3年A組 銀八先生!   作:カイバーマン。

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第零訓 運命の出逢いは時に最悪

天人という宇宙人達の襲来によって、支配された国『江戸』天人達の支配によって江戸の文明は比較的に上昇し、反対に古くから存在していた侍たちは、天人の権力によって強いられた『廃刀令』によって衰退の一途を辿っていた。そして今では稀少種の一人の侍が、こんな時代に不満を言っていた。

 

「ちくしょ~、天人達のせいで俺の財布からマネーがロストしていくよ、ふざけんなちくしょうこの台全然出ねえじゃねえかッ!」

「銀さん、玉が出ないのは天人のせいじゃないと思うんだけど、悪いのはアンタの運と欲望だから、パチンコ台にキレても何も始まらないからね」

 

廃刀令がしかられた江戸で腰に木刀を差した銀髪天然パーマの男、坂田銀時がかぶき町のパチンコ店内で台に向かって椅子に座りながら、ブチ切れていた。それを隣りで疎めるグラサンの男はまるで駄目なオッサン、通称『マダオ』こと長谷川泰三だ。彼も既に財布はほぼ空だ。

 

「銀さんやっぱり駄目だよ今日は・・・・・・一旦出直そうぜ、これはきっと神様が俺達なまけ者に嫌がらせしているとしか思えねえよ、俺もなけなしの金はたいてやっているのに全然玉が出ねえ、今日は家に帰ってHPを回復しようぜ」

「家が無いアンタにんなこと言われても全然説得力無えよ、家どころか宿屋もないアンタがどうやってHP回復すんだよ、やくそうも買えないくせによ」

「うるせえよッ! 俺には公園という名の家があるんだよッ! 無許可だけどさッ!」

「それ家って呼ばねえよ、勝手に住みついてるだけだろアンタが、くそ~もう財布もヤバイし確かに潮時か・・・・・・」

 

銀時が財布の中をチェックしながら長谷川に毒を言う。実はこの長谷川泰三、現在無職でありそのせいで路上生活を余儀なくされている、哀れなオッサンだ。昔は江戸幕府の天人が江戸に来るのを仕切っている、入国管理国局長という立派な仕事を持ち、キャリア道をつっ走っていたのだがとある事件を機に仕事を失うわ、妻に逃げられるわ。

今ではもうマダオ道を全速力でつっ走っていた。

 

「銀さんは良いよな~俺と同じマダオなのに家もあるし、仕事もあるし、暖かい家族もいるんだから、俺なんか家無いし、仕事無いし、妻のハツには逃げられてるからね」

「何言ってんだよ、家って言っても家賃催促してくるババァがうるせえし、仕事だって万事屋稼業だからそんなに収入ねえしよ、暖かい家族ってアイツ等そんな生っちょろいモンじゃないから、熱すぎるからね? もう家の中オーバーヒート寸前なんだから」

「そういうオーバーヒート一家も俺には羨ましいんだよ、アレ? そう言えば銀さんって結婚とかしないの? カミさんとかいれば銀さんの所も少しは安定するんじゃない?」

「俺が結婚する質に見えるか? 結野アナなら文句無しでOKだけどさ、俺の周りの女共はモンスター軍団だからね、結婚なんてする気にもならねえよ」

「ハハハ、だよな~銀さんが結婚なんて想像出来ないもんな、まず銀さんの妻になる人なんてこの世界にいるはず無いし・・・・・・・お来たリーチッ!」

 

二人でパチンコしながらそんな談笑をしていると長谷川が吸っていたタバコを口から落とすほど突然テンションアップする。どうやらパチンコで大勝ちのチャンスが来たらしい。銀時は自分の席から立って長谷川の後ろからそれを眺める。

 

「頼む揃ってくれッ! ここで外れたら俺は断食修行のスタートだッ! 悟りを開いちゃうよッ!」

「いやブッダさん断食修行だけしても悟りは開かないって言ってるからね、長谷川さんの場合は地獄の門が開くだけだから」

「地獄の門なんてとっくに何回も通過してるよッ! もう常連だからッ! そろそろ赤鬼さんと青鬼さんに顔覚えられてるよッ! 頼む揃えェェェェ!! マダオ卒業させてくれェェェェ!!」

 

テンション上がって吼えている長谷川に銀時は哀れと思いため息をついた

 

「駄目だこのオッサンとことん駄目だ・・・・・・ん? なんだこの小さな穴・・・・・・?」

 

ふと下を向いていると銀時の立っている所にゴルフボールぐらいの小さな穴が1つぽっかり開いていた。なんでこんな所にこんな穴があるんだ? 銀時がアゴに手を当て考えていると突然

 

「でッ!」

 

穴がブオンッと音と共に、大きくなり銀時をすっぽり入れるサイズになった。あまりの突然に銀時は驚いてそのまま穴の中に・・この現象に誰一人気付かないのも不思議だが、ここはパチンコ店。騒音が長く響いている大きな場所なので銀時の声も聞こえず、みんな自分のパチンコ台に夢中なので気づかないのだ。

