ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第2話:協力

「っ…!」

 

 

青年は、魔物の懐に潜り込み、刀での斬撃を当てる。

 

 

「…あの時と、変わらないな」

 

 

75層での戦い。

その時と、動きや癖が似すぎていた。

同じといってもいい程に。

だからこそ、一人でも対処ができていた。

決して効率がいいわけではない。

しかし、相手の攻撃を避けながらの青年はダメージを受けずに、ボスに僅かずつ、けれど着実にダメージを与えていく。

 

 

 

戦いの隙をついて武器を拾い、構える女性。

しかし、巨大なモンスターに1対1で挑み、善戦する青年に動きを止める。

 

 

「あいつ…」

 

 

戦い慣れしている。

それが女性が率直に感じた事だった。

それは武器の性能や、プレイヤーステータスといった意味ではない。

そうではなく、状況判断の面。

ある程度単調であるとはいえ、相手の攻撃を見切り、どう動くかの対処が上手い。

そいつから逃げて、撒こうとしかしなかった女性。

戦い、確実に追い詰めている。

この男が、あいつらの仲間でなければいい、という希望を持ちながら、女性は万が一に備えて警戒を続けていた。

 

 

 

やがて、HPのゲージ最後の一本が赤く染まる頃。

 

 

「っ…!」

 

 

青年は素早く懐から抜け出し、女性の脇辺りまで退避する。

 

 

「どうしたのよ。今の調子でいけば…」

「……いや」

 

 

女性が青年に意見をすれば、青年は否定する。

あのままいけば倒せたのではないか、という意見。

しかし、スカルリーパーもやられっぱなしではなく、自分の鎌を大振りする。

その範囲は広大で、青年が退避していなければ簡単に切り刻まれていただろう。

HPゲージが減ってきた影響か、攻撃が激しさを増し、近づくのが若干困難になっていた。

 

 

「……今だけ」

「?」

「あいつを倒す間だけ…協力するわ。どうしたらいい?」

「……」

 

 

どういった心境の変化か、女性が青年に討伐の協力を申し出る。

青年は武器を構えながら、女性を見る。

女性は恐怖からか若干震えながらも、スカルリーパーに対し武器を構えていた。

その様子を見た青年は。

 

 

「……奴の鎌は基本的に前方が攻撃範囲だ。俺が奴の攻撃は引き受ける…お前は隙を見て背後に回って攻撃しろ」

「…分かったわ」

 

 

できるだけ安全になるであろう方法を提示し、スカルリーパーに正面から斬りこんでいく。

とはいえ、今度の目的はダメージを与えることではない。

主な目的は注意を引き、背後に回らせる女性の安全確保だった。

一方の女性も、持ち前の速度を活かしつつ、木の影を利用しながらスカルリーパーの背後に回り込む。

 

 

「っ…今!」

 

 

スカルリーパーの注意は青年に向いており、背後はがら空きだった。

好機と判断し、女性は持っていた短剣で斬撃を与える。

 

 

 

蓄積したダメージと、相手の注意を逸らした斬撃が重なり、スカルリーパーは光の粒となって消滅するのだった。

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