Parallel Worid of ZI-O -仮面ライダーピリオド-   作:楓/雪那

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約一か月の更新なし本当に申し訳ありません。

いやネタは固まってるしネタ帳もちゃんとあるんすよ・・・
でも色々忙しくて次第に筆を握るというかキーボード打つ気が落ちてきてですね・・・

でもエタるつもりはございません。
これは一応プロットは立っているので完結させるつもりです。


ハッタリの恋はまだ遠ポウの巻/2022

「くはははは!!まさかハッタリの正体が、あそこの御曹司だったとはな!」

 

 

愉快そうに笑う虚丸。

一方の勇道君は絶望、というよりかはビビってる。

割とヘタレでと思ってたけど、まさかベルト取られたくらいで戦意喪失するとは。

ああいけない、最近の私は思考が懐古厨寄りになってきてるかも。

 

 

『お前のようなひよっこ、ライダーと認めるわけにはいかん!!!』

 

 

 

鎧武にだけあたりが厳しい本郷さんは帰ってどうぞ。

そんなことより今は勇道君よ。

 

 

「はぁ!」

 

虚丸が振り回した刀を間一髪で割り込んで受け止める。

 

 

「ほう、吾輩の術にこんなにも早く気が付くとは。同じ若造でもそこの腑抜けとは大違いだな」

 

「こちとらアンタ以上にめんどくさいのと散々やりあってるからね」

 

 

こいつを抑えてる今のうちに勇道君には逃げてもらいたいんだけど、そうはいかなそう・・・

ならこの場で私一人で撤退させるしかないわね。

再び刀を両手に持ち直して守りから攻めのスタイルに私は移る。

リーチ、重さはともに向こうの薙刀が勝っているから、防戦一方じゃあ巻き込みかねないからだ。

左と右の刀をそれぞれ動きをワンテンポずらすことで薙刀のガードの隙間を探そうとする。

しかし向こうも手練れ、こちらのラグにもしっかり対処し刀だけでなく足払いも躱されてしまう。

 

 

「くっそ・・・なら一気に・・・!?」

 

 

ベルトを回転させて必殺技を放とうとするが、ベルトにかけたその手に何かが纏わりつく。

それは群体となったアナザーハッタリ。

振り払おうとする私の手を意に介さず、腕だけの形を成して私からベルトを剥ぎ取った。

 

 

「なっ・・・」

 

「埒があかなくなりそうだったらすぐに大技・・・分かりやすい隙だな」

 

 

生身になった私をアナザーハッタリが思い切り殴りとばす。

その勢いで私は勇道君のところまで飛ばされた。

 

にじり寄ってくる二人の忍者。

スタークでまだ抵抗はできるけどどれくらいもつか・・・

いや、撤退する方がいいかな。

その結論にいたるまでのシンキングタイムも至ってからの行動も早かった。

立ち上がると同時に勇道君の首根っこを掴み紅芭ちゃんの方へ走ってスチームガンから煙幕を放つ。

 

 

 

 

煙幕がはれた時には私たちはゴール地点に着いてた。

 

 

「紅芭!?それにイッチーも!どうしたんだその傷!?」

 

 

真っ先に駆け付けたのは紅芭ちゃんの兄である神蔵蓮太郎君。

イッチー、ていう呼び方からどうやら勇道君とも旧知の仲らしいね。

蓮太郎君に続いて今生カンパニーの社員の方々が近づいて来る。

 

 

「皆さん落ち着いてください。どうやら何者かが今生カンパニーが設置したものとは別にコースに妨害のトラップを仕掛けたようです。勇道さんと私が気付くのがあと一歩遅ければ彼女、神蔵紅芭さんが大けがをしていました。スタッフの皆さんはスタート地点のスタッフに連絡して競技を一時中断するよう連絡してください。もう一度私が解除しに行きます」

 

「ちょ、ちょっと待て!君は誰なんだ!」

 

「あー・・・えっと、勇道さんの社長秘書研修生です(口から出まかせ)」

 

 

そう言って再び森に入ろうとしたが、私は勇道君がへたり込んでいるのに気づいた。

その様子を見て私は舌打ちして彼を無理矢理立たせて引っ張っていった。

 

