽くあしらい、ジカンサーベルにウォッチを装填する。

 

『FINISH TIME!KUROKAGE!スワスワリッパー!』

 

ジカンサーベルの剣先に黒いエネルギーが収束し、ピリオドはそれを片方のアナザー黒影に投擲する。

投擲されたツインセイバーはアナザー黒影には命中せず、彼の足元に突き刺さる。

だが直接的な命中がピリオドの狙いではない。

ツインセイバーはアナザー黒影の影をその場に縫い付けていた。

身動きができないアナザー黒影に接近してパンチのラッシュを喰らわせ、最後にツインセイバーを引き抜いて下から斬りあげる。

 

一切の抵抗ができなかったアナザー黒影は爆散、元の姿に戻る。

そちらには目もくれず、ピリオドは残った一体と向き合い武器を構え直す。

しかしここでアナザー黒影に異変が起きる。

アナザー黒影の胸からツタ植物が生えてきたのだ。

 

「ヘルヘイムの植物…!?」

 

ツタはアナザー黒影の全身を覆う。と思ったら黒澄んだ黄色い液体とともに弾け飛ぶ。

アナザー黒影の姿は大きく変貌していた。

和風な足柄から西洋の騎士のような姿、頭部は兜から鉄仮面のように、全身も黒の割合は多いが一部は先程の液体と同じくどす黒い黄色。

武器は同じく槍だが、アナザー黒影は薙刀のようなものであり、目の前のアナザーライダーのはランスというのが正しいだろう。

変わらないのは仮面の下から見えるクラッシャーとベルトのようなものくらい。

その姿からピリオドはあるライダーを思い出す。

 

「バロン…!アナザーライダーが進化したっていうの!?」

 

新たなアナザーライダー・アナザーバロンはそのランスをピリオドに向けて突進してくる。

ピリオドはそれをツインセイバーで払い上げるように防ぐが、アナザーバロンは体勢を崩さずに右からランスを薙ぐ。

先程にはなかった動き、明らかな成長に驚愕したピリオドはその攻撃に突き飛ばされる。

すかさずランスを心臓目掛けて突き刺すアナザーバロン。

だがピリオドはツインセイバーを地に突き刺して軸とすることで体勢をずらし、攻撃を回避する。

 

(リーチが大きい…!武器の種類自体はアナザー黒影と変わらないけど、動きが多彩になった分だけ…けどバナナアームズな分だけまだマシね。マンゴーだったら採れる手は限られてたもの。)

 

ボ・ボ・ボウガン!

 

ジカンサーベルをツインセイバーからボウガンへと戻して、連射する。

胴体の方は装甲が厚くあまりいいダメージは入らないが、ピリオドもそれは予想済みである。

したがって手足の関節を狙って撃つ。

少しずつ確実にダメージを与えて、倒れ伏したところを攻め立てる。

かつアナザーバロンには遠距離攻撃がないだろうから、それがベストと思っての攻撃。

しかしその認識は甘かった。

何発か射撃を受けたアナザーバロンは、槍を地面に刺す。

その行動の意味を理解したピリオドは射撃を中断し横へ飛ぶ、と同時に先程までピリオドがいた場所から巨大なバナナ状のエネルギーが地面から突き出る。

アナザーバロンは槍を引き抜いて再び刺す。

あまりにも隙がない槍術にピリオドはいよいよ厄介だと感じる。

 

(地上戦は得策とは言えなさそうね…なら!)

PSYGA!

ARMOR TIME!Complete!PSYGA!

 

ピリオドは飛行ユニット・フライングアタッカーXを背負ったサイガアーマーを装着し、空へ飛ぶ。

バナナ状のエネルギーは人二人分の高さはあったが、それより高いところにいれば当たらない。

フライングアタッカーXの二門の機関銃から無数の弾丸が放たれる。

アナザーバロンはまた槍を地面へ刺す。

しかし今度は攻撃ではなく防御。

目の前にバナナ状のエネルギーを出現させて盾として扱う。

 

(うーん…一対一じゃあ難しいな。ワイズマンで二対一の構図にした方が良かったかな…ん?)

 

思案しながらも攻撃の手を緩めないピリオド。

しかし一方のアナザーバロンはその動きを止める。

またもや進化かと思いきや背後にクラックを開き、その中へ消えて行った。

 

「逃げた…アナザー鎧武が親玉のはずだから、ソウゴ君の方で何かあったの?」

 

 

 

 


 

 

 

 

ヘルヘイムの森

 

アナザー鎧武によってこの森に飛ばされたゲイツは出口を探して彷徨っていた。

そんな中、彼はチームバロンの元リーダーである駆紋戒斗と元副リーダーであったザックに出会う。

同じくアナザー鎧武によってこの森へ飛ばされた彼らは5年間も彷徨っており、また出口は無いことを告げる。

ジオウを倒すために一刻も早く森から抜け出そうと焦るゲイツに戒斗はその理由を問いかける。

ゲイツの答えは魔王を倒して運命を変えること。

それを戒斗は鼻で笑う。

 

「お前に迷いが見えるのは…気のせいか?」

 

その言葉に否定できないゲイツ。

彼がアナザーオーズの事件の後に、クジゴジ堂を去って行ったのもまさしくジオウを倒すことに迷いが生じたからであった。

黙り込むゲイツに戒斗とザックはあるものを取り出す。

 

「ライドウォッチ!」

「これは確かお前から渡されたんだったな。」

「欲しいなら、俺たち二人に勝ってみろ。何かを手に入れるには相応の力が必要だ。お前の力を俺たちに証明してみせろ!」

 

二人はウォッチをしまうかわりに、別のアイテムを取り出す。

戒斗が出したのは中心に小刀がついた黒いベルトとバナナのデザインがあしらわれている錠前。

ザックは戒斗と同じベルトとクルミのデザインがあしらわれている錠前。

二人はゲイツに見せつけるように錠前を押す。

ゲイツも二人が何をしようとしているのか理解して、ライドウォッチを回転させる。

 

GEIZ!

バナナ!

クルミ!

 

ゲイツの背後にはデジタル時計が、

対峙する戒斗の頭上には巨大なバナナが、

隣に立つザックの頭上には巨大なクルミが出現する。

異世界の森の中に時計の起動音とファンファーレ、エレキギターの音が鳴り響く。

 

「「「変身!」」」

 

その掛け声と共にゲイツはドライバーを回し、戒斗とザックはベルト・戦極ドライバーのカッティングブレードを下へ押す。

 

RIDER TIME!KAMEN RIDER GEIZ!

カモン!バナナアームズ!ナイト・オブ・スーピアー!

クルミアームズ!ミスターナックルマン!

 

ライダーゲイツの前に立つのは、ランスを片手に持ち頭部の仮面の側頭部と左右非対称の肩がバナナを思わせる赤と白のライダー・バロン。

そしてバロンよりゴツゴツした印象を持たせる、両腕にボディと同じオレンジ色のグローブを装着したライダー・ナックル。

 

異界に立った3人のライダーが己の力を証明するために戦い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

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