Parallel Worid of ZI-O -仮面ライダーピリオド-   作:楓/雪那

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アマプラでアマゾンズ一気見しちゃったマン


『私』のやりたいこと/2018

2018年

 

私が戻った時には既にダイマジーンは消えていた。

何か嫌な予感がしてクジゴジ堂に行ってみた。

 

 

「順一郎さん!ソウゴ君はいる!?」

 

「あ、エミちゃんいらっしゃい。ソウゴ君ならさっき帰ってきたけどなんか元気なくてね…王様になるのをやめるって言ってたんだ。あんなに王様になるって言ってたのにね…」

 

 

話が違う。

未来の私はソウゴ君がオーマジオウになるのは確定事象って言ってた。

それなのに今彼は自分でその道を絶とうとしている。

オーマジオウと未来であって何かあった?

ううん、その線しかありえない。

『ダイマジーンの起動』っていう出来事が起こるには、『オーマの日にソウゴ君がオーマジオウとして覚醒する』という条件が必要。

逆に言えばソウゴ君がそれを放棄すればダイマジーンも起動しなくなる。

今までやってきた歴史改変と同じことだ。

 

順一郎さんはソウゴ君は夕飯の買い出しに行ったと教えてくれた。

私はソウゴ君を探しに行く。

流石に本人の口から意志を聞かないと納得できない。

 

 

 


 

 

 

「ソウゴ君!」

 

「あれ、エミさん!」

 

 

ライドストライカーに乗って探していると、案外早く見つかった。

ていうか流石にそんな遠くのスーパーとか行かないか。

 

 

「え、どうしたの?そんな焦ったような顔して」

 

「どうしたのじゃないわよ。順一郎さんから聞いたよ、王様やめるって」

 

 

私の言葉にソウゴ君は押し黙ってしまう。

立ち話もあれだからソウゴ君を近くのベンチに座るよう促した。

 

 

未来の自分(オーマジオウ)にも会ったんだってね」

 

「…!どうして…?」

 

「なんで知ってるのかって?私もさっき言ったからね、2058年に」

 

「俺…信じられなかった。未来の俺があんなことするって…オーマジオウになるわけないって…」

 

「うん」

 

「俺が未来をめちゃくちゃにしないようにするには、ベルトを捨てればいいって言われたんだ」

 

「それで捨てたの?」

 

「うん…あ、でもベルトを捨てた理由はそれだけじゃないよ。この時代に戻ってきたとき、ゲイツが危なかったからさ」

 

「そっか」

 

「やっぱ…怒ってる?」

 

「あはは、なんで私が起こってるって思うの?」

 

「だってエミさんは未来では俺の家臣なんでしょ?それなのに勝手にやめたら…」

 

「その未来もなくなるから?うーん…そうね、確かに私がソウゴ君の家臣になる義務はなくなっちゃうね。でもさ私は『ソウゴ君の家臣』である前に『仮面ライダー』なんだ」

 

「どういうこと?」

 

「なんていえばいいのかな?私はオーマジオウから『オーマジオウの家臣』になるよう定められていたの。名家の子供が親の職を受け継いだり、政略結婚させられるようなものみたいにね。でも私は私の意志で『仮面ライダー』であろうと思ったの。ピリオドとしての力もオーマジオウが自分の為に私に授けたもの。だけど使い方は私が決めた。つまり何が言いたいのかっていうとね、ソウゴ君が王様になるのをやめたとしても、私はこれまで通り、これからも人類の自由を守るために戦う、それが私の『やりたいこと』。『決められた』んじゃなくて『決めた』こと」

 

「決められたんじゃなくて決めた…」

 

「ソウゴ君はさ、なんで王様になろうって思ったの?」

 

「俺は、昔からある夢をみてたんだ。あのダイマジーンとかいうロボットが街を壊して多くの人を殺してるのに、俺はなにもできなかった。そしたらある男が現れて言ったんだ、『お前には王となり、世界を救う資格がある』って。その夢を見てからずっと王様になるんだって思ってた」

 

「…つまりソウゴ君はその男に『決められて』王様になろうと思ってたわけだ。そしてやめ時は自分で『決めた』のね」

 

 

そこまで言うとソウゴ君の顔が曇る。

私の言い方だとソウゴ君は自分が流されたように感じたのかもしれない。

流されたせいでゲイツ君やツクヨミちゃん、さらにいえばタイムジャッカーたちも未来で苦しんだんだって思っているのかも。

でもこれはちゃんと言わないといけない。

 

 

