Parallel Worid of ZI-O -仮面ライダーピリオド-   作:楓/雪那

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筋肉と心火の方程式/2017

あらら?

アナザーライダーボコりに行こって言っただけなのに、ポカンてしちゃってるよ。

 

『そりゃあ変な女がライダーになって、自分襲ってたやつボコった後にそんな事言ったらそうなるわ。』

 

それもそうね。

 

「えっと…まずアンタだれ?何?」

「いやいや、さっき名乗ったじゃん。仮面ライダーピリオド、高倉エミって。」

「いやいやいや、さっぱり分からないんだけと!」

「えぇ〜…ま、仕方ないか。ん〜、ソウゴ君は大体の事はウォズ君からもう聞いているでしょ?50年後、君が『最低最悪の魔王』、オーマジオウになるって。」

「う…うん。」

「私はね〜、未来のオーマジオウから君を守る騎士になれって言われたのよ〜♪」

「え、騎士?ってことはエミさんも未来人?」

「いんや、私は現代人だよ〜。君らより年上だけどね。ま、そんな事は今は些細な事だよん。問題はアナザービルドの方。」

 

ソウゴ君は先程アナザービルドを倒したと言っている。

けど2018年にアナザービルドを倒しても一時しのぎにしかならない。生まれた時代に元となったライダーの力で倒さない限り、何度でも蘇る。それがアナザーライダー。

そして今この時点ではアナザーライダーが『本物のライダー』となっている。

それはオリジナルの変身能力やライダーとしての記憶が失われている。

 

「だーかーら、まずはビルドの力を貰わなきゃいけないんだよ。」

「ビルド……戦兎のこと⁉︎」

「YES♪彼ならきっとnascitaに居るはずだよ。」

 

 


 

 

いくら記憶が消えていても中身が同じなのだから、主役枠なら基本話せば通じる人達ばかりだと私は思っていました。

 

しかし蓋を開けてみればどうでしょう。

 

「だぁから、ツナ義ーズこそがテェンッサイバンドグループだってさっきから言ってんでしょうが‼︎」

「はっ、何言ってんだ。これからの音楽界背負って行くのは最強!天上!極上!の三拍子が見事に揃ったみーたんに決まってんだろ。」

「何言ってんだ!みーたんには筋肉ねぇだろ!」

「お前は筋肉でしかアーティスト見ねぇのかよ。おいヒゲ、お前もみーたんの素晴らしさを教えてやれ。」

『右に同じ』

「お前右だし、もっと力説しろよ!」

 

ありのままを教えるよ!

nascitaはツナ義ーズファンとなってしまった戦兎と龍我と、みーたんファンになってしまったカズミン(こいつは元々か)と玄徳の抗争地帯になっているよ!

 

『ビルドファンがみたら爆笑だろうな。』

 

うん、私も今すぐ腹抱えて笑い出したいもん。

てかエボルト、アンタさりげなくブラックホールコーヒー淹れようとしないでよ。

 

『ちっ、バレたか。』

 

今までに何度も不意打ちのコーヒーで死にかけたんだから、警戒くらい当然するわよ。

ん?ソウゴ君はどうしたのかな?

あ、奇数になったから抗争に巻き込まれてる。オモシロ。

 

うーん、にしてもこれは困った。

ウォッチを見せるなりなんなりしてウォッチをもらおうと考えてたけど、この状況でまともに話は出来ないよねぇ。どうしようか?

 

『奪う?』

 

のっけからそれはちょっと。

 

「「「「うおお‼︎⁉︎」」」」

 

ほわっ⁉︎何々?What's happen⁉︎

声が上がった方を見ると、みんな応援服からビルド本編での服装に戻っていた。さっきまで肩組んでた戦兎と龍我は少し気持ち悪そうにしている。そんなになのね。

 

「俺たち…何でツナ義ーズのファンやってんだ⁉︎」

「この馬鹿とペアルックとか…最っ悪だ。」

「おい!筋肉つけろよ筋肉‼︎」

 

「なんだこの服、ダサいな。俺の好みに合わん。」

「んだと?お前のセンスの方がよっぽどダセェよ、ヒゲ。」

「何だと?何処がダサいって言うんだ、言ってみろポテト!」

 

ああ…戻ったら戻ったで別の争いが…。

今記憶が戻ったのは多分ゲイツ君がアナザービルドを倒したから、かな?