 

 

「アァァァァァァ!!」

「だァァァァァ!! 外したァァァァ!! 断食修行スタートだチクショォォ!!!」

 

銀時は叫び声を上げて落ちていく(ついでにマダオも叫んでる)。

下へ、下へと・・・・・・・まるで底なんか無いように銀時は落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは普通の人間と魔法使いの世界が混合している世界であり、普通の人間は魔法使いの存在など知らずに生活しているが、魔法使いは裏の世界(魔法世界)に住んでいたり、表の一般世界で普通の人間に魔法使いだとバレないように暮らしている人もいる。

そして表の世界のある魔法使いが住む家にて今1つのアクシデントが舞い降りてきた。否、落ちてきた。

 

「おわッ!」

 

銀時は突然知らない部屋の中に黒い穴から排出され、そのまま床に「うぎゃッ!」っと声を上げて顔面から落ちる。

 

「あ~クソ痛ぇ・・・・・・・何処だよここ俺パチンコ店にいたんだよな・・・・・・」

 

銀時が頭をおさえながら周りを見渡す。ある部屋に落ちたのは確かだが、銀時には見覚えが無い物があふれている。銀時はおもむろに部屋の物を物色しようと、色々と探ってみる。

 

「知らねえモンが多いな・・・・・・ナメック語で書いてある本なんて初めて見たわ、まずここは何処だ・・・・・・? 江戸か?」

 

ひょいとベッドに置いてあった彼には見知らぬ言葉で書いてある本を持って中をパラパラ見る。そして誰のかわからないタンスを見て、本をベッドに放り投げて近付いて行く。そしてまるで空き巣の様に中を調べ始めた。

 

「中には女の下着か、大きさからして子供か・・・・・・てことはここ子供部屋か・・・・・・? 何で俺が子供部屋に落ちてきたんだよ・・・・・・?」

 

タンスの中に入っている物でここにはどんな人が住んでいるのかわかる。万事屋というなんでも屋をやっている銀時にはこういう知識が豊富だ。銀時は他に何か無いかタンスの中をゴソゴソと調べていると、突然階段を駆け上がってくる音が聞こえた。そして突然部屋のドアがバタンッ! と乱暴に開く。

 

「今の音はなんだッ! まさか本当に召喚魔法が成・・・・・・・功・・・・・・・」

 

突然部屋に入ってきた金髪の少女は開けて早々叫んだが徐々にトーンが下がっていった。

 

目の前には自分の下着を持っている銀髪天然パーマの男がいた・・・・・・

「こ、こ、この下着泥棒がァァァァァァ!!」

「違ェェェェェ!! これは誰が住んでいるかという調査であってッ! 断じて違うからッ!」

「何が調査だッ! この変態天パがッ! 下着ドロでここに来た事を後悔させてやるわッ!」

「うおッ!」

 

金髪の少女が銀時に向かって飛びかかる。銀時は持っていた少女の下着をポイッと捨てて、少女を受け止めるもそのままベッドに押し倒された。

 

「まず貴様が盗もうとした下着の持ち主をその脳に刻んでおけッ! 私の名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、貴様を塵に変える者だッ!」

 

自分の名を叫んだ少女は銀時の胸倉を掴んでぐらぐらさせる。一方的に犯罪者呼ばわりされる銀時も少しカチンときたのかすぐに反論する。

 

「だから下着ドロじゃねえっつってんだろうがッ! テメェも刻んどけ思い出にッ! 俺は坂田銀時、真っ当な人生を歩む『万事屋銀ちゃん』のオーナーだガキッ!」

「家宅侵入罪の奴の名など覚える訳が無いだろこの私がァァァァ!!」

「好きでお宅訪問した訳じゃねえよッ! 突然俺がいた所に穴が空いてそこから落ちたら、こんな所にポイッされたんだよッ!」

「そんな話信じられるわけ・・・・・・・え?」

 

少女は右手で思いっきり銀時の顔をグーで殴ろうとしたが、彼の声でハタッと止まる。

 

「てことは・・・・・・召喚魔法でお前が呼び出されたって事か・・・・・・?」

「・・・・・・何言ってんのお前・・・・・・? 呼び出されたってここ何処?」

「紛い物かと思い面白半分で召喚魔法をやったら、出てきたのがこんな死んだ魚のような目をした男・・・・・・?」

「何死んだ魚の目って、埋めるぞガキ・・・・・・さっきから召喚魔法って何だよ・・・・・・?」

「おい、お前は魔法使いにここに召喚されたと信じるか・・・・・・?」

「・・・・・・へ?」

 

少女と銀時は互いに混乱を交わらせながら時が止まったかのようにお互いを凝視していた。

 

これがかつて『白夜叉』と呼ばれた侍坂田銀時と、かつて『闇の福音』と呼ばれていた魔法使いエヴァンジェリンの初対面であった。

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