「ソウゴ君、私は怒ってなければ責めてるわけでもないの。だって『決められた』ことに抗うのはとても難しいことだから。君だけじゃない、ゲイツ君やツクヨミちゃんもそうだし歴代の平成ライダーも同じ。だからね自分で『決める』の。抗うか、従うか。進むか、戻るか。立ち上がるか、諦めるか。私は仮面ライダーとして戦ってきて苦しい思いも痛い思いも何度も味わってきた。けど仮面ライダーとして戦ってきたことは一度も後悔はしてない。今のソウゴ君はどう?王様になるのをやめて後悔はしてない?」

 

「俺は…」

 

 

ソウゴ君が私の問いに答える前に、時間が止まった。

 

 

「余計な事を吹き込まないでくれる?そいつには王になるのを諦めてもらわないと」

 

 

その声が聞こえるとソウゴ君が殴り飛ばされる。

時を止めたのはタイムジャッカーのウール。

そしてソウゴ君を攻撃したのは()()()()()

 

 

「なんでオーマジオウの配下が…?」

「邪魔者は徹底的につぶしとけってスウォルツが言うからさ。さっさとやっちゃえ!」

「ソウゴ君!逃げなさい!変身!」

 

RIDER TIME!KAMEN RIDER PERIOD!

 

カッシーンの槍をジカンサーベル・ツインセイバーモードで受け止めつつソウゴ君に逃げるよう促す。

だがその逃げ道をアトラが塞ぐ。

 

 

「悪いな、常盤ソウゴ。死んでくれ。変身!」

 

『ガブリ!』

 

 

ダークキバに変身したアトラがソウゴ君の命を奪うために迫る。

私はカッシーンの腹に蹴りをいれてのけぞらせて、急いでソウゴ君とダークキバの間に割り込む。

 

 

ARMOR TIME! SIGMA!SIGMA!

 

 

割り込む前にライダーアーマーを装着する。

選んだのは白銀の死者、アマゾンシグマアーマー。

ダークキバのザンバットソードを左腕で防ぎ、身体をひねって右脚で回し蹴りを決める。

ダークキバは後退するがやはりダメージの入りは微妙な気がする。

 

 

「ははっ!生者が死者の力に守られてるのは滑稽だな!俺を何手で詰ませられるか教えてくれよ」

「あんたは…6手で詰ませる!」

「そうか、そうなるといいな。だが1対2のこの状況、カッシーン(あいつ)からも目を離さずにそれができるか?」

「いいや、2対2だ」

 

 

聞き覚えのある声とともにカッシーンに命中する矢。

放ったのは仮面ライダーゲイツ。

 

 

「ゲイツ!未来に帰ったはずじゃ…」

「お前がオーマジオウになるのを諦めたなら…お前を倒す必要はなくなった。それだけだ。」

 

 

ここ数日ゲイツ君はソウゴ君と戦うのを渋ってた節があった。

だから助けに来てくれたのね。

 

 

「ゲイツ君!そっちは任せたよ!」

 

 

返事を待たずにダークキバへと私は特攻する。

 

 

「はっ!随分安直な攻め方だな!」

 

 

紋章を飛ばすダークキバ。

それに捕まり私の身体は動かなくなる。

だがそれも一瞬だけのこと。

無理やり身体を動かしてダークキバへと飛び掛かり、左腕の刃で胸部装甲を切り裂く。

これはかなり効いたようで鎧越しに声が漏れたのを聞いた。

 

 

「なーるほど…シグマって痛覚遮断機能があったな」

「まずは一手…!」

 

 

紋章ハメが意味のないことを分かったダークキバはフエッスルを挿し込む。

それを私は見逃さずに一気に肉薄し、フエッスルを持つ右手を払いのける。

 

 

「何……!?」

「二手…!」

 

 

さらにその場で右手一本で逆立ちをして、顎めがけて左足で下から蹴り上げる。

 

 

「がっ…」

「三手…!」

 

 

ふらつきながらも後ろに下がるダークキバ。

その脇腹に右腕の刃で切りかかる。

 

 

「ぐああ!!」

「四手…!」

 

 

叫ぶダークキバ。

次の攻撃をしようとするが、ダークキバはさりげなくフエッスルを挿入していた。

 

 

KABUTO!

 

 

カブトフエッスルの力でクロックアップを発動するダークキバ。

超高速で四方から攻めてくるが、私はそれをすべてスレスレで躱す。

そして後ろから襲い掛かってきたダークキバの顔面に裏拳を叩き込む。

 

 

「五手…!チェックよ…!」

 

FINISH TIME! VIOLENT TIME IMPACT!