けど復活したらまたすぐ消えてしまうからなる早で貰わないと。

 

「ちょっと…ちょっと戦兎!」

「うぉっ!…お前確か…おこがましい未来人!」

「そうそう。ねぇ、こんなもの持ってない?」

「ん、これか?…あれ、こんな柄だったか?」

 

戦兎がソウゴ君に渡したのはビルドとクローズのライドウォッチ。

本命のビルドに加えてクローズのオマケまで付くとは…ラッキーだね。

 

『あれを取り込めば俺のフェーズはさらに上がり…』

 

ヤメルォォ‼︎

 

「おい、ちょっとそこのネーちゃん。」

「ん?どしたのカズミン、玄さん?」

「おら、これ前にアンタから預かってくれって頼まれてたろ。」

「いつのまにか形が変わっていた。お前に渡せと言うことなのだろう。」

「ん〜…?ああ、そうそう!サンキュね、お二人さん‼︎」

 

カズミンと玄さんから手渡されたのはグリスとローグ、さらにナイトローグのウォッチ。

2人のセリフからしてこの後私は過去に飛んで2人にブランクウォッチを渡すことになるんだろうね。

 

「じゃあソウゴ君!2017年に行こうか!」

 

 


 

 

2017年、いや正確には2018年4月3日。

 

東都と西都の代表戦が終わり、パンドラタワーが建った直後。

戦争で荒廃した東都の街にアナザーライダーとオリジナルがそれぞれ3人いる。

 

アナザービルドの他には、牙をむき出しにし、筋肉は盛り上がり、西洋伝説の朽ちた龍を彷彿とさせるアナザークローズ。

そして同じく牙をむき出しにして、背中のパイプのようなものから絶えずドロドロとした油のようなものを排出している、塗装剥げした機械のようなアナザーライダー、アナザーグリス。

 

自分たちとどことなく似た異形を前に、三人は疑問を浮かべる。

 

「ありゃ西都の新兵器かなんかか?」

「なんか…俺らに似てね?」

「このテェンッサイ!物理学者とあんな化け物一緒にするんじゃないよ。それより万丈、あっちのクローズもどきの方がお前によく似てるぞ。」

「はぁ?どこがだよ!」

「バカっぽいところとか、筋肉とか、あとほらあの顔!刑務所から脱獄した凶悪犯みたいな顔してるだろ?」

「んだよ龍我、お前そんなことしてたのかよ。」

「俺は殺しも脱獄もしてねえ‼︎」

 

三人はいつもの漫才のような会話をしながらも変身の準備をする。

 

ラビット&ラビット!

『スーパーベストマッチ!ガタガタゴットン!ズダンスダン!Are you ready?』

ドラゴンゼリー!

ロボットゼリー!

 

「「「変身‼︎」」」

 

『オーバーフロー!紅のスピーディジャンパー!ラビット!ラビット‼︎ヤベーイ!ハエーイ‼︎

潰れる!流れる!溢れ出る‼︎ドラゴンインクローズチャージ‼︎ブラァ!

潰れる!流れる!溢れ出る‼︎ロボットイングリス‼︎ブラァ!

 

 


 

 

ゲイツ君、ツクヨミちゃんと合流した後、ビルドの時代に来た私達。

すでにビルド、クローズ、グリスがアナザーライダーと戦ってるね…って何でアナザーライダー3人もいんの⁉︎

 

「あれ…増えてない?」

「関係ない、ただ倒せばいい話だ。」

「…それもそうだねぇ。」

 

私達はそれぞれ変身してビルド達の元へ行く。

彼らは既に体にノイズが走っている。これはもう変身を維持できないかな?

 

「戦兎、龍我!助けに来たよ‼︎」

「お待たせ〜、カズミン♪」

 

「お前…いや、助かる。後は頼んだ!」

「OK、任されたよ♪」

 

「あ、ゲイツ!これ使って!」

「何?何故俺がオーマジオウの命令を聞かなければいけない!」

「えぇ〜…命令じゃないんだけど…」

「あれ倒すにはそのウォッチ使うしかないよねー。ゲイツ君だけじゃ倒せないよねー。んー?」

 

ちょっと煽ってみたらイラつきながらウォッチ作動させるゲイツ君マジツンデレ。2代目蓮かな?

