ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~ 作:アルタナ
その頃。
「えぇと…武器は本当にそれでいいの?」
「はい、ALOでは剣が得意だったのでっ」
「ならALOの方に行けばよかったのに」
水色の髪の女性―シノンが、紺色の長髪の女性―ユウキに確認するように尋ねていた。
今二人がいるのは、どこか近未来的な雰囲気漂う武器屋。
そこは、GGOの中だった。
(なんでこうなったのかしら…)
GGOでは使用者が殆どいない武器、光剣を手に喜ぶユウキに見えないように、シノンは少しだけ溜息を吐いた。
別にユウキが嫌いだとか、嫌悪感を抱いているわけではない。
ただ、人付き合いがそこまで得意ではないシノンにとっては、誰かと行動するのは想定外だった、ともいえる。
途中参加で実力が劣っていたSAOならいざ知らず。
「……剣が得意とはいっても、ハンドガンの一つくらいは持ってたほうがいいと思うけど、どうする?」
「えぇと…何かおすすめとか…あったりします?」
「そうね…」
そうして、シノンは成り行きとはいえ、ユウキの面倒を見るようになっていた。
それほど社交的でなくともそうしようと思ったのは、女性プレイヤーが少ないと思っていたこともある。
現実側で知り合ったこともある。
とはいえ、半分はシノンにとっては気紛れだった部分もある。
それでも、偶にはいいかと、そう思わされる何かがあった。
そんなこんなで。
「…どう?」
「うん、いい感じかも」
シノンが見繕ったハンドガンを手に答えるユウキ。
実際、撃ってみないと、という部分はあるだろうが、手には馴染んでいるらしく、片手で構える様子がそれなりに様になっていた。
「…じゃ、会計しましょうか」
「え?お金ならボクが自分で…」
「貴女、コンバートしたばかりでしょ」
ALOにいたことは聞いているが、コンバートとはいえ所持金を引き継いでいるわけではない。
ユウキはメニューを確認し。
「…あ、あはは」
乾いた笑いしか出なかった。
それにシノンは一つ溜息。
「お世話になります…」
「…いいわよ。この借りは、きっちり返してもらうから」
前衛はよろしくね、と笑顔で言うシノン。
ユウキは笑顔が若干引き攣っていた。
「まぁ冗談はさておいて。一回試し撃ちしてみた方がいいんじゃない?」
「フィールドに出るんですか!?」
「え?あ、えぇ……」
シノンとしては、射撃練習場を勧めようとしたのだが、ユウキがあまりに楽しそうに言うので。
「…そうね。出てみましょうか」
どこかやれやれ、といった感じでそう答え、ユウキが先導する形でフィールドへと向かうことにした。
そうして、転移門に近づいたところで。
「…じゃ、行きましょうか」
「はい!」
二人はフィールドに転移する。
…その直後、誰が落としたのか、近くに一枚のビラが落ちた。
ひどく痛んでおり、それでも辛うじて読めた表題には。
『賞金首討伐依頼:謎のニュービー「Sigure」の討伐』
そう、書かれていた。