スタッフたちに気付かれない位置まで引っ張ると、胸倉をつかみ木にたたきつける。

 

 

「君さ・・・いつまでそんな感じでいるわけ?」

 

 

無言で俯く勇道君に私のいら立ちは募る。

 

 

「今の君のどこら辺に諦める要素があるの?たかが一回の敗北で、命は無事で、しかも私よりも生身でベルトを取り返せる力が君にはあるんだよ?」

 

 

確かに虚丸は強敵、でも発想次第では生身の人間でも勝てる忍術なんてもんをこの時代の人間は持ってる。

それなのに彼は諦めが早すぎる。

俯きながら彼は口を開いた。

 

 

「・・・できるわけないだろ!変身もできないのに・・・あんな化け物からベルトを取り戻すなんて・・・できっこない・・・」

 

「呆れた・・・名前どころか、素顔までハッタリだったなんて」

 

「なんだよ・・・普通の事だろ!殺されそうなら誰だって逃げたくなるだろ!?」

 

「・・・そう、ならもういいわ。私一人でやる。君はずっとそこで腰を抜かしていればいいんじゃない?」

 

「お前・・・怖くないのかよ?」

 

「・・・ええ、怖くないよ。だって死への恐怖()()()()自分の信念を曲げるほうが怖いから」

 

 

死への恐怖は人間、いや生物として当然の本能。

だから勇道君が恐れるなら私はもう何も言わない。

彼にはもう少しライダーとしての矜持があったのかもしれないって思ったけど、今違うと知った。

彼は『ライダー』よりも『人』なんだ。

ライダーとしての性根が腐っていたなら私はぶちのめしてたけど、最も人らしい感性をしてるなら私には責められない。

痛みや死への恐怖という『人間らしさ』が『ライダーの覚悟』で消え失せてしまった人間らしくない私には、責められない。

でも、それでも一つだけ彼には言わなきゃいけないことがある。

 

 

「そうだ。私の憶測だけど、あいつら紅芭ちゃん狙ってまた来ると思うよ」

「なっ・・・」

「君には私のような信念や覚悟があるのかは知らない。でも男なら守りたい女のためくらいには戦ったら?」

 

 

そこまで行ったとき、ゴールの方から悲鳴が上がった。

私は勇道君をおいてその方向まで走った。

悲鳴の先にはやはり虚丸たちがいた。

他の忍者たちは手も足も出ず、気絶させられている。

残されたのは恐らく標的の紅芭ちゃんとその兄の蓮太郎君のみ。

 

 

「まずい・・・!蒸血!」

 

ミストマッチ・・・!コ・コッ・コブラ・・・!コブラ・・・!Fire!

 

 

走りながら変身し、さらに銃を連射して二人に近づく虚丸を牽制する。

 

 

「ん?貴様、あてはピリオドか?まさか他にも戦う手段を持っているとはな」

 

 

まじか。変声期使ってるのに正体がバレるとは。

 

 

『蒸血の際に弾幕と煙で姿は隠れていたから気付かないと思っていたが、やるな。』

 

 

ま、こんな早く来てくれたからにはまだベルトは持ってるんじゃない。

そうだといいけど。

 

 

『隠れ家が近くにない限りはそうだろうな』

 

 

エボルトもそう思う?

それなら気合も入るってもんだね。

まずは嗾けられた雑魚たちの処理から。

 

 

 

エレキスチーム!フルボトル!スチームアタック!

 

 

スパイダーフルボトルほセットしてバルブを回転、さらにスチームライフルを換装して引き金を引く。

放たれた弾丸は正面の敵にヒットすると同時に蜘蛛の巣のように拡散して一網打尽にする。

さらに電気の力で感電させてまとめて消し去る。

さらに爆風に紛れて蛇のように地を這いながら接近してローキックをあてる。

蹴りを放つ直前、こっちを見たということは気配だけは気が付いていたのかもしれない。

でも防げなかったということは防ぐまでもないということか、動きだけは読めなかったかの二択。

 

前者の可能性を考えつつ、あくまで攻め主体の戦法を採ろうと私は考え、腹部目掛けてスチームガンを乱射する。

さらにバルブを回転させる。

 

 

アイススチーム!フルボトル!スチームショット!