 

「らあぁぁ‼」

 

 

方向とともに放つ渾身の飛び蹴り。

だがそれは目の前に出現した巨大な手に阻まれる。

邪魔をしたのはウィザードの姿になっているディケイド。

 

 

「大分苦戦しているな。手を貸すか?」

「いーや、お前はあっちの方を手伝ってやれ。こいつには質より量みたいだからな」

 

 

顎でゲイツとカッシーンのほうに行くよう促し、怪人のカードをディエンドライバーに装填するアトラ。

私は身構える。

 

 

『カイジンライド キャンサー・ゾディアーツ スプリガン ガンマイザー・ファイアー』

FAIZ!

 

「アタシの甲羅とかけてあんたの負けと説く。その心は…どちらも真っ赤っかってな!」

「いけませんねぇ、実に不用心だ」

「対象を認識、測定不能。危険な存在として消去します」

 

突撃してくる三体の怪人。

私は迎え撃とうと走り出すが、ダークキバがファイズブラスターから射出したフォトンブラッドの弾丸を受けて動きを止めてしまう。

その隙にと怪人たちがラッシュを仕掛けてくる。

キャンサーの鋏、スプリガンの剣、ガンマイザーの火炎。

シグマアーマーはまだ解除されてない。

しかしそれは逆に不味い。

シグマアーマーの機能の一つである痛覚遮断によって痛みは感じないが、それは裏を返せば引き際がわからないということ。

しかも解除されたら今までの蓄積ダメージを一身に受けることになる。

この状況をどうにかしたいがアーマーチェンジすら出来ない。

キャンサー・ゾディアーツが鋏で私の首を掻っ切ろうとする。

その時キャンサーが何かに弾かれる。

 

 

「パーカーゴースト!?」

「エミさん!」

 

 

ゲイツ君かと思いきや助けてくれたのはまさかのソウゴ君だった。

ディケイドアーマーゴーストフォーム(長い)となっているジオウが私の横に立つ。

 

 

「ソウゴ君、決めたのね」

「うん。俺は最高最善の魔王になる。みんなを救いたいって決めたから!」

「いいのか?お前はその力を使い最低最悪の魔王になってあの未来をもたらしたんだぞ」

「俺はそんな王様にはならない。もし俺が最低最悪の魔王になったらゲイツが倒してくれるから」

 

 

そう、ゲイツ君はソウゴ君に賭けてみたいのね。

だったら私も人肌脱ごうかな!

 

 

「ソウゴ君、ゲイツ君と一緒にディケイドとカッシーンを任せていいかな?アーマーチェンジする余裕をくれた今ならあのくらいの数、一人でなんとかできるからさ」

「…分かった、任せる!」

 

 

そういって一度変身解除されたが再変身したっぽいゲイツ君とともに別の戦場に行くソウゴ君を見送る。

 

 

「1対4でそのセリフとは、舐められたものだな」

「そうかもね、でも残念ながら事実だからさ!」

 

『DARK DECADE!』

『ARMOR TIME!KAMEM RIDE!ワオ!ディケイディケイ!DARK DECADE!』

 

 

私の姿はジオウのディケイドアーマーと酷使した、しかし鏡写しのように左右が逆転している黒のボディに青の複眼のダークディケイドアーマーをまとう。

 

 

「ほう…それが未来で得た新たな力か」

「ええ、存分に味わわせてあげる!」

 

『ライドヘイセイバー!』

 

 

新たな武器、ライドヘイセイバーを握り怪人たちに斬撃をあびせる。

呼び出された三体の怪人は頑丈な体や強固な縦を持っているが、ライドヘイセイバーは確かなダメージを与えている。

 

 

『ヘイ!IXA!DUAL TIME IMPACT!』

 

 

ライドヘイセイバーの針を回転させてイクサのクレストの部分で止める。

すると刀身に赤いエネルギーが満たされ、大剣となる。

その場で剣をふるうと、三方から攻めてきた怪人たちを扇状に薙ぎ払う。

 

 

「へぇ、なかなかいいわね、これ。それじゃあ次はこれ!」

 

『FINAL FORM TIME!S・S・S・SPECTER!

 

 

ダークディケイドウォッチのもう一つのスロットにスペクターウォッチをセットすると、顔のパネルがディープスペクターへ変化する。

左肩には『SPECTER』、胸部から右肩にかけては『DEEP SPECTER』の文字に変わり、武器もライドヘイセイバーからディープスラッシャーに変わる。

 

 

「対象の危険度増加。消去します」

 

 

火炎弾を連射してくるガンマイザー・ファイアー。

私はそれらをディープスラッシャーで切り落として進撃する。

刀身がガンマイザーの胴体に届く距離まで近づく。

深淵の炎と頭のアンテナブレードから生み出されたプラズマでガンマイザーを一方的に追い詰める。

 

 

『FINISH TIME!FINAL ATTACK TIME IMPACT!』

 

 

ディープスラッシャーの刀身に紫炎をまとわせて、ガンマイザーを両断する。

私は気を緩めず次のウォッチをセットする。

 

 

『FINAL FORM TIME!BE・BE・BE・BEAST!

