鉄と血の始祖 作:ムリーヌ
2030年、世界は北蘭島事件と呼ばれる世界を巻き込む大災害により、人類の生存圏は大きく失った。
原因はかなりくだらない物で、地元の中学生7名が度胸試しなのか北蘭島遺跡に侵入し、ELIDと呼ばれる怪物に襲われたのだ。
それだけなら大災害にならないし、自業自得で終わる・・・だが、中学生7名を救う為に危険を犯し、中学生達を救出する為にやって来た部隊が遺跡内部でELIDと交戦したのだ。
結果としては中学生7名の6人死亡、部隊の隊員数名に死傷者を出し・・・遺跡が破壊され、コーラップスと呼ばれる物質がジェット気流に乗り、世界に蒔かれたのだ。
そうして世界の生存圏の大部分を失う。
2045年、第三次世界大戦勃発。
北蘭島事件を切っ掛けに世界は生存圏を賭けて対立、世界は戦国時代の様な勢力図となり、戦いには核兵器が大量に使用され、大量に使用された核兵器によって発生したEMPにより、現代戦においてコンピューター頼りになっていた空軍と海軍の戦力は無力化してしまい、最終的に銃撃戦による歩兵達の古き良き戦争となり、大戦の最中、人間に代わって戦争を引き受ける戦術人形なる"兵器"なのか"人"なのか分からない存在が誕生した。
大戦の戦火は世界を包み、大戦は止む事を知らない日々。
先
大戦によって荒れ果てた都市の中心、戦術人形の亡骸が回りに散乱する中、一人の黒髪を後ろに束ね、メイド服を纏う金色とも言える瞳を光らせる女性が両手に短機関銃を持って立っていた。
女性が静かに立っていると、後ろから足音を聞き、振り返ると、そこにはそれなりに年輩の男が立っていた。
「
「クルーガー。何か御用ですか?」
ファウンダーと呼ばれた女性はクルーガーを認識し、何の用なのかを問う。
「本部から帰還する様に命令が下った・・・撤収するぞ。お前もそろそろ稼働時間が限界だろ?」
「まぁ、普通の戦術人形とは違いますからね。私は殺す為に生まれ、誰にも負ける事が許されない存在・・・なのですから」
ファウンダーはそう言って握られた短機関銃を見つめる。
彼女は、
今回、初のハイエンドモデル起動実験と宣伝の為に提携を結んでいる軍に配備され、冷酷無比に戦い、他の鉄血製戦術人形の指揮を完璧にこなす姿に鉄血工造の人形を主に扱う軍の評価はうなぎ登りだった。
「負ける事が許されないなど大袈裟だろ?今回はお前の起動実験だぞ」
「だからこそ、結果を常に出さねば用済みにされます。私はハイエンドモデル・・・どんな人形や人間にも追従を許す訳にはいきません」
ファウンダーはそう言うと、短機関銃を捨て去った。
「また相性が悪かったのか?」
「私にこの武器が合わなかっただけです。支給された武器は壊れてしまいましたし、拾った武器もあまり気に入りませんね」
ファウンダーはそう言って溜め息をつきながら側にあったアサルトライフルを拾って眺めた後、また捨てた。
「・・・本当に、何とも気に入りません。脆い・・・品も無い・・・この武器を使う者達の気が知れません」
「そう言うな。他の者達はお前とは違う・・・お前が特別優秀なだけだ」
「そうですか?別に優秀な訳ではなく、単に性能が良いだけかとおもいますが?」
「何事も全ては経験だ。戦術人形とはいえ、どんなに性能が高くとも経験が相手より勝れば例え、お前の様なハイエンドモデルであっても敗北する事は無いと思っている」
クルーガーはそう言って歩いて行き、ファウンダーも訳が分からないと顔に出しながらクルーガーに続く。
ファウンダーがその意味を理解するのはまだ先である。
ファウンダー
製造元 鉄血工造
容姿 髪を後ろに束ねている以外は代理人そっくりで、メイド服を着ている。
武器 特定の武器は未完成
鉄血工造が戦術人形に力を入れ初めて間もない頃に開発された最初のハイエンドモデル。
優秀で性能は高いが、試作品の為、専用の武器や特質な能力は持ち合わせていない。
クルーガー
本名はベレゾヴィッチ=クルーガー。
第三次世界大戦頃、任務でファウンダーのお目付け役に選ばれる。
後にG&Kを設立する事となり、人形を主戦力として使う事は一部ファウンダーの影響がある。