 

 

クマフルボトルの力を帯びた弾丸は爪の形に変化、さらに冷気を帯びて虚丸を切り裂く。

冷気で動きが鈍ったところをすかさずスチームブレードとスティングヴァイパーを駆使して追撃する。

前回は薙刀のリーチを活かした防御のせいでうまく攻めきれなかったが、今回は蛇の特性を活かした立体的な動きに両手両足両尾の計6つの攻撃手段を使って攻めていく。

スチームブレードの一閃で大きく吹き飛ぶ虚丸。

スチームガンとブレードを連結させてとどめをさす・・・!

 

 

「・・・!クハハ!どうやら流れはこちらに来たようだ!」

 

「何ですって?」

 

「後ろを見てみたらどうだ?」

 

「グァァ!」

 

「お兄ちゃん!」

 

 

正面の虚丸に警戒しつつ視線を少しづつ後ろに向ける。

するとその先にはいつのまにか現れたアナザーハッタリの足蹴にされてる蓮太郎君。

その光景に動揺した私の目を盗んで虚丸が薙刀を投擲してくる。

間一髪で致命傷は避けたがそれでも脇腹を深くえぐるようなダメージを受ける。

体勢を崩したが為に今度は向こうからの追撃を許してしまう。

掌打を腹部、肩、顎へと連続で受け、地に崩れ落ちてしまう。

 

 

「貴様は十分面白かった。それは讃えよう。だがまだ吾輩には及ばなかった。そういうことだ」

 

 

 

ホントに称賛の意を込めてるように語る虚丸を睨めつける。

立ち上がろうとしても力が入らない。

虚丸は紅芭の腕をつかみ連れ去ろうとする。

蓮太郎君も抵抗してるが蹴り飛ばされる。

その時森の奥から誰かが走ってきた。

 

 

「うあぁぁぁ!!!」

 

 

飛び出してきたのは勇道君だった。

大ぶりのパンチの不意打ちは決まり、虚丸の顔面を殴り飛ばす。

それでも生身の人間と怪人では身体の硬さが違う。

勇道君の拳からは血が出て、一方の虚丸は仰け反りこそしたもののただ苛立ちを募らせるだけ。

 

 

「誰かと思いきや臆病者の御曹司か。痛い目を見る前に引っ込んだらどうだ」

 

「う、煩い!この僕が敵を前にしっぽを巻いて逃げ出すわけあるか!」

 

 

無茶だ。

確かに君はさっきまでとは顔つきは違う。

でもその顔も虚勢(ハッタリ)なんだろう?

だって脚が震えてるじゃないか。

私は君には立ち向かう力はあるとは言った。

でもそれは無謀に命を散らすことじゃない。

今君がすべきはその力で神蔵兄妹をそいつらから引き離すことだ。

 

そう言おうとした。

でも私はその言葉を飲み込んだ。

無謀かもしれない、死ぬかもしれない。

でも彼は覚悟を持って決めたんだ。

それを理解した瞬間口を開けなくなった。

 

 

「うおおお!!」

 

 

叫びながら我武者羅に拳をふるう勇道君。

けどその動きは単純、だから虚丸にもすぐに読まれて腹を殴られる。

倒れこむ勇道君は顔をあげるが、また恐怖心に襲われ尻もちをついたまま後退りしてしまう。

 

 

「ふん、所詮腰抜けは腰抜け。貴様のような見苦しいやつから始末してやろう」

 

 

虚丸はじりじりと勇道君ににじり寄る。

一歩、二歩、三歩と近づいて来る虚丸。

 

しかし四歩目、奴は急に後ろにツルっとこけた。

 

 

「「「「は?」」」」

 

 

私も奴も神蔵兄妹もそんな間抜けな声を出してしまった。

唯一素早く動いたのは勇道君。

サッと立ち上がり虚丸の股間を蹴り上げる。

 

 

 

「うおぉぉ!?!?」

 

 

 

「『・・・あれは痛い』」

 

 

 

