ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

45 / 251
第41話:合流と、新たな決意

そんなこんなで74層に戻る。

目的は、キリト達との合流。

とはいえ、それほど苦労することもなく。

 

 

「おかえり、シグレー」

 

 

三人いるうち、ストレアがシグレに気づき、大きく手を振ってこちらに声をかけてくる。

ストレアはそのまま勢いで駆け寄り。

 

 

「ぎゅー」

「……」

 

 

そのままシグレに抱きつく。

シグレはといえば、こういったことに慣れも耐性もないので固まるだけ。

しかも通りのど真ん中ともなれば目につくわけで。

 

 

「……とりあえず離れろ?」

「えー、やぁだよっ」

 

 

シグレが恥ずかしさ半分の溜息交じりに言うが、ストレアは聞く耳持たず。

それどころかシグレの胸元にぐりぐりと顔を押し付けてくる。

敢えて言うなら子犬のようであった。

 

 

「……?」

 

 

そんなこんなでストレアをどうしようかと考えていると、左腕にサチが抱き着いてくる。

そんなサチの視線の先にはストレアがいて。

 

 

「おぉ、やるねぇ」

「…負けないから」

 

 

面白そうに言うストレアに真剣に返すサチ。

そんな二人にそろそろ離れるよう声をかけようとしたら、今度は右腕に。

 

 

「むぅ」

 

 

軽く頬を膨れさせて抱き着いてくるアスナ。

シグレを蚊帳の外にして張り合う三人。

そんな三人を他所目にキリトを見て。

 

 

「……どうなってるんだ、これは」

「まぁ、頑張れ」

 

 

尋ねれば、キリトには苦笑しながら言われるだけ。

 

 

「……はぁ」

 

 

シグレとて、彼女らの想いに含まれる何かに察しがつかないほど鈍感というわけではない。

しかし、シグレは自惚れるつもりはなく、溜息をついて誤魔化すだけだった。

 

 

「…」

 

 

とはいえ、ここまでされればいくらシグレでも情が湧くというもので、この時シグレはある事を決意した。

それは、誰にも伝えない、シグレ一人の中の決意。

 

 

…たとえ、自分の身が滅びようとも、自分の周りにいてくれる四人のことは必ず守る、と。

 

 

「……」

 

 

そんなシグレを、ストレアはじっと見る。

さっきまでの明るい様子が僅かになりを潜めている。

 

 

「…どうした?」

「ん?…んー、何でもないよっ」

「…?」

 

 

シグレが声をかければ、誤魔化すように笑うストレア。

シグレのその様子には、少しの違和感もなく、シグレも疑問符を浮かべるだけだった。

宿に戻り。

 

 

「笑う棺桶のアジト…?」

「あぁ」

 

 

夕食時は、キリト達が仕入れてきたという情報についての話題となった。

笑う棺桶というギルド。

シグレは基本ソロ活動だったので情報に疎かったこともあったが、その存在自体は耳にしていた。

HPが0になれば現実で死ぬこの世界で、快楽的に殺人を行う集団。

これが普通のゲームであればそこまで問題視はされなかったかもしれないが、ここではそうはいかない。

 

 

「…明日、攻略組のトップギルドが協力してアジトを強襲するらしい」

「……ということは、それなりの準備ができた、ということか」

「だろうな。とはいえ、相手が相手だから油断はできないけどな」

 

 

キリトの言葉に、シグレは考える。

油断はできない。確かにその通りだ。

だがそれ以上に気になるのは。

 

 

「…強襲というのは相手に勘づかれていれば待ち伏せを受けて不利に陥る可能性があるが?」

「そこはおそらく、数で押すつもりなんだろ。実際、かなりの数のギルドが参加しているんだ」

 

 

そこまでキリトが言うと、サチが続ける。

 

 

「参加するのは、攻略組のトップギルド、血盟騎士団、アインクラッド解放軍……」

 

 

その後もサチはギルド名の列挙を続ける。

確かに数だけは多い。

だがそうなれば実力に差が出てきて、実力が劣れば犠牲になる可能性が高い。

 

 

「…最後に、月夜の黒猫団」

「っ…」

 

 

そうして最後に挙げられたのは、シグレが一時的に属していた、そしてサチがメンバーであるギルド。

シグレにとって、27層のトラップで文字通り死にかけたのは記憶に新しい。

それから彼らがどれほど強くなったのかは分からないが、おそらく危険は大きい。

 

 

「ねぇ…シグレ」

「…?」

 

 

サチに呼びかけられ、シグレはサチに視線を向ける。

その視線に、シグレは言いたいことを察し。

 

 

「…キリト」

「分かってる、明日の討伐に俺達も参加申請をしてきた。シグレとアスナは事後報告になって悪かったけど…」

「…わかったわ。シグレ君も…いいよね?」

「あぁ」

 

 

討伐参加に5人も参加をすることが決まり。

 

 

「…じゃ、今日はもう休む?」

「あぁ。そうだな…疲れというより、回復目的だけど」

 

 

ストレアの言葉に皆が異存はないらしく、部屋を分けて休むこととなった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。