AS好きな俺が艦これ世界に転生、提督になったのだがどうしてこうなった? 作:アインスト
「前回、おれたちをギリギリで助けてくれた相良。これでなんとか善戦してはいたが、問題はそこからだったんだ。」
「なんと戦艦が3隻も出やがったんだ。しかもおれたちは弾切れ寸前。相良も散弾砲が残り僅か、ナイフが一本っつー絶望的な状況に立たされていたんだ。」
「正直勝つどころか生きて帰れるかどうか怪しい海で、どうするつもりなのか。波乱の第四話、バトルシップの由縁。見てってくれよ!」
ギィン、と折れる音が海に響く。
いよいよ頼みの綱の単分子カッターが折れた。
かなりマズイ状況に陥っていた。
天龍は相変わらず大破、龍田も戦艦の砲撃により大破、しかも撃沈寸前。
駆逐艦隊も大破にまで追いやられていたのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
『ボクサー、残弾0』
「ここまでか‥‥‥!」
『ですが、諦めるつもりはないのでしょう?』
「当然だ」
「ねーえー、もう囲まれてるみたいよー?」
「はん、上等!チビ共にはこれ以上傷を負わせはしねぇ!」
「はわわ‥‥‥天龍さん、無理しちゃダメなのです‥‥‥!」
「大丈夫だ、心配すんな電。おれたちは沈まねぇ。おれがそんな事させねぇよ」
『とにかく我々は防御に徹します。砲撃可能な方は片っ端から砲撃してください』
「了解、やるだけやってみるよ」
その後すぐにラムダドライバを発動するために集中する。
とにかく砲撃が直撃する前に瞬間的に守る事を意識する。
そして、奴らも砲撃を繰り返す。
「暗イ海ノ底ニ沈ミナサイ‥‥‥!」
「ぐっ、いかん!」
「マジかよっ!!」
「各艦、被害状況は!?」
「も、もうダメ‥‥‥!機関がやられて動けない‥‥‥!助けて‥‥‥っ!!」
「待ってろ暁!今行くからな!」
「天龍さん5時方向っ!!」
「んなっ───」
万事休す。
ここからではラムダドライバの効果も薄い。
もう、無理か‥‥‥!!
「主砲、斉射!ってぇー!!」
その声から少し遅れて、何者かの砲撃が敵艦隊の砲撃を撃ち落とした。
なんだ今のは!
砲撃を撃ち落とすなぞほぼ不可能に近いというのにそれを平気でやってのけたというのか!?
「ギリギリ、間に合ったようだな」
「ええ、本当にギリギリです。大丈夫でしたか?」
「は、はは‥‥‥これで大丈夫に見えたらすげぇよ‥‥‥」
「ゆ、夢でも見てるの‥‥‥?」
「ハラショー‥‥‥こいつは‥‥‥現実みたいだよ」
「暁、ほっぺたつねってみる?」
「い、いいわよ別に‥‥‥」
『これは‥‥‥嬉しい誤算、というものでしょうか』
「そのようだ‥‥‥識別は?」
『照合完了。大本営直属艦隊所属、戦艦大和及び武蔵』
「まあ、そういう事だ。無事か?」
「ここは私たちが引き受けます。早く撤退を」
「わりぃな、大和さんよ」
「いえ‥‥‥ですが元帥の悪い予感があたっていましたね」
「悪い予感、なのです?」
「今日何処かで誰かが轟沈するんじゃないか、と心配されていたのだ。そういう悪い予感ほどよく当たる」
思いもよらない援軍に、天龍らは安堵した様子だった。
そして、その状況を良しとしなかったのか、敵艦隊は撤退していってしまった。
とりあえず、波は乗り越えたようだ‥‥‥。
『敵艦隊、撤退していきます。状況終了のようです』
「‥‥‥ふぅー」
「助かったー‥‥‥だけどなんでわかったんだ?」
「この子たちのおかげです」
大和がそういうと、大和の肩に小さな小人のような生命体が乗っていた。
羅針盤のような物を持っているようだ。
「この子たちが力を貸してくれたおかげで、ここまで来れたのですから。それから‥‥‥そちらの方には多大なる感謝を申し上げます」
「俺は‥‥‥感謝してほしくてやった訳ではない。やるべき事をやったまでだ」
『素直に喜びましょうよ、軍曹』
「‥‥‥アル」
『いえ、失言でした?』
「いや、お前の言う通りだ。その感謝の意、ありがたく頂戴しておこう」
「では、鎮守府に帰投しましょう。元帥がお待ちです」
「─────ん?」
大和の一言で、天龍が立ち止まった。
その様子を見て大和がどうしたのかと問う。
「‥‥‥なぁ大和さんよ、今なんて?」
「え?鎮守府に帰投しましょうって‥‥‥」
「その次は?」
「"元帥"がお待ちです?」
「─────え"っ」
その後、ひとしきり叫んだ天龍と第六駆逐艦隊なのであった。
龍田は平静を装っていたが、若干動揺していたようだ。
そうしてしばらくして、鎮守府近海にまで戻ってきた。
「そういえばあなた方のお名前、聞いてませんでしたね。差し支えなければ教えていただきたいのですが‥‥‥」
「了解した。自分は相良宗介。無所属だが軍曹だ」
『アル、です。よろしくお願いします、ミス大和』
「はい、よろしくお願いいたします。ところで‥‥‥」
「なんだ?」
「その"カラクリ"、何なんですか?艤装もなしに浮けるなんて‥‥‥」
「説明は後にさせてくれ。長くなる」
「わかりました」
『──────軍曹』
「なんだ」
『彼女らの火力はあの鎮守府の方々と比べ物にならないほどです。練度がまるで違います』
「‥‥‥だろうな」
『‥‥‥彼女らが不憫でなりません』
「‥‥‥お前もそう思うんだな」
『軍曹』
「なんだ」
『私はOSであり、人間とほぼ同じ知識レベルです。軍曹がいつか、私に"決めるのはお前だ"と言っていただいた時から、そうです』
「何が言いたい」
『今はまだ完全ではありませんが、ある程度の感情はあるつもりです。それをお忘れなく』
「‥‥‥そうだな」
思ったよりもアルが頼もしいやつだった。
それも当然だ‥‥‥アルは本編ラストバトルで自分を確立させたのだから。
そんな強い状態のアルが味方なんだ、頼もしくない訳がない。
「‥‥‥礼を言う」
『‥‥‥いえ』
「─────アル」
『はい』
「───改めて、よろしく頼む」
『ええ、こちらこそ。よろしくお願いします』
アルとの絆が結ばれた気がした。
とても、長い1日。
To be continued.
《次回予告》
大本営からの援軍もあり、無事に帰投した宗介たち。
しかし、待っていたのはあの憎まれ提督ではなく初老の老人だった。
その老人は、海軍のポイントマンである事を宗介はまだ知らない。
次回、"下されるジャッジメント"
では、次回の更新でお会いしましょう。
ではでは(*´ω`*)ノシ
感想等待ってまーす(*´∀`)