私とエボルトが内心同情している一方、勇道君は悶絶している虚丸から自分と私のベルトを取り返す。

 

 

 

「エミ!見たか、俺様の演技力!」

「・・・フフ、何が演技よ。膝ががくがく笑ってたわよ?」

「なっ!?そ、そんなことあるか!」

「フーン、ほんとにぃ?私からは生まれたての小鹿か!ってくらいには震えて見えたけどな~」

「え・・・マジ?・・・ってそれよりお前、俺様に感謝しろよ!」

「いや~、でも勇道君が来るの遅かったから私たちはピンチになってたんだけどな~」

 

 

からかうように言うときまり悪そうな顔をする勇道君。

それを見て私は苦笑して肩を竦める。

 

 

「覚悟は決まった?」

 

「・・・まだ決まってない。けど!せめて好きな人の前ではライダーの勇気を出してみるさ!」

「それでいいんじゃない。仮初でもハッタリでも勇気を出せば、君なら少しづつ本物の仮面になるかもね」

 

 

私たちは互いに笑い合う。

その時ポケットが光り出す。

光の発生源を取り出すとそれは二つのミライドウォッチ。

ブランク体からそれぞれイラストが変わる。

片方はハッタリの顔が、そしてもう一つはピリオドと類似した顔が浮かぶ。

 

 

「いくよ、勇道君!」

「ああ!」

 

 

ビヨンドライバー!

ピリオド・ネクスト!

 

 

「「変身!」」

 

 

アクション!投影!フューチャータイム!ガーリッシュ!パンキッシュ!スタイリッシュ!仮面ライダーピリオド!ネクスト!

フンダリ!ケッタリ!ハッタリ!仮面ライダーハッタ―リ!

 

 

背後に出現した紫のモニターから照射された紫色の光が装甲を形成する。

青のボディスーツを纏いその上から肩から腕、そして首から腰を十字に一直線にかける白銀の時計の腕輪のような装甲が紫の光線に導かれるかのように装着される。

最後にそのボディラインに紫の光が流れ、ピリオドと同じ緑色の『RIDER』の文字版が顔に張り付く。

これが私の新しい姿、ピリオド・ネクスト!

 

 

「お前を片腕五秒で倒す!ハッタリじゃなくてマジでな!」

「ここがあなたの終止符よ!」

 

 

 

「祝え!」

 

 

私たちが決め台詞をいい勇んで駆け出そうとしたとき上から唐突に誰かが祝い始めた。

まさかのアトラだった。

 

 

 

「時空を超え、過去を護り未来を切り開く時の騎士。その名も仮面ライダーピリオド・ネクスト!今まさにIFの歴史が切り開かれた瞬間である!」

 

 

「なあ・・・なんだあいつ?」

「関わっちゃいけない不審者よ」

「そ、そうか」

 

 

あいつのすく服は無視して気を取り直して武器を取り出す。

 

 

ジカンギレード・ツヴァイ!ヤバスギ!

 

 

文字盤と共に出現したのはジオウのジカンギレードと同じ形状だがカラーリングは私用に変化している剣。

ハッタリも背中から忍者刀を引き抜く。

 

 

「ぐぉぉ・・・も、者どもかかれ・・・」

 

 

未だ悶えている虚丸は配下を召喚して回復のための時間稼ぎをする。

迫りくる軍団目掛けて新たな武器を振り回す私。

剣は紫のサイバネティックな光を描きながら敵を切り裂く。

 

 

ナイアガラ忍POW!

 

 

印を結んだハッタリの足元から水が噴き出す。

その劇量に敵は押し流され、続けてハッタリは別の印を結ぶ。

 

 

カチコチ忍POW!

 

 

劇量の中でもがいていた雑魚たちはハッタリの氷の吐息によって瞬く間に氷の塊に幽閉させられる。

 

 

ビヨンドザタイム!刃・DE・一閃!

 

 

本来のジカンギレードのウォッチをセットするスロットの代わりにあるパネルをタッチして刃にエネルギーを充填、氷の塊目掛けて振り払う。

音声通りの一閃によって氷塊は跡形もなく砕け散る。

間髪入れずに襲い掛かってきたのはアナザーハッタリ。

右手の鍵爪で攻撃してくるアナザーハッタリをハッタリが押さえつけてる間にもう一つのミライドウォッチを取り出す。

 

 

ハッタリ!

