ソードアート・オンライン ~戦い続けるは誰が為に~   作:アルタナ

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第43話:闇の中の、殺し合い

そうして、辿り着いたアジト。

 

 

「……」

 

 

そこは、見渡す限りの闇。

 

 

「…暗いね」

「声を出すな…勘づかれる」

 

 

一寸先は闇、という言葉があまりに似合いすぎるその場所では、どこから襲われても文句は言われなさそうで。

シグレとストレアは互いの死角を庇うようにしながら奥へと進んでいく。

シグレはストレアに注意しながら進んでいく。

辺りを包んでいるのは静寂のみ。

 

 

 

…しかし、その一言が油断となってしまったのか。

 

 

「…来る」

「っ!」

 

 

シグレが刀を抜きながら呟く。

それに反応するようにストレアも剣を構える。

静寂を切り裂くように音なく迫ってくる脅威に。

 

 

「…そこかっ!」

 

 

シグレは刀を振るって目の前に迫ってくる暗殺者を、まるで見えているかのように的確に討つ。

一方で。

 

 

「くっ…!」

 

 

ストレアは対応しているとはいえ、やや防戦気味だった。

彼女も実力自体はシグレに劣るわけではないのだが、ここに至るまでに培った気配感知の力の差が効いていた。

更に言えば、その差に気づかないほどシグレも鈍いわけではない。

ストレアの様子とHPの減少具合を見て、シグレは判断をする。

 

 

「……転移、はじまりの町」

 

 

シグレは転移結晶を取り出し作動させる。

そして。

 

 

「…行け」

「え…?」

 

 

シグレはそれを、ストレアに押し付ける。

転移直前のそれは、強引に持ち主をシグレからストレアに移し。

 

 

「ちょ…何してるのシグレ!?」

「…このままでは危険だ。退け」

 

 

ストレアは光に包まれながらシグレを非難する。

作動を開始したそれを止めることはできない。

 

 

「…足手纏いになるなら置いていく、という約束だったはずだ。忘れたか」

「だめ、ダメだよシグレ!こんな状況で一人になったら……!」

 

 

ストレアは手を伸ばそうとするが、シグレには届かない。

やがて、ストレアを包む光は強くなり、彼女はその場から姿を消す。

転移に成功した証ともいえる。

 

 

 

 

 

そうして、一人になるシグレ。

さすがに無傷とはいかずとも、暗殺者集団の数を減らしながら奥へと進んでいく。

 

 

「…ここは」

 

 

気配を感じなくなり、納刀しながら進んでいくと、やや明るい大部屋の中に入る。

とはいえ、場所が場所だけに警戒は解かず、いつでも刀を抜ける状態のまま。

暫く辺りを見回していると。

 

 

「お見事だな、幻影の死神?」

 

 

パチ、パチ、と手を叩いているのか、拍手の音を立てながら近づいてくる気配を感じる。

シグレは声の方に視線を向ける。

相手は目深なフードで視線を隠しているが、口元には笑みが浮かんでおり、武器を手に取る様子もない。

 

 

「……武器を取らないのか?」

「いいのか?武器を持ってない今なら、殺せるかもしれないぜェ?」

 

 

シグレは刀を抜きながらフードの相手に問いかけるも、武器を抜いてこない。

しかし、なぜか警戒を解かせない雰囲気を、フードの男は纏っている。

 

 

「いいねェ…じゃあ、始めようか。『殺し合い』ってやつを!」

「……ふん」

 

 

それを本当に楽しそうに言うフードの男は、包丁のような武器を実体化させ、愉快に笑う。

シグレはそれに、表情一つ変えずに刀を構える。

 

 

そうして、合図をしたわけでもないのに、お互いほぼ同時に、互いに向かって駆け出す。

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