ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~ 作:アルタナ
直葉から詩乃に連絡を取ってもらい、数日後。
和人、直葉、詩乃の三人は、詩乃が住んでいるアパート近くのファミレスに来ていた。
とりあえず、ドリンクバーを注文する三人。
「…何か食うか?」
「いらないわ。それより…直葉から聞いたのだけど、どういう話?先輩のことって…」
「まぁまぁ、落ち着いてくれよ。ちゃんと話すから…」
少し苛立った様子の詩乃に、和人が宥めるように言う。
詩乃からすれば、何年も思い続けてきた人の死を受け入れるのに必死なのだということは容易に想像がついた。
そこに、不意に想い人の話題を出されれば、自分達だって詩乃と同じ反応をするかもしれない。
「…ただ、先に言っておくが、これは俺の推測なんだ。だから…」
「間違ってても文句言うな、ってところでしょ?分かってるわよ」
保険をかけるような和人の前置きに、被せてくる詩乃。
乱暴に言えば、御託はいいからとっとと話せ、ということなのだろう。
じっと探るような視線を和人に向ける詩乃に、和人も直葉もそう感じた。
「それもあるけど、もし間違ってたら君の心の傷を余計に抉ることになるかもしれない。だから…」
「…それはつまり、何かしら希望があるってことでしょ?」
和人の心配に、最終的には溜息を吐く詩乃。
その反応は、どこか彼女の想い人に似ている気がした二人。
「…だったら、それだけでも十分に聞く価値があるわ。というより…話してくれなかったら、逆に恨んでたわよ」
「そりゃ何より」
詩乃の言葉に、和人は苦笑しながら返す。
とはいえ、ここからの話題は、人の、あるいは目の前の彼女にとっては大切な人の生死に関わる話題。
だからといえばだからだろうか。
少しばかり、真剣に。
………
……
…
そうして話し始めた和人。
和人はSAOに知識がありすぎることもあってか、説明足らずになってしまうところを直葉が補足しながら。
詩乃はそんな二人の話を一言一句聞き逃すまいと耳を傾け、また、分からないところは二人に質問を投げかけながら。
そうして、数十分は話しただろうか。
「…なるほど。話だけなら確かに…あんたが言うことを否定する理由はないわね」
もともと本を読むのが趣味だったからか、即座の理解が難しそうな情報量であってもなんとか理解をする詩乃。
とはいえ、さすがに情報量が多かったか、ふぅ、と溜息を一つ。
「でも、その推測…強ち間違いとも言い切れないわ」
「…どういうことだ?」
詩乃の言葉に、今度は和人が聞き返す。
「それは…」
詩乃が話し始めようとした瞬間。
「お待たせいたしましたー。フライドポテトになりますー」
突然の店員に、詩乃は驚いて店員を見る。
直葉も気付いていなかったのか、少し慌てて店員を見る。
見れば店員は営業スマイルを浮かべており、毒気を抜かれる二人。
「ごゆっくりどうぞー」
中央にフライドポテトの山盛り。
その脇に取り皿三枚。
「……」
「……」
視線の先を失った二人は和人へと視線を向ける。
文句があるわけではない。
ないのだが、いつの間に注文したのか。
というか、なんと間が悪い。
「…なんか、ごめん」
蛇に睨まれた蛙の如く、なんとか言葉にする和人に。
「でもファミレスで何も頼まないでいるのも悪いなと思って、さ…」
「…まぁ私はいいけどさ。ちょっとお腹空いてたし」
「……少し、休憩にしましょうか。飲み物とってくるわ」
溜息交じりに、少し休息を挟むことを提案する直葉と詩乃だった。