 

アクション!投影!フューチャータイム!フンダリ!ケッタリ!ハッタリ!フューチャーリングハッタリ!ハッタリ!

 

 

紫から橙の光に変わる。

新たに生み出された装甲は肩と胸部のパーツとパネルを橙色に変える。

胸部には三方手裏剣のパーツ、首には橙のマフラーが装着されて、複眼も『HATTARI』に変わる。

 

 

「ん?あれ!?俺!?」

 

 

自分とそっくりの姿に変わった私に驚くハッタリ。

そんな彼を気にせずジカンギレード・ツヴァイを収納して代わりに別の武器を取り出す。

 

 

ジカンデスピア!カマシスギ!

 

 

大型の鎌を両手持ちしてアナザーハッタリに振りかぶる。

急な一撃に対応できずアナザーハッタリはもろに受ける。

起き上がる隙も与えずにハッタリが忍者刀で連続で切りつける。

たまらずアナザーハッタリは蜂の群体に変化してかく乱しようとするが私は対処法を思いついていた。

 

 

「勇道君!私に氷遁の術を!」

「は、はぁ!?」

「いいから!」

 

 

ハテナマークを浮かべながらも勇道君は私に向けて氷の息吹を放つ。

そして私も続けて印を結ぶ。

発動したのは火遁の術。

だがただの炎じゃない。

熱気と冷気の温度差で生じたのは熱光線。

それをアナザーハッタリに向けて放つ。

照射範囲は広く群体の半数ほどに命中する。

食らった蜂たちは声にならない悲鳴を上げて残りの群体たちとの連携を壊してしまい、元の姿に戻ってしまう。

 

 

『あの中に本体がいるんじゃなくて、すべてが本体だっていう予想は当たったな。これなら少数に致命傷を与えることで集中力が切れてしまうからな』

 

 

ええ、その通り!

 

 

「それじゃ止めといきましょう!」

 

 

ビヨンドザタイム!一撃カマーン!

 

 

ジカンデスピアのディスプレイをスワイプして必殺技の準備に移る。

私はアナザーハッタリ目がけて駆け出し鎌をふるおうとする。

しかし鎌が当たる直前に姿を消し、右後ろから切りかかる。

正面をガードしていたアナザーハッタリは不意打ちを防げなかったが、すぐに背後へ左腕の針を射出するがまた私は姿を消したので当たらない。

さらに今度は斜め上から、さらに左下、正面と消して現れてを繰り返してアナザーハッタリを攻撃する。

最後に前頭上に現れて鎌を振り下ろし粉砕する。

 

 

「さあ、これであとはあいつだけね」

 

 

虚丸はなんとか立ち上がりはしたものの、それが精いっぱいという感じだ。

情けなどかけず、すぐにでも終わらせる。

 

 

「勇道君、二人で決めよう」

「ああ!」

 

 

ビヨンドザタイム!忍法・時間飛ばしの術!

ファンタスティック忍POW!

 

 

私はベルトのハンドルを前に倒し、ハッタリはプレートを回転させる。

そして同時に飛び上がると巨大な二匹の蜂に姿を変え、針で突き刺す。

 

 

「はっ!空蝉の術!」

 

 

しかしその攻撃は空蝉の術によって躱されてしまう。

 

 

「くっ・・・かなりの痛手を負ってしまった。ここは一旦撤退を・・・「「ぁぁぁああらああぁぁ!!!」」なっ!?ぐおおぉぉ!?」

 

 

必殺技の不発の隙に逃げ出そうとする虚丸だったがそうは問屋が卸さない。

あの巨大な蜂は虚構であり、本物の私たちはこいつの背後からキックを繰り出したのだ。

 

 

「まさか・・・吾輩がこんな小童どもに・・・無念っっ!」

 

 

そんな遺言を残して虚丸は爆発四散した。

 

 

「勝った・・・」

 

 

満身創痍でそう呟いた勇道君の脇腹を小突いて、後ろを指す。

彼がそっちを向くと、神蔵兄妹がこっちに来た。

 