 

 

顔のパネルはビーストハイパー、左肩は『BEAST』、右肩から胸部の文字は『BEAST HYPER』になる。

武器もまたビーストハイパーの専用武器、ミラージュマグナムとなる。

愛用の盾『リドル』を前面にして突き進んでくるスプリガン。

攻防一体の突撃に対して私は両腕の紐『フリンジスリンガー』を操って盾を持つ左手を絡み取る。

絡み取られた左手を上に引っ張られたことで盾で隠れていたスプリガンの上半身が露になる。

そこめがけて私はミラージュマグナムから魔力の弾を放つ。

のけぞるスプリガンを横目にダークディケイドウォッチのボタンを押す。

 

 

『FINISH TIME!FINAL ATTACK TIME IMPACT!』

 

 

マグナムの銃口から巨大なライオンの顔の形をした魔力弾が射出され、スプリガンを跡形もなく飲み込んだ。

最後に三個目のウォッチをセット。

 

 

『FINAL FORM TIME!ME・ME・ME・METEOR!

 

 

顔のパネルはメテオストーム、左肩には『METEOR』、そして右肩から胸部の文字は『METEOR STORM』。

武器も三度目の変化をしてメテオストームシャフトとなる。

 

「私の運命は嵐を呼ぶよ!」

 

決め台詞をいいながらキャンサー・ゾディアーツに接近して自慢の鋏にシャフトをねじ込んで使えないようにする。

武器が封じられて焦ってる隙に腹に連続キックを入れていく。

 

「ぐぉっ…!ならこっちはピッカピカの超新星だ!」

 

キャンサーがそう言うと奴の身体を黒い靄が包み、蟹座の光を放つ。

すると人型から巨大な蟹の化け物、キャンサー・ノヴァへと変貌する。

左腕だけでなく右腕も鋏に変化して私を叩き切ろうとしてくる。

こうなるとシャフトで抑えるのは無理だからよけるしかないが、よける前の足場がバラバラと崩れていく。

だんだんと逃げ場を失っていく私。

だけど目的のポイントに着くと私は足を止める。

 

「鬼ごっこはもうおしまいかい?」

「ええ、捕まえたからね!」

 

『FINISH TIME!FINAL ATTACK TIME IMPACT!』

 

シャフトにセットされた独楽のようなアイテム・ストームトッパーを打ち出す。

ストームトッパーはキャンサーが歩いていた道の端や私たちが今いる場所の真上にある橋を砕く。

さっきまでキャンサーは自分で不安定にした足場を6本の足を駆使してすいすい歩いていた。

だけど壊された橋がキャンサーの足に落ちてくるとどうなるか。

肉体的ダメージはまるでないが瓦礫によって視界が封じられ、さらに足場の端が落ちることでバランスを崩す。

これによって精神的に動揺が生まれてストームトッパーを見つけるのが困難になる。

そしてトッパーはキャンサーの手足を一本一本丁寧に切り落として、最後は上空からキャンサーを粉砕する。

 

ふと爆発音が聞こえた。

音の鳴った方を見ると、タイムジャッカーのタイムマジーンが爆発していた。

私はほかの二人が勝ったのだと確信した。

どうやらアトラは状況を見て撤退したのか消えていた。

 

これで私の2018年最後の戦いを終えた。

 

 

『いや、まだわからないだろ』

 

 

言うな!もう疲れたからまだあるとか考えさせるな!

 

 




ダークディケイドアーマー/2009

ダークディケイドの力を宿したアーマー。
ピリオドの中間形態にあたる。
基本的なスペックはディケイドアーマーより多少上回っていて、能力などは同じ。
武器はライドヘイセイバーと各ファイナルフォームタイムにおけるライダーの武器。
ライドヘイセイバーはジオウのとは異なり、マゼンタのカラーが黒になっている。
またスロットのライダーズクレストも二号ライダーのものとなっている。(ゲイツマジェスティで使われたG3-Ⅹからクローズまでの18人)
本編でも言われてたようにディケイドアーマーとは左右逆になっていて、ファイナルフォームタイムも英語表記。
ちなみに通常時のバーコードは2009411811(411811でdarkを表している)


なんかオリジナルアーマータイムの説明が欲しいってたくさんの人から意見がきてたので、活動報告のほうに載せます。

オリジナルアーマータイムの詳細解説、いる?

  • いる
  • いらない

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