ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~ 作:アルタナ
*** Side Kirito ***
混乱から生じる、静寂。
「…どういうこと」
その静寂を打ち破ったのは、階段の上から。
「ストレア?…もう大丈夫なのか?」
久しぶりに見た、ストレアの姿だった。
どれだけショックを受けていたかは何となく知っていたからこそ心配になったのだが。
ストレアはそんなことはどうでもいいと言わんばかりに答えない。
「シグレを見たって…どういうこと?シグレ…生きてるの?どこにいるの?教えて、キリト」
どこか慌てるように駆け寄ってくるストレアに改めて事情を説明する。
ホロウ・エリアという場所でシグレと会ったこと。
ここに戻る直前、どこかにいなくなってしまったこと。
すべてを覚えているようだが、少しだけ様子がおかしく見えたこと。
あのエリアのどこかにはいるはずだが、どこにいるか、までは分からないということ。
「…ありがと。アタシ…行ってくる」
「行くって…ホロウ・エリアにか?」
駆け出すストレア。
突然の行動に驚いたこともあって、止め損なってしまう。
「っごめん、話はまた後で!」
言いながら、駆け出す。
あの場所に一人で突撃は無茶すぎる。
フィリアがいてくれればいいが、ずっといるわけでもないだろう。
フィリアのように多少なりとも知っていればいいが、初見であの場所に一人で突撃するのはいくらなんでも危険すぎる。
そうして、転移門広場。
そこで一人、ストレアが佇んでいた。
「…ストレア?」
「ホロウ・エリア管理区…で、いいんだよね?」
「あ、あぁ…そうだ」
俯くストレア。
事情を聴くと、転移できなかったらしい。
理由は、分からない。
「…転移、ホロウ・エリア管理区」
俺が転移をすると、無事に管理区に入れた。
…誰も、いないか。
「…転移、アークソフィア」
もう一度転移をすると、アークソフィアに戻れる。
ストレアはその場で待ってくれていた。
「…ひょっとしたら、パーティを組めば一緒に行けるかもしれない。試してみてくれるか?」
「え、うん…」
ストレアとパーティを組み、もう一度転移してみる。
今度は。
「え?あれ、ここ……」
ストレアが突然変わった景色に驚く。
どうやらうまくいったようだった。
ストレアはその景色に見覚えでもあったのか、
「…どうかしたか?」
「え?あ、うん…何でもない」
それでも、言葉を濁すストレア。
「…?…ちょっと待っててくれ」
フィリアからメッセージが来たので確認する。
俺が転移した後、フィリアはシグレを見つけ、パーティで行動しているとの事だった。
メッセージに返事を飛ばす。
「さっき言った、フィリアって子が…今シグレと一緒らしい。とりあえず、外に出よう」
「っ…ん」
俺の言葉に、ストレアは胸元に手を当て、頷いた。
不安半分、期待半分、といったところなのだろう。
そんなストレアの様子を確認し、外のエリアへの転移をするのだった。
*** Side Kirito End ***