 

「イッチ―・・・」

「れ、蓮太郎・・・これはその・・・「すごいな、お前の忍法!」へっ?」

「なんだよー、もっと早く教えてくれてもよかったじゃないか~!あ、もしかして企業秘密だったり?」

「・・・そ、そうそう!これこそ今生カンパニーの新たな忍具!ホントは秘密だったんだけど幼馴染のピンチだからさぁ!」

「マジか!じゃあこれは俺たちだけの隠し事か!」

 

 

『・・・おい、いいのか。あいつこんな時でもハッタリかましてるぞ?』

「アハハ・・・まあそんなすぐに変わるとは思ってないしね」

「あ、あのっ!」

 

 

幼馴染同士で盛り上がる勇道君と蓮太郎君を見て私が苦笑していると、紅芭ちゃんが声をあげた。

 

 

「さっきは二度も危ないところを助けていただき、ありがとうございました!それで・・・その・・・ウチ、惚れちゃいました!」

 

 

 

おっと!?まさかの逆告白!?やったね勇道君!

 

 

「そ、そんな。俺も紅芭さんのことが・・・「お姉さま!」」

 

「「「・・・え?」」」

 

「あ、もしかしてお姉さまって呼ぶのはダメでしたか!?いきなり『エミさん』って呼ぶのは恥ずかしいというか恐れ多いというか・・・だからウチはお姉さま呼びが良いんですけど・・・」

「えっ、ああ、うん・・・お好きにどうぞ・・・」

 

 

顔を赤らめてまくしたてる紅芭ちゃんにあっけにとられた私。

けどハッと思い出して横を見ると・・・

 

 

「う、うう・・・うああぁぁぁ!しょんなぁぁぁ!!」

「イッチ―!?気をしっかり持て!」

 

 

泣き崩れる勇道君と慰めようとする蓮太郎君。

居心地悪ぅ・・・

 

 

 

 


 

 

 

 

 

あの後なんやかんやあってタイムマジーンは修理してもらった。

ちなみに直るまでの数日間は紅芭ちゃんの強い勧めで神蔵家に泊まらせてもらった。

勇道君はひがんでた。

 

それで完成したタイムマジーンを受け取りにきたのだが・・・

 

 

「これは?」

「知らないさ。コックピットの中に置いてあったんだとよ」

 

 

コックピットに置かれていたものは置手紙と7つのブランクウォッチ

手紙を開けて読んでみた。

 

 

『ようエミ。早速ハッタリの力を手に入れたな。さて、この手紙を読んでいるお前はすぐにでも2019年に戻ろうとしているだろうが、悪いがそれはさせられない。おまえにはこれから7人の未来のライダーの力を集めてもらう。拒否権はない。というのもタイムマジーンにちょっと仕掛けをしてその未来のライダーの年代に強制的にタイムジャンプするようにイジッた。精々がんばれ。アトラ』

 

 

 

・・・なるほど、どうやら私はそう簡単には帰れないようね。

けど戻る手段がそれしかないならしょうがない。

受けて立つわ!

 

 

「それじゃあ私は行くわ。色々ありがとね、勇道君」

「例を言うのはこっちの方だろ・・・次に会う時は恋敵だからな」

「私はレズビアンじゃないんだけど。ま、頑張りなよ」

 

 

お別れの言葉を告げて私は次の時代、2058年に向かった・・・




フューチャーリングハッタリ/2022

仮面ライダーハッタリの力を纏ったフォーム。
基本武器はジカンデスピアの鎌モード。
シノビ同様四属性の忍法を始めとした多彩な忍術を駆使するトリッキーかつスピーディーな形態。
シノビよりも氷の術の扱いに長けており、配下召喚や必殺技では巨大な蜂に姿を変えられるが、如何せんパワー不足。シノビよりも。
小技を重ねて翻弄するバトルスタイルなので、単純なパワーファイター(『555』のクロコダイルオルフェノクや『ウィザード』のバハムート、『ルパパト』のデストラのようなやつら)には押し負けてしまう。

オリジナルアーマータイムの詳細解説、いる?

  • いる
  • いらない

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