 

『お前、そういうところが本当に性格悪いよな。』

 

アンタにだけは言われたくなかった。

さてと、気を取り直してやりますか!

BUILD!

CROSS-Z!

GREASE!

 

『『『Armor Time!』』』

 

BestMatch!BUILD!

Wake Up Burning!CROSSーZ!

Robot Jelly!GREASE!

 

ソウゴ君は赤と青のビルドアーマー、ゲイツ君は青色のクローズアーマー、そして私は鈍い金色のグリスアーマーを纏う。

 

「勝利の方程式は決まった!」「決まったー‼︎」

「今の俺達は!」「負ける気がしないな。」

「心火を燃やして」「ブチ壊すよ♪」

 

私達はそれぞれ相性の良いアナザーライダーと戦い始める。

 

ジオウは右腕に付いた大型ドリル、ドリルクラッシャークラッシャーでアナザービルドを削っていき、ゲイツは右腕に持ったビートクローザークローザーの高振動波で幾重にも切り裂いていく。

 

私はと言うと

 

「ツインブレイカーブレイカー!」

 

アーマー背面部のパイプらしきものから出されたゲルがグリスのツインブレイカーに似たツインブレイカーブレイカーを両腕に一つずつ装着する。

ビームモードで光弾を乱射しながらアナザーグリスに接近して、アタックモードの射程範囲内に入るとモードチェンジをし、切り裂く。

アナザーグリスは同じく背面部のパイプから流れる液体をレンチやチェーンソーに変えて振り回してくるから、かわしつつビームモードでダメージを与えていく。

というより、あの液体に触れたくないんだよね。落ちた場所がなんかグズグズ溶けてるみたいだし。

よーし、ここいらでテンション上げてこーか!

 

「熾烈!激烈‼︎爆烈‼︎‼︎私の前に跪けぇぇぇ‼︎」

「ガァァ……!」

 

「え…エミさんってあんなキャラなの?」

「カズミンと言ってること変わんなくね?」

 

外野がなんかうるさいけど、グリスならこうやって気合入れるべきなの!

このノリでトドメ刺すよ!

 

「私の祭りを楽しみなさい‼︎」

FINISH TIME!SCRAP TIME IMPACT!

 

背中からまるでジェット機のように勢いよくゲルが噴出される。私の低空蹴りはそのゲル噴出の加速により威力をさらに増し、アナザーグリスを粉砕する。

 

「よし、勝利〜!」

 

周りを見るとちょうどジオウとゲイツもアナザービルド&クローズを倒していた。

 

 


 

 

こうしてビルド達の力は受け継がれた。

変わりにビルドの歴史は消滅。

その結果戦兎は『ビルドと桐生戦兎』としての記憶を失い、葛城巧として生きていることになった。

万丈もカズミンもクローズやグリスの記憶を失って、ただのボクサーと農家になっていた。

スカイウォールも無い。

けどこれは『ビルドの歴史』にとってはある種ハッピーエンドなのかもね。

 

『いやぁ、めでたしめでたし!』

 

エボルト(諸悪の根源)が言うと感動味が薄れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グリスアーマー(仮面ライダーグリス/2017)

仮面ライダーグリスの力を宿したアーマー

装着と同時に背中のヴァリュアブルブースターからヴァリュアブルゼリー・Gが放出、胸部から頭部にかけてを覆う。
このヴァリュアブルゼリーはグリス同様、装着者の動き、受けたダメージによって強度を変化させていき、常に装着者にフィットするようになっている。さらに変身者の意思で両腕にツインブレイカーブレイカーを生み出すこともできる。(実はこれ、フルボトル対応なのだが、多分ほとんど使わない。)
ヴァリュアブルゼリーは右肩についたスクラッシュゼリーショルダーにて生成されている。
普通に見てゼリーが覆っているのは胸部から頭部のみだが、アーマー内では絶えず流動し、攻撃時には手足の噴出口から放出することで加速、威力を増強する。背面から放出すればホバリング飛行も可能になる。

オリジナルアーマータイムの詳細解説、いる?

  • いる
  • いらない

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