ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第14話:圏内を目指して

シグレ達は、その後、森の出口に到達する。

その時。

 

 

『クリアを確認しました。承認フェイズを終了します』

 

 

ここに来る前と同じ、無機質なアナウンスが流れる。

 

 

「…」

 

 

シグレは一瞬顔を上げるが、それ以上は反応しない。

一方で、キリトは立ち止まり、何かを考えるように顎に手を当てる。

 

 

「?…どうしたの?」

 

 

そんなキリトに、フィリアが声をかける。

その声に反応し、シグレも歩みを止め、振り返る。

 

 

「ん…いや、ちょっと考えてたんだ。テストだとか、承認フェイズだとか…気になる単語が出てきたからさ」

「……それで、何かわかったのか」

 

 

シグレが問いかける。

けれど、キリトは首を横に振り。

 

 

「いや…いくつか仮説はあるけど、確証がない。もう少し何か…情報を集めないと……」

「…そうか」

 

 

キリトの言葉にシグレは追及をやめ、歩き出す。

 

 

「気にならないの?」

「…気にならない、といえば嘘になるだろうが…分からないのなら気にしても意味がない」

 

 

シグレは歩きながら。

 

 

「それに…俺がここで為すべきこと。それを為す上で…不要な情報だ」

「…為すべき事?」

 

 

シグレの言葉に、フィリアが興味を持つ。

しかし、シグレは頭に自分の手をあて、言葉を放つ。

 

 

「お前には関係のないことだ」

「む…」

 

 

突っぱねるような物言いに、フィリアは口を紡ぐ。

内心、そうかもしれないが、そこまではっきり言わなくても、等と考えていたフィリア。

しかし、シグレにはその思いは通じなかった。

 

 

「……」

 

 

一方のシグレはというと、先ほどと同じように、自分の記憶を辿る。

自分の記憶と、自分ではない自分の記憶。

相変わらず、どこがその境界なのか、自分でもぼんやりしていた。

二つの記憶が、混ぜ込まれ。

脳が、違和感をなくすかのように勝手に記憶を改竄してるのでは、と疑いたくなるほどに自然に一つになっていく。

現時点で、それほど違和感を感じられなくなってきている。

その混ざり合った記憶が『為すべきこと』を塗り潰すかのように、靄がかかったかのように。

…シグレの記憶を塗り潰すかのように。

 

 

「…シグレ?さっきから時々頭押さえてるけど…大丈夫なの?」

 

 

フィリアに声を掛けられ、ハッとするシグレ。

目を伏せ、手を下ろし。

 

 

「……問題ない」

 

 

それ以上は追及を許さないシグレ。

 

 

「…」

 

 

キリトも訝しげに見ていたが、フィリアの問いかけに対する答えを聞いて、追及を諦める。

 

 

「…そこよ。例の転送装置」

 

 

ふと、フィリアが一点を指しながら、目的地を告げる。

そこには、文様が刻まれた、宙に浮く石のようなオブジェクト。

それに、キリトが転移門のアクティベートをするように試すと、オブジェクトの文様が色づいた。

 

 

「…あの球体の中には行ったことはないけど、この先に、ホロウエリアの秘密がある気がする」

「あぁ…そうだな。見るからに怪しいし…俺も同意見だ」

「私も…一緒に行っていい?」

「当たり前だろ」

 

 

キリトがフィリアの問いに答えた直後にシグレに振り返り。

 

 

「もちろん、お前もだ。シグレ」

「……分かった」

 

 

キリトの念を押すような言葉に、溜息交じりにシグレも答えた。

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